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<<<<このトピックはWebmasterの不手際により行方不明になりました。申し訳ありません。記憶に基づいて重要点のみのバージョンになります。>>>>
JB470の2回めの鑑札更新に行ってきた。その前に高速道路を往復40kmほど走行してススを払ってきた。この車の4D56はターボ付き85PS /4200rpmで200Nmと中低速トルクを稼ぐチューンで、坂道でフルスロットルでもほとんど黒煙を吐かない。エアクリーナーを更新しているせいかも知れないが、念の為にスス払いしておく。
今回の準備で以前と異なるのは、定期整備簿が24ヶ月ではなく12ヶ月版が必要と指摘されたことだ。前回は24ヶ月でOKだったと答えると、チェックのミスだとか。自宅に戻って用意してくるといったら、隣の天下り団体で30円で入手可能とのこと。項目は24ヶ月より少なく記載は簡単である。
費用面では、相変わらず車検費用のみは1800円+シール代400円に過ぎないが、古いクルマということで重量税が37480円と高い。随分走り回ったつもりでも、前回の車検からの走行距離は約4000kmと少ない。
前回に比べてラインに入る前にリコールや警告灯のチェックが厳しくなった。スイッチオンですべての警告灯が点灯し、それがエンジンスタートで消灯することがチェックされる。なので不具合箇所のフューズやランプを抜くだけではダメである。例のタカタのエアバッグもリコール対象は交換されていないと車検が受けられない。
前回はベッドの展開をさせられたが、今回はガスコンロのチェックだった。これは8ナンバー車は車検が2年毎で税金が安い(今はそうでもない)ので、1ナンバーの商用車にベッドやキッチンセットを車検のときだけ積んで8ナンバーに偽装していないかのチェックである。
検査自体はスムーズに進み、指摘箇所はなかった。これであと2年公道を走れることになる。1997年式なので燃料噴射も機械式で、今後壊れる可能性がある電子機器は秒速グローユニットである。温度によってグローやアフターグローの時間と強度を変えるようになっているが、これが全損した場合は、外気温30度で2秒、外気温0度では15秒通電するアナログ回路を作って対策しようと考えている。
回路はすでに考えていて、具体的には、スイッチオンで12Vからサーミスタと小さなリレーの巻線を通じてケミコンを充電する。充電時間はケミコンで調節する。ケミコンには500kΩをパラに入れておき、スイッチオフで放電するようにしておく。充電中は接点がメイクしてグローリレーを駆動し、充電が完了すると接点が開く。それとは別に強制グローのスイッチも設置しておく。本来の回路では弱いアフターグローを流すようになっているが個人的には不要だと思っている。
ただし、そういう細工をせずに済むことを祈ってはいるのだが、想定はしておくのは老化防止に良いかもしれない。
久しぶりに大失敗で無駄使いしてしまった編である。T芝の洗浄便座SCS-T92が表示灯全部点滅で動作停止するようになった。しかし洗浄ボタンを押すと内部に短時間中水の音がして普段通り使えるが、数時間おくと再発し停止する。使えないことは無いが、停止中は温水も便座もヒーターが作動しないので、この先冬はつらいものがある。
そこで、ネットで”洗浄便座 故障 SCS-T”とぐぐると大量に故障情報がでてきた。1,2年で故障するとあって非常に多くの情報は怨嗟にみちていたが、それはおくとして、情報をまとめると、
1)SCS-T92、SCS-T160の故障は1年ほどで始まり、故障は2パターンある。
2)1つ目の故障は水路切換弁不良で、通常使用時にビデから水がでたり、あるいは全く動作しない。
3)2つ目の故障は、水位不良で全表示灯が点滅で動作停止する。マニュアルには水位センサー異常もしくはタンク破損による漏水とある
というわけで分解である。T芝製で1,2年で故障ということはおそらく些細な設計不良が原因であろうから直せるかも知れない。Webmasterの個体は2年以上経過しているが、トイレが2箇所あり使用頻度が低いためであろう。
水栓を閉め、コンセントを抜く。この段階で悪臭用フィルター(右後ろ)を抜いておく。後ろの左右2個のネジをはずす。次に右奥のボタンをおしながら手前に弾くと固定具から外れる。便座を立てると表示部うらにネジ1個あるのではずす。左側に水抜き栓があるので、10円硬貨で開けてタンクの水を抜く。
最初にチェックしたのは水位センサーである。表示灯全部を点滅は、動作待機時にタンク水位低下と判断してヒーター空焚きを防ぐモードらしい。再度動作させてタンクに注水させると水位センターが満水と判断して動作が回復する。それは新品設置時はタンクがカラでも給水して動作しなければいけないからだろう。
動作ボタンで復帰するので水位センサーは動作はしているようだが、フロートの浮力が落ちてわずかな水位低下で故障になるのかもしれない。
水位センサーをネジ2個ではずすが、右側の内圧レギュレーターがひっかかるのでネジ6個ではずす必要がある。内部には2室あるが、手前だけが有効で、内部にバネで抑えられたコマが入っている。
動作的には、水道直結の電磁弁が開いて満水になり、それ以上の注水をレギュレーターから逃がすうちに水位センサーが動作して電磁弁が閉鎖し待機になる。また噴水が設定以上の圧にならないように水を逃がす働きもある。さらにタンク内の水が加熱で膨張した分を逃がす働きもある。この時に内部のコマをはずさずに水位センサーだけを点検したのが敗因だった。
水センサーはフロートの磁石でリードリレーを動作させるもので、テスターで調べると動作は正常ながら浮きを水に浮かべると沈み気味だった。ジュラコン製のようだが長年間で吸水し浮力が落ちているのかもしれない。そこで、電球スタンドで温めて湿気を飛ばし、さらに表面をアロンアルファーで薄くコーティングして組み直した。
その後は2、3日は調子が良かったが症状が再発した。水位センサー不良ではないなら水路切換弁なのか?。
ネットで故障情報が多い水路切換弁から水をロスしているのかもしれない。弁はタンク上部に横から挿入されているが横に固定ネジが2つありドライバーが回路基板にひっかかるので、タンク固定ネジ3+2個をはずして配線に注意しながらタンクを動かすことではずせた。
ステップモーターのネジ2個をはずすと弁を凹凸の2つに分解できる。弁はステップモーターが回転し円盤にある洗浄、ビデ、自己洗浄の穴をもう一つの切欠部をもつ円盤が回転して切り替える。水勢は開口部の絞りと切欠部の位置で調節するようになっている。多くの故障はステップモーター不良や位相ズレ、弁底部にあるY字型パッキングのヘタリによる水漏れらしい。
バルブは2000-3000円で購入できるようだが、Y字パッキンがヘタって円盤の圧着力が低下して起こるようである。原因は円盤圧着ストローク不足の設計ミスであろう。そこで、凹弁のネジ台座面と凸先端円周を0.2mm程度削り、切り欠き弁と凸部の結合部の切り欠きも拡大してストロークを増やして圧着力をアップした。しかし修理しても翌日には症状が再発していた。
次にタンク破損を疑った。目視では破損は見当たらず漏水の形跡もないが、タンク接着部に隙間があったのでここをアロンアルファで埋めた。またタンクを底板に固定するネジはゆるく固定して、便座に体重がかかり底板が変形してもタンクに荷重が加わりにくくした。これは多くのまずい設計を発見しての予防処置である。しかし症状は再発した。タンクの不良では無いようだ。
ここに至ってWebmasterはAMAZONで新しい洗浄便座を注文してしまった。3回修理したが治らなかったので、気分は悪いが新規購入を決めたのである。もちろん安価処分されているT芝製ではなくパナソニック製を選んだ。
到着までの間、洗浄便座のレギュレーターからのオーバーフローから水滴がかなり低い頻度ながら垂れているのをたまたま発見した。タンク内のエアの残圧によってレギュレーターから水が漏れて水位が低下したのではないか?
これも、水位センサーの設定水位をもう少し下に設計すれば、少々水が漏水しても動作不良とならないし、レギュレーター下端を設定水位より上にしてエアが抜けるように設計すれば済むことである。この製品には電動ポンプは無く水道の圧力で動作するから、電動弁が開となれば瞬時に水位が上がり湯が出るので洗浄動作には何の問題もない。
最終的にはレギュレーター(最初の写真)の6個のネジをはずして分解し、内部のコマ付近を清掃したところ動作不良はなおった。おそらく微細なゴミが引っかかってコマが完全に閉じず漏れて水位が低下し動作不良になったのだろう。
よく見るとコマのOリング下面が弁座に十分当たっていない。コマの受け中央が高すぎてコマが十分に下に降りず、僅かにヘタったOリングと弁座の圧着が弱いようである。そこで弁座中央の受けの穴をφ4mmドリルでわずかに削り(慎重にドリルは手でまわす)、コマが0.2mm程度深く弁座に降りるようにした。この製品にはコンマ数ミリオーダーの設計ミスが複数あり、そのどれかのせいで早期に不良となるようである。
この製品は韓国製のOEMらしい。まともな品質管理能力があれば故障頻発の原因に気付いて対策すると思うが、設計不良のままで長年処分価格で販売を続けて多大の損失を出すとともにユーザーの怒りを買ってブランド価値を著しく毀損すること気にしないようである。
パナソニック製はすでに配達途中なのでキャンセルせずにスペアとした。金銭的にもロスとなった。
報道によるとT芝は3社に分割されるらしいが、あいかわらず設計管理がこんな様子ならこれ以上ユーザーの怒りを買わないために家電はあきらめたほうがいいのかも知れない
ステージ3の合格者について、基本的にはステージ1と同じ解析を試みる。いままで平均点はWebmasterの評価に類似性があるが、Yes率については恣意的にアジア系に厳しいという結果だったが、ステージ3でも同じ処理をしてみる。
合格者はオレンジ、辛い採点の18n、19n、20nを薄青に、また高得点の23y、24y、25yを薄ピンクを、生徒のSを黄色に塗っている。このExcelデータは当サイトのこちら(chopinstage3.xls)からダウンロードできる。
ステージ3全体を見渡すと、一番低いYes率で合格したのはHao RaoとLeonora Armellini で、Yes率が0.56、平均点がそれぞれ20.22と20.55だった。最終的に5位と7位に入賞したこの2人のYes率が合格者の中で最低点だったという時点で、この審査は茶番としか言いようがない。そこで、今回は平均点19点を超えているのにNoが多く落選した参加者を列挙する。ステージが変わり評点は厳しくなっているのでサンプル数とのかねあいで19点以上とした。
-----------19点を超えているのにNoが多く落選--------- Mr Szymon Nehring Poland0,33 20,09 ☆☆ Ms Miyu Shindo Japan 0,44 20,15 ☆☆☆☆ Mr Hayato Sumino Japan 0,19 19,07 ☆☆☆+ Mr Andrzej Wiercinski P 0,13 19,35 ☆☆ Ms Michelle Candotti It 0,20 19,22 ☆☆ Ms Yasuko Furumi Japan 0,07 19,21 ☆☆☆+ Ms Avery Gagliano USA 0,19 19,06 ☆☆☆+ Mr Nikolay Khozyainov Ru0,38 19,57 ☆☆ Ms Su Yeon Kim South Kor0,50 19,73 ☆☆☆☆ ----------------------------------------------------名前から判断して、9人中にアジア系が4人を占め、うち日本が3人、P国が2人、韓国、USA,ロシアがそれぞれ1人だった。ステージ2までで中国系はHao Rao1名となりこれ以上落とせないのか、粛清の対象は人数が突出してきた日本人になったようである。P国は基本的に親日ではあるが、優遇はステージ3以降は厳しくなったようである。
理解できないのは、ミス満載のAlexander Gadjiev☆☆がYes率0,88平均点21,75もの高評価で合格していることだ。個人的にはいくら表現力があっても譜面通り弾けない人間をファイナル2位とは納得いかない。式典のあとの入賞者演奏でもミス連発だった。この人がファイナル2位で、まっとうな演奏のHao RaoやEva Gevorgyanが上位入選しなかったのは理解に苦しむ。
Eva GevorgyanはYes率が0.88でALEXANDER GADJIEVと同率3位、平均点が21.40と6位で、ファイナルも良かったのに第10位に終わった。なのに、10/26のwinnerコンサートのBruce (Xiaoyu) Liuの前座として、Fantasy Op. 49、Mazurkas Op. 17-1,2,3、 Piano Sonata Op. 35など5曲も演奏する待遇も異例である。一悶着あったのかも知れない。
日本人的にはMiyu Shindo ☆☆☆☆とayato Sumino☆☆☆+の落選には納得いかないし、韓国の Su Yeon Kimの評価にも納得が行かない。いずれにせよ、アジア系に評価が辛いのはステージ3でも続いたのである。
次に、S(生徒)のついた参加者を列挙すると
-----------------------S(生徒)の参加者------------------------------------- Mr Szymon Nehring Poland 0,33 20,09 K2氏の生徒 落選 Mr Kamil Pacholec Poland 0,64 20,43 W氏の生徒 合格 Mr Kyohei Sorita Japan 0,80 21,57 P氏の生徒 合格 Mr J J Jun Li Bui Canada 0,67 21,31 D氏の生徒 合格 Ms Yasuko Furumi Japan 0,07 19,21 P氏の生徒 落選 Mr Bruce (Xiaoyu) Liu Canada 1,00 23,22 D氏の生徒 合格 -----------------------------------------------------------------------------採点スコアからは6人みつかり、合格者は4名で合格率4/66=66%と、ほぼ50%の全体の合格率に比べて高く、ステージ3になって再度Sの威力が復活したのだろうか。D氏の生徒が2人いて両者とも合格とD氏の威光が効いているのかも知れない。
D先生は1980年の第1位なので、Argerich先生がいなければ筆頭の成績なので発言力がある。じゃあAdam Harasiewicz先生は1955年第1位ではないかという意見もあるが、Ashkenazyとで票がわれて拾った第一位で、Michelangeliが審査員を辞任したいわくのせいか発言力もさほど強くないようだ。
ところでD先生はステージ3でKamil Pacholecに19点No、Hao Raoに18点No、Suminoに19点No、Leonora Armelliniに19点No、Su Yeon Kimに18点No、Jakub Kuszlikに20点No、Hyuk Lee に19点Noと、多くの有力参加者にNoをつけまくる品の無い採点をしている。Sの場合は自分の票が減るのでその分他の有力者の票を削る作戦か。
最後にwebmasterが合格すると思った評価☆☆☆以上なのにファイナルに上がれなかった参加者を列挙すると、
-----------------------Yes率 平均点--評価---------- Ms Avery Gagliano USA 0,19 19,06 ☆☆☆+ Ms Miyu Shindo Japan 0,44 20,15 ☆☆☆☆ Mr Hayato Sumino Japan 0,19 19,07 ☆☆☆+ Ms Yasuko Furumi Japan 0,07 19,21 ☆☆☆+ Ms Avery Gagliano USA 0,19 19,06 ☆☆☆+ Ms Su Yeon Kim South Kor0,50 19,73 ☆☆☆☆ Mr Mateusz Krzyzowski P 0,00 18,84 ☆☆☆ -----------------------------------------------------この7人のうち、なんと6人が上記の平均点19点を超えているのに落選した参加者に含まれていた。驚くべき一致で、再度Webmasterの評価の一貫性が再度証明されたと思う。この7人中にアジア系が4人、うち日本人が3人、USA2人、韓国とポーランドが各1人で、今回は日本人に採点が辛かったようである。
