今日の必ずトクする一言
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Ver. June. 1997

June 30,1997 (Mon.)
ピーポ君のナゾ
June 28,1997 (Sat.)
欧州輸入車の価格のナゾ
June 26,1997 (Thr.)
仕事場のパソコン
June 23,1997 (Sat.)
続続エアコンの全熱交換機のナゾ
June 21,1997 (Tue.)
生命保険のナゾ
June 17,1997 (Tue.)
スーパーウーハーとスピーカーマトリックスのナゾ
June 10,1997 (Wed.)
誘導雷のナゾ
June 7,1997 (Sat.)
本屋のナゾ
June 6,1997 (Fri.)
プリペイドカード(テレカと図書カード)のナゾ
June 2nd,1997 (Mon.)
ボルテックスジェネレータのナゾ


Jun 30 (Mon.)

ピーポ君のナゾ

有名なKC庁のマスコットにピーポ君というのがある。写真のような代物で、実際には頭のとっぺんに輝く球体(アンテナを意味するらしい)がついているのだが、とれてしまっている。新品の色はもっとオレンジが強く、全体に電気植毛してある。異様に表情は明るい。何でもこのデザインは今は亡き高名な漫画家によるものらしい。

さて、この物体がバックミラーからぶら下がっていると、いろいろいいことがあるらしい。私は車にシールをはったり人形を置いたりするのは大キライであるが、これだけは別格である。そんなものが福岡でどのくらい効き目があるのか疑問ではあったが、我が家の車が2台とも最近切符をちょうだいしていないので、おまじない程度の効果はある。あるいは外部にでは無く、運転者に暗示の効果があるのかもしれない。

一部では大変入手難ともいわれているのだが、実はあるところにはいくらでもある。書いてもいいのだが差し障りがあるかもしれない。あるいは書くと神通力が薄まってしまうかも知れない。入手法を知りたい向きはメイルを下さい。先着50メイルのみにお応えいたします(笑)。

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Jun 28 (Sat.)

欧州輸入車の価格のナゾ

欧州輸入車の価格を米国と日本で比べてみたことがある。厳密には米国仕様と日本仕様は細部が異なるがおおむね装備をマッチさせてみる。

やはり興味がわくのはベンツであろう。小ベンツ、中ベンツは売れ筋のモデルで米国の40ないし50%高である。C280のような趣味性の強いモデルでは50%を越えるようだ。意外や大ベンツはマークアップが低く30ないし40%程度である。価格が高い割に数が出るのでこのくらいでも利益がでるのであろう。

次にBMWだが、これも売れ筋の3シリーズ、5シリーズではおおむね40ないし50%弱高である。ベンツと違って7シリーズ、8シリーズは逆にマークアップ率が高く、8シリーズでは60%以上になる。

興味があるのがポルシェである。売れ筋でおおむね60ないし70%高と出た。ただ車種によってばらつきが大きく、物によっては80%高の物もある。しかし、期待したほどベラボーでは無かった。

VW、アウディー軍勢はおおむね50%高であるが、私ははっきり言って高いと思う。実際には特別装備でかなりサービスしているのだが、オペルの影響が出ているのかもしれない。

さて以上の値段は高いと思うが、ベラボーとは言えないかもしれない。しかしベラボーなメーカーがある。それは北欧V社である。ここは売れ筋で70%以上高と、他社と比べて明らかに高い。しかし驚いてはいけない。車種によっては実に120%高、つまり価格が2倍以上のモデルがある。

V社に比べれば英国J社などは、まだ60ないし70%程度とさほどでもない。ラテン系のマークアップはいろいろであるが、V社には及ばない。このあたりは故障が多いので、このくらい取らないと苦しいのだろうか。

V社の車自体にネガティブな印象は無かったが、代理店を見る目は厳しくならざるを得ない。

メーカーは日本のユーザーの品質やサービスに対する要求が高いのが価格が高い理由と言っているが、それでも30%以下にならないだろうか。また趣味性の高いモデルほど代理店が高いので、並行が有利になる。FAST & FIRSTによると、並行のベンツもヤナセで整備してくれるそうだ。

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Jun 26 (Thr.)

