July 31
モーバイルFAXネットワーク三重苦物語編
July 29
山本式ウインドシールド境界層制御装置(ボルテックスジェネレーター PAT PEND.)の製作
July 26
W-CDMAのその後
July 24
雑誌のプログレ評を考える
July 21
風水学的ノイズ対策のナゾ(知的探求心ガス抜き効果編)
July 18
四季報と不良債権のナゾ(1998版)
July 14
x86CPUクロックアップの源流を探る(元祖IBM-PC用原発のっとりボード編)
July 9
Xeonの能力、寿命と雑誌評論を予想する編
July 7
ねばるSocket7マザーボード(ASUS SP-97V)のナゾ
July 5
再度某雑誌による当ホームページパクリ疑惑
July 3
山本式Gセンスカーエアコン制御装置のナゾ
Webmasterに依頼が来た。なかなかの難物である。要求は
1.ノートパソコン内蔵モデムでインターネットにつなぐ。 2.ノートパソコン内蔵モデムでFAXを送る。 3.ノートパソコン内蔵モデムからPHSのみなし通信でインターネットにつなぐ。 4.ノートパソコン内蔵モデムからPHSのみなし通信でFAXを送る。 5.ノートパソコンにLANカード(10BASE-T)を差してインターネットにつなぐ。 6.ノートパソコンに携帯電話用電子カードを差して、携帯電話からインターネットにつなぐ。 7.ノートパソコンに携帯電話用電子カードを差して、携帯電話からFAXを送る。 8.ノートパソコンにPHS用電子カードを差して、PHSからインターネットにつなぐ。 9.ノートパソコンにPHS用電子カードを差して、PHSからFAXを送る。である。ちょっとモーバイルに詳しいヒトならなかなか難物であることが解るだろう。Webmasterは1,2,3,4,5しかやった事が無い。余計なカードを買うのはカネがかかる上に実効性に乏しいからである。そんなカネがあったら温泉にでも行った方が良い、というのが持論だ。
モーバイルから携帯電話カードやPHSカードを使ってFAXを打つのは意外に難しいのはウスウス知っていた。ユーザーから多くの苦情がキャリアやメーカーに寄せられているのも知っていたし、ベテランモバイラーがカードとケーブルを多数用意して複雑な設定と戦っているのも聞き及んでいた。実は”見なし通信”が遅いがオールマイティーであるのも当然知っていた。
そこで、エライさんに、”私に電話をいただければFAXを打っておきますから、、、、、”と妥協案を示したがダメであった。今回は”モーバイルの限界を見極める”のが目的なので、”来るべき電子カルテ時代に備えてモーバイルの全ての可能性を試すベシ”との指令である。それなら少々の出費も致し方ない。
まず、1と2はFAX機能付き内蔵モデムがきちんと設定されていれば簡単である。出先でも室内電話か公衆電話にアナログのモジュラーコネクタがあればなんと言うことは無い。
3と4も、イヤホンジャック付きPHS(例えばDDIのPS-501)とセルラーケーブルの相性さえ良ければ実に簡単なことはこちらに書いた。Webmasterは見なし通信で何十時間と接続したが、14400bpsでも極めて安定していた。たまたまPHSとケーブルの相性が良かったからかも知れないが、わざわざ複雑で訳のわからないPIAFSカードにカネを投じる気はまったく無かったし、今も無い。
5も比較的簡単だ。機械によっては内蔵モデムと干渉するかもしれないが、ネットワークとPPPの設定で、それぞれ別個のDNSを指定しておけば別に問題はない。個人的にはLANカードとモデムの併用ぐらいが関の山で、それ以上はWin95も迷惑するだろうと思う。
だんだん条件が難しくなってきた。まず6は比較的簡単に行った。というか、SEがやってくれた。問題は7である。実は従来の携帯電話用カードはFAXが送れない。最近のFAX機能付きカードでは”信之助”とか言うソフトの類を使ってパソコンのポート設定をだませば可能で、通常のMS-FAXでは不可。うすうす知っていたが、パソコンをだます設定ではまってしまった。
さて問題はまだ続く。PHSカードからPIAFS接続だと相手がPIAFS対応プロバイダーで無いと繋がらない。PIAFS対応プロバイダーで無ければPTEという変換サービス(有料+\10/min)を使うか、あるいは見なし通信が必要になる。
NTTだと従来のPIAFカードではFAX不可だが、最近のFAX機能付きPIAFSカード(DC-2P類)だとソフトでパソコンをだます細工をするとFAX-PTE経由によるFAX送信のみ可能?
エリアで有利なDDIだとαDATA接続ではCSにプロトコール変換機能があるので通常のモデム、FAXとISDNに繋がるが遅い?しかしPIAFSに繋ぐにはαDATA端末ではダメでαDATA32仕様のPHS端末が必要?さらにハードやソフトはキャリアによって異なり、実速度もまちまち?