最後にそれぞれの審査員の採点の中で目を引くものを挙げる。
Competition Jury ---------------------------------------------------------------------------------------- Dmitri Alexeev Russia はひたすら辛い Sa Chen China は高点数が多い Thai Son Dang Vietnam はJakubni19n,Hyu19n,Haorao19n,Armellini20n,Pacholec20nなど有力参加者に辛い Akiko Ebi Japan はPacholec19n,HaoRao19n,Srita19n,Amerillini18n,Bui20nEva20n,Gadjiev25,Bruce24,Garcia25有力参加者に辛い Philippe Giusiano France は全般的に辛い Nelson Goerner USA は落選者に甘い Adam Harasiewicz Poland は点数に差が少ない Krzysztof Jablonski Poland は欠席 Kevin Kenner USA は日本人に辛い Arthur Moreira Lima Brazi lはbruceに25点反田に24点 Janusz Olejniczak Poland は割と順当 Piotr Paleczny Poland は小林、Jakub、Bruceに24点 Ewa Pob?ocka Poland は全般的に辛い Katarzyna Popowa-Zydron Poland (Chair) は小林に24点HaoRaoに23点 John Rink England Poland は小林とGadjievに25点 Wojciech Switala Poland はBruceni25点以外は辛い Dina Yoffe Latvia は小林とGadjievに25点、 -----------------------------------------------------------------------------------------
やはり、D先生は明らかに有力参加者に突出して辛い。なぜかE先生はD先生に似て有力参加者に辛く、日本人ではSoritaに19n、Furunoに20nと辛い一方、Kobayashiに23y、Suminoに21yをつけている。Armelliniに18nなので表現より運指に厳しいのかと思われる一方、GadjievとGarciaに25yをつけながら、HaoRaoに19nやEvaに20nをつけるなど、審査の方向性が全く見えてこない。
以上、3つのステージでの解析結果から、
1)アジア系特に中国系のyes率は平均点の割に低く合格率も低い。
2)生徒Sがついていると合格率が高い傾向がある。
3)平均点が高い割にYes率が低く落選した参加者と、Webmasterが合格の可能性あり☆☆☆以上の評価の参加者が殆ど一致する。
4)Webmasterの☆評価の妥当性と、不公平な審査結果が明らかになった。
今回は個別の演奏の評価には立ち入らず、Yes率と平均点数から解析した。おそらく平均点数自体も恣意的につけられた可能性はあるが、それは今回問題にせず、平均点数に対するYes率の多少を解析対象としたため、おそらく過小評価になっていると思う。しかしアジア系参加者への差別的審査が明らかとなった。今回の審査は世界中のショパンを愛する参加者や関係者そして人間への背信行為であり、一度損なわれたショパコンの信用はなかなか復活しない。
ステージ2の合格者について、基本的にはステージ1と同じ解析を試みる。 ステージ2全体を見渡すと、一番低いYes率で合格したのはSu Yeon Kim cでYes率が0.47、平均点が19.82だった。個人的にはSu Yeon KimのYes率が合格者の中で最低点だったという時点で、やはりこの審査は茶番としか言いようがない。そこで今回はサンプル数を10以上とするために平均点18.3点を超えているのにNoが多く落選した参加者を列挙すると、
-------------------------------------- Mr Viet Trung Nguyen V/P0,33 18,55 ☆☆☆+ Mr Georgijs Osokins Lat 0,29 18,42 ☆☆☆ Mr Evren Ozel U.S.A. 0,41 18,76 ☆☆☆ Mr Talon Smith U.S.A. 0,31 18,38 ☆☆☆ Mr Yutong Sun China 0,38 19,31 ☆☆☆ Mr Tomoharu Ushida Japan0,35 18,33 ☆☆☆☆ Mr Yuchong Wu China 0,41 19,66 ☆☆☆+ Mr Kai-Min Chang Chi-T 0,31 18,73 ☆☆☆ Mr Xuehong Chen China 0,44 18,84 ☆☆ Mr Alberto Ferro Italy 0,41 19,00 ☆☆☆ Ms Wei-Ting Hsieh Chi-T 0,24 18,48 ☆☆☆☆ Mr Shushi Kyomasu Japan 0,35 18,70 ☆☆☆☆ --------------------------------------人名から判断して、12人中に中国系が5人、J国が2人、USAが2人、Vietnum/Polandが1人、Italyが1人、Latviaが1人いた。やはり平均点から想定されるより落選が多かった参加者はアジア系が5割、とりわけ中国系が4割を占めるたことがわかった。また個人的な☆評価も、1人をのぞいてすべて☆☆☆以上だった。
理解できないのは、ミス満載のAlexander Gadjiev☆☆が0,76 21,41もの高評価があることだ。個人的にはGeorgijs Osokins☆☆☆の方がグールドを思わせる表現の特異性も技量も上回っていると思うのだが。
日本人的にはUshida☆☆☆☆とKyomasu☆☆☆☆の落選には納得いかないし、中国系でもWei-Ting Hsieh☆☆☆☆、Yuchong Wu☆☆☆+、Aristo Sham☆☆☆+、Talon Smith☆☆☆、Kai-Min Chang☆☆☆あたりの落選も納得がいかない。
いずれにせよ、中華系大粛清はステージ2でも続いたのである。
次に、S(生徒)のついた参加者を列挙すると
--------------------------------------------------------------------- Mr Szymon Nehring Poland 0,94 21,47 K2氏の生徒 合格 Mr Viet Trung Nguyen Vietnam/Poland 0,33 18,55 D氏、K2氏の生徒 落選 Mr Kamil Pacholec Poland 0,67 20,04 W氏の生徒 合格 Mr Xuehong Chen China 0,44 18,84 P氏の生徒 落選 Mr Yutong Sun China 0,38 19,31 D氏の生徒 落選 Mr Talon Smith U.S.A. 0,31 18,38 K1氏の生徒 落選 Mr Kyohei Sorita Japan 0,88 21,50 P氏の生徒 合格 Mr Zi Xu China 0,13 17,99 K1氏、k2氏の生徒 落選 Mr Kai-Min Chang Chinese Taipei 0,31 18,73 D氏の生徒 落選 Mr J J Jun Li Bui Canada 1,00 22,91 D氏の生徒 合格 Mr Xuehong Chen China 0,44 18,84 P氏の生徒 落選 Ms Yasuko Furumi Japan 0,56 19,21 P氏の生徒 合格 Mr Adam Kaldunski Poland 0,19 18,27 k2氏の生徒 落選 Mr Bruce (Xiaoyu) Liu Canada 1,00 23,03 D氏の生徒 合格 ---------------------------------------------------------------------生徒とする要件は規定で定められてはいるものの基本的に自己申告なのでもっといる可能性はあるが、採点スコアからは14人みつかった。その中での合格率6/14=42%とほぼ50%の全体の合格率に比べてやや低く、やはりこのあたりになるとSの威力も低下したようである。D氏の生徒が5人いるが、合格は2人の合格率は40%とこれも同様である。
次にwebmasterが合格すると思った評価☆☆☆以上なのにステージ3に上がれなかった参加者を列挙すると、
----------------------------Yes率 平均点----------------------------------------- Mr Viet Trung Nguyen V/P0,33 18,55 ☆☆☆+ Mr Georgijs Osokins Lat 0,29 18,42 ☆☆☆ Mr Evren Ozel U.S.A. 0,41 18,76 ☆☆☆ Mr Talon Smith U.S.A. 0,31 18,38 ☆☆☆ Mr Yutong Sun China 0,38 19,31 ☆☆☆ Mr Tomoharu Ushida Japan0,35 18,33 ☆☆☆☆ Mr Yuchong Wu China 0,41 19,66 ☆☆☆+ Mr Lingfei (S) Xie China0,18 17,77 ☆☆☆ 18.3以上で落選のリストになし Mr Zi Xu China 0,13 17,99 ☆☆☆ 18.3以上で落選のリストになし Mr Kai-Min Chang Chi-T 0,31 18,73 ☆☆☆ Mr Alberto Ferro Italy 0,41 19,00 ☆☆☆ Ms Wei-Ting Hsieh Chi-T 0,24 18,48 ☆☆☆☆ Mr Shushi Kyomasu Japan 0,35 18,70 ☆☆☆☆ ---------------------------------------------------------------------上位入賞の可能性ありとWebmasterが評価したのに落選した13人のうち、なんと11人が上記の平均点18.3点を超えているのにNo(落選)となった参加者に含まれていた。これは驚くべき一致率で、Webmasterの評価の一貫性が証明されたと思っている。
つまりこの人は通るとWebmasterが思ったのに落ちた参加者と、平均点が高いわりに落選した人が9割一致するというのである。もうお分かりとは思うが、この13人中にアジア系が9人、うち中国系が6人、日本人が2人、USAが2人、イタリーが1人、ベトナム/ポーランドが1人、ラトビアが1人と、やはりアジア系、特に中国系に採点が辛いのは同様である。これについてはもう言い飽きた感がある。
以上のことからも、再度ステージ2でもアジア系、とりわけ中国系は不当に低い評価を受けているとの印象は動かし難い。次回はステージ3の合否について解析することとする。
ニュースリリースには、基本的に公開されているルールXXのコピーが貼ってあるだけで、実際どうなったかについては書かれていない。また今後ファイナルについて発表するのかしないのか、についても書かれていない。
文章は非常にわかりにくいが、まずは予選と同じように処理され、平均点とYesが記された結果が各審査員に提示された。これをもとにChairmanが順位を組み立てたが、審査員2/3の賛同が得られなかった。そこで、個々の順位について記名投票して決めたようだが、その詳細は不明のままである。表彰状には審査員全員のサインがあったようだが、審査に不満があるのか公表に反対した審査員がいたのであろう。
ああ、この瞬間にショパコンの権威はガラガラと音をたてて崩壊した。個人的な印象として、今回の権威の崩壊は、アルゲリッチ氏とネルソン・フレイレ氏が審査員を辞退した時点で始まり、アルゲリッチに次ぐ影響力のD氏とP国審査員が支配した結果、ファイナルの採点が公表できない前代未聞の醜態に終わったのである。
まず、審査員と国籍を再度掲載する。
Competition Jury -------------------------------------- Dmitri Alexeev Russia Sa Chen China Thai Son Dang Vietnam Akiko Ebi Japan Philippe Giusiano France Nelson Goerner USA Adam Harasiewicz Poland Krzysztof Jablonski Poland Kevin Kenner USA Arthur Moreira Lima Brazil(argerichの代役) Janusz Olejniczak Poland Piotr Paleczny Poland Ewa Pob?ocka Poland Katarzyna Popowa-Zydron Poland (Chair) John Rink England Poland Wojciech Switala Poland Dina Yoffe Latvia --------------------------------------ここで、審査員には国籍にかかわるプレッシャーと、P国からのプレッシャーという二種類のプレッシャーを想定する。
まず国籍にかかわるプレッシャーとは、自国の参加者に辛い点をつけると、自国で批判を浴びるあるので、いい点をつけなければならないというプレッシャーである。例えば東洋にあるというお花畑の国では、Pなる団体がピアノ業界を支配していて、そこが主催するコンクールで上位を占める参加者の指導者の顔ぶれはだいたい決まっている。もし審査員が私情に基づく不公平なジャッジをすると結局は自分の弟子がひどい目にあうという相互関係から、大きくはずれたことは起きないという慣習がある。
今回中国系は審査員Sa Chen が欠席だったので、中国系は欠席裁判で孤立無援となり落選した可能性がある。
次にP国からのプレッシャーは、審査結果が公表されることから、P国に不利なジャッジをすれば次回の審査員に選ばれない可能性がある。またP国審査員の弟子を辛く審査しにくい可能性もある。
これらの要素について解析を進めよう。
ステージ1
ステージ1全体を見渡すと、合格するのはYes率が0.56以上で、平均点が18点後半以上が必要であることが解る。そこで18点を超えているのにNoが多く落選した参加者を列挙すると、
-------------------------------------- Ms Xuanyi Mao China 0.44、18.31 Mr Yupeng Mei China 0.31 18.14 Mr Piotr Pawlak Poland 0.44 18.34 Ms Zuzanna Pietrzak Poland0.50 18.06 Mr Shun Shun Tie China 0.50 18.53 Ms Sarah Tuan U.S.A. 0.50 18.08 Ms Victoria Wong Canada 0.38 18.44 Mr Zixi Chen China 0.38 18.29 Ms Chelsea Guo U.S.A. 0.44 18.20 Mr Eric Guo Canada 0.44 18.67 Ms Riko Imai Japan 0.50 18.28 Mr Xiaoxuan Li China 0.50 18.44 Ms Asaki Iwai Japan 0.31 18.27 Ms Julia Lozowska Poland0.25 18.14 Ms Jiana Peng China 0.47 18.44 Mr Chao Wang China 0.44 19.04 --------------------------------------名前から判断して、16人中に中国系が11人、J国が2人、P国が3人いた。つまり平均点から想定されるより落選が多かった参加者はアジア系、とりわけ中国系が大多数だったことがわかる。
