Dec.31 (Tue.)
有線電話の輻輳
Dec.30 (Mon.)
続続パーフェクTV
Dec.28 (Sat.)
Aステル九州の高出力csについて
Dec.26 (Wed.)
続インターネットテレフォンとマーケット情報
Dec.25 (Wed.)
インターネットテレフォン
Dec.24 (Tue.)
続パーフェクTV
Dec.23 (Mon.)
パソコンの配給
Dec.22 (Sun.)
AppleがNEXTを吸収
Dec.20 (Fri.)
レーザープリンターの純正カートリッジを使用しましょう
Dec.19 (Thr.)
続A社PHSの解約について
Dec.17 (Tue.)
続Microsoft Personal Web server
Dec.16 (Mon.)
PHSの解約
Dec.15 (Sun.)
パーフェクTV
Dec.14 (Sat.)
WindowsNTとUNIXの将来
Dec.13 (Fri.)
絶タコのSoundBlaster16Plug&Play(ISA)
Dec.12 (Thr.)
LINUXのIPmasquerade
Dec.11 (Wed.)
Microsoft Personar Web ServerにみるブラウザーとOSの統合
Dec.10 (Thu.)
情報機器の〒マーク
Dec.9 (Mon.)
タイヤ空気圧
Dec.8 (Sun.)
WWWサーバーについて
Dec.7 (Sat)
UPSについて
以前から不思議だが、ハンバーガーなどのファストフードでは食物に水が付いてこない。自慢のおいしい飲み物を味わって欲しいという店の親心だろうが、食事のあとは虫歯予防のため水が飲みたい。ジュースだと口に糖分が残る。
それで最近はファーストフードを頼むときは、必ず水を頼むことにしている。
”ハンバーガー1個ね、それからコーヒーひとつ、それと水ね”
と言うと、大抵のファーストフードでは
”はいウォーターですね。(後ろを見ながら大声で)ワンウォータープリーズゥー”
と少し恥ずかしいが、ありがたくウォーターがいただける。出張で同じ店に二度と来ないと確信するときは、食べ物と水だけを頼むこともある。その時の周りの客の反応が結構おもしろい。”そんなのありかよ”という顔で、とたんに水を頼み始める。
しかし店の子たちの対応もしっかりしており、にこやかに対応する。”え、水ですか???”という対応が無い所を見るとマニュアルに書いてあるのだろう。薬を飲むのにジュースで無くて水が必要な人も居るからか。
さらにおもしろいのは、大手のファーストフードの店にはカウンターに蛇口が無いのである。考えて見れば必要ない。お金を使った手で食品を扱うことに若干の不安が無いワケではないが。そこで水は奥に汲みに行くかと見ているとさにあらず、ジュースの機械に細工がある。機械には表向き水が出てくるボタンは無い。しかし前面パネルを開けると押しボタンがあり、それを押すと水が出てくる。店の子は戸惑いもなくこの操作をこなす所を見ると、結構水を頼む人が多いのかも。ぜひ明日試して店の子の反応を観察して欲しい。
こうしてチマチマしたことを書くのは、巷を騒がせているN債銀の話題への導入であるが、当行をめぐるマーケットの噂の否定という文書や、その補足説明というのは、今となっては事実に反する点(例えば資金運用部の出動や不良債権総額)もあり庶民にとってインターネットでしか収集できないコレクターズアイテム。日経新聞によると
Jan. 28,1997 (Tue.)
大手町にセキュリティーホールを見る
でも書いたように、米の投資格付け会社ムーディーズがネガティブと判断したことから債権の解約が販売を上回り、資金運用部のサポートも及ばなくなったためとか。金融債は預金保険が無いので破綻すると紙きれになるのでこの銀行は整理できない。
再建策は日銀が800〜900億出資、生保劣後ローン1500億株式転換、都市銀行数行出資350〜500億、金融債発行銀行出資350億による資本追加、貸出債権売却3000億、海外拠点売却、東京本店等売却等による計数兆円の資産圧縮で多額償却に対する自己資本比率維持し、さらに人件費等の経費圧縮など。 今まで報酬カットや人員削減が行われなかったのはリストラを行うこと自体が同行の信用不安を招くからとかで、今までの破綻銀行でもそうだった。以上は新聞報道。
さて同行発表の不良債権は、破綻先と延滞債権が6725億、金利減免と経営支援が7606億、合計1兆4331億。住専での実績回収率25〜50%で、過去の破綻銀行の不良債権額は発表の数倍であった。文芸春秋4月号によると91年日銀考査で2兆円、93年大蔵検査で3兆円、現在はもっとあるという。
そこで本題の算数。日経夕刊によると同行は取締役以上が約50%以上、社員が10〜30%の給与カットにより50〜100億の人件費削減効果。平取締役クラスは税引き後年収700万程度に抑える。四季報によると同行の取締役約25人、社員約2600名。四季報による有価証券報告書由来の賞与を除く平均月収が444596円で、賞与を5月分社会保険他を約2月相当とすると、
444596円x(12+5月+社保等約2月)x2600x(20%/100%)=4392608400円=43.9億(社員削減額)
((75億-43.9億)/25人)x(100%/50%)=2.5億円年収(含む社保)/取締役一人はいくらなんでも変。
週刊誌によると都銀の取締役が数千万とかで、同程度とすると合わない。逆に取締役人件費を3000万/人とすると社員人件費は1370万円/人で四季報由来(44.45万x19月=約844万)と計算が合わない。どれかの数字がウソだろう。
なぜこんなにしつこく書くかというと、この手の銀行の人件費を算出するチャンスが普通はなかったから。これらの長期債銀行は以前より人件費が高いとの指摘あり、各自電卓で計算してみて欲しい。文春4月号では、同銀の後はT銀と言う。はたして本日日経WBSで、T殖銀行(本日株価149円社員5907名)とH海道銀行(同165円同2879名)が合併すると報道している。タイミングが絶妙。両行の株価を見ると、どれくらい不良債権があるかは銀行はメーカーと違ってお金の袋のようなものだから小学生にも簡単に算出できる。
N債銀の場合、経営良好な頃の株価1940円引くの282円かけるの株数17.4億株=約3兆円?。
経営良好な銀行の株価(約1500円?)引くことの現在の株価(約150円)かけるの株数(931477000+374354000株)で計算できるであろう。
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私はCD-ROMが入ってくるプラスティックケースが大きらいである。おそらく値段を正当化するためにカサが必要であった事の名残であろうが、場所を取る上に、落とすとすぐ壊れるし、ドキュメント類もたいして入らない。こんな物は捨てるに限る(正確には後述の物々交換のために取っておく)。これはソニーとフィリップスの遺産のうち、もっとも出来の悪いシロモノだ。
大事なCD-ROMは、雑誌のおまけCD-ROMが入っている、表が透明で裏が不織紙の袋に入れて保存する。その際注意するのは、CD-ROMのキー番号やシリアル番号がケースに書いてあるので、必ずCD-ROMの表面にマジックインクで2ヶ所書いておく。2ヶ所書くのは、、字が汚くて読めないことがあるからだ。裏面も中心の穴の周りに書き物をすることができる。この習慣は”どうしてもプラスティックケースでしかイヤだ”、という人にも勧めたい。私はフロッピーでもマスターにはマジックで、”重要、捨てたらコロス”と書くことにしている。
で、袋を失ったおまけCD-ROMは、5インチフロッピーの封筒に入れておく。おまけCD-ROMといってもバカには出来ない。時に最新のオーディオビジュアル関係のライブラリー(QTやShockwave関係の)が入っていることがあるからだ。CD-ROMにドキュメントがついてくる場合は、これもフロッピーの袋に上記の袋ごとCD-ROMといっしょに入れておく。
そして、最近出番が減った5インチフロッピー用のプラスティックケースに立てて入れておくと、100枚以上が簡単に検索できて良い。
このおまけ袋はCD-ROMに傷をつけない上にホコリを吸い取ってくれるので、プラスティックケースよりよっぽど良い。しかし貴重な物は不足する。その場合は、おまけ袋をもっていそうなシロウトに、
”ねーー、このプラスティックケースとその袋を交換してくれない?”