仕事場のパソコン

パソコン雑誌を見ると、よくまた新製品がゾロゾロ出てくるものだ。進歩はありがたいことであるが食傷気味でもある。

仕事場のパソコンを数えてみた。個人所有と業務系をのぞいた研究および部門の事務用である。まず、インテル系統(DOS/VとPC98)であるが総計32台に上った。その内訳は

DOS/V系 25台
PC98系   7台
であった。DOS/Vの内訳を見ると

ペンティアムデスクトップ	1
ペンティアムノート       5
486デスクトップ      13
486ノート          2
386デスクトップ       2
386ノート          1
8086デスクトップ      1
というわけで、大半が486DX-2(66MHz)のデスクトップでメモリー16MBにサウンドブラスター16と倍速CD-ROMにハードディスク500MB内外のマシンだ。思えば486は16MHzから100MHz以上までかなり長い間主流であった。メーカーでは

富士通    10
キャノン   6
IBM    4
コンパック  2
PCin     2
DEC      1
というところ。やはりFM/Vの大廉売の時に購入した物が多い。当時ペンティアムはまだ60MHz-75MHz程度で486と処理能力に大差無く、CPUやマザーにバグもあった。結局ペンティアムの主流は133MHz以上でソケット形状も変わったところから、66MH-75MHzのバグペンマシンを回避したのは賢かったと思う。

みなさんの手元で初期ペンティアムで現在も安定して動いているマシンはあるだろうか?またサウンドブラスター16+CD-ROMという規格もトラブルフリーで、下手なSCSIのCD-ROMより良かった。このあたりが新製品をあおる雑誌を信用できない所以である。

この程度のマシンで処理能力にあまり文句は出ていないが、ペンティアムのラインもIIやMMXなどインテルのポリシーが混乱気味なので更新をどうした物か思案中である。

次にPC98軍勢であるが

PC9821AP 1
PC9821BS 1
PC9800DA 1
PC9800RA 2
PC9800FA 1
PC9800SX 1
とデータベースや制御用に古い機械がある。PC9821AP以降PC98系を買っていないのは将来性が不安だったからだが、結果的には杞憂であった。PC98のシェアは下がりつつあるがNECは本気で支えてきた。

個人的にDOS時代からのアプリケーションを抱えている向きにはPC98を勧めてきた。Win3.1とWin95の更新時も大きな問題は無かったし、故障も少なく、WinもIBMあたりより安定している。NECというのはいい意味でも悪い意味でもおそるべき会社である。

IBMはIBM版Win3.1はMS版より不安定だったし、Win95アップデートの時にPS/VなどのWin3.1マシンをサポートしなかった。3モードFDD、モデム、音源、PC-UNIXと問題が多く、ユーザーはいい迷惑である。

さてマック勢であるが、

9500  1
8500  1
8100  1
7100  2
630   4
575   1
520   1
となっている。高価なモデルは重装備のスライド作成マシンやノンリニア編集装置となっている。パワーPC勢の安定度は依然いまひとつで、68系の評判が良い。個人的にはアップルが68KからパワーPCに移行したのが正解であったかどうかはナゾだと思う。

医学系としては部門のマック率が低いのは当部門の電算化が早く、マック以前からPC98や5550などが存在したからである。個人的には

Jan. 18,1997 (Sat.)
マックな一日

にも書いたとおりMacPlus以来のユーザーで嫌いなわけではないが、パワーPCはつねに宣伝より遅いし、特に通信と印刷のトラブルでファイルを失った経験が多く印象悪い。部門では

印刷の前にまず保存

というのをモットーにしている。調子がいい間はグラフィック処理には依然として良い機械だ。

ただ、時に知らない間にシステムが改変されて信頼性を損ねる事があるので、システムフォルダーに鍵をかけたいと思う(実は鍵はかけられるが、ザルである)。

動いているあいだはシステムをいじらない

というのが大事な事なのだが、アップル自体のバージョン管理が破綻しているので、どれが正しいパッチやドライバーのバージョンかが定かで無いのは実に困ったことだ。

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Jun 23 (Mon.)