理解できないのは、東洋の某国からの参加者Aにその国由来の審査員Eが平均点を2.27下回る16点をつけてNoとしていることだ。参加者Aには他の審査員2人が22点、1人が23点、1人が24点をつけているのに、不可解である。
いずれにせよ、中華系大粛清となった理由は、アルゲリッチ氏が不在だったことが大きいと思っている。
次に、S(生徒)のついた参加者を列挙すると
--------------------------------------------------------------------- Mr Szymon Nehring Poland 1,00 20,33 K2氏の生徒 Mr Viet Trung Nguyen Vietnam/Poland 0,71 19,57 D氏、K2氏の生徒 Mr Kamil Pacholec Poland 0,86 19,92 W氏の生徒 Mr Junhui Chen China 0,13 17,40 D氏の生徒 Mr Xuehong Chen China 0,93 20,87 P氏の生徒 Mr Yutong Sun China 0,80 19,44 D氏の生徒 Ms Aleksandra Swigut Poland 0,14 17,39 P氏の生徒 Ms Rikono Takeda Japan 0,13 17,00 P氏の生徒 Ms Zitong Wang China 0,33 17,94 D氏の生徒 Mr Talon Smith U.S.A. 0,67 19,07 K1氏の生徒 Mr Kyohei Sorita Japan 0,80 20,40 P氏の生徒 Mr Zi Xu China 0,79 20,62 K1氏、k2氏の生徒 Mr Kai-Min Chang Chinese Taipei 0,80 19,64 D氏の生徒 Mr J J Jun Li Bui Canada 1,00 21,49 D氏の生徒 Mr Junhui Chen China 0,13 17,40 D氏の生徒 Mr Xuehong Chen China 0,93 20,87 P氏の生徒 Ms Yasuko Furumi Japan 0,80 19,57 P氏の生徒 Mr Adam Kaldunski Poland 0,93 20,13 k2氏の生徒 Mr Xiaoxuan Li China 0,50 18,44 D氏の生徒 Mr Bruce (Xiaoyu) Liu Canada 1,00 23,00 D氏の生徒 ---------------------------------------------------------------------生徒とする要件は規定で定められてはいるものの基本的に自己申告なのでもっといる可能性はある。例えばネット経由でレッスンしても当事者以外は知ることができない。採点スコアからは20人みつかった。その中での合格率は14/20=70%とほぼ50%の全体の合格率より高かった。もちろん一流の先生は下手な生徒をとらないので上手な人が多くなるという要素はあるかも知れない。今回めだつのはD氏の生徒が9人いることで、そのうち7人が合格で合格率は7/9=77%と高かった。
次に、J国の審査員のE氏の採点を眺めてみると、Kyomasuに最高得点の23点Yes、Ushidaに22点Yes、KobahashiとSuminoとItoには21点Yes、SoritaとShindoに20点Yesをつけている。Imaiには19点Yes、SawadaとFurumiには18点Yes、しかしIgarashiには18点No、Takedaには17点のNo、HaraとIwaiには16点Noをつけている。
ちなみにWebmasterは、Kyomasuに☆☆☆☆、Ushidaに☆☆☆+、Kobahashiに☆☆☆ 、Suminoに☆☆☆+、Itoに☆☆、SoritaとShindoに☆☆☆をつけていて、ここまでの順序はE氏とほとんど同じである。そしてImaiに☆☆☆+、Sawadaに☆☆、Furumiに☆☆☆、Igarashiに☆☆☆+、Takedaに☆☆☆、Haraに☆☆、Iwaiに☆☆☆をつけている。Webmasterは男なのでどうしても女流に甘めとなっていいるのは仕方が無いが、ピアノの技量の判断に一定の感性をもっていると思っていただけるだろうか。
次にwebmasterが合格すると思った評価☆☆☆以上なのにステージ2に上がれなかった参加者を列挙すると、
----------------------------Yes率 平均点----------------------------------------- Junhui Chen☆☆☆+ S&S300 0,13 17,40 Zixi Chen☆☆☆ S&S479 0,38 18,29 18点を超えているのにNoが多く落選 Asaki Iwai☆☆☆ S&S300 0,31 18,27 18点を超えているのにNoが多く落選 Jaeyoon Lee☆☆☆ S&S479 0,31 17,81 Jiana Peng☆☆☆ S&S479 0,47 18,44 18点を超えているのにNoが多く落選 Jorge Gonzalez Buajasan☆☆☆+ 0,31 17,80 CFX 優勝候補 Joanna Goranko☆☆☆ S&S479 0,25 17,86 Chelsea Guo☆☆☆ Fazioli 0,44 18,20 18点を超えているのにNoが多く落選 Yifan Hou☆☆☆+ S&S479 0,38 17,69 優勝候補 Kaoruko Igarashi☆☆☆+ S&S479 0,38 17,70 Riko Imai☆☆☆+ S&S300 0,50 18,28 18点を超えているのにNoが多く落選 Yupeng Mei☆☆☆ CFX 0,31 18,14 18点を超えているのにNoが多く落選 Jinhyung Park☆☆☆+ CFX 0,25 17,19 優勝候補 Yangyang Ruan☆☆☆ S&S479 0,13 16,87 Aleksandra Swigut☆☆☆ Fazioli0,14 17,39 Rikono Takeda☆☆☆ S&S300 0,13 17,00 Shunshun Tie☆☆☆+ S&S300 0,50 18,53 優勝候補 18点を超えているのにNoが多く落選 Sarah Tuan☆☆☆ S&S300 0,50 18,53 18点を超えているのにNoが多く落選 Zitong Wang☆☆☆ S&S479 0,33 17,94 Zijian Wei☆☆☆ S&S300 0,38 17,45 Victoria Wong☆☆☆+ S&S479 0,38 18,44 優勝候補 18点を超えているのにNoが多く落選 Yuanfan Yang☆☆☆ S&S300 0,38 18,44 18点を超えているのにNoが多く落選 Andrey Zenin☆☆☆ kawai SK-EX 0,38 18,44 18点を超えているのにNoが多く落選 Boao Zhang☆☆☆ kawai SK-EX 0,33 17,67 Yilan Zhao☆☆☆+ S&S479 0,33 17,67 優勝候補 Ziji Zoe Zhao☆☆☆ Fazioli 0,00 17,13 ---------------------------------------------------------------------上位入賞の可能性あり、とWebmasterが評価した26人中25人が平均点17以上で、そのうち22人が中華系で3人が日本人である。また11人が18点以上で、上述の18点を超えているのにNoが多く落選リストにも載っている。そのうち9人が中華系で2人が日本人だった。特に18点以上だった参加者は僅差で落選したと考えてよいだろう。
しかも、これらの落選者は、平均点の割にYes率が低いのが不思議である。特に、平均点18点以上ながらYes率が0.40以下が4人いて、そのすべてが中国系だった。中にはZiji Zoe Zhaoのように、平均点が17.13点なのにYes率がゼロという不思議なデータがある。。
以上のことからも、中国系は不当に低い評価を受けているとの印象は動かし難いのである。次回はステージ2以降の合否について解析することとする。
さて、多くの疑惑が生まれた今回のショパコンだが、Webmasterは採点の公表を心待ちにしていた。Webmasterは個人的な評価はすべて記載しているし合計点も計算済である。採点を知ることにより優れた演奏で優勝候補だと思った参加者がなぜ落選したのか理由を知る手がかりとなる。そのフィードバックによって自らの演奏の音楽性やこれからの学習方向性について考え直す貴重なチャンスだと思うからである。おそらく中級上級のピアニストならみんなそう思っているだろう。
過去の2015年の採点については、
1st round
2nd round
3rd round
Final
で確認できる。2015年のファイナルでは、優勝した Seong-Jin Choの採点は1点から10点まで開きがあるし、kobayashiの得点も1点から8点とかなりの開きがある。1点を乱発したのは特定の国の審査員が多かったこともわかる。
なお、2010年の採点についてはすでに公式サイトは消滅しているが、wikipediaのポーランド版にファイナルの採点が残っている。点数は少ないほど上位となっている。Ewgeni Bozanowはステージ3までは2位だったが、ファイナルで4位(5番目)となった様子が解る。
しかし今回についてはコンペが終了して10日以上たつのに未だ採点は発表されていない。Webmasterの見落としかも知れないが、メディアやネットでも採点について何も情報が無い。
過去はコンペ終了後2,3日で発表されていた。公表されない事情は不明だが、既に審査員の何割かは出国したであろうから、今更現地で再度会議を開くのは難しいであろうし、ネット会議については定めが無い。公表されない理由として、
1)採点の集計に何らかの問題があった可能性。公表されている採点方式では、平均点よりプラス・マイナス2点(ステージ2と3)もしくは3点(ステージ1)以上離れた採点については平均点からプラス・マイナス2点もしくは3点として平均点を再度計算し、18点(ステージ1)、19点(ステージ2)、20点(ステージ3)以上をその審査員のYESと判断、とあるが、そこで問題が発生したのではないか。あるいは、参加者が2018年11月以降に審査員の個人的レッスンを受けたが生徒に該当することが審査後に判明したのではないか。
2)採点以外の審査員の討議で決まったので公表できない可能性。それは、
「After each session of performances in stages I-III the Jurors assess every participant’s playing on this session on the assessment sheets, taking into account his/her performances in the preceding stages (if applicable), and hand over the assessment sheets to the Trustee of the Jury.」
「ステージIからIIIの演奏各セッションの後、審査員は、(可能性として)前ステージでの演奏を考慮して、このセッションでのすべての参加者のプレーを評価シートで評価し、評価シートを審査員の監査に渡します。」
決勝についてもルールXXに、審査員各位が出した1-10位の位付けを集計したリストに審査員の2/3の賛同が得られない場合は、1位から個々の賞に逐一記名投票を行うとなっている。
いずれにせよい、採点の公表に同意しない審査員がいればその経過は公開されない可能性がある。以上はまったく根拠のない個人的な推測であることを申し添えておく。
このまま発表が無い可能性もある。というのは、今頃になって採点を出すと、「何でこんなに時間がかかったのか?」とか、「裏でこっそり丁番合わせするのに時間がかかったのではないか?」とか種々の疑念が沸くからである。第一、審査員も参加者もそのかなりは帰国しているであろうから、今更やりなおすわけにもいかないだろう。
ほとぼりが冷めた頃に公表する可能性については、ルールに、
「he Jury will make decisions by an absolute majority of votes in open voting unless the present Rules provide otherwise. Voting is valid if at least half the Jury members are present. In case of a split vote the Chairperson has the decisive voice.」
「審査員は、現在の規則で別段の定めがない限り、公開投票の絶対過半数の投票によって決定します。 審査員の少なくとも半数が出席している場合に投票は有効です。 票が割れた場合は、議長が決定します。」
と、「open voting」とは書いてあるが公表時期には決まりがない。
いずれにせよ、採点が公表されないなら審査の透明性に疑問符が付く。コンテスタントは努力だけでなく相当な時間と費用をかけて真摯にコンペに参加したのである。今回も、例えばSoritaはわざわざショパン大学に留学までしてコンクールに臨んだのであり、失礼な話である。
Webmasterは小学生の時に某大手楽器会社が主催するコンクールにサクラとして出場した経験があるので、大人の事情があり得ることは小学生にして既に承知しているが、採点が発表されないならショパコンはオワコンになると思う。次回からは有力はコンテスタントは不透明な審査で経歴に傷がつきかねないショパコンを回避する可能性があるとも考えている。
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ある時風呂から上がって部屋に戻るとノートパソコンが金切り声を上げていた。見ると、テーブルクロスがめくれて裏のファンの給気口を塞き、内部が高温となってファンが最大で動いていたのである。
ご存知の方も多いと思うが、中華系大手のACER製ノートでは給気口が裏についているものが多い。これはテーブルクロス等で塞がれやすく、内部が高温になるだけでなくファン寿命も短くなり、しかもテーブル上のゴミを拾って詰まりやすいという困った設計である。
国産大手の製品では給気口はもっと注意深く配置されるが、結構ACERのOEMも多いようで困ったものである。今回のPCは大手T社だが、おそらくACERのOEMと思われる。
そこで、ノートパソコンに足をつけて底を嵩上げしてやればいいのだが、なかなか適当なものがなく、本とかを使うと逆に給気口を塞いでしまったりする。そこで、山本式ノートブックセーバー(PAT pend.)のご提案である。
まあ写真を見てしまえばそれでお終いだが、PETボトルの蓋を上下逆に両面テープで貼ったものである。時にノートを持ち出すこともあるだろうが、その際もげてしまっても代用品はどこにでも転がっているから、回復もかんたんである。
山本式ノートブックパソコンは放熱を改善するだけでなく、ヘビーユーザーに見られる腱鞘炎の予防効果もある。基本的に腱鞘炎は手首にある腱鞘というチューブとその中を通る腱が擦れて起こる疾患で、予防としては手首に角度をつけないことが重要である。予防のために、多くのパームレストが販売されている。
山本式ノートブックセーバーをノートの底の後部に装備することでノート全体が手前にお辞儀し、その前端が下がるのでパームレストが無くても手首の角度が浅くなるし、上面前部全体がパームレストとなるので打鍵が楽になる。
さらに、日本中のノートパソコンが山本式ノートブックセーバーを装備すればPETボトルの蓋ゴミが減るし、ファンが高速回転しないことで幾ばくかの消費電流を減らし、ファンの寿命を伸ばすことはノートの寿命を伸ばすことにもつながるので、最終的には地球の環境問題およびSDGsにもプラスに働く。