というと、喜んでくれる。おおむねシロウトはこういった形のあるものを大事にする傾向がある。
同じように無用だが捨てられないのがマックの段ボール箱。PC98やDOS/Vの機械なら箱は即捨てる。ジャマだから捨てろと言うと、オーナーが””おねがいします、Appleの場合は箱が無いと修理やボードアップグレードを受け付けないので、どうかお目こぼしを”、と言う。トンデモ無い商売をしているもんだ。またマックは結構初期不良や故障、リワークが多いので、なおさら箱が捨てられない、と言う。従ってどこの病院や研究所に行ってもマックの箱ばかり目につく。これによるスペースの損失は、世界中で莫大な金額に該当するであろう。
じゃまなので、パッキングを出して箱は折り畳んで押入の布団の下に置いていた。パッキングはまとめてゴミ袋に入れて、天井裏に入れていた。しかしあまりにも腹が立ったのでマックの箱も捨てることにしている。修理にはキャップロール(暇つぶしにブチブチつぶすアレ)に巻いて出している。あなたはマックの箱はどうしてますか?
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どこの家にもエアコンのひとつくらいあると思う。毎年毎年改良が進んでいる。ハズなのだが、本当に進歩しているのだろうか?
まず制御であるが、当然マイコンである。その後マイコンは、ファジーさらに最近ではニューロというらしい。マイコンの室温のミソは
Jan.5,1997 (Sun.)
お年玉巨編(笑) 石油ファンヒーター大研究その2(メカニズム編)
で書いたが、基本はヒステリシスである。つまり例えば暖房なら、最初はかなり多めに加温する。いったん部屋が暖まったら能力を絞る。長く暖房して部屋が暖まっていれば、少々設定温度を下回っても能力を上げない。
これに細工が加わる。おやすみ設定では、おめざめに向かって次第に能力を落とす。快適ナントカでは、温度設定を周期的に少し動かす。細かい物は輻射熱センサーを持ち、人がいるかどうかによって、ルーバーの角度を細工する。ルーバーを細工して、床に暖気が届くようにするとか。
コンプレッサーも改良が進んでいる。まずインバーターを使って能力の可変幅が広がっている。しかしこれとて室内機、室外機の熱交換器の面積には限りがある。可変幅を増やすためにバイクじゃないがコンプレッサーもレシプロよりロータリー、さらにスクロールと進化し、気筒数も単気筒より多気筒になり、低速でも高速でもトルク変動が小さくスムーズにまわる。熱交換機もより細かくフィンに切れ目を入れて能率を上げてある。
しかし、テレビでいくら床まであたたか、強力と言っていても家庭の主婦はまったく信用していない。それは
Jan.4,1997 (Sat.)
お年玉巨編(笑) 石油ファンヒーター大研究その1(費用編)
にも書いたが、外気温が5度以下になると、とたんに能力が低下する。暖房すると室外の熱交換機が冷えて結露する。それが当然凍り詰まる。これを暖房-冷房を逆転して室内の熱で溶かす。溶けると再度暖房する。暖房すると室外機が凍る、というワケだ。これは水が0度で凍るという物理の原則がある限り、いかな強力なマイコン制御でもコンプレッサーでも回避出来ない。通常ヒートポンプは電気代に対して300%程度の効率があるが、低温では100%以下、ということは電熱器を焚いたほうが速いワケ。
それに、暖房はやけに乾燥する。乾燥やハナやノドに極めて有害なことは、
March 16,1997 (Sun.)
飛行機の空調と風邪と中耳炎の関係のナゾ
に書いた。ただの石油ストーブやファンヒーターの方が燃焼に伴って湿気が発生するので、遥かに健康に良い。エアコンは空気が汚れないので良い、とか書いてあるが、乾燥のほうが遥かに有害である。というわけで、夏はエアコン、冬はファンヒーターという家庭がけっこう多い。
除湿にもウソがある。除湿と言うが、何のことはない、弱く冷房をかけるだけで寒くなる(日立の一部機種を除く)。除湿というのは、本来温度を変えずに湿気だけを取ることじゃあないかね。というわけで、いかな工夫を凝らしたエアコンも大売り出しで大同小異の値段で売られる。なんかもう少し抜本的な工夫は無いのだろうか?
そのヒントとして、すでに廃番になったT芝のRAC-165UTHというエアコンを紹介しよう。このエアコンは1600kcal級のウインド型マイコン制御冷暖房エアコンであるがいくつか特色がある。このエアコンには室内と室外の間にかなり大きなマイコン制御の通路がある。冷房時には通路が閉じて通常の冷房を行う。外気温が低下すると通路を開いて、ウインドファンになる。さらに外気温が低下すると停止する。これはなかなか快適で、何十万とする最新エアコンも、まったく及ばない。
除湿もおもしろい。除湿時には内外の通路が開く。外の交換機で暖められた空気が通路を経て、室内の交換機で冷やされて出てくる。従って除湿してもあまり気温が変わらないのである。さらに、換気のみや、送風のみも可である。
これに比べれば、最新のエアコンもエアコンという名前が恥ずかしくなるであろう。エアコンディショナーというよりも、単なる加熱冷却装置に過ぎない。エアコンと名乗るためには換気と調湿能力が必要と思う。
その古いT芝のエアコンはかなり答えに近い。これにM菱のロスナイ(ロスの無い換気装置)と花粉フィルターor集塵装置を加える。そして何らかの加湿機能を加えれば良いわけである。そうすれば、真のエアコンと言えるであろう。
と書いたが、理想に近いエアコンとして、目の付け所がいいと主張するS社が、五空というものを出している。特に加湿のしくみは凝っている。排気中の湿度をゼオライトに吸着させ、それを間歇的に加温して室内に放出させるという。アイデアは買うが、ちょっと考えてしまう。というのは、
1.私が使ったことがあるS社のエアコンは性能がいまいちであった。とくに水空冷式エアコン、クールキャビン(1600kcal)は完全な失敗作であったし、あと3台はみんなラインフローファンのベアリングからニキニキと音が出ていた。うち2台は湿度が高いときに水が落ちてくるし、配管の収まりが悪い。室外機がうるさいので、帰宅時にどの社のエアコンが作動中か耳でわかる。エアコンは洗濯機が得意で琵琶湖近くの別のS社のほうが遥かにデキが良い。
2.このS社のホームページは最悪のデキである。まずinfoweb経路の回線が遅い。メニュー システムが致命的に悪い。デザインセンスも毎日新聞のJAMJAMと良い勝負である(つまり最悪ということ)。製品リストが無いので、五空、というエアコンのページを見つけるのに苦労した。結局それはニュースリリースにあった。
古くよりMZ-80、X1-Turboをはじめ、多くのMS-DOSマシンやUNIXマシン、X68,最近ではザウルスにメビウスと、電脳に強いことで有名なのに情けない。日本では珍しくキラリと光る会社だけに、このホームページはナントカして欲しい。そうそう、パソコンの名前もメビウスより、昔使っていたオプトニカの方がかっこいいと思う。オプティクス(光学)とメカニクスの結合したなかなかいい名前だ。以前はオーディオの光学式カートリッジから始まったが、それこそCDやMD、MO,DVDなどの時代にぴったしな名前である。
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ホームページの訪問者情報でも見られるように、本ページをアクセスしていただいた方々のログがある。これは医療情報の提供にあたって法的な制度が確立していないため、ホームページの注意書きが読まれたかどうかをモニターするためである。法的な問題が生じた場合を想定している。欧米的な考え方かも知れないが。
相変わらず、医療関係、コンピューター関係、建築関係、金属関係、政府機関から多く見ていただいている。最近はphs.htmlやhigawari.htmlでタッチーな問題を書いたからであろうか、下記のような普段見かけない方面からのアクセスが増えた。端末名は記載しない。
kantei.go.jp 8回目 microsoft.com 86回目 nhk.or.jp 85回目 philips.com 初めて fi.nokia 3回目 se.ericsson 7回目 com.mot 14回目
borland.com 初めて
というのがうれしい。と言うのは、Turbo-Cにはお世話になったからである。DOS上のTurbo-Cは、軽い開発環境としては最高であった。カーン氏は元気であろうか。Appleがあの有り様なので、MSの横暴にストップをかけられるカリスマといえば、NetscapeかBorland位しか無い。カーン氏の経歴を知れば知るほど、この人しかいない、と思える。
プロバイダーもいろんな名前が見える。良い名前だと思ったのは
sakuranet.or.jp
kikimimi.ne.jp
である。特に後者は神社まであって、とてもありがたい。このようにアクセスログ解析を書くと、当然UNIXのサーバーを駆使して行っていると思う人が多いようだ。しかし、何度も書いているが、うちのメインサーバーはPC9821BS(16MB、170MBHDD)である。ソフトは、こちらに書いたように、MS Personal Web Server(ロハ)である。その後フロントページを買ったのだが、まだインストールしていない。次のmirrorサーバーがSuperSparcである。
htmlはWordpadかNotepadで書く。従って凝ったタグは一切無い。ログはPC9821BS上のhtmlソースに、一個だけMacのHTTP2.0サーバー(ロハ時代の代物でPerforma630で動作)の画像を拾いに行かせ、MacHTTPにログを吐き出させる。これをWebstatというログソフトが(ロハ)htmlフォーマットのログを吐き出す。時々アクセスの順位解析は、Webstatの出力ファイルを直接Excelに読ませているだけである。やっていることはFast & First などの洗練されたログに似ているように見えるが、質的には超低レベルで比べるべくも無い。多くのmirrorサーバーがあって豪華のように見えるが、実は手抜きのために微妙に役割分担が設定されているのである。
従って、プロは気付くであろうが、ここにはtableは一個所(toukei.html)しかない。formも2個所しか無い。ラジオボタンも一個所しか無い。JAVAアプレットもJAVAscript(一時あった)も、動画GIF(一時あった)も無いのは、面倒だしアクセスが遅くなるからである。なぜ少数個所あるか(あったか)というと、タグの書き方を知らないと思われるとシャクだからである(ミエ)?