なんじゃこら??いったいどうなっているの??以上の事を普通のユーザーが理解できるであろうか?あまりに複雑なので、間違ってるかも。これに答えるハズのPHS Internet Access Forum FAQが大笑い。答えが”各事業者にお問い合わせ下さい。”ばかりである。こんなページはトラフィックのムダである。
というわけで、PCMCIAカードを抜き差しし、ソフトの設定をあれこれいじっているとハングしてしまった。いくらPlug and Playと言っても、ネットワークが絡んでいる活線抜き差しは不可である。
やはり内蔵モデムで直接公衆電話のモジュラーにつなぐか、あるいはPHSの見なし音声でつなぐのが一番安価でソフト、ハードの問題が少ないのではなかろうか。なによりカードやケーブルを何種類もジャラジャラ持っていくのはカッコ悪いし、カードを差す度に電気もよけいに喰うからである。
カードのコレクターならハナシは別だが、カード類を買えば買うほど関係する外郭団体の〒マーク類が増えるばかりである。最近不景気のせいか、PHSの見なし通信についてWebmasterの所へ雑誌からの取材がいくつかあった。
実は恐れている事がまだある。TAカードを差せ、と言われたらどうしよう。
ところで、以前から、
Windows95でインターネットEthernet、Dial-up他のコツ集大成(3/24)
PPP接続をロハで高速化する方法のナゾその2(山本式ブロックモード設定であと15%稼ぐ編)
で書いているように、モデムのカタログ性能はまったく当てにはならない。同じカタログ性能でも天地ほど差がある。さらに、内蔵モデムやカードモデムは外付けモデムよりかなり性能が劣る。このWebmasterの主張を裏付ける面白いデータが、こちらにある。
これはメーカーが複数のプロバイダーに接続して外付けモデム、内蔵モデム、カードモデムの性能を比べたものだ。全く同じ仕様のモデムでも外付け、内蔵、カードモデムの順で50kbpsでうまくつながる率が減っている。外付けモデムでは殆ど50kbpsでつながるのに、内蔵式モデムでは半分以下、カード式ではなんと3分の1以下の確率でしか50kbpsで繋がらない。カタログ仕様がいかに信用ならないかをメーカー自体が認めている。
そもそも56kbpsからしてNTTの送出レベル基準では理論的にムリで、国内ではせいぜい50kbps程度でしか繋がらないと言う。かといって送出レベルはアナログ3種以上の免許が無いと変更できないし、安定して56kbpsを保証するレベルは法に触れるかも知れない。こういうのを羊頭狗肉モデムと言うのであろう。
Webmasterの興味の対象の一つが流体、特に渦の生成である。以前から渦をもって渦を制するというボルテックスジェネレーター(VG)について、
ボルテックスジェネレータのナゾ
最近エアコン技術とVVVF制御車両の音のナゾ(本当に冬使い物になるか編)
に書いた。VGの原理については、こちらが分かり易い。物体の表面付近を流れる風(境界層)は、上の層に比べ流速が遅い。このため急に風向が変化すると剥離してしまう。VGは境界層にわざとコントロールされた渦を発生することにより、境界層の剥離を防止する。
飛行機への応用は以前から行われており、写真は科学技術庁航空宇宙技術研究所のUSBフラップへの応用例である。USBとはパソコンのそれではなくて、エンジン排気を翼上面に強制的に流して揚力を発生し、短距離での離着陸(STOL)を可能にするメカである。写真のように風を曲率の高い翼とフラップに流すために境界層が剥離しやすい。これを防ぐためにVGが使われている。
ボルテックスを発生するのは、板だけに限らない。右図は航空自衛隊のリンクだが、主翼前端になぜか切り欠け(ドッグツース)があるのが見えるだろうか。これは大迎え角の時に切り欠き部の圧力差からボルテックスを生じて境界層の剥離を防ぐとともに亜音速域で翼端失速を防ぐ。この部分は抗力も発生するハズだが、西側の機体にあまねく採用されている所を見ると、抗力以上のメリットがあるのだろう。
VGが面白い所に付いている機材もある。写真はこのほどBoeingに買収されたMD-11のリンクである。WebmasterにとってMD-11系のエンジンに生えた小さな翼は20年来のナゾであったが、やはり大迎え角時にボルテックスを発生しエンジンの陰となる翼上面の揚力を安定化するモノだそうだ。写真のエンジンに見える小さなトゲがそれだ。
MD-11には主翼端にウイングレットという小道具も見える。翼上面は下面より圧力が低い。このため翼端では下から上に回り込む気流のために渦を生じてこれが抵抗となる。この小道具はVGの原理で逆に渦を打ち消すシロモノらしい。
古くはMIG-17などの亜音速機にも見られる。リンクは(c) by BenRogersのもので、翼上面に2個境界層制御板が見える。これも同様に亜音速域での翼端失速と大迎え角対策であると言う。旧共産圏の機体にはこの手の大きな境界層制御板が使われている事が多く、西側陣営の翼切り欠け(ドッグツース)と対照的である。おそらくこの方がドッグツースより構造や製作が簡単だからだろう。
民生品でもM菱のエアコン室内機の排出口にもVGが使われている。エアコン暖房では風を垂直下方に出す必要がある。しかしラインフローファンの性質から、風向を急に曲げるとロスが出る上にエアコン下面の角で乱流が発生し、下方への風が乱れてしまう。M菱はエアコン排出口の奥にVGを多数並べて渦を発生し、エアコン下面での境界層気流の剥離を抑えているのである。