というわけで、本サイトのテーゼである「本頁デハ地球環境ニヤサシイB級てくのろじーノ実践ヲ追求ス」を最高のコスパで具現化した作品とも言える。なお、様々なビンの蓋が同様につかえるので、2個揃えばお好みの高さを選ぶこともできるだろう。
最近は100均でワイヤレスマウスを300円で売っている。思えば初代MSのワイヤレスマウスは定価が1万円ほどしていた。MSマウスは3個入手したが、昨年1台が故障で脱落した。またそれ以外のワイヤレスマウスも重く電池の持ちも悪かったりした。
ダイソーで見かけたときにまず3個入手したが内1個のポインターが時にスムーズに動かない。さらに2個買い増したが1個が同様の症状だった。5個中2個とはかなり外れが多い。まったく使えないわけではないが、微細な操作ではストレスだ。
最初はおそらく安価なので光学センサの出来不出来があるのだろうと思った。しかし、不調なマウスを叩くとしばらく良好に動くということは、不調の原因はセンサーの位置決め不良ではないかと思いついたのである。
分解してみると、まずアクリルレンズは固定が甘く若干(0.3mm程度)動くようである。叩くと光学センサーとの位置関係が変わったのであろう。
次にセンサーの穴位置を基盤にマーキングしてレンズ中央の凸との位置をみると、だめなマウスはやはり0.3mm程度ずれていた。通常のICなら0.3mm程度のズレは普通だが、光学センサでは大問題なのである。
センサーは通常ICのように8本足で、固定されるときに位置が微妙にズレたのだろう。プライヤーでほんのわずか力を入れて位置を合わせた。またレンズの端を筐体底板に軽くボンド固定してみた。さらに基盤を筐体上蓋の突起で固定する部分にスポンジを置いて固定を強化にしてみた。
結果は他の調子の良いマウス以上に感度がよくポインターもスムーズに動くようになった。まあ300円ということでテフロンの摺板も無いが、昔のマウスより軽量なのでさほど問題無いようである。
ダイソーも大量のクレームや返品を強いられたのか、現在は別のモデルになっている。1個サンプルしてみたところ動作は良好だった。1台だけのサンプルなのでよくわからないが、あるいは工場でのセンサ位置精度の管理が改善したのかも知れない。
これで調子がよくなってみると、Webmasterが過去に感度が悪いとか動作がスムーズでない光学マウスを数個廃棄したが、そいつらも光学センサの位置調整をすれば直ったのかも知れない。
もし調子の悪い光学マウスがあったら、位置調整を試してみることをおすすめする。
いよいよ最終結果である。
MAIN PRIZES: 1st Prize -Mr Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada 2nd Prize ex aequo -Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia 2nd Prize ex aequo -Mr Kyohei Sorita, Japan 3rd Prize -Mr Martin Garcia Garcia, Spain 4th Prize ex aequo -Ms Aimi Kobayashi, Japan 4th Prize ex aequo -Mr Jakub Kuszlik, Poland 5th Prize -Ms Leonora Armellini, Italy 6th Prize -Mr J J Jun Li Bui, Canada SPECIAL PRIZES: The Polish Radio Prize for the best performance of mazurkas -Mr Jakub Kuszlik, Poland The Warsaw Philharmonic Prize for the best performance of a concerto -Mr Martin Garcia Garcia, Spain The Krystian Zimerman Prize for the best performance of a sonata -Mr Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
1位のBruce (Xiaoyu) Liuについては、
10/7「演奏のレベルも高く、独特の落ち着きがあって大ミスはやらかさないタイプ あとあと上位にからんでくると予想 Fazioliの将来にもかかわる大金星になるかも☆☆☆☆」
11/12「うまい!!! 決して急がずに十分に描写する 精度が高く総合力は非情に高い タッチも強くFazioliを十分な音量で鳴らす 今後必ず上位に絡んでくる☆☆☆☆」
11/16「運指表現でHyuk Leeにわずかに及ばない 小ミスもあり ☆☆☆+」
11/19「情感も深く左右のバランスもよいが音量は今ひとつ オケとの連携はよい Mov2 情感深く歌いこむ Mov3 運指表現レベルは高くアルペジオは滑らかでミスも少ない 最終的にはJ J JUN LI BUI☆☆☆ やHyuk Lee☆☆☆+と並ぶが運指能力等で頭ひとつ出ているか ☆☆☆+」
と書いた。実際には個人的な総合評価として☆の合計がトップの☆14++だったが、「Canada勢とかは票的に食い合って二人とも上位入賞はないだろう」と余計な計算で次点グループトップに入れたが、実際にはJ J JUN LI BUIも6位入賞している。これは、Argelichがいないショパコンでは最も発言力のあるD先生がカナダ在住でしかもカナダ勢2人ともD先生の弟子であることに気づかなかったからである。個人的には☆の数では優勝者を当てたと言いたところである。
2位の一人目ALEXANDER GADJIEVには全く賛同できない。表現には特色あるが、ミスや音抜けが多くファイナルすらあやしいと考えている。過去「唯一イタリーのAlexander Gadjiev☆☆は謎だが、スロベニア枠ということなのだろう。」と書いている。総合評価も☆10。
2位の二人目Kyohei Soritaについては「運指技術はHaoRaoよりわずかに上。ショパン大学の看板と反田節ルバート過剰がどう評価されるか」とのコメントがすべてだが、日本人での第8回の内田光子に並ぶ過去最高位の2位入賞はめでたい。彼の頭ひとつ出た高い運指能力は買うものの、初盤では演奏が硬質かつ性急で、また反田節ルバートは好みでないので評価は辛めだった。しかし後になるほど個性を抑えてP国が求めるショパンにしたのが評価されたのだと思うが、そのように変化できる能力も評価すべきだろう。総合評価は☆12だった。
3位のMARTIN GARCIA GARCIAについては、「スローで情感を込めて華麗に弾く Mov2 左右のバランスが良い 音が綺麗 Mov3 表現が細かい ミスはあるがあまり気にならない 上品に終わる HaoRaoとタイプが違うが一応☆☆☆とするものの、意外に入賞するも知れない」
と書いた。総合評価は☆11だった。
4位の一人目Aimi Kobayashiについては、「Pコンだけの出来は確実に上位にあると思うが、予選すべてが加点されるので審査は水物」と書いたように、予選での時に荒い演奏が影響したのかも知れない。それでも、Pconの演奏は音量は抑制して表現に徹したことでベストの出来だったし、そのように変化できた懐の深さも能力の一つだろう。総合評価は☆12+とPconが効いている。
4位の二人目Jakub Kuszlikについては、「実力+ホームタウン加点で上位、あるいは優勝の可能性がある」と書いたように高く評価していたので、もう少し上でもよかったような気はする。個人的評価は☆13+とBruce (Xiaoyu) Liuに次いで2位だった。
5位のLeonora Armelliniについては、「フルパワーで回転し始めると破壊的な威力かも」と書いた通りで、「上位に食い込むかも」と書いた通り尻上がりに調子を上げ、Pconは熱い演奏で入賞した。今回のファイナルで進行の係員がカーテンコールを促したのは彼女だけだった。 総合評価は☆10なのは序盤が響いたようだ。
6位のJ J Jun Li Buiについては、「基本的には表現が十分だが小ミスがパラパラある 総合では運指とパワーでHaoRao氏にわずかに及ばない印象」と書いた。実はCanada勢同士で食い合って票をロスするのではないかとの疑念があった。総合評価は☆10だった。
どうだろう。Webmasterの☆評価はほぼ1位から6位に関しては入賞順に並んでいる。すべて経時的に公表してきたもので、不詳Webmsterにこの程度は当てる感性はあると思っている。
しかし7位から10位までは(表彰式の席順)☆の順番になっていないしKamil Pacholec☆9の8位は謎である。さらに☆が10個を超えたであろうが予選で落ちた参加者が数人いたという見解は信じていただけるだろうか。
ところで、第16回でコンペ後の発表でEvgeni BozhanovはStage3まで2位だったにもかかわらず、ファイナルになって突然それまでの評価がクリアされ、ファイナルだけで4位とされた評定に満足せず、授賞式とガラ・コンサートを欠席したが、病欠扱いで受賞は無効にならなかった。無効にできなかった理由は、予告も公表もなく途中で評価システムを変更したことが批判をあびたからだろう。なお首位だったYulianna Avdeevaは予選もファイナルも1位の評価であった。
しかも今回は17人のうち8人(47%)がポーランド人であった。前々回16回では13人に5人(36%)、前回17回では17人中7人(41%)だったのが理由もなく増えているのが不思議である。
初盤の大粛清を見た参加者は某国審査員の顔色を伺う抑制的な演奏になった。返す返すも審査席にArgerichがいなかったことが残念である。今回で曲がりなりにも技量を競った至高のショパコンは終わり、ローカル参加者に甘いローカルコンペの一つになった。今後はすでに評価が確立した才能ある若手ピアニストは経歴に傷がつきかねないショパコンを回避するだろう。
Pconの評価はいずれも演奏2番目のHaoRao氏を☆☆☆のベンチマークとしたものだが、肝心のHaoRao氏が上位入賞していない。やはりショパコンは中国勢に対してフェアでない。
EVA GEVORGYAN☆☆☆+は☆☆☆+、☆☆☆+、☆☆☆+、☆☆☆+の合計☆12++++であり上位入賞しなかった理由は不明である。
Hyuk Lee☆☆☆+もSu Yeon Kimの無念を果たしてくれるのではと期待したが、上位入選はしなかった
特別賞については、Alexander Gadjievを除き順当だと思う。そもそも特別賞は寄付であって、「寄付者が選択した国を代表する最高得点の受賞者 ただしドナーと審査員の評決との間に矛盾や関連性がないことを条件 」という決まりあるので、それに該当するのだろうか。
今回ポロネーズ賞が無かったのは「候補者が2人しか残っておらず、どちらも審査員の過半数の票を獲得していない場合賞は授与されません」との決まりがあるので票が割れたのであろう。対象になるのは英雄と幻想、そして5番op44あたりだと思うが、特別賞はファイナルに残った参加者に限らないことが揉めた原因だと思われる。
はっきり言って今回のショパコンはすっきりしない。個人的に☆評価の数では確かにBruce (Xiaoyu) Liuの優勝を当てたが、それはチリツモ的に積んだ点が一番多かっただけで、彼には圧倒的なカリスマ的魅力は乏しいのだ。個人的にはカリスマ性がある優勝候補はとうの前に落選したからである
今回のショパコンを曲げたものは、第一にアジア勢の大量粛清で、第二にホームタウンジャッジである。
次に歴代ショパコンは、過剰なルバートやヴィルトゥオーソ的に大仰な演奏を嫌う。これは、偉大なショパンの前ではどのピアニストも小さな存在であって、譜面に書いてある事以上の過剰な表現を付け加えてはならない、という意味だと解釈している。早い話、ショパコンは郎朗みたいな演奏が大嫌いのようである。2010年にEvgeni Bozhanovが四位に終わりひと悶着あったのはそのせいかも知れない。
今回のコンクールではいかにも大げさにヴィルトゥオーソ的な演奏をする参加者はいなかったと思うが、そういう素振りが見えて減点された参加者はいたように思う。他には、ショパコンは他のコンペで入賞した参加者を低目に評価する傾向がある。それはショパコン以外の権威を軽視しているからである。
というわけで、個人的には2020-2021のショパコンの評価および予想は突発事項を除けばかなり当たったと思っている。特に☆評価では第一位を当てているが、順位予想については技量以外の政治的要素を加味しすぎたかも知れない。今回の採点が発表されたら再度論評を加えたい。
今回も6位までの8人のうち4人がアジア系と思われるが、その勢いは今後ますます強くなるに違いない。次回のショパコンがどうなるか、複雑な気持ちで待ちたいところだが、次回までにショパコンの権威は失墜しているかも知れない。
引き続き11/19ファイナルである。前記同様に、Hao Rao氏をベンチマークにコメントする
J J JUN LI BUI☆☆☆ SK-EX(Kanada / Canada)
Concerto in E minor, Op. 11 Mov1 スローで情感を込める 音は美しい 小ミスパラパラ 音量小さいが叩けば出る Mov2 表現は十分 小ミスあり Mov3 歯切れは良いが時にアルペジオにバラツキあり 基本的には表現が十分だが小ミスがパラパラある 総合では運指とパワーでHaoRao氏にわずかに及ばない印象 前回☆☆、☆☆、☆☆☆
Concerto in F minor, Op. 21はファイナルでは少数派 作曲はこちらが先だが、全体のかなりが装飾音符で占められオケは完全に伴奏役にまわり、第一楽章が長い点などもop11と似ている。
ALEXANDER GADJIEV☆☆ SK-EX (Wlochy, Slowenia / Italy, Slovenia)
Concerto in F minor, Op. 21 Mov1:Maestoso 全般的にスロー アルペジオがバラツクことあり 小ミス数回 音量不足でダイナミックレンジが狭い Mov2:Larghetto 左手音量小さく殆ど聞こえない 小ミス多数 Mov3:Allegro Vivace 運指は相当心もとない。左右のバランスがよくない。 前回☆☆☆、☆☆☆、☆☆
MARTIN GARCIA GARCIA☆☆☆ Fazioli(Hiszpania / Spain)
Concerto in F minor, Op. 21 Mov1スローで情感を込めて華麗に弾く Mov2 左右のバランスが良い 音が綺麗 Mov3 表現が細かい ミスはあるがあまり気にならない 上品に終わる HaoRaoとタイプが違うが一応☆☆☆とするものの、意外に入賞するも知れない 前回☆☆、☆☆☆、☆☆☆
EVA GEVORGYAN☆☆☆+ S&S479 (Rosja, Armenia / Russia, Armenia)
Concerto in E minor, Op. 11Mov1 意外や序章ffは抑え気味で始まり、その後は情感を込める 左右のバランスが良く旋律を浮かび上がらせる オケとのつながりもよい Mov2 情感深く歌いこむ Mov3 表現に全力 ミスはあるが多くは無い 時にアルペジオがバラつく 運指はトップより少し劣るか 実力+ロシア枠で上位入賞は堅い 成績は前回☆☆☆+、☆☆☆+、☆☆☆+と超安定
11/20午後の部
Aimi Kobayashi☆☆☆+ S&S479 Japan
- Piano Concerto in E minor Op. 11 Mov1 今までより丁寧に弾いていて情感も速度も抑え気味 アルペジオも滑らかでオケとのつながりもよい Mov2 情感深く歌いこみ、適切な緩急と間をとる Mov3 左手がすこし弱い 今までの大仰で唐突な表現を抑えて、格段に繊細かつ丁寧に弾いている 時にアルペジオが時に乱れるが多くはない ミスはパラパラとあるが多くない Pコンだけの出来は確実に上位にあると思うが、予選すべてが加点されるので審査は水物 場数を踏んだせいか落ち着いている 前回☆☆☆、☆☆☆、☆☆☆
Jakub Kuszlik☆☆☆☆ S&S479 Poland