掲示板が無いのは、Win上でのcgiが書きにくいのと、セキュリティーのため、というのはウソで、本当なまけものでPearlを勉強するのをサボっているからである。フロントページには掲示板を作るcgiの様なものが付いてくるので、必要になれば一晩の開発期間で出現するであろう(やけにキッパリ)。臨床や雑用に忙しい医師一個人としては、UNIXのような滅び行く環境に時間を浪費する余裕は無いのである。SPARC5台を管理するだけでUNIXは充分だ。
つまりこのページは、D通などのしゃれた広告代理店が作ったページとはベクトルが180度逆の、超手抜きホームページなのである。同程度のアクセス数で、最小限のタグ類を使用した、これほど手抜きなページはそれほど無かろうと自負している。 最初に戻る
今日の一言は1996年12月から始めたが、いくつか当たったと思えるニュースがあった。
一番は、みかかの次期携帯規格の蹉跌であろう。本日の日経新聞によると、郵政省は、みかかが開発中の次期携帯電話規格の2000年のITUへ提案を断念し、国内で米国Qualcomm社のCDMA規格を採用することを決めた模様である。日経新聞には、みかかが提案するPDCの次規格が何かは書いていないが、以前の日経新聞でみかかがワイドバンドCDMAを2000年のITUに提案する、と発表していたことから、ワイドバンドCDMAであることは明白である。
この件については、こちらにまず導入を書いた。次に
Jan.1,1997 (Wed.)
スペクトラム拡散通信CDMA
で、みかかがワイドバンドCDMAの開発に成功し、これを世界規格に提案すると発表した。それに対して、CDMAはQualcommが先行していることを指摘した。次に、
Jan. 12,1997 (Sun.)
続スペクトラム拡散通信(CDMA)
では、外国人がみかかの姿勢をどう見ているか、を指摘した。次に
では、みかかのワイドバンドCDMAの開発が遅れ気味であるという読みと、いDOなどのキャリアがQualcommのCDMAで連合する可能性を指摘した。先週、いDOとSルラーがQualcommのCDMAで連合する事が発表されたので、これも当たったことになる。さらに、
March 20,1997 (Thr.)
受話器の長さのナゾ
では、みかかの過去の話を紹介した。そして、みかかが米国でなぜ免許の保留を喰らっているか、私の読みを書いた。このコンテクストで読めば、今回のワイドバンドCDMAの放棄は、米国での免許保留の解除のバーターではないか、と言う風に読める。つまり2000年のITUへの提案を断念し、米国のCDMA規格を導入して国内市場を開放することを条件に、国際通信への進出を有利に運ぼうという考えだと読む。じゃあなぜ今頃日経に載るのであろうか?、という質問の答えには、情報ハイウェイ整備を進めている、ゴア副大統領が来日中であることを知れば、全てが納得できる。
実は、ワイドバンドCDMAの装置はNHKの特集や東京テレビのWBSにチラ、と出たように思う。99.9%の人は気付かなかろうが、ラック類は、以前どこかで見たことがある。みかかがワイドバンドCDMAを強く推すにしては、フィールドで複数のハンドオフ実験を済ませた画像は見たことが無いように思えた。以上の記載は、全て私のスペキュレーションであり、日経の記事のみが客観情報であることに注意されたい。
しかし、みかかのワイドバンドCDMAは次世代携帯電話としてドロップしただけである。携帯電話以外に使われるだろう。別にCDMAの技術は携帯に限らず、LANなどを含めた広い分野に応用が可能である。
ワイドバンドCDMAでは周波数帯域が5MHzと広いためにマルチパスやフェージングの影響が平準化される。しかしながら、基地局同志の同期を取らない。これはQualcomm社のベースバンドLSIがRake回路を用いて最高3つの基地局に同期をとるのに比べ、ハンドオフ制御に時間がかかる。その点をみかかは、スライディング相関器ではなくて、Y社と新規開発したマッチドフィルターを使用するらしい。その開発の努力が別方面で実を結べばいいように思う。
個人的には、技術をすべて米国に依存するのは危険だと思う。従ってある程度のリソースは常に開発に割り当てるべきであると思う。しかし、その傾向が強すぎて、ユーザーの利益にならないようでは意味が無い。その意味でのみかかの舵取りの責任は重い。
もうひとつ、のぞみの振動問題がある。それは
Feb. 25,1997 (Tue.)
新幹線"のぞみ”の横揺れのナゾ
で書いたが、その1週間後位に日経新聞に、のぞみの床下の部品が振動のため落下した、という報道があった。昨日から500系の運行が始まったが、300km/hでは良くても330km/hではどうだろう。連接車を採用しても、個々の台車に電動機を搭載すれば、機関車方式のTGVより粘着で有利になると思うので、何ら独自性が損なわれることは無いのではないか?