他にもファンブレードなどに細かい切り欠き(セレーション)を並べたモノがあるが、これもボルテックスを発生することにより境界層の剥離を安定化し騒音を低下するもので、各社のエアコン室外機に使われている。
Webmasterは以前からVGの車への応用を考慮し基礎実験(右図)を繰り返してきた(大笑)が、その成果がこの程山本式ウインドシールド境界層制御装置(PAT PEND.)として完成した(笑)。試作品は2種類であり、第一号は塩ビ製アングル材による矩形のモノ(2cm角長さ4cm)、第二号は5インチフロッピーの外皮を応用した三角形のモノ(長さ7cm、高さ2cm)である。安全を考えていずれも柔らかい材質を選んである。
VGはは写真のごとくボンネット後端付近に正面に対して30度傾けて設置する。正面からの風はVGの斜面に当たって高圧域を作る。VGの裏は当然低圧域となる。このため高圧域から低圧域に向かう風が渦を発生するハズ。
この渦はボンネット後端で剥離する事なく、ウインドシールド表面に沿って上昇する。この事によりウインドシールド表面での境界層がコントロールされ、安定した気流が生じる事により水滴の流れが規則正しくなり、また撥水剤の効果がより低速から期待できるハズだが。。。。。。。
で、この装置を設置してから雨を待っているのだがピーカンばかりで全然雨が降らない。というわけで効果の程はまだ不明な所が残念である。効果は気分的なモノで一種のジョークだが、少なくとも流体の勉強材料としては適している。今後もこのページのポリシーとして最高速がマッハいくつでベンチがどーたかーたといったスペックではなくて、このような成書に記載されていない小細工に焦点を当てて行きたいと考えている。
先日某国営放送を深夜見ていたら、W-CDMAの特集をやっていた。CDMAに関しては,
大団円を迎えたCDMAのナゾ
”みかか”のWCDMAのナゾ
今日の一言自己採点(CDMAなど)
受話器の長さのナゾ
続スペクトラム拡散通信(CDMA)
スペクトラム拡散通信CDMA
と総力特集?を組んできた。放送のハナシのスジはこうである。ITUの西暦2000年の携帯電話規格を日欧米が競っている。いろいろの紆余曲折を経て日欧が組み、すでにCDMA-ONEで実績のある米と規格を争っているが、なかなか折り合わない。
そこで実用化で先行している米国は伝家の宝刀特許問題を持ち出してきた。それまで威勢が良かった某社幹部も特許問題になるとしどろもどろだ。W-CDMAがQ社の特許に抵触するかどうか洗い出している所だと言う。この予想に関しては、
で、Webmasterは、”さて私の読みは、やはり国内ではみかかがゴリ押しでWCDMAを進めると見る。しかし基本特許問題であえなく躓くと見る。みかかは、CDMAにおけるQアルコムの知的所有権を甘く見ているような気がする。”、と書いたが、その方向に推移している。さてどうなることやら。
Webmasterはパソコン雑誌と同じように、なるべく自動車雑誌を見ないようにしているのだが、ついNAVIを読んでしまった。CGが、NAVIがプログレをどう評するかに興味があったからである。
CGはほぼ予想通りつまらなかったが、NAVIはおもしろかった。まず司会氏は、自分の印象がネガティブと断って議論を始める。司会氏の予想を裏切って、自動車評論家のT大寺氏は、国内外の同クラス車のなかならプログレを買う、と発言し紛糾する。低レベルの司会氏に対してわざと議論を仕掛ける手法は見事なものだ。
司会氏は、T氏のスタイル重視の姿勢と矛盾するのでは無いかと興奮気味。T氏は、スタイルとは単に車のスタイルでなく(エコ重視社会での *Webmaster注)生活スタイルの事を言っているのだと反論するが、司会氏には理解できない。(写真はこちらのリンク)
Webmasterの解析によれば、司会氏には”小さな高級車というのは欧州車であるべき”との固定観念があるように思えた。このパッケージ重視の国産胴長短足高級セダンは神聖ニシテ侵スヘカラサル領域に浪花節で踏み込んだヲジャマな存在に見えたのだろう。そのネガティブな反応は”小さな高級車”に対するダブルスタンダードあるいはアンビバレンツの現れだろう。
まあ、NAVIの編集部が誉める車は売れず、けなす車が良く売れるのは有名。Webmasterは月3000台では足らないと見ている。というのは、しばらくセダンの入れ替えが無かったご近所で既に繁殖しているのを見てしまったからである。実物は小さいがマッシブに見えた。
Tヨタにして見れば、こちらに書いた通り、オイルショック時のターセルとバブル時のコロナリムジンと並ぶ壮大な実験だ。この胴長短足の国産セダンで、小さな高級車が成立するか、である。
欧米高級車ユーザーは勿論のこと、エコ指向の欧州安物車ユーザー、浪花節的国産高級車ユーザー、さらにはSUVに流れた客までを吸収しようと言う壮大な実験である。うまく定着すれば中古車市場にもウマミがあると言う物だ。
一方、NAVI編集部が誉めていたスカイラインが売れないのは間違いないところだ。NAVIという名前に反して、この雑誌の指し示す方向と逆に未来はあるように思う。
Webmasterの趣味の一つに電子機器のノイズ取りがある。このページにも山本式スーパースロットスタビライザー、クルマの防錆塗料、ステアリング振動、パソコン静音化計画、というようにノイズ、サビ、振動などのジャンク対策を書いてきた。
Webmasterのノイズ対策の原点は小学生時の真空管アンプにある。真空管では電源ノイズ(ハム)対策にノイズバランサーや直流点火などを試した記憶がある。次はアマチュア無線での経験だろう。周波数が高いと回路通り自作してもまず動かない。有名メーカー製品でも配線の取り回しやネジの締め具合によっても性能がガラリと変わることはザラだ。