- Piano Concerto in E minor Op. 11 Mov1 ルバートは適切で緩急や間もよい 左右のバランスが良く旋律も浮かび上っている オケとのアイコンタクトは十分 Mov2 かなりスローで情感を込める Mov3 運指緩急パワーともバランスがとれていて美しい ミスも多く無い アルペジオは滑らかで運指能力も高い 実力+ホームタウン加点で上位、あるいは優勝の可能性がある HaoRaoと比べ突出した点は無いが、多次元にバランスが取れ演奏に真摯に見えることから優勝がありえると思う。前回☆☆☆、☆☆☆、☆☆☆+と常に上位安定
Hyuk Lee☆☆☆+ SK-EX South korea
- Piano Concerto in F minor Op. 21 やはり緩急と間を意識している 右の旋律も浮き上がり左のバスも十分 オケとのつながりもよい Mov2 ルバートも適切で表現は十分 アルペジオが滑らかで美しい Mov3 運指表現パワーともバランスとれているがHaoRaoやJakubには及ばないか 上位入賞の可能性はあるが2015年に引き続きの韓国勢の優勝はないだろう 前回☆☆☆、☆☆☆、☆☆☆+と安定
Bruce (Xiaoyu) Liu☆☆☆+ Fazioli Canada
- Piano Concerto in F minor Op. 21 Mov1 Fazioliの音は明らかに違う 情感も深く左右のバランスもよいが音量は今ひとつ オケとの連携はよい Mov2 情感深く歌いこむ Mov3 運指表現レベルは高くアルペジオは滑らかでミスも多くはない 最終的にはJ J JUN LI BUI☆☆☆ やHyuk Lee☆☆☆+と並ぶが運指能力等で頭ひとつ出ているか 前回☆☆☆☆、☆☆☆☆、☆☆☆☆と高評価だった
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さてWebmaster的には、優勝候補グループは Jakub Kuszlik☆☆☆☆ 、Kyohei Sorita☆☆☆、Hao Rao☆☆☆、EVA GEVORGYAN☆☆☆+ あたりかと思う。
HaRaoはベンチマークで☆☆☆としたが☆☆☆+が相当だと思う(評価は書き換えないと書いたの変えていない)。Soritaが☆☆☆と辛いのは個人的に反田のルバートがどうしても好きになれないからで、本来は☆☆☆+かも知れないが、これも書き換えない。☆の評価は予選より相当辛くつけている。
次点グループは Bruce (Xiaoyu) Liu☆☆☆+、Aimi Kobayashi☆☆☆、Hyuk Lee☆☆☆+、Leonora Armellini☆☆☆、J J JUN LI BUI☆☆☆、MARTIN GARCIA GARCIA☆☆☆ あたりか
それぞれのグループ内での順番には意味があるような無いような。多分に個人的な好みが入っているし、ポーランドの審判員がどう考えるか、である。Canada勢とかは票的に食い合うかも知れないか。最終的には上位10人は異議がないところだが、その半数はアジア系とみなしていいだろう。ここに入るべき数人がさしたる理由もはっきりせず落選していることは忘れてはいけない。
さあ、結果を見てみるか。
今回のショパコンでの驚きは、ヤマハCFXを使用した参加者がセミファイナルまでに全員が敗退したことである。特に有力なUshidaとKyomasuがCFXを使用したが、Stage3に届かなかった。そこで、ビデオを良く見ると、
このCFXはプレリミナリーまでのCFX64XX400と違ってフレームがさっぱりしている。金属フレームの左側から2本目が二股になっていて一本少ないことに気付いた。通常のCFXは、
のように、三叉である。ちなみにスタインウェイD274は、
三叉になっていて既存のCFXに似ている。正確にはスタインウェイをヤマハが真似したのだが角度とベル末端の位置が違う。さらに、スタインウェイの三叉右側は一体鋳造でなくネジ止めである。この理由については後述する。
ヤマハは東京オリンピックの頃のフルコンFCはD274より音量が劣っていた。そこで、ミケランジェリの調律師でピアノ設計家でもあるTaroneを招聘し、徹底的にスタインウェイを研究してその上を目指すヤマハCFを作った。そのフレームは現状のCFXに似ていた。Taroneの一派はその後Fazioliの開発に参画した。
ヤマハは初代CFの技術を流用してCシリーズ(Taroneモデル)を発売した。ごく初期のモデルにはC3にもサウンドベルがついていた。当時は普及品のGシリーズに対しCシリーズはその後のSシリーズやカワイのSKシリーズのような高級ラインだったが、その後再三手抜きしてGシリーズと差がなくなりついに一本化されたのである。
しかし、ヤマハはCFで雑音問題に突きあたった模様である。改良で低音量が増えるとその高調波が金属フレームの中高音部のカポダストロバーに伝導して干渉し、耳ざわりな共鳴雑音を発生するようになったのである。
本家のスタインウェイも100年前にこの問題に直面して改良し、その後100年間のスタインウェイ王国を築いたのであった。
ピアノの音区(レジストリー))には低音、中低音、中音、中高音、高音の5つがある。低音区を斜めに低中音区の上に重ねて交差弦とすることで低音弦長を長くとることができ、また低音と中音が共鳴して音量も豊かになる。
また中高音と高音のアグラフ(弦の支点)を廃し、左右に結ぶバーの底辺のエッジ(ベアリング)を弦の支点とするカポダストロバーで隣接する中高音が混ざり合うことで音量を増やした。ベヒシュタインのようにアグラフが金属フレームの上にあると構造上中高音部では露出する弦が短くなり、最適な打弦位置を確保すると下から叩くハンマーが極細になって音量が出ないことを回避できる。
一方斜めに張った交差弦を支えるため多くの方向に剛性が必要となり、木質フレームも金属フレームも低音と中低音の間(Dと書いてあるところ)を支点とした放射状構造として剛性を確保しながら音量も向上した。
しかし低音、中低音の高調波が金属フレームの左右のバー等を伝導して中高音に伝わり共鳴雑音が出るようになったのである。スタインウェイは深刻に悩み、その解決に10年要した記録がある。
スタインウェイの解決策は
1) 金属フレームの三叉の一番右をネジ止めにして剛性をもたせつつ振動伝導を減らした。
2)ピアノ前部の弦を止めるピンと金属フレーム間のブッシュを廃止した。これにはピン板の繊維方向を分散する発明が関係している。
3) カポダストロバーの左端の中音と中高音の間を太く重くして振動を遮断した
等の改良で問題を乗り切ったのである。ヤマハ初代CFの場合は、
1) 三叉の一番右側の後ろはS&Sのように中音と中高音の境目ではなく、中低音と中音の境目にして中高音部への振動伝導を減らした。
2) その支柱は鋳造技術の範囲で可能な限り薄いものとした。
3) カポダストロバーの左端の中音と中高音の間を太く重くして振動を遮断した
で乗り切り、とりあえず初代CFを発売することができた模様である。
しかし小改良で中低音量を増やそうとする度に金属フレームの強度と共鳴雑音の問題は再発したために、度々金属フレームのデザインを変更してきた。
CF2では三叉の一番右側は、中低音と中音の境目からまっすぐ三叉の真ん中の支柱に向かって伸びた支柱に変更されている。これで剛性を確保しつつ中高音間の振動伝導を減らしたものと考えられる。奇しくもカワイEXやベヒシュタインも似た形状である。
実は、この形状は初代CFの前のFCに先祖返りしたもので、交差弦になる前の並行弦時代の設計の影響が残ったものだが、支柱の太さや形状はFCとは異なる。
ベーゼンドルファーとファツィオリの金属フレームは似ており、二股に左右方向斜めに一本支柱が斜めに通っている。ということは、各メーカーも金属フレームの3本目には相当悩んだ形跡があり、その最適解の種類は意外や少ないということだ。
さらに一部の欧州製ピアノを参考にしてCFIIIでは金属フレーム右側のベルに大穴を開けて音のヌケを良くすることを狙ったが、剛性低下とかがあったのか、CFIIIsでは再度穴あきベルに戻っている。
これ以外にもさまざまな試作ピアノがあり、Webmasterも試作品を某店で見たことがある。試作品はフルコンなのに鍵盤が象牙でないことが特徴であった。他にもTaroneの考案した千鳥足響棒など多くの試みがあった。
そして、CFXになって3本目の支柱は再度初代CFの形状に先祖返りしたが、その間の鋳造技術とコンピューター設計の進歩で支柱は細くなり、また支柱を挟む丸穴2個をコマ側に寄せることで剛性と振動伝達を最適化しているようである。まあヤマハが進化のためにフレームをコロコロ変えるというとは、会社が進化を求めていて老化していない証左なのかも知れない。
CFXでは最初から弧状に形成した響棒を使い、また駒に穴をあけて響板の低音でのコンプライアンスを上げる(柔らかくする)ことで音量と長いサステインを得ている。これらの技術は傘下となったBoesendorferから仕入れたらしい。
そして、今回の試作CFXだが、ついに三叉三本目の支柱は追放された。不足する剛性は高度な最適化設計で補いつつ、中低音の音量レベルを強化しても中高音への伝達を遮断し共鳴雑音を防ぐのが目的だったと思われる。再度支柱に手を入れる原因として考えられるのは、木材各部の改質技術AREにより音量が増加したからではないか。
他には金属フレームのベル部分ヒッチピン後方へのリブと段差が無くなったことから、ベルの厚み(高さ)が増して剛性を稼ぎ支柱を減らした可能性がある。
ベルの厚みは初代CFではS&Sに似てかなりの厚みがあったのがCFIIIで大穴があいたがいろいろな問題が生じたのだろう、すぐに改良型CFIIIsで再度塞がれ中音域は少し小さな丸穴3個に改良されたものの、CFXでは大きめの丸穴が駒側に寄った2個になった。今回の試作CFXでは3個の丸穴は側板側に移動して支柱をなくした分の剛性を稼いでいる様子である。
他には、試作CFXのバックストリングのアリコートが一体式でなくファツィオリ等のように独立式になっているように見える。これも実は後期FCでは独立式だったので、これも先祖返りといえないこともない。これに付随してか、までバックストリングの止音フェルトがより中高音まで伸びているようだ。フェルトは音量のバランスをとる役割があるので、中低音がさらに厚くなったせいだろう。
他には大屋根の丁番金具の数4個から3個に減っていて、大屋根のロックや位置合わせピンも廃止されているが、これはおそらく側板の構造を変えて剛性が向上したので金具を減らし、同時に側板がさらに鳴りやすくなることで音量を稼ぐ細工では無いか。ヤマハのことだから、必ず何らかの意味があるのだろうが、実はFCと初代CFは丁番は3個だったので、これも先祖返りと言えないことも無い。
プレリミナリーとは会場もマイクセッティングも異なるので音質差はわからないが、どうも試作CFXではマイクがサチるようにも聞こえるので、ダイナミックレンジがより大きくなっている可能性もある。
いろいろな点で試作CFXはCFXの単なる改良品ではなく、再度CF誕生のころの原点に戻ってすべてを再設計しなおした、言わばCFZとでも呼ぶべき究極を目指したフルモデルチェンジなのであろう。
そういえば、今回Ushida氏はホールの音響特性がうまくつかめずに、音が大きすぎたのかも知れないとか話していたようで、Kyomasu氏の演奏もこれまでのCFX以上にバスが深かったように思う。ただこのことで、音質のバランスが変化して響き過ぎた可能性がある。まあ過ぎたるは及ばざるが如しだろうか。
例えば10/4午後のUshida氏のEtudeop10-10と、Andrzej Wiercinski氏のS&S300を聴き比べると、最高音がガラスのように響いて音量にかなりの差がある。同様に10/11午前のUshida氏のPolonaiseOp53とSumino氏のS&S479を比べると、479が良く鳴ることとSUMINO氏のタッチが強いこともあり中音は大差無いが、最高音は強く旋律が明瞭にきこえる。この鳴りはホロビッツがEtude25-12に使っていたCDナンバーを思い出す。
おそらく、前回までのショパコンで初期型CFXの目的は果たすことができた。今回はS&Sを圧倒するダイナミックレンジの試作CFXで上位入賞を狙う予定であったが、試作品の煮詰めがコロナの影響で遅れ、低音中音高音のバランス調整が十分に完成していない状態での演奏に、予想外のアジア勢大粛清のあおりを食ってCFXを使った参加者が全員敗退となったのが真相ではないか。
ということで、ヤマハが単純に怠慢で調子の悪いCFXを出して敗退したのではなく、リスクをかけて持てる技術を総動員した試作CFXを繰り出したが不調に終わったのだろう。そのかわりワルシャワのホールの貴重な音響データは収録できたということで、まあ例年F1チームが新型車の慣熟の不足で初戦は勝てなかったが貴重なデータが収集できた、と言い訳するのを思い出した。
雑音の問題についてWebmasterは過去のスタインウェイの米国特許をすべてに目を通し多くの文書を読んだ。当時のスタインウェイは現在のヤマハを凌ぐほどヲタクな会社で、著名な物理学者を動員して音質音量改善の技術開発に余念がなかった。その成果である274Dの完成度はやはり素晴らしく、世界最高の製造と解析技術を持つヤマハですら追いつくのに100年超を要しさらに改良を要しているのである。
そして、今回S&S479はホロビッツが使っていたCDナンバーに近い音量を出してきた。流石に2015年のセミファイナルで半分をCFXに占められて、S&Sも古いCDナンバーを出してきて研究吟味し音量を出してきたのだろう。S&Sはやはり侮れないのである。
しかし、素質としてより響くピアノは、もともと鳴らないピアノよりは遥かに音質に細工するマージンが増えるわけで、今回は非常に好評だったというS&S479を始めい、おそらく世界最高レベルのSK-EXとFazioliのデーターも取れたであろうので、次の試作CFXはさらに良いピアノになっていることだろう。
11/18
まず、Chopin Piano Concerto No. 1 in e minor, Op. 11は1番ということになっているが2番より後に書かれた作品で、1番、2番とも1830年頃に作曲された。アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズなどと同様に直前まで滞在していたウィーンの影響が多い曲である。難曲といわれているがバラードの1番や4番よりやさしいという人もいる(アルペジオの得意不得意による)。
全曲を通じてショパンらしいウィーン仕込の装飾音符や分散和音てんこ盛りで、その後のPコンと違い、オケは完全に伴奏に回っている。その中で装飾に満ちた主題をどう美しく表現するかが鍵である。
Webmasterのコメントは楽譜を見ながら書いている。ショパン本人が直接やりとりし、今なお現存するLeipzigのBreitkopf & Hartel, n.d.社のものがIMSLPにあるのでおすすめである。パデレフスキー版を始め世界の譜面の大部分がこの社の譜面をベースにしている。
ナショナルエディションを売りたいJan Ekier は、例えばバラード1では1836年に発行されたドイツ版Breitkopf & Hartel版は、フランス版からの間違いを引き継いでおり、その後ショパンが監修せずに出版社が勝手に手を入れた、とする一方、ドイツ版の校正をショパン自身が行った複数の証拠があるするなど、まったく反対の説も併記している。このころはChopin生涯で無二の友人であるJulian Fontanaはポーランド義勇軍に従軍していたので、ショパン自身が出版の交渉をしていた。
諸説あるバラード1番の第7小節の左手和音の頭がドイツ版はその後一貫してDであり、フランス版の多くがE♭である理由について、Ekierはショパンがリストの意見を取り入れてドイツ版を訂正したとのサンサーンスの記述があるとする。chopinはモーツアルトやベートーベンの初版を発行した当時最も権威あるreitkopf & Hartel, n.d.社からの出版を重視したはずで、やはり彼自身が手を入れたと考えるのが自然であろう。
ネットでもこのあたりの文献を知らずにEkierのナショナルエディションが最も正しいと盲信している人が多いが、そもそも原典とは何か?第一にはシュパンの自筆譜が原典とも言える。次に初版が原典とも言えるし、自らが行った改訂版も原典とも言えるし、ショパン自身の演奏もしくは弟子に教えたものが原典であるとも言える。考え方によっては原典は一つではなく、演奏者は自らの感性に従って一番ショパンらしいと信じるものを選択すれば良いのではないか?