さらに、
では、アナログハイビジョンに対するデジタル衛星の利点を述べた。また、デジタルハイビジョンに移行しても、今まで蓄積したコンテンツはすべて使えると書いた。その後のNHKの変わり身の早さは驚くべきである。なんとNHK特集で米国のデジタル衛星テレビ、DirecTVの隆盛を報道している。国内でもパーフェクTVの順調な立ち上がりと、そのコンテンツ必要度の高さを見て、宗旨替えしたように見える。
私は、そのコンテンツの蓄積を武器にデジタルハイビジョンに撃って出る、と読む。
最初に戻る今回の仕事先は秋葉原周辺であったので、恒例の定点観測のために秋葉原に向かう。おそらく消費税の駆け込みだろうが、すごい人出である。大手メーカーのキャンペーンガールがシュプレヒコールしながら、チンドン屋みたいにねり歩いていたが、バブル以来の規模であった。
ラオックス。ここでは大手メーカーとソフトハウスの販促戦略と普通のユーザーの姿を見て、自分の方向とのすりあわせを行う。MSの販促と人的パワーはすごい。確かにMS-OFFICEを毎日使っていてあまり不満は無い。重いと言われるWordも、一太郎に比べると遥かに軽く動く。が、こうoffice、officeと言われると不気味である。
最上階でインターネットに繋がっているパソコンを探す。不思議なのは売場に実際にネットに繋がっているパソコンがないこと。メーカー派遣多数がパソコンの前で売り込んでいるが、繋がっていないのに良く売れるなあ、と驚く。
そうそう、その最上階でGLOBE(NEC系)のデモがあり、さっそく自分のwebを覗きに行く。番をしているのはさすがNECのコでかなりの美人であるが仕事に興味がない様子。私のwebを見せると少し興味が出てきた様子。他に来客ありその場を離れる。
珍品を探す。あったあった。Ibox(日本電算機)というインターネット端末。普通っぽいが感じの良い子が操作するが、動作不調。
と、隣をみるとなんとピピンアトマークが。店員は男だが感じが良い。バンダイからかと聞くと、依頼で他社から来ているとのこと。概してその方が愛想が良い。メーカーの人と違って過大なプライドが無いからだろう。ピピン自体は画面は当然マックだ。テレビに繋がっていたがVGAにも繋がる。
キーパッドは絶使いにくいが、オプションのキーボードと33600bpsモデムで快調である。NetscapeもMacTCPもPPPも専用チューンされているようだ。店員に”あなたなら買うか”と聞くと”買わない”。との事。客は来るか、と聞いたら、”あなたのような感じの人が多い。一般の人はピピンを知らない。”との事。バンダイの数十億の損失の原因がこの機械だ。店員と、もう少し頑張れば、たまごっちの利益でつぶれずにすんだかもね、と話す。そうそう、絵の多いページを表示させると、途中でメモリー不足、という警告が出る。マックのように、いきなり落ちないのが改良か?。
これで、私自身Media-BOX(Taito)、I-BOX、ピピンと一通り使ったが、やっぱりこちらにも書いたように、たとえ型遅れの486DX-2や68040でも、ちゃんとしたパソコンの方が良い。マック信者な向きにはコレクターズアイテムであろう。
秋月に行くが、本日休業。T-ZONEの部品屋も休業。千石通商もめぼしい物なし。丹青は特に無し。丹青前で、道路上の縄張りについて、なにやら言い合っている店員がいた。”この線より先ではチラシを配るな”、と怒鳴っている。怒鳴られている方がB5サイズのチラシをくれたが背筋から冷や汗。似ている、感じが。このチラシはあの今は無きM店に似ている。そそくさと離れる。
帰って、さっそくこちらを見て再度凍り付く。ViewTopのビデオカードを売っている店はあやしい、とある。確かにこのチラシにはViewTopがリストアップされている。なんとホームページも持っている(http://home.*nterlink.or.jp/~***sal/ 秋葉ホットラインというページには、けっこう役に立つ情報が書いてある)。ブランドの背景色は、あのMと同じ色であった。このチラシもコレクターズアイテムであろう。
ニューサクラヤは閉店時間。いまのように衛星デジタル機器がスーパーで5万以下では、商売も難しい。ラジオデパートは閉店時間。エレパも斉藤無線もパス。
翌日はアメヨコ。ガード下のMという店に、ついにたまごっちの在庫発見。今回の定点観測の最終目標が達成された。値段はもちろん定価では無いが、高くも安くも無い、というところ。ただし供給は少数かつ不安定のようだ。
街は気温のせいか、マーメイドルックが減ってミニの女性が増えてきた。春である。そうそう、
Feb. 19,1997 (Wed.)
フライトアテンダントのナゾ
にも書いたが、契約社員のおかげで最近のJALのアテンダントは大変愛想が良い。担当は、なんとか茜に似て、サービス最高。季節柄子供やインファントが多いことがあって、シニアーキャビンアテンダント(名前が長い)のアナウンスも職人芸的におもしろくて、子供達もおとなしくしていた。客室最後部には、トランジットと思われるJAL社員多数がいたが、爆笑していた。機体は古い747で客席のピッチも狭いが、楽しいフライトであった。JALも変わりつつある。
最初に戻る
今日はおとぎ話である。さて、あなたの使っている電話(有線)の受話器のマイクとスピーカーの距離は何センチあるだろうか?それに関連したおとぎ話である。
昔々あるところにA国に電話の会社があった。A国からはB国に多くの製品を輸出していたので、A国は大幅な輸出超過であった。そこでB国はA国に何か買って欲しかった。そこで電話機を買ってくれるように頼んだ。
その電話会社は、”A国の人は背が低く、顔が小さいので、B国の電話機の受話器のサイズが合わないからダメです。”とウソをついた。B国の人は、”なるほどそうかもしれない”と騙されて一旦は引き下がった。
しかし、B国は世界中の人種の口の耳の間隔を調べてみると、大した差が無いことがわかった。そりゃそうだ、別に普通の受話器を小学生が使ってもさほど問題は無いのだ。そのデータをもって再度A国に売り込みに行った。今度はウソがばれたA国はノーと言うわけにいかず、しぶしぶ買うことになった。B国はA国の電話会社に不信感を持つようになった。
しかしB国が売り込んだ電話機はA国ではあまり売れない。無理も無い、B国では電話機はみんなすでにプッシュホンだったが、A国では大半が遅れたダイヤル式だったからである。
その後、B国が何か売り込もうとするとA国は前の事情があるのでイヤとは言えない。しかしB国の*ACS電話を売り込もうにも、A国の電話会社は独自の*iCapなので、使えない。次世代のデジタル携帯では*DCとか世界と違う方式で国内を再度固めている。結局A国の別の電話会社にB国の携帯電話を無理矢理押しつける。当然経営が難しくなるがそこいらじゅうから融資や出資で何とか格好を付けた。
さらにB国の神経をさかなですることが起こる。A国の電話会社は民営化され、さらに分割されるのだが、それに関係する特殊な優遇税制が適用されるし、株主の制限があるというのだ。B国はフェアじゃないと思う。A国の電話会社は今度もワイドバンドCDMAとかで、すでに世界に広く普及した米国Q社のCDMAと違う方式を新たに開発中というではないか。B国には、A国がまたまたまた何か非関税障壁を画策しているのではないか、と疑心暗鬼になる。
さらにその会社はB国内でも商売を始めるというではないか。市場を独自の方式で囲い込んだ上に、民営にしてはディスクロージャーが不明朗な会社にB国は政治的に免許を許可したくない、とお互い不信の固まりである。
というわけで、こちらにしつこく携帯にもPHSにも受話器の大きさが必要なのだよ、という話の出所のおとぎ話はこのあたりにある。もちろん、このおとぎ話は、本には書いてない。