大学院では、サルが仕事をする間の神経細胞の電気活動を記録していた。サルが動き回っても記録にノイズがのらないように、電極や電気的回路だけでなくメカニカルなNVH対策を仕込む必要があった。当時名古屋に住んでいたので、この対策を学ぶために中京地区の自動車工場などをいろいろ見学させて貰った。
最近ではもっとも神経をすり減らしたのは、液体ヘリウムで冷却したジョセフソン素子を用いてヒトの脳から出る微弱な磁気を記録する超電導量子干渉装置(SQUID)の仕事だった。NYで新型の多チャンネルSQUIDを研究していたがうまく動かない。
Webmasterは神経生理の研究者だったのだが、SQUIDのノイズ対策から、DSPフィルター、インターフェース、解析ソフト、表示グラフィック開発まで手がけた。特にSQUIDのロックアンプのノイズ対策とチャンネル間の電波干渉に苦労した。技術に明るい方なら、この経験とページの内容との関連が解っていただけると思う。
その時感じたのは、電線は所詮電線であり、それが繋がっているからといって等電位を保証するものでは無い、という事である。この考えは電流帰還アンプでいかにスピーカーやケーブルのインピーダンスに対処するか、という問題に繋がっていく。山本式電流帰還アンプでは、逆に電線の抵抗を帰還素子として使うことにより、実質的追加部品ゼロとしている。
このような経験からWebmasterが独自に編み出した風水学的ノイズ対策(PAT PEND.)の奥義を紹介したい。それは、
風水学的ノイズ対策の神髄はノイズのヌケ具合にある
という事だ。まずモデムの写真を見て欲しい。この外付けモデムでは、全ての電線にノイズフィルターが入っている。一見完璧な対策に見えるがベストでは無い。モデムにはRS232Cライン、電話線、電灯線から各種ノイズがやってくる。内部ではマイコンなど多くのチップがノイズを発生している。
このように全ての入出力にフィルターをかませてしまうとノイズの出て行くところが無くなるので良くない。フィルターはノイズを吸収して熱に換えるが、一方電線から見るとインダクタンスが増えて窒息(チョーク)されてしまい、回路自体が浮いてしまう。出ていく先の無いノイズは最も重要なアナログ回路に回り込み、トータルでのノイズ対策に失敗する可能性がある。
山本式風水学的ノイズ対策では、この場合電源もしくはRS232Cのフィルターをはずして見てノイズのヌケ具合を見るのである。実はSQUIDのロックアンプの問題もフィルターを一つはずすことによって解決した。
風水学的ノイズ対策では気の流れ、つまり電気、空気、熱気、ノイズのヌケを重視するのである。メカニカルな振動も同じであって、全てを完全剛体として結合すると良くない。どこか柔らかいポイントを作らないとムリがたたってヒビが入ったりするのである。
風水学的に考えるとすべての個体、それは機械であれ、ヒトであれ、植物であれ、すべて内部でノイズを発生し、またノイズの入出力がある。従って、その出入り口を全て閉鎖すると必ずパンクしてしまうのだ。ヒトも動物も、全ての臓器には必ず通気、排水、安全弁あるいは何らかのガス抜き機構が必要なのである。
そのコンテクストから考えると、パソコン変造はヒトのパソコンに対する好奇心、情念、変造欲といった知的探求心鬱積のガス抜き的行為であるとも考えられる。完成した今のパソコンでは、自作は不可能であり主に変造にしかはけ口が無いのである。
昔の子供と違って、現在のヒトは幼児期から画一化した完成品をあてがわれてきた。まるでブロイラーのように、画一化された玩具や教育を与えられ、搾取され、就職してからは今度は画一化したサービスを提供するように育てられている。
昔の科学少年であれば、”子供の化学”とか”初歩のラジオ”とかを読みながら、電気、天文、写真などでバラシや変造を試み、その大半の事業で失敗を繰り返していた。今の商業主義は、子供に変造して失敗を楽しむという喜びを奪い取り、ファミコンのような完成品をあてがっている。つまり、子供の変造したい、という欲望やユメを搾取して儲けているのである。
昔から、子供ユメを喰って良いのはバクだけであり、大人が金銭を得るために子供のユメを喰う行為は、”子供だまし”としてやってはならないこととされていた。商業主義は、ついに聖域にまで踏み込んでいる。試しに、小学○年生という雑誌があったら見て欲しい。漫画の主人公はなんとストリートファイターのキャラである。あきらかに商業主義と幼児雑誌がコングロマリットを形成しているのである。
それに対する子供と大人の知的探求心のガスは鬱積し、どこかにガス抜きの孔を求めている。子供が4輪駆動の変造に、そして大人がAT互換機の変造やクロックアップにうつつを抜かすのは、そのメカニズムが形を変えて発露していると考えるのである。
Webmasterはヒトと同じように文明にも寿命があると考えている。子供の聖域まで大人の商業主義の餌食にすることによって、子供の将来の得べかりし知的探求心までを青田刈りするという知的不良債権(PAT PEND.)の破綻も遠くないような気もする。
決算が続々新聞紙上に掲載されているが、市場は依然不透明な動きを続けている。本屋の前を通りかかると四季報夏号が積んであった。内容をパラパラと見たが\1650と高かったので買わなかった。インターネットでリアルタイムの情報が得られる今となっては\500の値打ちも無い。四季報については、
に書いた。内容をパラパラめくるが新味は無い。初任給の欄の下に”不良債権額”が加わっているが、どれほど信用して良い物だろうか?