続続エアコンの全熱交換機のナゾ

エアコンに換気と加湿機能を望む事については、

March 27,1997 (Thr.)
エアコンのナゾ

May 9,1997 (Fri.)
続エアコンのナゾ

に書いた。そして、シャープの五空というエアコンへのリンクを紹介した。そこでは特殊な加湿装置と除湿装置の原理が書いてあるが、さっぱり要領を得ない。

ずーーと気になっていたが、どうもこの手の全熱交換機と呼ばれるシロモノではないか、という情報を非常にあやしいページに発見した。このページの怪しさは日本のホームページ史上屈指であるし、JAVAで有名な藤原博文氏のあきれ果てたページに紹介されているが、一見の価値がある。

加湿・除湿機の仕組みは、非常にあやしいページに載っている絵から僅かに推測できる。その機械には丸いわっかがあって、わっかの中にはハネカム構造の隔壁が多数設けられている。ハネカム構造物の表面にはシリカゲルあるいはゼオライトという材料がまぶしてある。そのわっかはゆっくり回転するようになっている。

そのわっかがはまっている部分には吸気と排気の半月型ダクトがあたっている。まず排気はわっかのハニカム隔壁に熱と湿度を残しながら排出される。そのわっかがゆっくり回転すると、ハネカム隔壁は吸気ダクトに露出する。吸気ダクトでは逆に吸気に湿度と温度を与えながら吸気される。これで湿度と温度を保存しながら換気できることになる。

積極的に除湿するには、室内の空気を吸気ダクトに通しそのまま室内に戻すと、全熱交換機を通る間に湿度はハニカム隔壁に補足される。これが次第に回転したところで温度の高い外気を当てると湿度が開放され、これを室外に排出すれば除湿になる。

さてこの原理から加湿もできることになる。外気をハネカム隔壁に通気して湿度を補足する。この隔壁が室内通気ダクトに回転してきたときに温度の高い室内気を当てれば湿気が放出される。

さらに情報を追うと、この仕掛けはパチンコ屋などの空調装置にすでに利用されているらしい。と書いたが、家庭用エアコンにどのように実装されているか、興味が残る。ひとつシャープのエアコンを買ってバラしてみるか。

この装置は基本的に恒常的にシリカゲルを再生するしかけである。そういえば活性炭もある程度再生できるのをご存じだろうか。これを書いて思い出したが、家庭用の蛇口に付ける浄水器がある。浄水器のカートリッジは

からなっている。このカートリッジはある程度再生できるようだ。カートリッジの出口から逆方向に40度ないし50度程度のお湯を流すと、まずプレフィルターからゴミや鉄錆が、中空線維から微細なゴミが取れる。さらに活性炭が加熱されることにより、吸着した物質が遊離する。カートリッジからは驚くほどの鉄錆が洗い出されて機能が復活する。ただお湯の温度と圧力が強すぎると中空線維が壊れるようだ。

どこかのメーカーは4週間毎に家を巡回してカートリッジをかなりの金額で交換するビジネスをやっているようだが、なんとなく疑問が残ってしまう。浄水器の水の出がめっきり悪くなった人は、カートリッジを捨てる前に試して欲しい。比較的水質が良いところで長く使ったカートリッジの回復は難しいが、鉄錆で急速に詰まったカートリッジは簡単に復活する。

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Jun 21 (Sat.)

生命保険のナゾ

先頃破綻した日産生命であるが、日経新聞によれば3000億の損失のうち2000億円を保険契約者保護基金から拠出し、残りの1000億円は契約者に負担させると生命保険協会が決めたらしい。

私は門外漢なので良くわからないが、生命保険は株式会社でなく相互会社であり、契約者は実は構成員(社員)だと思うが、処理策の決定権は契約者に無くて、業界団体にあるのだろうか?。

この会社は利息の高い個人年金と株価低迷、不良債権によって数年前から債務超過で、その後年間300〜350億円の損失を出していた事を当局に報告していたにもかかわらず、一切のディスクロージャーがなされずに突然破綻し、契約者に負担を追わせるとの事である。

生命保険のチラシが手元にあったらその右下欄外を見て欲しい。(登)H88-195(H.8.10.1)とか書いてある。これは一字一句全て監督官庁のチェックを受けた証拠。また四季報の日産生命の項には”日立・日産グループ。生損保の相互参入では日産火災と提携、販売協力へ。”とある。

厳しい監督下にあるのに経営危機は全くディスクロージャーされなかった上に、四季報ではあたかも日立と日産グループが後ろ盾になっているかのように書いてあるって経営状態は不透明。当局もソルベンシーマージン(支払い能力)を"無用の混乱を招く”(笑)として公開していない。

いままで多くの金融機関の破綻があったが、元本保証でディスクロージャーされていない善良なる契約者が突然に直接被害を受けるのは初めてのようだ。ということは我々は当局や会社の報告に頼らず自分でリスクヘッジしなければならない。