最初に戻る個人的な事情でマンションの査定を2度ほどやって貰った事がある。素朴な疑問として”どうやってマンションの値打ちがわかるか”ということで、査定の方からいくつかヒントを貰った。
表向きは、立地、建て主、売り主、窓や採光面の数、駐車場等で決まってしまう。構造は鉄筋コンクリート(RC造)より鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)の方が柱や梁が細く造れるので良い。しかしこんな事は当たり前でどの本にも書いてある。我々素人としては、とにかく建物自体の値打ちが知りたくなる。
そこで、上記の条件を完全に無視して物件のみをぱっと見て、造りがすぐ分かるのはどれか、と無理矢理ポイントを絞ってもらったところが、上がり框の高さであるとか。これは部屋に上がらずとも玄関を見ただけでわかるという。
上がり框(かまち)とは、下足を脱いで家に上がる所の横木のことで、ポーチ面と室内の床の高さの差が大きいほど上等だと言う。そこに大理石が貼ってあるかはさして重要でないとか。ただし御影石が貼ってあれば上等だと言う。
マンションは、もちろん部屋が広い方が良いに決まっているが、天井が高いことも重要だ。しかしコストは有限であるから、建物高に対して最大限に室内高さを確保すると、必ず天井裏か床下の高さか、床のコンクリート(スラブ)の厚さが薄くなる。
高級マンションはどうなっているかと言うと、天井は直張りが増えている。その代わりフリースタンパーといって、床はゴム足のついた金具でスラブから浮かしてあり、防音に有利。水道や電気、ガスの配管はその間を転がせるので、台所、風呂などがある程度自由に配置できる。換気もある程度期待できるし、配管の修理もしやすい。
また各部屋の段差を無くすのも容易。壁面はコンクリの上に根太をボンドで張って、その上に壁を張ってある。浴室は、床下の配管に余裕があると浴槽を低く置けるので、浴槽が沈んだように見える。スラブは勿論厚い方が良いが重くなる。そこで中空の紙パイプを置いた後コンクリを打って、厚いが軽量化できるボイド構造も増えている。
こういった事がすべてが、上がり框の段差の大きさに反映されるという。逆に上がり框さえ高ければ全てが良い訳ではないが、コストに一番関係する事なので他もそれに習って良い可能性が高いとか。
逆にコストを押さえるには床は直張りになる。壁もコンクリの上に直接壁をボンドで張る。水周りは集中配置する。風呂は床の上に浴槽を置いた感じになる。当然上がり框は低くなるとか。しかし、現在は技術が進んでいるので、床が直張りであってもかなり防音は良くなっているとか。
しかし"造りばかりを追求してもしょうがない。あなたの払える金額には限りがあるでしょう?立地などとのバランスも大事で、何よりそこに住んで満足できるかどうかが一番大事じゃあないですか?"、とのことである。耳に痛い言葉であった。
最初に戻る今日のは題名が長いが、内容は吟味したので勘弁願いたい。
風邪の時に飛行機に乗るとロクなことが無い。まず空調の問題であるが、高空(12000m)では気圧が低い。そのためにジェット機ではエンジンの圧縮機からの高圧の空気を調節して機内を与圧している。しかしその気圧は地上の気圧の1/3〜1/5位しか無い。
高空では機内外の圧力差は約0.6kg/cmm2だから、約1.5m2のドアには内から外へ約10トンもの力が加わる。このためドア自体はドアの穴より大きいし、機内側からフタをする形になっているので、ドアをいったん斜めにして外に出さないとドアが開かないしかけである。
機体は高空では数センチ膨らむほどのストレスを受る。ストレスは高空にいること自体よりも、離着陸で高度を変える度に加わる。本当ならもっと与圧を上げてもいいが、そうすると機内外の圧力差が大きくなるので機体を頑丈にするために重くなって荷物が積めなくなる。その分コストは運賃に跳ね返ってくるから、これで我慢するしかないのだ。
簡単に取り替えられるエンジンと違って、機体は変えられない。また着陸の度に脚と機体に大きな荷重が加わる。従って飛行機の寿命は飛行時間よりも離着陸回数で決まる。その点フルロードで燃料を残したまま離着陸回数の多い国内用機体は消耗が大きい。一方飛行時間の割に離着陸回数が少なく燃料を使い切って着陸する国際便の機体の方が長持ちする。
だから機体は国内便と国際便と同じように見えて補強が異なる。どっかの会社は国際線用の古くなった機体を国内用にも使っているが?DC-10などは国内用は脚が4本あり国際用は3本である。機体のナゾについては
も参照して欲しい。
気圧だけではない。暖房は高温高圧の圧縮機の出力を使う。冷房は高温高圧の空気をノズルから広いタンクに吹き出して急に断熱膨張させると温度が低下する(エアサイクルユニット)ので、これを冷房に使う。しかし高温高圧の空気を減圧してエアサイクルユニットで冷やして、さらに水分離器を通過したあとの湿度は0%である。そう、実に0%なのである。
湿度の高いアジアモンスーン地帯に数千年生きてきた日本人は乾燥に弱い。欧米人は乾燥に強いが、その代わりかなり水分をとっている。そのため鼻やのどの粘膜がカラカラになってしまう。この状態では粘膜の繊毛運動が低下するために気道粘液の粘度が上がってタンがたまり、また気道が刺激を受け易くなるからセキが出る。
それだけでは無い。機内の換気は3〜5分で一回入れ替わる程度の能力だから、インフルエンザ患者が一人いると、ウイルスは機内中に広がってしまう。ただウイルスが全員にうつるワケではない。ウイルスは水分があると粘着して感染力が低下する。しかし乾燥した鼻やノドには感染力が強い。さらに乾燥していると飛沫が空中に漂いやすいのである。
さらに気圧の問題がある。上昇時には中耳や副鼻腔(詳細は、ばーちゃる耳鼻咽喉科を読んで欲しい)の圧力が高く機内の圧力が低くなる。従って中耳や副鼻腔から空気が出てくる。これは少々風邪をひいていてもさほど苦痛は無い。
問題は下降時である。この場合中耳や副鼻腔の圧力より機内の圧力が高い。従って空気が中耳や副鼻腔に入ろうとするが、これが難しい。風船でも空気は出やすいが入りにくい。特に風邪を引いていて中耳に空気が入る管(耳管)や副鼻腔の通気孔(自然孔)の粘膜が腫れていると、テコでも空気が入らなくなる。注意深く観察すると下降時に機内で子供が一斉に泣き出すのがわかる。
そうするとまず耳が猛烈に痛い。通常飲み込んだりあくびしたりすると耳管が開いて中耳の圧力が調節できるのだが、風邪をひいているとうまく行かない。場合によってはばい菌やウイルスを含んだ鼻汁が気圧によって中耳に引き込まれ中耳炎(航空性中耳炎)になってしまう。副鼻腔の場合は痛みである。篩骨洞や前頭洞では眉間や目の痛み、蝶形骨洞では後頭部の痛み、上顎胴では顔面の痛みがでて、これをサイナススクイーズという。
搭乗するときアテンダントがにっこりあめ玉をくれる。これはサービスではなく、あめ玉をなめて唾液を飲み込む度に耳管が開いて気圧の調節を助けるために必要だから、はずかしがらずに貰って置く。飛行中は飲み物をくれるが、これも同じ目的だからどんどんもらおう。これらはサービスでなくて必需品なのである。
以前は降下中に泣き出す子供たちにはあめ玉をくれたが最近はくれない。どうもあめ玉がノドにつまることを恐れているようだ。PL法の影響だろうか。かわりに強く催促するといやいやジュースを持って来るから、子供連れの場合は必ず催促すべきであるし、ノドにつまらない中心に穴の開いたあめ玉を持参するのがベストである。
そもそもアテンダントは搭乗客の安全と健康を確保するためにいるのであって、健康のためにあめ玉や水分を配るのは単なるお茶くみとは目的が違う大事な仕事なのである。そのあたりをはき違えて、"私たちお茶くみじゃないわ"という勘違いの向きが時に居る。もっとも搭乗客の方にも勘違いの向きが多いが。アテンダントのナゾについては
Feb. 19,1997 (Wed.)