Webmasterが盛んに証券をやっていたのは15年ほど前の事だ。四季報が出る度に各種指数を計算していた。チャートをつけ、ポケコンで各種移動平均のクロス点を算出し、新聞は隅から隅まで目を通した。その後はファミコントレードを契約して毎晩ピコピコやっていた。ファミコンには常にモデムカートリッジがささっており、ついぞゲームをした事が無かった。
その結論が、信じて良いのは株価だけ、という事である。本文や決算がアヤシイという事はともかく、今や従業員数や年齢、平均賃金の記載もあやしい。以前リストラ計画からN債銀の賃金を算出したが計算が合わなかったことは、
に書いた。不良債権額についてもいろいろな算出方法がある。Webmasterは、
(バブルの頃の株価 - 現在の株価) x 株数
と見積もっている。技術や工場があって資産評価が難しいメーカーと異なり、金融機関は基本的にお金の袋だから資産内容がストレートに株価に反映すると考えられる。利益の蓄積は株価と株数を乗算した物に近いと考える。
この計算だとN債銀が1兆数千億になってほぼ実態に近い。近頃お騒がせのN長銀の場合は、上の計算式によるとN債銀の5割増しと計算されるが真の不良債権額は解らない。実際のバランスシートによれば、
1貸出金のうち、銀行業の決算経理基準に基づき、未収利息を収益不計上としている 破綻先債権額は109,000百万円、延滞債権額は686,451百万円であります。 2貸出金のうち金利減免等債権額は11,349百万円であります。とある。仮に回収不可率を破綻先100%(1090億)、延滞債権を60%(4119億)、金利減免を20%(23億)とすると回収不可額は計5232億以上になる。ついでにN長銀の決算を見てみよう。
まず経常利益が約40%減で赤字だ。銀行の命である債券預金残高は前期の25%減と言うゆゆしき事態だ。これはここ1年で銀行の預かり資産の1/4が流出したという大事件であるのに、なぜか3円配当がある。
次にバランスシートでは、資産に計上されている株式は2240億円だが、決算には、上場有価証券の時価と貸借対照表計上額との差額△219,1億との記載があり時価評価だと△2191億となる。
そこで、決算の株主資本7871億から株式評価損2191億と上記の5232億を引くと、計算上は債務が資本と均衡してしまう。その後も債券の解約が続いているので財務も更に悪化していると考えられる。
そんな状態なのに、次期業績予想が中期で200億円の黒字で、配当見込みが3円というのが脳天気で泣かせる。残念ながら四季報には上記の計算のホンの一部しか載っていないし、決算やバランスシート自体もどこまで信じて良いのか解らない。報道には、”株主にもそれ相応の負担を求める”とあるが、額面50円に近い株価はすでに90%以上の減資に相当している。株式会社では、株主負担は株価以上はあり得ないから、原資はもう無いのである。
というわけで、隙間風の噴いている市場では四季報のデータなど何の意味も無くなっている。21世紀には四季報は無くなっているかも知れない
しかしWebmasterの心配する日本にとっての真の不良債権は少子化だと思う。これに比べれば、金銭的な不良債権は大したことはないとも言える。
昨今のクロックアップの風潮に若干の危惧がある。クロックアップがうまく行かないからと言って、店に文句をいうユーザーもいるとか。
AT互換機の源流はIBM-PCにある。IBM-PCのCPU(i8088)は内部16bit、外部8bitで4.7MHzで動作していた。これを真の16bitパソコンと呼べるかどうかは長い間の論争になった。例えばNECは無印PC9801発売後にCバス用M68000ボードを発売したがその品番がPC9800-16であることわかるように、M68000は真の16bitCPUで8086,8088は移行期のCPUと考えられていた。
IBM-PCのハードがプアであった事は良く知られているので述べない。このIBM-PCは発売早々にクロックアップの洗礼を浴びている。写真に示すのはWebmasterの所持する貴重な元祖原発のっとりボードである。
このボードの使用法は次のようである。まずマザー上のクロックチップi8284をはずす。そこにソケットをハンダ付けする。ボードのケーブルが繋がっているソケットの足をソケットに差す。その横のソケットに元のi8284を差す。これによりクロックの制御は 原発乗っ取りボードに移る。
ボードから出ているスイッチでクロックアップとリセットを選べるようになっている。水晶は22.11MHzであり、この1/3分周の約7.4MHzでシステムが動作するようになった。
クロックアップの効果は劇的であった。なんせCPU周辺のメインバスがすべて約60%早くなるからである。これは、現代のパソコンには複数のバスが存在するためCPUのクロックアップはベンチマークほど有効でないのと対象的である。当然副作用も出た。クロックアップするとFDDが読めなくなるので対策パッチが出回っていた。
さらに市場には次なる変造手段が登場した。極東の島国から来たV20プロセッサーである。これはマイクロコード乗算をハードウェア乗算器に換え、内部バスを多重化したものである。当時の唯一のベンチであるノートンユーティリティーのNI指数では驚くほどの改善を見せた。これがその後法的問題に発展する。写真でわかるように、コピーライトにINTELの文字が無かったからである。
NI指数では、7.4MHzにクロックアップしたIBM-PCはその後登場したIBM-AT(80286@6MHz)に近かった。しかし実際の印象はIBM-ATに分があった。このときx86アーキテクチャーで初めてベンチマークと体感速度の乖離現象が始まったのである。