というわけで週刊東洋経済が試算した裸のソルベンシーマージン比率が(詳細は5月7日号)100%を下回るのはS友、A日、M井、C代田、K栄、T邦、N団、D100、日産、T京、D和とのことだ。この段落は東洋経済5月7日号92ページによる物でその真偽はいっさい担保しない。

また契約内容にも注意が必要だ。生命保険にはいろいろな商品があるが、それの内容は掛け捨て部分、貯蓄部分、特約、配当に分けられる。全ての商品はこれらの組み合わせに過ぎない。また保険以外に経費を取られている。

掛け捨て部分には定期保険終身保険がある。まず定期保険は車の任意保険とまったく同じ。ある年限の間に何かあれば保険金がおりる。通常自動更新されていくが、ある年齢以上は掛け金が非現実的になるので事実上年齢制限がある。これが生命保険のメイン部分だ。不思議なことにこの保険は満期前に解約するとトクするという変な仕組みだ。外資系保険ではいつごろ解約するとトクするか表示されている。

次は終身保険だ。これには期限が無く死亡するまで有効で、ある年齢まで払い込む。当然リスクが高いので掛け金が高くなるから通常のパッケージ商品では100万から300万程度と保険金が安いので葬儀代金程度か。定期保険が高齢者に弱い部分を補完する働き。会社によっては一生涯保険と読んでいる。考え方によれば、これが本当の生命保険なのかもしれない。

貯蓄部分は生存保険と呼ばれるもので、利息の決まった一種の積み立て定期預金であるが、満期に一括して貰うか、死亡するまで年金として貰う方法がある。学資保険などはまんまこれで、契約者に万が一の場合はその後の払い込みが要らない部分が唯一の定期預金と異なる。

特約は災害割り増し特約、疾病特約、傷害特約、障害特約、入院特約、成人病特約、がん特約、収入保証などいろいろあるが、基本的には掛け捨て保険であるが、これだけでは契約出来ない。主契約があって初めて特約が有効になる。

配当は、保険会社の資金運用が目標を上回った時に、その儲けの一部を契約者に戻す。バブル崩壊後は無いものが多い。

保険外の経費は事務や人件費、立派な建物の維持などである。外交員がノートパソコンを持参してその場で保険を組んだり、FAXやインターネットで事務を行えば効率化すると思うが、そうできない事情があるらしい。

日本の保険がわかりにくいのはつい最近まで掛け捨て部分と貯蓄部分が混在した養老保険という物が大半を占めていたからである。生きていてれば貯蓄部分の満期返還金をもらえるし、死亡すれば掛け捨て部分の保険金をもらえるのだが、掛け金が高いわりに死亡保険金が低い。さらに満期になる前に死亡すると掛け捨て部分の保険金はもらえるが、貯蓄部分はまったくもらえない、という保険会社に一方的に有利なしくみであった。さすがに最近は減っている。

高度成長時には、インフレや土地騰貴の方が利息より高かったから、保険会社にとって貯蓄部分は都合が良かった。欧米ではそもそも保険と貯蓄を分けて考えるので、これは日本特有のワケのわからない保険である。

しかし最近のバブル崩壊で保険会社はどれも貯蓄部分の保証利回りより運用が下回り逆さやになっている。従って最近の保険は本来の掛け捨て部分を重視するようになった。いいことである。

貯蓄部分は養老特約として特約になったり、ファンドとか聞こえの良い名前に置き換わっている。満期返還金のもらい方もチョイスが増えている。また年齢制限のある定期保険を終身保険がカバーするものが増えている。しかしながら保険の原理は変わらない。

仕事柄数100枚の保険用の診断書を書いてきた、時に法的なトラブルに巻き込まれたこともある。患者さんが言うには保険会社には親切な所と渋い所があるとか。東洋経済の記事を見てどの会社がなぜ渋いのか100%納得してしまった。最近はより経営の良い会社や外資への乗り換えが多いのもムリ無い。

最近良い話が無い保険業界であるが、OLの法則サラリーマン川柳コンクールは抱腹絶倒で楽しめる。

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Jun 17 (Tue.)