フライトアテンダントのナゾ
も参照して欲しい。 だから、風邪をひいているときに搭乗するのは自分にも周囲にも大迷惑なのだ。そうしても搭乗する必要があると言う場合は、準備が必要である。
1.まずアレルギー性鼻炎の薬を飲む。薬局に花粉症用の薬が売っている。ただしノドが乾き気味になるから水をガバガバ飲むこと。副作用の眠気にも注意(丁度良いかも)。
2.鼻づまり用スプレーを搭乗前に使う。銘柄は抗アレルギー薬の入ったRル点鼻液が良いようだ。
3.水をガバガバ飲む。何杯でもトイレに行く程、アテンダントにあきれられる程飲むと良い。ならばビールが、と思うが鼻が充血するので逆効果。風邪は水分で治る、という学説もあるほどだ。
というか、やはり風邪を引いていたら家で寝ているのが良い。もし日本経済の先行きが不安、という向きは別だが。結局はウイルスをばらまくのが関の山である。
最初に戻る本日の話はフィクションである。
とある場所で電力会社系列の会社が住宅を分譲していた。私も購入を考えたのだが、知り合いがそっと耳打ちしてくれた。まずその会社の家は雨漏りが多い、という。本当かいな、と思って見に行くと、なるほどその会社分譲の家は補修工事中か工事後のものが多い。うわさによると、コスト構造の中間にブラックホールがあったという。
どうしてその会社が分譲したかわかるか?というと、これが簡単。電気温水器の大きなタンクがある家に限って、外装塗装が新しいか、あるいは工事中だからである。その会社の名誉のため申し沿えると、すべて誠意ある補修が行われ、またそれ以降の分譲では品質は改善されたという。
しかしそれだけではなかった。言われるまで気付かなかったのだが、その会社分譲の家には、あろうことかガスが引いてない。当然苦情が出たわけだ。なんせ目の前にガス管があっても、家に引くには結構大工事で高くつく。
特に料理自慢のいる家庭では致命的で、電気コンロでは料理がうまく行かない。私自身米国で3年間電気コンロ(渦巻き線)を使ったが、中華なべがコンロに乗らないし、さっと焼く、あぶるとか急に熱量を変えられないので、とにかく料理しにくい。住宅展示場に電力会社提供の夢の電化住宅というのがあるが、実際に住むにはどうだろう。家自体の立地が良いので分譲は抽選になった模様だが、その社の住宅だけは倍率が低かったとか。
実は親戚の家は電気温水器(時間帯別電灯契約対応型では無かったが)である。しかし年に何回か客が泊りにくるとお湯が不足し、夜中に風呂の途中で突然水が出て来て大変な目に合ったそうだ。もっとも
でも書いたように、コストから言うと深夜電力(昼間の1/3)はガスよりはるかに安いが。
似たような話はある。とある関西のガス会社と共同で仕事をしていたが、その会社には表向き電力線は一切引き込まれていないことになっているという。実は保安用(火災報知器とか電話交換とか)にごくごくわずかの電気は引かれている形跡がある、とエンジニアが教えてくれたが、大半の電気はガスを用いたコジェネで賄っているとか。コジェネとは、ガスでタービンをまわして発電や空調に使うシステムである。かなりな努力であろう。そうそう、その会社の役員用自動車は当然ガス自動車であった。
ご想像の如く、とある関西の電力会社には当然ガスは引かれていないとか。
新しい巨大ビルの計画が持ち上がると、かならずこの2つの会社は鉢合わせになるそうだ。ガス会社からはガスやコジェネによる発電空調システムが提案されるらしい。電力会社はもちろん電力を薦めたいわけだが、夏季の電力逼迫の問題もあり氷蓄熱空調システムが出てきて、かなり熾烈な売り込みになると言う。
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3/11日のN経新聞によると、T電力会社が買電の入札を行ったところ1kwあたり6円台後半の入札が石油会社からあった。条件は稼働率80%のベース電力で、今後用地を取得し発電設備を建設し適正な利潤を見込んだ場合である。対するT電力会社の同条件の価格は9.3円であり、T電力幹部は驚愕した、とある。詳しいデーターはこちら に調達者、ベース、燃料、電力量などの報告がある。
実は、このページでも
でかなり詳しく電力料金を検討した。その時書かなかったが、仮に自家発電で電力を賄った場合のコストを算出したことがあるので書いてみる。最近暖房はエアコンから石油に変更したので1ヶ月の電気代は\16000で、電力量は約600kwhとなる。N経新聞ではT電の総合単価は\19.28/kwhとあるが、累進的料金あるいは懲罰的料金システムのため、実際の単価は\27/kwである。
仮に、ホンダのディーゼル発電器、EXR3.0D(定価42万円)を使用するとする。仕様では定格3kwh(60Hz)だから普通の家庭ならお釣りがくる能力で、軽油12.5リットルで9.1時間発電可能である。とすると、kwhあたりの燃料消費量は
12.5 / (9.1 x 3) = 0.46L
となる。灯油が\45/Lだからkwhあたり0.46x45=\20.7、つまりQ州電力の\27より遥かに安いのである。これは驚きだ。これは電気の引いていない別荘地で発電機を設置し、憲法の保証する健康で文化的な生活を行って、電子レンジや洗濯機など30アンペア消費する、という極めてあり得る設定である。
注意深い人は、設備費および償却費が算出されていないと言うかも知れない。発電機は52万円で売価45万円くらいか。通常の寿命は約30000時間と仮定し、一日10時間運転するとすると、装置は30000/10=3000日=98ヶ月の寿命があると試算できる。従って設備償却費は毎月450000/98=4592円となる。
結局設備償却費を加えたコストはkwhあたり4592/600 + 22 = 29.7円となり、Q州電力の料金と9.8%しか差が無いことになる。これも驚きだ。
もちろん、電力の安定性は比べるべくも無い。エアクリーナ、オイルなどのメンテも約500時間毎に必要だ。だが市販の小型汎用発電機を使って、近くのガソリンスタンドに灯油缶を下げて燃料を定価で買いに行くという非能率的な発電方法に発電機の購入と償却を見込んだコストが、巨大発電所でC重油で発電して電線引いたコストと大差ないのである。考え込んでしまう。
P.S.
後に調べた所、3Kwの発電機は実売で通常型8万程度、低騒音型でも20万以下なので、機器購入費は試算よりかなり下回るようだ。一方燃料は灯油としたので、実際には少量の潤滑油を混入する必要がある。自動車用では無いので灯油を使っても違法にはならないらしい。
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ある識者によると、日本の税制の最大の欠点は源泉徴収だと言う。この制度のために大半のサラリーマンは自分で税金を計算しないので、税金に対する認識が不十分だとか。さて通常の勤め人が計算することが無いであろうから、ここで年収800万、親子4人として計算してみよう。計算はあまりにも簡単なので、ぜひ足し算引き算とかけ算のできる向きは試して欲しい。材料は源泉徴収票、生命保険控除証明書、損害保険控除証明書のみとする。
まず源泉徴収票の支払い金額を合計する。普通の勤め人がいくら稼いでいるか知らないが、ここでは800万とする。親子4人家族とする。これから給与所得を計算する。
800万x0.9-120万=600万 (収入が660万から10000万未満の場合。660万未満は簡易給与所得表による。また収入金額が1000万以上の場合は0.95を乗じて170万を引く。詳しくは確定申告の手引き29頁)
とすると支払い金額と給与所得との差額は200万。人間を機械と考えると、これは機械を運転するための燃料費、整備費などメンテする費用と考えられる。背広や靴、読書、映画、昼飯、パソコン、HなCD-ROMなどすべてが含まれる事になる。
つぎにこれからいろいろな物を差し引く。まず源泉徴収票の社会保険等、の金額。ここでは仮に60万としよう。生命保険は年10万以上いくら払っても差し引く金額は5万円。損害保険(火災保険など)も年2万以上払っても最高1.5万円。配偶者(38万)と配偶者特別控除(38万)で計76万円。子供が二人で38x2=76万円。なぜか基礎控除は一律38万円。従って
600万-60万-5万-1.5万-76万-76万-38万=381.5万
ここで差し引かれた223,5万は人間を再生産に要する金額と考えられる。機械と違って人間は人間からしか生産されない。夫婦二人を再生産するためには、配偶者と子供が約2人以上(正確には2.2人)必要だが、その年間償却が223万というわけだ。子供の成人するため20年かかるとすると、223x20/2=2230万/人が成人のコストになる。従って381.5万円が税額の対象。確定申告の手引き31頁によると381.5万x0.2-33万=43万の税金。
もし家を買ったら5年間は税金を引いてくれる。ただし土地ではなく建物相当額のみ。建物が仮に1500万とすると、1500万x0.01=15万(購入時期がH6年の場合。H7以降ならプラス5万)