NIは時間がかかる演算を多用していたので、V20のハードウェア乗算器にぴったしハマって3倍近くに改善した。しかしながら通常の計算はIntegerが大半でたかだか30%程度の改善にとどまったのである。しかし30%の改善は体感することができた。
このパソコン考古学に鑑みると、ベンチマークの問題点はまったく解決されていないことが良く解る。現代では2段のキャッシュが存在する上に、複雑化したバス構造に多くの有形無形のバッファーが存在し、ますますベンチマークの評価が難しくなっている。クロックアップによるベンチマークの改善と体感速度の乖離が激しくなっている。これが最近Webmasterのクロックアップの興味が低下している理由でもある。
面白い事に、MS-DOSver1上でのWordStarの動作は軽やかであった。現代最速のPentium-II(400MHz)はIBM-PCの約100倍のクロック周波数で倍のbit数を持つので、単純計算で200倍の能力を持つことになる。MIPS値では、最新Pentium-II(300MIPS)はオリジナルIBM-PC(0.3MIPS)の1000倍程度の能力を持つと思われる。
一方MS-DOSver1のシステムサイズは、現在のWin95では約1000倍になっている。とするとCPU能力とシステムサイズの比率は均衡していることになる。これが、レスポンスタイムがおおむね我慢できる範囲に入っている理由だろう。
というわけでクロックアップ目出度しで終わるか、と思えばさにあらず。IBM-PCの出現時にはすでにDRAMのアクセスタイムは200ns以下でノンウェイト動作可能だった。現在最速のSDRAMの平均アクセスタイムは20nsちょっとである。つまりメインメモリーのアクセスはたった数倍しか改善していない。
このメモリーアクセスに関わる重大問題を認識すれば、単なるクロックアップで簡単にシステムのスループットが改善すると思うのが甘い事がおわかりいただけると思う。CPUのクロックアップは踊り場を迎えており、メインメモリーの抜本的改善無しにはスループットの改善は望めない。
蛇足
先日の疑惑の件は、元責任者からメイルが来た。”似ているがM麻布氏独自の分析によるもの”とのことである。皆様はどう思われるであろうか。
以前より本ページでは大胆な予想を行ってきた。例えばスロット1の寿命や限界、L2キャッシュの効力、セレロンの評価などは、かなり当たっていると思う。雑誌でのセレロンの評価はさんざんであったがその後ブレイクしたのはご存じの通り。
覚えている中で、今のところハズレは携帯電話規格(CDMA)で、W-CDMAがCDMA-ONE側に歩み寄るのではないか、という予想である。しかし特許問題が再燃すれば、必ずアタリに変化すると予想している。
情報によると、INTELがXeonを発売するそうである。XeonはPentium-IIのコアに同速のL2キャッシュを組み込んだ物である。従ってコアの性能はPen-IIはおろかセレロンとも大差無い。
従って程度の低い雑誌がどう評価するかだいたい予想がつく。おそらく各種ベンチマークを走らせて”Pen-IIと大差無い”と言うに違いない。過去にもPentium-PROの評価が低かった事も思い出す。しかしXeonの地力は、しょうもないベンチマークでは計れない物である。
Webmasterは電算機でメシを喰っているわけではないが、どうしたことか大きな機械のお守りを申しつけられることが多い。テラバイト級のお守りだと、常に心配なのは、
”今はこの機械で良いが、今後データが増えたときにこの機械で処理できるであろうか?”
ということだ。もしアーキテクチャーの異なるマシンに乗り換えると多くのマンパワーと経費を喰う。もし今のままのOSとアプリで、CPUの数を増やせば能力が向上するなら非常に助かる。これがいわゆるスケーラビリティーだ。
パソコンは電算機会社が専門と思うのが普通であるが、それは間違い。日本の電算機会社は独自で汎用機を作り上げてきて、それはそれで大した物である。しかしパソコンはCPUやOSはおろかチップセットまで輸入品の外様であり、いつか汎用機ビジネス(幕府)をおびやかす存在に見える。それだけでは無く会社にはオフコンの残骸事業やUNIXワークステーション事業があって複雑だ。
従って汎用機からダウンサイジング、あるいはパソコンからアップサイジングすると、ワークステーションやオフコン残骸がひっかかりスケーラビリティーが連続しない。いまワークステーションは汎用機の底辺を浸食している。逆にワークステーションのハイエンドを浸食しに降りてきた汎用機もある。メーカーにすれば、これが汎用機とパソコン、あるいはUNIXワークステーションとパソコン、あるいはパソコンのみに整理できれば事業がシンプルになる。
パソコンにワークステーション並みのスケーラビリティーを持たせる先兵がPentium-PROであり、今回のXeonである。VINTELとしてはXeonとVINTEL-NT(ネットワークターミネーター)でワークステーションと汎用機の底辺に食い込んで、エンタープライズサーバーの橋頭堡を確保したい。
そんなXeonをパソコンのベンチで計ることはまったくの間違いである。再三Webmasterが書いているように、現状のWin95あたりでソフトウェアMIDIを再生しながらマルチメディアを使ったネットサーフィンなどは極めて負荷が重い。止まらないハズの汎用機にこれをやらしたら(そもそも音や絵が出ないが)異状CPU負荷を検知して止まってしまうかも。
しかしパソコンと違ってエンタープライズサーバーの主な仕事はファイルの読み書き、データベース検索と通信である。これらのコードはリソースから見れば小さく、最大のボトルネックはハードディスクの読み書きとCPUのタスクスイッチング、そして通信インタフェースにある。