スーパーウーハーとスピーカーマトリックスのナゾ

私が巡回するページのwebmasterはマニアが多い。おおむねメカマニアの履歴を覗くとオーディオ、アマチュア無線、バイク、車、DOS/Vマシンとだいたい同じ遍歴を辿っている。個人的に小学生3年生の時に6BM8の真空管アンプに机の引き出しにベニアを貼ったスピーカーボックス(吸音材はふとん綿)を作って以来だから、ずいぶん古い方だと思う。

オーディオはマニアが多いのでヘタな事を書くとまずいが、この手の趣味はキリが無いので、徹底的に冷淡にしている。以前

May 14,1997 (Wed.)
オーディオアンプとヘルムホルツの共鳴器のナゾ

に書いたが、オーディオの趣味を大きく2つに分けるとHiFiを求める方向趣味性を求める方向があるように思う。HiFiを求める上でスピーカーには当然高音と低音がしっかり出ることが望まれる。高音は比較的簡単だが低音を出すのはけっこう難しい

低音には大きなウーハーが必要だが、大きなウーハーは中音が出ない。そうすると大きなスピーカーボックスにたくさんのスピーカーを並べるわけだが、そんなことすれば大事なボーカル音域が分割され、それぞれの音像も位相も指向性もめちゃくちゃになる。

日本の狭い部屋で小音量で聞くと安物の自動車のオイルダンパーと同じで小振幅時のコーン紙の動きが渋く、まともな音が出ないし音像もぼやける。評論家が何と言っても、そもそもその手のスピーカーでのHiFiは絶望的である。かと言って16cm〜20cmの一発ではボーカルや音像は良いが低音が出ない。

最近はオーラトーン(AURATONE)という小さなスピーカー一発である。しかし、コマンチというヘリコプターゲームをやっていると低音が欲しい。ひょんなことでデパートを見るとDENONのDSW-03というスーパーウーハーが棚ズレで1万円であった。

個人的にはスーパーウーハーというのは邪道だと思っていたが、試すと音像の面では悪くない。スーパーウーハーはどのみち140Hz以下しか出ないので、ボーカルや楽器類には殆ど影響が無いようだ。以前大型スピーカーでも音量を絞ると聞こえなかった音が簡単に聞こえるのはかなり驚きだ。BOSEなど最近は小型スピーカーで音場を作り、スーパーウーハーで低音を出すシステム一辺倒なところを見ると、一見邪道と思えるシカケも意外と真の音場に近いのかもしれない。

たぶんDSW-03は廃番だと思うが、ヤマハがASTシステムのスーパーウーハーを2万円以下で売っているので試してみるといいかもしれない(YSTSW-40は\13800で入手できた)。

ASTシステムについてはオーディオアンプとヘルムホルツの共鳴器のナゾにも書いたが、定電流ドライブのアンプや、ヘルムホルツ共鳴器など、バラして中を見るだけでも価値があるかも。

ところでオーディオで手軽に3D音場を楽しむにはスピーカーマトリックスが良い。普通の本には図Aが書いてあるが、このコンデンサーはアンプ出力にDCが出て無ければ必ずしも要らない。とすると図Bと実に簡単になる。音量が欲しい時には図Cのようにしても良い。これもオリジナルだ。

April 18,1997 (Fri.)
カーステレオのナゾ

にも書いたが、オーディオアンプの中にはBTLというしかけで出力を稼いでいるアンプがある。この手のアンプにはスピーカーマトリックスは不可とか、あのオーディオ評論家N氏もそう書いてあるがウソである。図Dのようにすれば良い。これもオリジナルだが、別にアンプに負担はかからない。

マニアともなれば小型スピーカーの在庫もあるだろう。実際に接続して見ればわかるが、スピーカーマトリックスのスピーカーから低音は全く出ていないので、ごくごく小型のスピーカーで十分である。本にもあまり書いてない簡単なシカケだが効果が劇的なので、是非試して欲しい。

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Jun 10 (Wed.)