これで43万-15万=28万。特別減税がその15%だから 28万-28万x0.15=23.8万。家の控除や特別減税が源泉徴収で正しく計算されていればあらかじめ支払った源泉徴収額も23.8万で、確定申告はプラスマイナスゼロとなるはず。
こうしてみると税金の問題は明白である。まず努力が反映されない。パソコンが控除されない。米国では税金の申告の計算に使用した電卓、表計算ソフト、パソコン(部分だが)は控除される。
配偶者と子供の控除が安い。出生率が低下して大変だと言うが子供の控除が一人38万ではどうだろうか。子供は将来税金を払うと考えて、目をつぶって倍にしないと子供は増えず年金は破綻する。
家だが年15万の控除で喜んではいけない。建物1500万なら土地込みで4000万はするだろうから、ローン金利(年120万)はおろか、購入時の消費税120万(家には他にも税金がたくさん付くが)も回収できない。米国では住宅ローンの金利は全額控除になる。公庫(郵便貯金からの財政投融資の逆ざや)を廃して金利を控除した方が税制上良い、という意見も識者に根強い。
うーーん。自分自身のメンテ代が年200万で、再生産代が年230万か。税額は累進課税だから、所得の多い人でもこの額に大差無い。そう考えると夢が無い。あ、そうそうこれを基準に市町村の税金も付くことを忘れずに。
最初に戻る仕事柄、電算機業界、通信業界のエンジニアと良くおつきあいするが疑問に思うことがある。先日も仕事の展示会でインターネットのセットアップをWindows95上でエンジニアがやっていた。ISDNでとあるプロバイダーにつながった。そこでブラウザーを開くと表示範囲が狭い。この機械は640x480x256になっていたのである。
そこで解像度を1024X768X256にして欲しいとお願いすると"この機械では出来ない"とのこと。机の下のAT互換機を見ると結構上等なサーバーマシンであった。そこで私がスクリーンのプロパティーで1024x768x256に設定すると驚いている。そんなに簡単に変わるのですか?と言う。
驚いていてもらっては困る。職場に多くのWin95、WinNTマシンがあるが、知らない内に壁紙やスクリーンセーバーやフォントや解像度が変わっている。CD-ROMドライブでは、それぞれお気に入りの音楽CDが演奏されている。それは別にコンピューターの教育を受けた訳でもない彼女らが一番快適、と思うように設定を変えているのだ。だからこっちがどうこう言う筋合いでもない。そういうユーザーよりプロが知らないのだから、こっちが驚く。
パソコンでインターネットにつないでどうこう、という仕事でお客さんに接してメシを喰っている人は、最低Win95やMacintoshの基本的な操作方法とかは覚えて置いて欲しい。また自分でパソコンの一台でも買って、自分でモデムなりTAの設定をしてプロバイダーにつなぐ程度の事はやっておいて欲しい。
これを期待するのは asking too much なのだろうか。それともやっぱり期待していいのだろうか。私が自分でわからなくなってしまった。ご意見があればぜひ私までお手紙を下さい。
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世の中にはおもしろい話がある。例えば、実は何倍も長持ちする電球が発明されたが、そういう発明は絶対に商品化されることはない、とか。(実際には、高所などに使う長寿命電球というのは実在するが高価である。)
しかし最近それに類した話が本当にあるのではないか、と思われるのがある種のフッ素入り歯磨きである。私は大学生まで虫歯が無かった。体質らしいのだが、とあるアトラスに私の歯が載っている。それは磨き残しをチェックする色素で真っ赤(つまりまじめに磨いていない)のに虫歯が一本もなかった小学生の私の歯の写真である。
しかしこれは考えてみると矛盾している。歯を磨け、早めに治療しろ、というのが学問だからである。私のような人がマレにいるらしく、どうも唾液中のカルシウムの量が生まれつき多いらしい。もっとも大学生になってお菓子ばかり食っていたら(私は甘党で、羊羹、かりんとう、黒棒、アイスクリームが大好きである)、c1と呼ばれる軽度の虫歯ができてしまった。それ以来20年間、まじめに磨くようになったにもかかわらず、その虫歯はさほどの変化を見せなかった。
ところが先日歯学部の学生の講義にいったおり、中休みにお菓子をあさりに売店に行ったところ、変な歯磨き(C歯磨きPW900)をみつけてしまった。なんでもフッ化ナトリウム900PPM含有とある。これは通常のフッ素入り歯磨きのモノフルオルリン酸ナトリウムよりかなり強力らしい。売店のおばさんに効くと、"よく効く"とのことで、試してみた。値段は\600だったと思う。えらくまともな値段である。
それで磨いていたら、何と20年来大切に保存してきた虫歯が消えてしまったのである。臼歯のくぼみの穴が消えてしまった。ちょっと自分では信じ難いのだ。話がうますぎる。いままで虫歯にちょっと効いたかなあ、という歯磨きはあったが、これははじめてである。なんでも同じシリーズでフッ素100PPM含有の子供用もあるらしい。
欧米ではフッ素を用いた虫歯予防がさかんである。肉食が主な民族では特に関心が深い。さまざまな食品やガムにフッ素が添加されている。なぜか国内ではそれらは手に入らない。もっとも歯科に行くとフッ素入りのうがい薬を処方してもらえる。私も使っていたが、うがいをさぼるので虫歯を治すところまではいかなかった。その点歯磨きのほうが使いやすい。 ただしこの歯磨きは普通の薬屋には置いて無いようだ。大学の歯学部の売店に置いてある。これ以上書くと私の身がヤバイから書かない。したがってこの項の内容に関してはいっさい保証しないので、自らの責任で試してほしい........
最初に戻る車は鉄でできているから必ず錆びる物である。鉄が変な応力を受けて無くて、完全なリン酸処理(パーカライジング)を受け、完璧な亜鉛メッキを受け、完璧な下塗り、上塗りを受けていても錆びるのである。そのひとつに電触がある。
車で使われる金属には鉄、アルミ、ステンレス、銅、亜鉛などがある。これらはイオン化傾向が異なる。例えば亜鉛Znと銅Cuを食塩水につけると、銅がプラス、亜鉛がマイナスとなる。ZnがZn++となって食塩水に溶け出すので電子e-が残る。この電子を電線を通じてCuに伝えるとCu表面でのH+がe-を受け取ってH2Oになる。
車を見ると、錆びやすい所の鉄は亜鉛メッキしてある。亜鉛は鉄よりイオン化傾向が強いので亜鉛がイオンとなって溶出し、鉄は電子を受け取るので錆びないのである。ところが車を見るとモールにはステンレスが使われている。以前のように窓やグリルのモールが直接板金にネジ止めされていると簡単にモール部分の板金が錆びて穴があく。現在はプラスティックの薄板を隔てて接着されているが、イオンを含んだ水分があれば同じ事である。従って錆びないように、とモールを付けると、その部分から必ず錆びてくる。
以前米国で車のバンパーが購入後まもなく落下する例が多発した。見るとバンパーの骨格(鉄)を緩衝装置に固定する部分が腐食していた。バンパーは6マイルバンパーと呼ばれ、頑丈な骨格が衝撃吸収装置(テレスコピックダンパー)に取り付けてある。そこでメーカーはバンパーの取り付け部を強化し、防錆処理を施した極太なネジで固定した。ところがますます落下事故が増えたのである。
原因はおわかりであろう。バンパーの取り付け部にはネジによる擦り傷が付く。北米では冬季に凍結防止剤を撒く。これが取り付け部に付着し局部電池を生じて急速に腐食が進む。ネジは防錆処理のため錆びにくく陽極に、鉄はイオン化しやすいため陰極になる。都合の悪いことにバンパーが重いので、この部分にはかなりの応力がかかっている。応力があると金属の結晶構造にひずみができるので、ますます錆び易くなるのである。
世界最大級のメーカーがこの事に数年気付かなかったのも意外だが、解決策も意外であった。日本人のエンジニアであれば、バンパーや取り付け金具をコーティングするとかステンレスやアルミにするであろうが、米国人の考えは違う。連中はバンパーに穴を空けた。穴の切り口は鉄が露出している。この部分を錆びさせることによって取り付け部分の電触の電流を緩和したのである。バンパーも軽くなった。
こういう発想はなかなかできない物だ。車のエンジンで負荷が大きいのはコンロッドのピストンピンまわりだと言う。エンジンを高速回転させるとピストンピン付近でコンロッドが折れる。普通のエンジニアだとその付近に肉を持ったり、リブやRを付けたり表面硬化処理をする。しかしあるエンジニアはそれ以外の部分の肉を削ったところ、結局高速運転に耐えられるコンロッドになったそうである。
飛行機でもエンジンや翼の取り付け部分に応力がかかる。この場合はその部分以外の部分の剛性を下げることによって応力を分散する。それによってトータルで丈夫な構造になる。なかなか気付かない発想である。
最初に戻る古いビデオ(デッキ)の壊れ方で多いのは
1.早送り、早戻しが効かなくなる。そのうちに、テープがデッキから出てこなくなって、無理に出すとテープがぼろぼろになって出てくる。