Pentium-PROやXeonはこの用途に向いている。大きめのL2キャッシュをCPUが持つことにより、バスが他のCPUやディスクコントローラー、メモリー読み書きに占拠されていてもCPUはキャッシュ上のデータ処理を続けられる。これがセレロン2カケというのがあり得ない(不可能ではなかろうが)理由である。パソコンはバスの調停能力が低いので、サーバーとして使うとワークステーションや汎用機と大差がついてしまう。
サーバー業務はコードサイズが小さくローカリティーが高い。また読み書きデータは連続しており、ローカリティーもキャッシュの先読み効果も高くなる。しかしタスクスイッチが生じるとキャッシュをクリア(フラッシュ)する頻度が高くなり、がっくり能力が下がる。それに対してはマルチCPUでタスクを分散して対処する。
複数のCPUからメモリーやハードディスクアクセスが輻輳する可能性が出てくる。現状のチップセットはバス調停能力が低いため、今回のXeon用チップセットはバス調停能力に配慮した物になるだろう。人事に経験が必要なのと同じように、バス調停ロジックには高度のエンジニアリングと経験が必要で、なかなか一筋縄には行かない。あるいはそのあたりが今回のXeonのバグの原因になったのかも知れない。
このコンテクストで見れば、Xeonが目的として所が見えてくる。しかしWebmasterはスロット2という形態には依然??である。現状のPen-PRO最高8カケの能力を凌ぐためにはXeon8カケとなるが、そうすると小型化した汎用機やワークステーションよりデカくなってしまうかも。おまけにスロットでは接点が1次元配列なので、2次元のPGAより配線が長く不等長になってしまい高速化に限界が出てくるし、なにより見栄えが悪い。エレガントでない製品は概して寿命が短い。
そこで期待したいのが出荷が西暦2000年以降にずれ込むMercedまでのツナギとして、コアを高速化しMMX化したPentium-PROとバス調停能力を強化した新チップセットである。すでに、
Pentium-II(Deschutes)カードパターンの風水学的ナゾ(新Pentium-PRO待望編)
の予想が当たりつつある。現在VINTEL勢で一番高速なサーバーは某社のPen-PROサーバーで、Pen-PRO8個を4個づつの2グループに分け、グループごとにバス調停用に新しいチップを起こしている。しかしこのソリューションでもワークステーションや汎用機とはトランザクション能力において1ケタ差がある。Pen-PROを高速化するソリューションと、巨大なXeon8カケとどっちが早いか見ものである。
ところで、日本のハイエンドの特殊事情として、ワープロとTAでネットサーフィンする用途にXeonの2カケにRAIDを組むユーザーが必ずや出てくると思う。しかしその用途にはセレロン500の方が向いている。余ったお金でアジアやアフリカ、中南米を旅行して地球の現状を視察する方がはるかに良かろう、とWebmasterは思う。
以前、
2万5千円のCyrix6x86MMX変造マシンのナゾ(486DX2のVL-BUSとwebmaster式CPU放熱)
で、SP-97Vと6X86MXを用いた廉価変造システムを紹介したのはもう半年以上も前だ。SP-97VはSiS5598チップセットのSocket7マザーボードで、ATX版のSP-97VXと並んで今出回っている製品の中ではかなり古い方である。オールインワンとしてはMediaGXも負けるほど部品が少ない。
構成は何の変哲もないベビーAT基板で、バス83MHzが選べ(PCIは非同期33MHz)る上、SiS5598がビデオ回路内蔵なので、これ一枚でシステムが完成する。SiS5598内蔵ビデオは256色では高速だが64K色だとがっくり遅くなる上に画質がにじむ。
これはビデオがCPUとメモリーを共有(UMA)しているため、CPUとビデオがメモリーアクセスを取り合うからだ。256色の場合はビデオの取り分が少ないから良いが、64KB色だと情報量が増えめっきりCPUが遅くなる。画質もにじんでいるがともかくビジネスアプリには十分な性能がある。
しかしメモリーがSIMMのみでDIMMが使えない。貧乏で古いSIMMをたくさん抱えているWebmasterには全く問題が無いが、将来性を気にするムキには、DIMMソケットもあるATX規格のSP-97VXが向いているかも。
実はWebmasterはSIMMしか使えないようなマザーは当の昔に無くなった物と思っていた。確かに一時流通が途絶え、雑誌の広告からも消えていた。しかし最近になって復活している。同じ頃に出現した440LXマザーは殆ど市場から消えたし、ASUSにはSP-98AGPという新製品があるはずなのに、SP-97Vはしぶとい。
それはまずSocket7ということがあるだろう。チップセットがSiSなので6X86MXやK6とそこそこ相性が良い。また廉価で在庫があるSIMMが使える。さらにバス速度を挙げてもPCIも安定している。ビデオ内蔵なのでクライアントマシンとして安く大量に調達するのに便利。ASUSというネームバリューがある上に無印と値段も大差ない。一時市場から消えたのは、クライアント用に大量に消費されたためらしく、いまだに供給が続いているとか。
BIOSアップデートもしぶとく続いている。最新タイムスタンプは”SP97-V BIOS ver. 0108, 06/11/1998”となっており、当分続きそうだ。恒例ながらBIOSアップデートは常にAT規格が先で、ATX規格があとになる。基板の開発もまずAT規格をテストしてから、ATX規格を起こすようである。日本ではATXが主流になっているが、依然欧米ではAT規格の方が多いという。気になる画面のニジミも、BIOS更新でかなり改善した。
メルコも似たようなVPXベースのビデオ回路オンボードのAT基板を売っている。こっちは、