誘導雷のナゾ

私はどういう訳か、雷に縁があるようだ。雷の被害にたびたびあっている。

最初の被害はファミコンであった。我が家のファミコンにはN興証券のファミコントレーディングシステムが載っている。つまりこの機械ではN興証券相手にバトルするわけだ。それがある日突然動かなくなった。当然中を開いて見るが見かけに被害は無い。差さっている電子カードにも変化ない。修理に送ると誘導雷によるものだそうだ。

雷が家に直接落ちるともちろん大変な被害になる。しかし雷が近くの電柱に落ち、それが電灯線や電話線を伝わって来て機械を壊す。これが誘導雷である。

結局修理から帰ってきて明細を見るとモデム焼損を交換とある。一応ZNRというサージ吸収素子は入っていたがそれよりモデムが弱い設計だった。電話して聞くと、故障の大半が誘導雷だそうだ。その後この機械は今でも元気に動いている。

次の機械はシャープのFAX(UX-1)であった。これも雷雨の後しばらくして受信しようとするとエラーがでる。仕事先に送信するとこれはOK。どこが壊れたのだろうか、頭を抱えてしまった。最初は雷雨で内部設定を覚えているメモリーがエラーになったかと思ったがそうでも無い。シャープに見積もりに送ると誘導雷によるモデム焼損とか。モデム中に送信と受信と回路が別の部分があるのだろうか。修理見積もりが新品を買えるほど高価だったので修理せず、もう一台のFAXを使っている。

まだある。雷雨の後仕事場のNECのFAXが動かなくなった。電源を入れ直してもハングである。NECに電話すると隠しコマンドでリセットしてみて欲しいとのこと。指定のボタン組み合わせを押して電源を入れるとリセットされたが、すべての設定が飛んでしまったので、設定しなおしたところ動くようになった。NECの話では、誘導雷でメモリー設定が飛んだのであろうとのことで、結構あります、とのこと。

次の被害は実家の衛星チューナーテレビである。これも近所に落雷があってからおかしくなった。で衛星チューナーだが、内部はまったく焼けた気配が無いが電源が入らない。電源のリレーを短絡すると動作する。原因は電源のリレーを駆動するトランジスターが焼損していた。手持ちのトランジスターと交換すると動くようになった。

おそらく電灯線に誘導雷によるサージがあったのだろう。それが電源リレーの接点からリレー巻き線に誘導して高電圧を生じ、トランジスターが焼けたものと思われる。

なぜ電源制御回路が原因と思いついたかというと、同時に壊れたテレビは衛星チューナと違い電源が入りっぱなしになったからである。コンセントから抜けば当然切れるし、操作に問題は無い。そこで電源リレーの制御回路を見たところトランジスターが焼損していた。回路の違いでこれはリレーが入りっぱなしになっていた。トランジスターを交換して修理できた。

米国の特にカンサス州あたりでは雷が多いことで有名である。米国の地方では長々と電灯線や電話線を引いているので雷の被害が多いせいか、ZNRをはじめとした雷対策品がたくさん売っていて、けっこういい商売になるらしい。

また米国では核攻撃があった場合の対策にも神経質だ。核爆発があると大量の電離した物質のすさまじい上昇気流のために激しい空電が起こる。これがいろいろな電子機器に誘導を起こして動作不良になる。このためレーダーなどに敢えて真空管を使った機器が真剣に議論されたことがある。

その点、日本の対策は遅れている。従来の電気、電話機器と違って現在の機械は大変雷に敏感だ。また壊れなくてもノイズのため誤動作やメモリーの設定が狂ったりする。ぜひ電話にはZNRなどの対策をすることをお勧めする。家の電灯線は地下埋設なので、相当遠くからサージがやってきたことになる。とすると私の機械だけが壊れたハズもないので、多くの家でも結構な被害があったはずだが、それも大した疑問もなく修理されているのであろう。

普段読まないようなエアコン、ガス湯沸かし器、冷蔵庫の説明書などをよく読むと”雷雨の時はコンセントをはずしてください"と書いてあることがある。おそらく誘導雷の事が念頭にあるのだろう。ガス湯沸かし器とかは誤動作すると危険かも。しかし、いちいちコンセントからはずす人がいるとは思えない。

最後に私の知り合いのOMの無線局のアンテナに落雷した話がある。アンテナはグランドプレーンで吹っ飛んだそうだ。無線機とそれにつながっていたTNC(パケット無線の機械でモデムとAX25コントローラーをかねている)は比較的被害は軽かったそうだ。これらはアンテナからのグラウンドがかなり強固に結合してあったためかもしれない。

しかしそれからRS232CでつながっていたPC9800はかなりの被害を受けたとのことである。これはアンテナの同軸の外皮を伝わって無線機とTNCのグラウンドを経由してPC9800のRS232CのグラウンドからPC9800のシャーシーに電流が流れ込んで内部を壊したらしい。パソコンは無線機に対するノイズ対策のために少し離してあったので、グラウンドの電位差が生じたのかもしれない。

もしあなたのまわりに雷雨の後に調子の悪くなった機械があったら、誘導雷による被害の可能性がある。

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Jun 7 (Sat.)