2.画像に雪が降ったり、画像が不鮮明、不安定になる。
の2つだろう。前回1.について書いたところ、2.について書けというリクエストがあった。予め断って置くがヘッドドラムの寿命は数千時間程度なので、寿命が来たヘッドは交換するか捨てるかしかない。以下はまだ寿命が残っている場合の話である。
まずヘッドの構造を知る必要がある。ヘッドはテープ面に対して斜めに回転している。VHSの場合ヘッドドラムは上半分が回転し下半分は固定している。ヘッドはドラムに2個から8個ついている。個数の数え方にばらつきがあるのは複合型の物があるからだ。多数必要なのは、きれいなスティルとピクチャーサーチ、つなぎ取りのときに画像が乱れないためである。通常見ている分には4個でいいはず。
ヘッドは薄いフェライト製でコイルが少数回巻いてある。ヘッドのギャップは数ミクロンであり、物によっては複数のギャップを持つ。表面は何らかの硬化処理がなされている。ドラムが回転するのにヘッドで拾った信号をどうやって伝えるのであろうか。ヘッドドラムをばらしてみると、同軸型にコイルが多数巻いて合って、相対するコイルに電磁誘導で伝えるようになっている。高級品の中にはドラムにアンプを仕込んであるのがあるが、その電源も電磁誘導で伝えられるらしい。
ということでヘッドに直にさわったら、もろいフェライトのミクロンギャップのヘッドは簡単にパーになるということをまず認識する必要がある。従って素人は上記の様な症状があった場合、まず乾式のヘッドクリーナー(ビデオカートリッジの形をした)を使うべきである。これはテープに研磨剤が仕込んである。使い過ぎればヘッドもすり減るので回数に注意が必要。
それでもダメなら今度は湿式を使う。しかしこれにはヘッドをパーにする可能性がある。順番が狂ったがどうして湿式が必要なのであろうか。それはどうしてヘッドが汚れるかを知れば理解できる。
そもそもビデオデッキというものはきれいな環境で使うシロモノであり、間違っても高温多湿、綿ぼこりのする家庭で使うものでは無いものを、日本の家電メーカーの力で家庭に降りてきたものである。その最大の敵はヘッドの結露である。湿度でテープが張り付き磁性体、バインダー、ゴミをヘッドドラムにこすり付けてそのまま乾いてしまう。そうするとヘッドとテープの摩擦が不安定になって雪が降ったり、同期がとれなくなるのである。
このためのメーカーの策は加熱である。今待機電力が問題になっているがビデオはヒーターを10W近く焚いている(正確には、シリーズ型の安定化電源でわざとある程度発熱させている)。さらに結露センサーを配置し、結露したらヒーターを焚いた上でまだ湿気があれば動作拒否するしかけ。このように水分がヘッドの汚れのもとなので湿式の方が強力なのである。しかし危険と書いたのはこれでかえって悪化した経験があるからだ。だからビデオのテープを入れる穴は時々掃除し、テープのカートリッジのホコリを落としてから挿入することが一番大事だ。
でフタを空ける。ヘッドドラムが見える所までバラす。ドラムを回してみると汚れが見えるであろうか。もしあれば綿棒にアルコールを染み込ませて汚れを取るがぜったいにヘッドにさわってはいけない。綿棒の繊維がからまってパーになる。ドラムの頑固な汚れはツマヨウジの先でほぐすと良いが、けっしてドライバーのような堅い物でさわってはいけない。四塩化炭素という猛毒を使うと格別に汚れが良く落ちるが、発ガン性がある上にヘッドを固めているプラスティックも溶かすので、使わないのが無難。
これですくなくとも再生は安定するであろう。それでも画像が甘い場合はドラムでなくヘッドの問題だ。乾式や湿式クリーナーでダメなら、アルコールを名刺のような紙に染ませて、回転方向にこすってみる。ケバの出る紙はだめだ。これでもダメなら壊れること覚悟(失敗すれば廃棄)で歯ブラシにアルコールをつけてヘッドを走行方向にこすって見るのが最後の手。ヘッドは走行方向には強いが上下にこするとと簡単に折れるぞ。
さて最近のビデオにはデジタルトラッキングというのがある。これは信号からトラッキングを自動的に合わせるシロモノだが不具合が多い。トラッキング不良の機械でダビングすると、複数の継ぎ目(ノイズの帯)ができることがある。ダビングを繰り返したHビデオで良くある。デジタルのオートトラッキングの場合、複数のノイズの帯のためどの継ぎ目に同期してよいかわからず再生不能になることがある。オート自動解除で手動できれば良いが、解除出来ない機械ではお手上げ。
これはトラッキング調整がマニュアル式の機械で何の問題も無い。前回書いたようにコピープロテクトの問題もあるので、古いマニュアルトラッキングのデッキもぜひ一台在庫しておきたい。古いビデオの方が安定して再生できる場合がしばしばある。
最後に不安定な再生の原因としてバックテンショナーの不具合がある。再生の時供給側の軸にはブレーキをかけてテープに張力を与える。テンショナーは細長い銅板にフェルトが張ってある。これが緩すぎると張力が不足して再生が不安定になる。この場合周期的に画像が乱れることが多い。
また張りが強すぎると軸の回転が重くなり再生や早送り早戻しが動作しないことがあるので、バックテンショナーの張り具合もチェックしておきたい。目安としては再生時に供給軸の回転に軽い抵抗がある位にしておく。
まあこのくらいがんばって廃棄されるのであれば、ビデオも往生できるであろう。次回は車のサビについて考えたい。
最初に戻る古いビデオ(デッキ)の壊れ方で多いのは
1.早送り、早戻しが効かなくなる。そのうちに、テープがデッキからでてこなくなって、無理に出すとテープがぼろぼろになって出てくる。
2.画像に雪が降ったり、画像が不鮮明、不安定になる。
の2つだろう。今回は1.について考える。
機械に詳しい人であればメカが磨耗したと思うであろう。さらに詳しい人であれば消耗品キットを使って修理を頼めば1,2万円で直る事を知っている。さらにさらに詳しい人であれば、ディスカウントショップに行けば新品のHiFiビデオが2,3万で買えるから修理せず捨てるであろう。
しかしさらにさらにさらに詳しい人なら、古いビデオではマクロビジョン方式のコピープロテクトが無効であることを知っている。ダビング用に便利なのだ(必ず古いビデオを受け側にする。プロテクトは受け側に効く)。かといって金をかけて修理するほどでもない。という方は続きを読んで欲しい。いっさい消耗部品の交換無しになんとかすることを前提に書いている。
長く使ったビデオであればベルト、軸、アイドラー、ブレーキ、バックテンショナーなどが磨耗する。しかし今まで7台のビデオを修理した経験からすると、致命的なのはアイドラーの磨耗というかアイドラーの軸が渋くなって、左右に首を振らなくなることで軸に回転力がうまく伝わらないことによる。テープが出なくなってボロボロになるのは、テープをカートリッジに巻き戻すのが不良になるからである。
さっそく修理である。ビデオの上フタをはずす。通常のビデオはビデオを挿入してドライブにロードするメカニズムがあるが、その上フタをはずしてメカが直視できるようにする。で、早送り早戻しの動作を見るわけだがビデオを入れないと動作しないシカケ。
メカのテープ送り側、受け側の軸中間にランプかLEDがあり、これがビデオテープの有無をチェックするセンサーの光源である。これに黒ビニールテープを巻いて騙す。次にビデオテープ挿入口から覗くとテープが挿入時に押すツメが左右にある。これをボールペンなどで左右同時に押す。これを決して指で押してはいけない。痛い目にあう。
うまくビデオを騙すとテープが無いのに動作してくれる。そこで早送り早戻しの動作を見る。もしブレーキ(軸の動きを止めるゴム)やテンショナー(フェルトが張ってあるバンド)がぼろぼろだったら、修理をあきらめて棄てた方がよい。Sンヨーなどはそのあたりが弱いが、通常のメーカーならアイドラーが先にやられる。
送り側、受け側の中央の底に、左右に首を振る部品が見えるが、これがアイドラー。首をふるところの軸の動きが渋く、うまく軸に回転が伝わらないことが多い。その首を振る軸になるだけ微量の注油をする。油はなんでもいいが、車のエンジンオイルならどの家にもあるだろう。しかし絶対に微量に限る。そのためには綿棒や注射器を使うと良い。重ねて書くが素人がビデオ、テープレコーダー、カメラ等で失敗するのは大抵油の差しすぎである。
そして何度か早送り早戻しをやってみると、次第にアイドラーの動きが良くなって早送り、早戻しが直るであろう。もしそれでも回転力が弱い場合は、アイドラのゴムの硬化した表面を目の細かいやすりでこすってやるとさらに効果的である。ついでにいろいろな所に注油したり掃除したくなるが素人はしないほうが良い。よけいな所に油がついて機械がパーになるのがオチである。その方面に心得のある人には油を差して良い所、悪い所、掃除して良い所、悪い所がわかるであろうから、ここでは書かない。
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