そのあたりはバラード1について詳しく解析した、
を読んで欲しい。調べれば調べるほどEkier説の信憑性はないことがわかるだろう。
まあEkierも最初の言動からパワーダウンしてより広い解釈を認めるように変わっていて、ショパコンでも100%ナショナルエディション通りに弾いているピアニストはポーランド在住以外では少数派である。それでもEkier説に従ってピアノソナタ第2番序章は最初から繰り返すピアニストがかなりいる。
バラード1(1835年)とソナタ2(1837年)は作曲時期が近く、バラード1は自ら、ソナタ第2番はChopin自筆譜をAdolphe Gutmannが写譜してBreitkopf & Hartelに送っていた(画像はAdolphe Gutmannの写譜)。バラード1(1935年)のドイツ版をChopin自ら改訂したことはエキエルも認めるに至っているので、おそらくソナタ第2番(1937年)もchopinが改訂したと信じるに十分な根拠がある。
Ekierは、上段中央の2本線の1本は裏縦線が透けたというが、2頁でみると裏のこの部には縦線が無い。また「:」は裏の音符がすけてそう見えたからだというが、二重線は裏が透けた音符より遥かにはっきりしていて明らかに表に書かれたものである。そもそも、ここになぜ2本線があるのかはEkierは説明できていない。というのは、この楽譜には2本線は繰り返し位置(下段の右側の繰り返し部分)以外には無いので、この二重線の部分で繰り返すと解釈するのが当然である。
このように、Ekierの説には新規な説を捏造するためが、無理筋が多い。ちなみにAdolphe Gutmannが15歳でChopinの弟子になったのは1935年でchopinの写譜をするようになったが、1936年からはchopinの音楽学校以来の親友のJulian FontanaがChopinと同居するようになり、この2人がChopinの生活の世話をしていた。
楽譜はオケとのスコアは非常に見にくいので、比較的新しいロシアの連弾譜(編曲者Ignaz Friedman 出版社Moscow:Muzgiz, 1946.著作権Public Domain)が見やすいと思う。(ただしオケ版にない音符が少数あり)
といっても譜面に馴染みのない人には読みにくいと思うが、老婆心ながら書いておくと、上昇下降の長い装飾音符や分散和音、またピアノ2ソロ部を探すと弾いてい場所を見つけやすい。全体の半分がMov1で残りをMov2,Mov3が二分しているのも目安になる。ラフマニノフはもちろん、Chopinの独奏曲より譜面は読みやすいのでチャレンジして欲しい。
Kamil Pacholec☆☆ S&S479 Poland
- Piano Concerto in E minor Op. 11 Mov1 Allegro maestoso 平和で緊張感がない Mov2 Romanze 盛り上がりに欠ける Mov3 Rondo 破綻もないが波乱もない 全般的に平板で盛り上がりに欠け小ミスも多い。ところで演奏が終わる前から我先に拍手するのはショパコンの悪い習慣だと思う。ありきたりなコーダを嫌っていたChopinは最後の音の余韻まで計算し尽くして作曲しているからで、例えばスケルッツオ2では”F"がテーマ音で最後の”F”が響かないと曲が完成しない。前回☆☆、☆☆、☆☆☆
Hao Rao☆☆☆ S&S479 China
- Piano Concerto in E minor Op. 11 Mov1 音量も緩急もあり Mov2 丁寧で表現が深く緩急も十分 Mov3 軽快 全般的に流れが良く表現も深い。オーソドックスでルバートは控え目ながら全体の緩急と音量で表情を出す 表現が抑制的なのは粛清を恐れてか 楽譜の指示を守っていて過去3回の評価が安定しており、またKamil Pacholecよりかなり良い演奏と思うので、今後Hao Raoこの演奏をベンチマークとして比較することにする。なお今まで通りTypoとhtml文法ミス以外の評価はいっさい訂正しない。前回☆☆☆+、☆☆☆+、☆☆☆+
Kyohei Sorita☆☆☆ S&S479 Japan
- Piano Concerto in E minor Op. 11 Mov1 反田節ルバートは少し鼻につく 定評あるアルペジオは滑らかで左手で譜面に無い分散和音化を使う Mov2 ルバートは抑え気味で、独奏曲で不足していた間を時に長くとる Mov3 意外や抑揚は抑え気味で、時にアクセント的に左手を強打する 運指技術はHaoRaoよりわずかに上。あとはショパン大学の看板と反田節ルバート過剰がどう評価されるかだ。前回☆☆☆、☆☆☆+、☆☆☆+
Leonora Armellini☆☆☆ Fazioli Italy
- Piano Concerto in E minor Op. 11 Mov1 FazioliをPコンまで使うのは珍しい Fazioliでも十分な音量で装飾音符が美しい ルバートは適切 Chopinらしい表現は細部まで行き届いていて涙がでそう 小ミスはあるが連続はしない Mov2 絶妙のルバートは続く Mov3 本番で尻あがりに調子が良くなるタイプ 熱い表現は4人のなかではベスト。☆☆、☆☆、☆☆☆
前回「フルパワーで回転し始めると破壊的な威力かも」と書いた通りで、上位に食い込むかも(あるいはあっさり粛清されてしまうか)。演奏後もご機嫌で拍手も多く、本日最終演奏ということもあってか、めずらしくカーテンコールがあった。
Stage3の結果が発表された。
前回同様、まず国別の数字だが、基本的にほぼ半減となったが、
--------------------------------------------------------- 国別 Pre 1st 2st 3rd 87 45 23 12 中国系 22 9+1人+ 1 1 ポーランド 18 8 6 2 日本 14 8 5 2 韓国 7 3 2 1 イタリー 6 4+(1) 2+(1) 1+(1) ---------------------------------------------------------あとはカナダ1,スペイン1,ロシア1,とやっぱり国別枠は生きていて、バラエティーがあるかのように見せている
まず日本はSorita☆☆☆+だが、彼は自分でも”ショパン大学の看板を背負っている”と言った通りで、実力+おとなの事情でファイナルでも優勝を含め上位入賞の可能性は高くなってきた。個人的には高い運指技術は認めるものの、ショパンらしさという点では健闘したSumino☆☆☆+のほうが上だと思うのだが、ショパン大学対東大理系のどちらかを選ぶか、という結果であろう。
非音大卒のYoutuberがファイナルに残れば話題にはなるが、既存の世界的音楽教育フレームの権威が崩壊するおそれがあるので、そのチョイスはなかったであろう。個人的にはSuminoのPコンを聞きたかった
Kobayashi☆☆☆は知名度が高く前回もファイナリストだったが、落選したSu Yeon Kim☆☆☆☆あたりと比べると微妙である。Furumi☆☆☆+とShindo☆☆☆☆は全てを出し切ったが及ばなかった。個人的にはここまでのShindoは金星だと思う。
ポーランドは5人から2人に減った。落選した3人の評価は厳しかったが、残った2人Jakub Kuszlik☆☆☆+とKamil Pacholec☆☆☆の評価は当たったと思う。
中国は最初に大粛清されたせいかHao Rao☆☆☆+は生き残った。
韓国はHyuk Lee☆☆☆☆は残ったがSu Yeon Kim☆☆☆☆は落選した。しかし彼女の演奏は末永く記憶に残ることだろう
唯一イタリーのAlexander Gadjiev☆☆は謎だが、スロベニア枠ということなのだろう。
これまでの経過とWebmasterの独断と偏見に基づく結果を図示してみた。おそらくこの図は業界でもっとも見やすいと思う。
次に女流枠については7人から3人となった。まずLeonora Armellini☆☆☆はStage3で「破壊的なパワー」として評価を☆☆☆に上げた予想が当たった。Eva Gevorgyan☆☆☆は終始パワーで☆☆☆を維持した予想が当たった。
一方Su Yeon Kim☆☆☆☆、Furumi☆☆☆+とShindo☆☆☆☆に加えが落選したが女性枠半減とすればしかたがないのか。Michelle Candotti☆☆はやはりパワーの点で及ばなかった。
やはり、女流枠では実力はもちろんのこと、かなりの音量が無いと生き残れないことは、度々書いてきた通り今回も事実である。
ということで、今回もは国別枠と女流枠に、ショパン大学というおとなの事情を含めれば、予想はほぼ全て的中したと考えているがどうだろうか。
さてファイナルだが、本番は何が起こるかわからない。自らの演奏のトラブルはもちろんのこと、2010年のYulianna AvdeevaのPコンでは、電気が数回ちらつきその後かなり時間停電したが、完璧に引き続け優勝した。もちろん点数的にもトップだったが、停電に動じなかったのはさすがであったが。
これまでに多くの素晴らしい参加者がよくわからない理由で消えていった。ファイナルはもちろん一生懸命聴かせていただくものの、魂はどっかにぶっとんだままで、正直どうとでもなれ、という感じである。
一家言あるArgerichが審査員に来れなかったことでショパコンはあり得ないパラレルワールドに入ってしまった感じである。ふと日経新聞夕刊の連載小説を思い出した。今回の審査メカニズムはショパコンを完全に自己融解させてしまった。果たしてP国のもとで正しく再構築できるだろうか。
11/16午前の部
Nikolay Khozyainov S&S479 Russia
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 スローに始まりあまりルバートは効かせない 小ミスあり
- Mazurka in A minor Op. 59 no 1 大雑把に弾く
- Mazurka in A flat major Op. 59 no 2 あっさり弾く
- Mazurka in F sharp minor Op. 59 no 3 荒く弾く
- Prelude in C sharp minor, Op. 45 まとまりが無い
- Piano Sonata in B minor Op. 58 心ここにあらずという感じ 入賞は意識していないのか、拍手や喝采のときだけ表情が明るい 前回☆☆、☆☆、今回も同じ
Su Yeon Kim☆☆☆☆ S&S479 South Korea
- Fantasy in F minor Op. 49 ゆっくり情感を込めて演奏技術は高い 小ミスはあり
- Mazurka in G minor Op. 24 no 1 別格
- Mazurka in C major Op. 24 no 2 リズム感
- Mazurka in A flat major Op. 24 no 3 哀愁
- Mazurka in B flat minor Op. 24 no 4 リズム感
- Tarantella in A flat major, Op. 43 アルペジオが滑らか
- Piano Sonata in B minor Op. 58 ソナタ58は胸をうつ涙が出る ベストに近い 前回☆☆☆+、☆☆☆☆、やはり☆☆☆☆ 粛清されないことを望む
Aimi Kobayashi☆☆☆ S&S479
- Mazurka in C minor Op. 30 no 1 短い
- Mazurka in B minor Op. 30 no 2 リズム荒い
- Mazurka in D flat major Op. 30 no 3 表現は豊かだが
- Mazurka in C sharp minor Op. 30 no 4 変化が唐突か
- Prelude in C major Op. 28 no 1 短い
- Prelude in A minor Op. 28 no 2 暗い
- Prelude in G major Op. 28 no 3 明るい
- Prelude in E minor Op. 28 no 4 余韻
- Prelude in D major Op. 28 no 5 激し過ぎ
- Prelude in B minor Op. 28 no 6 明暗
- Prelude in A major Op. 28 no 7 太田胃散速すぎ
- Prelude in F sharp minor Op. 28 no 8 さみだれ
- Prelude in E major Op. 28 no 9 和音
- Prelude in C sharp minor Op. 28 no 10 すだれ
- Prelude in B major Op. 28 no 11 ダンス
- Prelude in G sharp minor Op. 28 no 12 移調
- Prelude in F sharp major Op. 28 no 13 左手
- Prelude in E flat minor Op. 28 no 14 低音
- Prelude in D flat major Op. 28 no 15 豪雨
- Prelude in B flat minor Op. 28 no 16 唐突
- Prelude in A flat major Op. 28 no 17 移調
- Prelude in F minor Op. 28 no 18 唐突
- Prelude in E flat major Op. 28 no 19 大海
- Prelude in C minor Op. 28 no 20 葬送大仰
- Prelude in B flat major Op. 28 no 21 華
- Prelude in G minor Op. 28 no 22 過激
- Prelude in F major Op. 28 no 23 流れ
- Prelude in D minor Op. 28 no 24 城ヶ島の嵐 表現が平板 左手ペダル過剰で旋律が浮いてこない 前回☆☆☆、☆☆☆を維持
Mateusz Krzyzowski☆☆☆ S&S479
- Mazurka in B major Op. 56 no 1 表現細かい
- Mazurka in C major Op. 56 no 2 リズム感
- Mazurka in C minor Op. 56 no 3 哀愁
- Prelude in C major Op. 28 no 1 丁寧
- Prelude in A minor Op. 28 no 2 表現深い
- Prelude in G major Op. 28 no 3 波
- Prelude in E minor Op. 28 no 4 思い出
- Prelude in D major Op. 28 no 5 交錯
- Prelude in B minor Op. 28 no 6 記憶
- Prelude in A major Op. 28 no 7 太田胃散ミス
- Prelude in F sharp minor Op. 28 no 8 波
- Prelude in E major Op. 28 no 9 重厚
- Prelude in C sharp minor Op. 28 no 10 すだれ
- Prelude in B major Op. 28 no 11 花
- Prelude in G sharp minor Op. 28 no 12 ダンス
- Prelude in F sharp major Op. 28 no 13 空
- Prelude in E flat minor Op. 28 no 14 重奏
- Prelude in D flat major Op. 28 no 15 通り雨
- Prelude in B flat minor Op. 28 no 16 疾走
- Prelude in A flat major Op. 28 no 17 思い出
- Prelude in F minor Op. 28 no 18 衝突
- Prelude in E flat major Op. 28 no 19 航海
- Prelude in C minor Op. 28 no 20 葬送重厚
- Prelude in B flat major Op. 28 no 21 快晴
- Prelude in G minor Op. 28 no 22 激情
- Prelude in F major Op. 28 no 23 流れ
- Prelude in D minor Op. 28 no 24 城ヶ島の嵐 全体的にkobayashiより優美で上品 左右のバランスが良い 前回☆☆☆、☆☆☆維持
11/16午後の部
Jakub Kuszlik☆☆☆+ S&S479 Poland
- Fantasy in F minor Op. 49 表現が深い 小ミス
- Mazurka in C minor Op. 30 no 1 これが本家ものかも
- Mazurka in B minor Op. 30 no 2 軽快
- Mazurka in D flat major Op. 30 no 3 リズム感
- Mazurka in C sharp minor Op. 30 no 4 陰影が美しい
- Piano Sonata in B minor Op. 58 運指表現パワーのバランスが良い 音が美しい 前回☆☆☆、☆☆☆で今回☆☆☆+とする
Hyuk Lee☆☆☆☆ SK-EX South Korea
- Variations in B flat major on a theme from Mozart s Don Giovanni (La ci darem la mano), Op. 2 ペダリングが丁寧で音が美しい
- Mazurka in B flat major Op. 17 no 1 情感豊か
- Mazurka in E minor Op. 17 no 2 陰陽の表現
- Mazurka in A flat major Op. 17 no 3 表現が細やか
- Mazurka in A minor Op. 17 no 4 陰影が美しい
- Piano Sonata in B minor Op. 58 運指表現パワーとも最上位クラス SK-EX
から音量を絞り出す過去☆☆☆+、☆☆☆、今回☆☆☆☆へ
Bruce (Xiaoyu) Liu☆☆☆+ Fazioli Canada
- Mazurka in G sharp minor Op. 33 no 1 陰影細かい
- Mazurka in C major Op. 33 no 2 緩急あり