本屋のナゾ

以前本屋をはじめいろいろな店を経営している人(X氏)と話す機会があった。少し前の話なので若干実状に変化があるかもしれないが、この話を読んでおくと最近の書籍と再販制度の問題に関する公正取引委員会のリンクが10倍理解できるかも。新趣向(笑)として会話調である。

Y”本屋っていいですよね。毎日好きな本が読めて。”

X”とんでもない。山本さん体力あります?毎日返本のための段ボール詰めが大変なんですよ。ツメなんかぼろぼろで体中痛みます。また事務もたいへんで目も疲れます。”

Y”へえー、体力ですか、自信ないなあ。どうして返本が多いんですか”

X”本は委託なんです。買い切りと違うんで返本が効くんです。そのかわり返すのが大変なんです。感じとしては雑誌なんか大半返す感じかなあ”

Y”ひえー。しかし返本が効くならお金はいらないのかなあ?”

X”とんでもない。えらいお金がかかるんですよ。本屋を開くには取次と契約が必要なんですが、本屋の規模に応じた保証金みたいなものがあって、これがけっこう高いんです。それに契約内容も厳しくて、あれしちゃだめ、これしちゃだめ、と義務ばかり多いんです。”

Y”ひえー。お金がかかるんですか。しかし本屋というと、店自体の投資はいりませんよね”

X”とんでもない。本棚ひとつだってしかるべきところから仕入れなければいけません。それがえらい高いんです。”

Y”ひえー。本屋になるのは考えよう。しかしどんな本を並べるかどうやって決めるんですか。いちいち全部注文するのは大変ですよね。”

X”そこなんですよ。取次のありがたいところはパターン配本といって、このあたり(例えば住宅地)のこの規模の本屋にはこれ、とセットを組んでくれるんです。取次は本の売れ行きを把握しているので、いろんなパターンで配本を組んでくれるんです。”

Y”それは楽ですね。”

X”とんでもない。そのパターン配本というのがくせ者なんです。配本が必ずしもうちの店の売れ筋とあわないことも多いし、欲しい本が入って無かったりするんです。取次には取次の商売上の都合があるんですよ。

だからうまく経営するには、けっこう細かく注文しなければならないんで事務が大変なんです。利が薄いんでよっぽど規模が大きくないと儲かりません。まあお客さんに来てもらって、他の店で買ってもらうために本屋をやっているようなもんです。”

Y”わかりました。本屋になるのは完全にあきらめました。”

世間を知らない私であった。

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Jun 6 (Fri.)

プリペイドカード(テレカと図書カード)のナゾ

プリペイドカードでもっとも普及しているのはテレホンカードであろう。景品や記念品でもらうので貯まってくる。これで電話代を払えるのだろうかと思っていたら

節約の法則(移転しました)
節約の法則

のリンクでテレカが銀行振替の場合でも電話料金の支払いに使えることを知った。インターネット、PHS、携帯と随分みかかに貢献しているので今度試してみようと思う。もっとも人気タレント物は金券ショップの方が高く売れるらしい。

そもそもプリペイドは名の通り先払いの債券である。従ってみかかはテレカ販売はその年の財務に組み込まず、何年かしてから精算する。以前の景気の良いときは、販売されたものの使われないテレカの方が多かったようだが、最近は販売量より使用量の方が多いとかで、精算すると赤になるとか。

プリペイドカードや切手は、発行元に取っては使われず退蔵されたほうが儲けになる。だからより記念になるもの、よりきれいなもの程ボロイことになる。

これまでの経済はおおむねインフレだったので、退蔵されている間発行元にとっての債務額はどんどん減少する。切手などは値打ちがあがるものだから、買った方もハッピーに退蔵するわけで、今までは両者がハッピーなメカニズムだったがこれからはどうか。

さて自分の好きな写真でテレカを作るとする。ホームページでプレゼントテレカを作りたい向きには参考になるかもしれない。例えば105度数1000円のオリジナルテレカを作るとすると(版下作成コストはのぞく)

枚数        300    500    1000    5000    10000
価格(一枚あたり) 1275   1194    1150    1094     1080