ベアキットを使ったP55C変造マシンのナゾ(調達条件に制限のある場合編)
でWebmasterも使った。現在のWWWサーバーはこのマシンで動いている。メルコは最低2年間は供給すると言っているが、西暦2000年に現在のソケット7はもちろんのこと、メルコも私も、はたまた地球の文明も続いているかどうかの保証は全くない。
しかし、SP-97Vとかメルコの安マザーとかを眺めていると、長く供給が続く製品にはいくつかポイントがあると思われる。それは、
1.出たときに既にちょっと古い
新しい規格を先取りしたハイエンドの製品は、トラブルが多い上に商品寿命が短い印象がある。ハイエンドは常に”最善かあるいは無か"しか無いからである。最初から少し古くて枯れている方が、結局寿命が長い。AGPなんかどうなるか解らない。
2.過去の資源を見捨てない
枯れた資源は在庫が多く、安価である。数をたくさん作ると効いてくる。
3.オトクである
ビデオ回路のオマケのため、取りあえずその基板だけでシステムが出来上がってしまうのも重要だ。たくさんクライアントを組むと、ボディーブローのように効いてくる。性能に不満が出たら、ビデオボードだけ追加更新してしばらく凌ぐ。
4.欲張っていない
とかく市場にはスロットやメモリーソケットの数が多いことを重視するムキもあるが、Webmasterは意見が異なる。あまりにも多すぎるスロットやメモリーソケットは性能を落とすことが多い。以前VL-BUSという、今から見えればお笑いのスロットがあった。これについても、
2万5千円のCyrix6x86MMX変造マシンのナゾ(486DX2のVL-BUSとwebmaster式CPU放熱)
に書いたように、3本もあるVL-BUSの内2本でさえまともに動かなかった。拡張性も大事だが、欲張りはいけない。最後に、
5.ある程度の品質がある
ことが重要だ。メルコなど安物だがかろうじて粗悪品と一線を画しているところがミソである。
このように、長命な製品にはそれなりの理由があるようだ。
再度,雑誌がこのホームページをパクった疑惑が発生した。読者が教えて下さったのだが、こんど廃刊になるパソコン雑誌大手A社のスーパーA誌7月号の39ページのM麻布氏の評論が怪しい。M麻布氏の評論は、専門誌の歴史的変遷をラジオを例にして、第1期、第2期、第3期、第4期と分けている。その内容は、
July 18 (Fri.)趣味の雑誌の寿命のナゾ
に極めて類似している。
Webmasterが言うのも何だが、こっちの評論は心理学で言う”恋愛の結晶化”を”雑誌の結晶化”に応用した極めて格調高い(?)オリジナルな作品ある(と思っている)。対する評論はパクった割には冗長な構成だ。
結局,その程度の雑誌に終わったということだろうか。この件は編集部に照会中である。
久しぶりにS誌を読んだ所、編集部スタッフの常用マシン一覧が載っていた。なんと一台もPen-IIマシンは無く、大半が200MHzより遅いPentiumかPen-proであったことが興味深い。意外とみんなその当たりで不自由してないのである。
いよいよ蒸し暑くなってきた。このページを熟読されているムキは、
の対策により、冷え冷えのカーライフを楽しんでおられるだろう。この記事には多くの良好なレスポンスがあり、たいへんうれしい思いをした。中には”具体的にはどうやるのか”といった主体性の無い問い合わせもあり、日本の教育システムの歪みを感じたことがあった。
本年度の快適カーライフの決定版プレゼントとして、山本式Gセンスカーエアコン制御装置をお贈りする。
エアコンを冷え冷えに効かせていると、加速がかったるくなる。もともと遅い車はともかく、高回転高出力車で低速トルクが細いためタクシーに置いてかれるとお嘆きの貴兄にぴったしである。
さっそく写真をみて欲しい。部品は水銀スイッチ(\420、型番515G、デンキのカホ福岡本店)、2Pスイッチ、プラスティックケースSW40B(\110)、電線少々。回路は写真を見れば知れるだろう。部品はボンドで固定しておく。
水銀スイッチはガラス管に水銀の粒が入っており、これが加速時に後ろに置いてかれるのでスイッチが切れる。スイッチを電極側に極極わずかに傾けておくと、水銀と電極は塗れ性と表面張力のため通常はひっつきたがり(ヒステリシス)、加速時のみ切れるという理想的性質がある。
スイッチの傾きは極めてわずかでよい。というのは加速すれば必ず減速があるわけで、この時水銀が戻るので停車中は必ずエアコンが効くシカケである。またチャタリングも皆無である。エアコン使用時間が加速時から減速時に全体的にシフトするため、燃費も向上する。減速時にエアコンが回生ブレーキとして動作する極めて高度なエンジニアリング?である。
実装であるが、コンソールの横にネジかマジックテープで角度を微調節できるように固定する。電線はコンソールのエアコンスイッチの配線に直列につなぐ。ケースの角度を調節し加速時のみエアコンが切れるようにする。2Pスイッチは急な上り坂駐車時にエアコンを強制的に動作させるためで、殆ど使うチャンスが無い。スイッチで水銀スイッチをショートすれば通常のエアコンと全く同じ動作になる。
この装置は、Webmasterが20年前の学生の時にPAT申請したが、申請のみで審査は受けて無いのでその後どうなったか知らない。個人で作成使用される分には何の問題も無い。市場には、吸気圧を用いてエアコン制御する製品があったが、最近は見かけない。メーカーだと車速センサーを用いて同じ制御ができそうな物だが、しょうもないエレキばかりでで工夫に乏しいのは情けないハナシである。
エンジニアはこの回路を見ると何かタイマーかロジックを仕込みたくなるだろう。しかし、まず試して欲しい。動作は完璧で他に何の回路を要しないことが知れるであろう。