- Mazurka in D major Op. 33 no 3 リズム感 ミスあり
- Mazurka in B minor Op. 33 no 4 表現は細かい
- Sonata in B flat minor Op. 35 演奏レベルは高いがHyuk Leeには及ばない 小ミス多い
- Variations in B flat major on a theme from Mozart s Don Giovanni (La ci darem la mano), Op. 2 運指表現でHyuk Leeにわずかに及ばない 小ミスもあり☆☆☆☆、☆☆☆☆から☆☆☆+へ
11/15午前の部
Leonora Armellini☆☆☆ Fazioli Italy
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 Fzaioliを大音量で鳴らすパワーがある
- Mazurka in E minor Op. 41 no 1 毎回ノリがどんどん良くなっている
- Mazurka in B major Op. 41 no 2 緊張がとれてきて本来の実力が出ている
- Mazurka in A flat major Op. 41 no 3 楽しそうに弾いているのか
- Mazurka in C sharp minor Op. 41 no 4 荒さがとれて丁寧になりミスも減ってきた
- Sonata in B flat minor Op. 35 精度、運指、表現、パワーのバランスが良い最強クラスのパワーは腕力に加え中腰から上半身の体重をかけている フルパワーで回転し始めると破壊的な威力かも 前回☆☆、☆☆を☆☆☆としていいと思う。
J J Jun Li Bui☆☆☆ SK-EX Canada
- Ballade in F major Op. 38 精度表現パワーのバランスがよく、鳴らないSK-EXを大音量で鳴らす
- Mazurka in G minor Op. 24 no 1 細かい表現
- Mazurka in C major Op. 24 no 2 精度も高い
- Mazurka in A flat major Op. 24 no 3 情感ものっている
- Mazurka in B flat minor Op. 24 no 4 自信に満ちた演奏になってきた
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 リズム感があり打鍵も揃っている
- Piano Sonata in B minor Op. 58 右高音の音量が不足気味 セミファイナルになって緊張がとれてきて本領発揮の選手が増えてきた 前回☆☆、☆☆、から☆☆☆へ
Michelle Candotti☆☆ S&S479 Italy
- Ballade in F major Op. 38曲順変更 表現豊かに始まる 小柄の割に腰を使って意外な音量あり
- Scherzo in B flat minor Op. 31 アルペジオの詰まりとミスあり
- Mazurka in A minor Op. 59 no 1 演奏が堅い 小ミスあり
- Mazurka in A flat major Op. 59 no 2 やさしい演奏
- Mazurka in F sharp minor Op. 59 no 3 少し調子がでてきた 美麗で絵になる
- Sonata in B flat minor Op. 35 特徴もなく技術的も目一杯ながらここまで来たが厳しい ☆☆、☆☆を維持
Yasuko Furumi☆☆☆+ S&S479 Italy
- Rondo in E flat major, Op. 16 曲順変更 音とアルペジオが美しく音量もある
- Mazurka in A minor Op. 59 no 1 情感を込めて丁寧に
- Mazurka in A flat major Op. 59 no 2 細部まで丁寧にリズム感を生かして
- Mazurka in F sharp minor Op. 59 no 3 力強く始まりこれも丁寧に
- Piano Sonata in B minor Op. 58 これもパワーと細部まで丁寧な表現を両立 緊張がとれたのか明らかにレベルアップしていて、前回☆☆☆、☆☆☆から☆☆☆+に 気がかりなのは、これまで情感を込めて緩急に富んだレベルの高い演奏者がなぜか大量落選していう不思議な状況が今年発生していること。
11/15午後の部
Alexander Gadjiev☆☆ SK-EX Poland
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 スロー情感は豊かだがいくらなんでもセミファイナルとしては小ミス多すぎ
- Mazurka in B major Op. 56 no 1 特徴なし
- Mazurka in C major Op. 56 no 2 リズム感はよい
- Mazurka in C minor Op. 56 no 3 少し調子がでてきたが小ミス多すぎ
- Sonata in B flat minor Op. 35 表現は独自性あり好みが分かれる アルペジオ乱れて小ミス多い 前回☆☆☆、☆☆☆だが☆☆がいいところ
Avery Gagliano☆☆☆+ S&S300 USA
- Sonata in B flat minor Op. 35 少し表現は抑えてシュアーに行く作戦か タッチは強い
- Mazurka in B major Op. 56 no 1 やはり表現は抑え気味で美しい音に専念か
- Mazurka in C major Op. 56 no 2 リズム感も抑え気味
- Mazurka in C minor Op. 56 no 3 抑制的な演奏
- Scherzo in B flat minor Op. 31 これでも表現は抑制気味だと思う。最後の左手ミスは痛い 演奏後の表情も冴えない 参加者に目立つ表現や体動、ビルトーソ的演奏をすると落とされるという恐怖感があるように思う。本当に今回は罪作りだ。
Martin Garcia Garcia☆☆☆ Fazili Spain
- Prelude in A flat major Op. 28 no 17 低く着座する バスは厚いが表現は抑制的か
- Prelude in E flat major Op. 28 no 19 不完全燃焼か
- Prelude in F major Op. 28 no 23 弾かず
- Piano Sonata in B minor Op. 58 独自の癒やし系スタイル ミスも少々
- Mazurka in G major Op. 50 no 1 楽しく弾いている
- Mazurka in A flat major Op. 50 no 2 リズム感が良い
- Mazurka in C sharp minor Op. 50 no 3 陽と陰の対比がよい
- Prelude in C sharp minor, Op. 45 緩急のとり方が良い
- Waltz in F major Op. 34 no 3 楽しく踊れそうなワルツ この人にとってコンテストの評価なんかどうでもいいじゃないかという感じがする 前回☆☆、☆☆☆このまま
Eva Gevorgyan☆☆☆ S&S479 Russia/Armenia
- Fantasy in F minor Op. 49 スローで始まる 運指表現パワーのバランスが良い 腰を浮かしてパワーを出している
- Mazurka in B flat major Op. 17 no 1 パワーがある
- Mazurka in E minor Op. 17 no 2 リズム感がよい
- Mazurka in A flat major Op. 17 no 3 パワフルなマズルカ
- Mazurka in A minor Op. 17 no 4 哀愁がただよう
- Sonata in B flat minor Op. 35 緩急を大きくとりパワフルに演奏する 全般的に目立って粛清されるのが怖いのか、抑制的に弾く参加者が多いの中で表現が大きめ 本来こうあるべき 前回☆☆☆、☆☆☆は維持
11/16に続く
11/14午前の部
Szymon Nehring☆☆ S&S479 Poland
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 いきなり左ミス
- Scherzo in E major Op. 54 リズム感と歯切れが悪い
- Mazurka in B major Op. 56 no 1リズム感が乏しい
- Mazurka in C major Op. 56 no 2リズム感が不明確
- Mazurka in C minor Op. 56 no 3リズム感が乏しい
- Piano Sonata in B minor Op. 58 スタカートの歯切れが悪い付点が不明確アルペジオが不均等で滑らかさが無い ミスタッチ多い セミファイナルレベルでは無い 前回☆☆、☆☆と同じ
Kamil Pacholec☆☆☆ S&S479 Poland
- Rondo in E flat major, Op. 16 運指技術は高い
- Mazurka in C minor Op. 30 no 1 情感が出ている
- Mazurka in B minor Op. 30 no 2 リズム感が良い
- Mazurka in D flat major Op. 30 no 3哀愁が漂う
- Mazurka in C sharp minor Op. 30 no 4 情感が豊か
- Piano Sonata in B minor Op. 58 Poland勢のなかでは運指表現パワーのバランスがとれている 緩急と間が良い アルペジオも滑らか 前回☆☆、☆☆、から☆☆☆へ
Hao Rao☆☆☆+ S&S479 China
- Berceuse in D flat major, Op. 57 柔らかい演奏
- Piano Sonata in B minor Op. 58 メリハリがあり指も回る 音量もありスケールが大きい 小ミスあり
- Mazurka in G sharp minor Op. 33 no 1 表現が細かい
- Mazurka in C major Op. 33 no 2 指がまわる
- Mazurka in D major Op. 33 no 3 リズム感がよい
- Mazurka in B minor Op. 33 no 4 ショパンらしい
- Polonaise in A flat major Op. 53 キレの良く軽快な演奏 前回☆☆☆+、☆☆☆+を維持
Miyu Shindo☆☆☆☆ S&S479 Japan
- Mazurka in B flat major Op. 17 no 1 毎回急速に進化している
- Mazurka in E minor Op. 17 no 2 細部までコントロールされている
- Mazurka in A flat major Op. 17 no 3 完全に段階が上がっている
- Mazurka in A minor Op. 17 no 4 情感が深い
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 リズム感がある 演奏はノリノリ
- Piano Sonata in B minor Op. 58 短期間に第1級ピアニストに大化け もはやコンクールの順位は関係ないかも 前回☆☆☆、☆☆☆+から☆☆☆☆へ
11/14午後の部
Kyohei Sorita☆☆☆+ S&S479 Japan
- Mazurka in B major Op. 56 no 1 ルバート過剰だと踊れない
- Mazurka in C major Op. 56 no 2 リズム感がよい
- Mazurka in C minor Op. 56 no 3 陰影表現は巧みだがルバート過剰
- Sonata in B flat minor Op. 35 ルバートやペダリング、分散和音は過剰だと行進できない
- Boze, cos Polske (harmonization of the old version of the song for piano), op. posth.賛美歌
- Polonaise in A flat major Op. 53 良くはなっているが反田節で表現がやや過剰 拍手が長い ☆☆☆、☆☆☆+を維持
Hayato Sumino☆☆☆+ S&S300 Japan
- Mazurka in G minor Op. 24 no 1 陰影よく出ている
- Mazurka in C major Op. 24 no 2 都会的
- Mazurka in A flat major Op. 24 no 3 華麗
- Mazurka in B flat minor Op. 24 no 4 長短がめぐる
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 表現に注力すると運指の余裕が減って音が抜ける 時間が足りるか心配
- Sonata in B flat minor Op. 35 op61より運指に注力
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 パワーより表現に注力 絶対的な運指能力は反田にゆずるが、キレの良いタッチや都会的で華麗な緩急や間の表現は反田より優れる ☆☆☆+、☆☆☆+を維持
Andrzej Wiercinski☆☆ S&S300 Poland
- Mazurka in G minor Op. 24 no 1 特色なし
- Mazurka in C major Op. 24 no 2装飾音符(ED)の弾き方が変で妙なアクセント
- Mazurka in A flat major Op. 24 no 3 fzの指示を守っていない
- Mazurka in B flat minor Op. 24 no 4 コーダのpやppをも守っていない>
- Scherzo in E major Op. 54 散漫な曲をなんとかまとめる
- Piano Sonata in B minor Op. 58 運指表現パワー等バランスのとれた演奏 前回☆、☆☆かわらず
Piotr Alexewicz☆☆ S&S479 poland
- Mazurka in G minor Op. 24 no 1 特色なし
- Mazurka in C major Op. 24 no 2 リズム感は良い
- Mazurka in A flat major Op. 24 no 3 緩急よし
- Mazurka in B flat minor Op. 24 no 4 陰陽表現よし
- Prelude in C major Op. 28 no 1 短い
- Prelude in A minor Op. 28 no 2 暗い
- Prelude in G major Op. 28 no 3 小川
- Prelude in E minor Op. 28 no 4 暗い
- Prelude in D major Op. 28 no 5 短い
- Prelude in B minor Op. 28 no 6 暗い
- Prelude in A major Op. 28 no 7 太田胃散
- Prelude in F sharp minor Op. 28 no 8 指を回す
- Prelude in E major Op. 28 no 9 重厚
- Prelude in C sharp minor Op. 28 no 10 すだれ
- Prelude in B major Op. 28 no 11 明るい
- Prelude in G sharp minor Op. 28 no 12 短調
- Prelude in F sharp major Op. 28 no 13 おさんぽ
- Prelude in E flat minor Op. 28 no 14 重厚
- Prelude in D flat major Op. 28 no 15 雨だれ(名曲)
- Prelude in B flat minor Op. 28 no 16 指を回す
- Prelude in A flat major Op. 28 no 17 やさしい
- Prelude in F minor Op. 28 no 18 短い
- Prelude in E flat major Op. 28 no 19 鳥
- Prelude in C minor Op. 28 no 20 葬送(名曲)
- Prelude in B flat major Op. 28 no 21 やさしい
- Prelude in G minor Op. 28 no 22 激しい
- Prelude in F major Op. 28 no 23 天国
- Prelude in D minor Op. 28 no 城ヶ島 名曲もあるが本来コンクール用では無い ☆☆、☆☆維持
11/15へ
Stage2の結果が発表された。
まず、Stage1と同様に国別の数字が大きな意味をもつようである。
--------------------------------------------------------- 国別 Pre 1st 2st 87 45 23 中国系 22 9+1人+ 1 ポーランド 18 8 6 日本 14 8 5 韓国 7 3 2 イタリー 6 4+(1) 2+(1) ---------------------------------------------------------基本的にはトータルは半減しているが、中国勢の大粛清で、なんとHao Raoの1人だけになった。一次のYifan Hou☆☆☆+落選あたりからおかしいと思っていたが、今回はWei-Ting Hsieh☆☆☆☆の落選で確信に至った。これは中国の覇権主義に対する審査員の政治的判断かも知れない
次がP国で、ホー○タウン○ャッジなのか、6人中評価☆☆が3人もいる。
日本は全体数の半減にもかかわず5人、国別ではP国に次いで2位と優遇されている。これは親日の結果かも知れないが、それでも3人が落選した。少なくとも、
□ショパンコンクール2020のプレリミナリー演奏のナゾ(日本人の入賞者を占う編)
「ひょっとして上位は日本人多数?もちろん他国人はあまり聴いていないなかでの印象だが。」
は的中したことになる。ネットで検索すると日本人ピアニストをディスる記載を多数見るが、そんなことはなく日本のレベルは過去も現在もいいところにあるのだ。ただし体格からくる音量不足で上位入賞が難しかっただけである。