である。300枚の場合印刷に275円かかり、枚数と共に印刷代は安くなる。50度数も105度数も1枚あたりの印刷料は275円と当然ながら同じである。

ところが図書カードはかなり変である。同じく1000円のオリジナル図書カードを作ると

枚数        300    500    1000    5000    10000
価格(一枚あたり) 1427   1320    1239    1175     1167

印刷料がテレカの倍近い。それだけではない。額面1000円を300枚印刷すると一枚あたり印刷料は427円だが、額面が5000円だと実に730円になってしまう。つまり、額面が高くなるとテラ銭まで高くなる。

テレカ印刷でお世話になった会社に”図書カードの料金って変ですよね”と聞くと、”たしかに変です”と答える。何でもこの印刷は某団体が一括して行うとか。

額面によって印刷料が変わる理由についてその団体は”額面の高い図書カードほど使う時間が長いので宣伝効果が高いから、印刷料も高いのだ”と解説しているが、一般の経済原則と照らし合わせて説得力はあるだろうか。

驚くのはまだ早い。他にも特別限定図書カードというのがある。販売文句は(ママ)

販売価格は1枚1000円です。500円の本が購入できます。3枚セット3000円もございます。

とのことだ。で、さらに聞くと、この変な料金システムのため、わざわざオリジナル図書カードを注文する会社は印刷、出版、教育など図書に関係のある業界が大半だそうだ。

普通の会社は、変な料金システムにあきれてテレカへ鞍替えするか、あるいは市販の図書カード(これは額面で買える)を買って封筒だけオリジナルを作るらしい。市販の図書カードはピーターラビットの図柄でけっこうかわいいので、下手なオリジナルより良いかも

図書カードは企業の会計操作にもあまりにもテラ銭が高いため使われないので、金券ショップにも出回らないとか。

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Jun 2 (Mon.)

ボルテックスジェネレーターのナゾ

新幹線ネタが続いて申し訳ないが、JR西日本のホームページに、パンタグラフ支柱から生じる空気音を消すために”静かに飛ぶフクロウの翼に隠された秘密をヒントに、パンタグラフの支柱には小さな突起を設けています”とある。

これが良く写真では見えないので500系の実物を見てみた。しかし良く見えないのである。拡大して見ると写真のように支柱の側壁に金属のデコボコがついているようだ。おそらくこれはボルテックスジェネレーターであると勝手に推測した。

さてボルテックスジェネレータ(以下VG)とはなんであろうか。航空機によっては主翼の後端の補助翼の前に小さな金属片が並んでいることがある。最近の航空機では少なくなったがボーイング707の主翼の物はかなり目立つ。こんな感じだ。

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                                 主翼

  
/ \ / \ / \ / \  <--ボルテックスジェネレーター

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                  補助翼

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VGを装備した写真をさがしたが、こちらで鮮明な写真があった。

物の本によると、VGは境界層における渦をコントロールして、補助翼の効きを良くするとある。わざわざ高速なジェット機に抵抗の元を付ける理由がわからなかった。最近この働きを大変良く図示してくれるホームページ(http://microaero.com/vortex.html)が見つかったのでかなりの疑問が解決した。さすが航空機大国だけあって、VG専門の会社があるのには驚かされた。

さて500系のパンタ支柱でどのような働きがあるのかわからないが、おそらく境界層の空気流にヒネリを加えることによって後端の境界層の剥離をコントロールして騒音を減らす物だろう。はずれていたらごめんなさい。

VGはわざと空気流にヒネリを加えて性能を向上するシロモノだが、逆に渦を減らして抵抗を減らすシロモノもある。ウイングレットという主翼端の小さな翼がそれだ。写真だが飛行機大図鑑:Boeing747にすばらしい写真がある。他にも飛行機大図鑑:MD-11の写真もわかりやすい。

どうしてこれが抵抗を減らすかであるが、主翼の上面は下面より圧力が低い。それがそもそも飛行機が空を飛ぶ理由である。そのため主翼端では下面から上面に回り込む方向の渦が生じる。湿度の高いときの離着陸時には翼端から白いキリのようなものを引くのが見える。ウイングレットはこの渦を打ち消して抵抗を減らすとかである。このシカケは機体に大きな変更無しに付けることができるので、目下大流行であるし見た目もカッコイイ。

新幹線の詳細はbyun byun Shinkansenというすばらしいホームページが詳しい。

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