韓国は2人と少数ながらレベルの高いピアニストが残った。
イタリーは3人だが、うち1人はラトビア枠であろう。
そのほかは、多分にバラエティーをそろえるために少数参加国に関して国別枠として甘く選ばれた雰囲気がある。
いずれにせよ、今回は大粛清で、曲りなりにも建前として技量を競ってきたショパコンの輝かしい歴史が今回で完全に終わったと思う。ショパコンのプレステージはチャイコンより上だったが、今後は並ぶ一方、エリザベート等の他のコンペの評価が高くなると思われる。
次に男女比だが、女流はStage2に進んだ9人中7人が当選した。これは国際的なジェンダー意識の現れであろう。ただし、女流の生命線が音量であることも引き続き真実である。☆☆の2人は小国枠かと思われる。Stage1で女流を絞り込みすぎたので、今回は緩くした雰囲気がある。
実力があるのはもちろんだが、女流に関して日本は優遇されているものか、Stage2に進んだ3人が全員当選である。一方、その分優勝候補だったUshidaとKyomasuに厳くなった雰囲気もある。二人ともまだ若いので次回に、ということか。
これについては、昨日のkyomasuの項で、
「☆☆☆☆とするが、ミスもぱらぱらあるし強敵(女流も)も多いので今後も油断できない」
と書いた。国別枠が維持され女性枠との食い合いが発生する可能性もありと感じたからである。
もう一つ不思議なのは、2015年のセミファイナルで半数を占めたCFXを使用した参加者が一人も合格しなかったことである。一方音量の劣るSK-EXを使用した参加者が3人残っている。実際世界中のホールに続々納入されているCFXの評価が5年で変わるのも不自然である。
というわけで、一言に纏めると、
というところか。個人的には、当選者は殆どが☆☆☆以上であるが、なぜか☆☆もいる。個人的にはHayato SuminoとMiyu Shindoの進出は予想通りで喜ばしいことである。
とりあえず簡単に評価を書いておく。
Sohgo Sawada☆☆☆SK-EXが落選したが、同業者なので甘いかも知れないが、彼の表現力というよりはSK-EXの音量不足が原因であろう。SK-EXは響板のコンプライアンスと筐体剛性を見直す必要がある。
Tomoharu Ushida☆☆☆☆とShushi Kyomasu☆☆☆☆の落選は衝撃的で、今回はこの瞬間ショパコンが茶番となった印象がある。その代わり有力女流が進出したので、彼女らに期待するしか無い。
個人的には、今回の中国勢大粛清は国際政治問題化する可能性があると思っている。有力な審査員と演奏者がショパコンをボイコットしスポンサーが降りれば成立しなくなる。あるいは新しい組織で審査が透明化されたショパコンをショパンが長く在住したパリで開くのもいいかも知れない。ショパンはポーランドを愛していたが、フランス人とのハーフであり、多くの作品はフランスで書かれたものであり、その作品はポーランドのものではなく全人類のものである。
今回も審査員の国籍に偏りがある。本選出場の過半がアジア系なのに、アジア系審査員は3人しかいない。
Competition Jury -------------------------------------- Dmitri Alexeev Russia Sa Chen China Thai Son Dang Vietnam Akiko Ebi Japan Philippe Giusiano France Nelson Goerner USA Adam Harasiewicz Poland Krzysztof Jablonski Poland Kevin Kenner USA Arthur Moreira Lima Brazil(argerichの代役) Janusz Olejniczak Poland Piotr Paleczny Poland Ewa Pob?ocka Poland Katarzyna Popowa-Zydron Poland (Chair) John Rink England Poland Wojciech Switala Poland Dina Yoffe Latvia一方ポーランド人が8人もいる。
9月になってMartha Argerich(アルゼンチン生まれ仏在住)がNelson Freire(ブラジル生まれ仏在住)の疾病のため両者が審査員を辞退し、穴埋めにArthur Moreira Lima(ブラジル)が選ばれ審査員が1人減った。Argerichは過去中国系のローバートチェンと結婚して子供をもうけており、他にも種々の国籍の人物とかかわりがあったことから人種的偏見は弱いと言わていれる。
もし一家言あるArgerichがいれば不明朗な選考はなかった可能性がある。いずれにせよ、今回は後味の悪いコンペになった。
ポーランドは長年周囲の大国に蹂躙されユダヤ系の迫害があったため人権問題に神経質なのは理解できるが、だからといって中国系ピアニストの人権を無視していいことにはならない。露骨な政治的判断は黒歴史として残るであろう。
今回、高評価なのに落選された方々
Kai-Min Chang☆☆☆ S&S300 Chinese Taipei Alberto Ferro☆☆☆ S&S300 Italy Shushi Kyomasu☆☆☆☆ CFX Japan 優勝候補 Georgijs Osokins☆☆☆ CFX LATVIA Evren Ozel☆☆☆ S&S479 UNITED STATES Sohgo Sawada☆☆☆ SK-EX Japan Aristo Sham☆☆☆+ S&S300 CHINA, HONG KONG 優勝候補 Talon Smitho☆☆☆ S&S300 UNITED STATES Yutong Sun☆☆☆ S&S479 China Tomoharu Ushida☆☆☆☆ CFX Japan 優勝候補 Yuchong Wu☆☆☆+ S&S300 China 優勝候補 Lingfei (Stephan) Xie☆☆☆ S&S300 China Zi Xu☆☆☆ S&S479 China 13人中過去にもセミファイナル、ファイナルあたりでの選考に関する議論は多くあった。しかし今回ほどStage1やStage2で多くの優勝候補が落選したことは無かったと思う。これでまじめにフォローするモティベーションは相当下がってしまった。China6人 Japan3人 USA2人 LATVIA1 Italy1
今回もWebmasterは望外の的中率を上げ続けていると思うが、今後も評価軸はいっさい変更しない。それは、当選者選抜システムとその論理構造の問題が明らかになったと思うからである。
今後はかなり冷めた目で行方を追っていきたい。
10/12午前の分
Wei-Ting Hsieh☆☆☆☆ S&S479 Chinese Taipei
- Scherzo in B minor Op. 20 朝一番指がまわらなかったので彼女も人間だと思ったが、次第に本領発揮
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 調子でてきた 姿勢よし、運指も表現もパワーも女流では高いレベル
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22うまい!!!言うことがなし コメントも前回と同じ 総合力では女流トップクラスで前回☆☆☆+今回☆☆☆☆あげちゃう
彼女はノリノリのときは、口でパンパカパンと歌っているようで余裕である。あとはPコンだけか
Adam Kadulski☆☆ S&S479 Poland
- Polonaise in A flat major Op. 53 全般的に荒い?
- Waltz in D flat major, Op. 64 No. 1 この曲で間違える?
- Waltz in C sharp minor, Op. 64 No. 2 この曲でテンポが詰まる?
- Waltz in A flat major op. 64 nr 3 大仰
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 右手和音がきれいでなく、しかも間違ってます
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 あまり安心できない 前回☆☆と変わらず
Nikolay Khozyainov☆☆ S&S479 Russia
- Polonaise in A flat major Op. 53 今日は顔色が良いがまだ本調子で無い
- Waltz in A flat major, Op. 69 No. 1 気がのってない感じ
- Waltz in F major Op. 34 no 3 少し顔色が明るくなってきたがキレがいま一つ
- Ballade in F major Op. 38 かなり本調子になってきたがいま一つ
- Fugue in A minor, op. posth. バロック風フーガ 譜面あり1840年の遺作とある
- Mazurka in E minor Op. 41 no 1 良い
- Mazurka in F minor, Op. 68 No. 4 これも良い
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 かなりまともになってきたがもう少し ロシア男性に典型的なトラブルをかかえているように見える 前回☆☆と同じ
Su Yeon Kim☆☆☆☆ S&S479 South korea
- Ballade in A flat major Op. 47S&S479 運指表現パワーが高次元でバランスしている
- Impromptu in A flat major, Op. 29 ペダリングが丁寧で音が美しい
- Waltz in F major Op. 34 no 3 明るくタッチが明確
- Ballade in F minor Op. 52 序章からしてレベルが違う コーダは爆速だがちゃんとパッセージに間がある。バラード4はこう弾くべき
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 うまい!!! 右手にパワーがありキレも良い 中盤のマズルカ和音の繰り返しもバスが効果的でリズム感がよく、右手は細部までコントロールされている 今回のop.44ではベストかも Wei-Ting Hsiehに表情から初めていろいろな点で似ている 女流でトップクラス 前回☆☆☆+だが少し甘く☆☆☆☆をあげたい
Aimi Kobayashi☆☆☆ S&S479 Japan
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 表現の細かさとパワーはいま一つだが、後半に次第にパワーがのってきた
- Ballade in F major Op. 38 いつものことながら序章が平板 激しいパッセージに間が乏しい 序章再現部も平板で速すぎ コーダに間が乏しい
- Waltz in A flat major Op. 42 舞曲としては平板で最後は速すぎ
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 最初が平板でコーダになって表現が出てきた 拍手は多いがWei-Ting HsiehやSu Yeon Kimにと比べてどうだろう 前回☆☆☆とかわらず
Mateusz Krzyzowski☆☆☆ S&S479 Poland
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 ていねいに弾いている 旋律が明確で情感ものっている
- Ballade in G minor Op. 23 曲者が多いP国の中では運指表現パワーのバランスがとれている コーダも丁寧
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 精度もパワーもある
- Etude in E flat minor Op. 10 no 6 まずまず
- Polonaise in A flat major Op. 53 派手さは無いが、P国にはめずらしい癖が少なくバランスがとれた端正な演奏で好感が持てる よって前回☆☆を☆☆☆とする 調律が甘くなってきた。
11/12 午後の分
Jakub Kuszlik☆☆☆ S&S479Poland
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 写真は美青年だが太ったおじさんになっていた 運指はまずまずで表現は濃いが細部が荒い
- Waltz in A minor, Op. 34 No. 2 細かいところまで情感はこもっている 好きな曲
- Waltz in F major Op. 34 no 3 基本的な運指能力は高い
- Ballade in F major Op. 38 表現は十分 コーダは速度と間が適切で旋律が団子にならず聴きやすい
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 情熱はこもっているが細部に荒らさがある 特徴である中盤の和音繰り返しは効果的 前回☆☆☆は甘いと思ったが、熱い表現とおそらく練習に籠もっていた様子が見えて不変とする
Shushi Kyomasu☆☆☆☆ CFX Japan
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 運指表現パワーともバランスして高いレベルにある
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 無難に弾き終わる
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 指使いが美しい
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 うまい!!! CFXの強力なバスと音量を利しながら柔軟な運指で立体的に仕上がっている ☆☆☆☆とするが、ミスもぱらぱらあるし強敵(女流も)も多いので今後も油断できない。
Hyuk Lee☆☆☆+ SK-EXSouth Korea
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 運指も表現も的確で、葬送が魅力的 だがやはり音量はいま一つ
- Waltz in A flat major Op. 42 楽しそうに演奏するがやはり音量がいま一つ
- Sonata in B flat minor Op. 35 演奏自体はダイナミック
- Polonaise in A flat major Op. 53 運指表現は高いレベルにあるがピアノが鳴らないのが問題 最大音では金属音がする前回☆☆☆+を維持
Bruce (Xiaoyu) Liu☆☆☆☆ Fzioli Canada
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 表現が細かく陰影の描写が良い
- Ballade in F major Op. 38 細部まで丁寧に表現 運指レベルも高くCodaにも適度な間があり団子になっていない Fazioliでもかなりの音量を引出す
- Waltz in A flat major Op. 42 軽いなかにも盛り上がりが巧み
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22うまい!!! 決して急がずに十分に描写する 精度が高く総合力は非情に高い タッチも強くFazioliを十分な音量で鳴らす 今後必ず上位に絡んでくる☆☆☆☆
今回は聴取が夜中になってしまった。おおむねStage3だけでなくファイナリストもうっすらと見えてきたような気がする。また女流のかなりの数がStage3に進むと予想している。
Mr Marcin Wieczorek☆☆, Polandは健康問題のため棄権となった
さあ、誰がStage3に残れるか
Stage2の10/11 午前の部
Michelle Candotti☆☆ S&S479 Italy
- Fantasy in F minor Op. 49 華麗に弾くが音量が限界
- Nocturne in F minor, Op. 55 No. 1 抑制的
- Waltz in E flat major Op. 18 類型的な演奏
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 華麗な演奏と美麗なピアニストだがスケール感に限界 前回と同じ☆☆
Kai-Min Chang☆☆☆ S&S300 Chinese Taipei
17:40 | Monday 11.10.2021
- Fantasy in F minor Op. 49 スローに始まり盛り上がる 細かいミスあり
- Etude in F minor from Trois Nouvelles Etudes No. 1,No2,N03 平易な小組曲
- Waltz in F major Op. 34 no 3 明るい曲 小ミスあり
- Rondo in C minor, Op. 1 評価しがたい
- Polonaise in A flat major Op. 53 小ミスあり ナゾの選曲 前回☆☆☆+今回☆☆☆
Xuehong Chen☆☆ S&S479 Italy
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 丁寧に情感を込める
- Sonata in B flat minor Op. 35 細部に愛想が足りない
- Waltz in F major Op. 34 no 3 丁寧さがほしい
- Polonaise in A flat major Op. 53 やはり細部に丁寧さが足らず小ミスが多い 前回☆☆☆+を☆☆に
Hyounglok Choi☆☆ S&S479 ISOUTH KOREA
Federico Gad Crema☆☆ Fazioli Italy
10/11午後の分
Yasuko Furumi☆☆☆ S&S479 Japan
Alexander Gadjiev☆☆☆ SK-EX ITALY/SLOVENIA
Avery Gagliano☆☆☆+ S&S300 UNITED STATES
Martin Garcia Garcia☆☆☆ Fazioli Spain
Eva Gevorgyan☆☆☆+ S&S479 russia/Armenia
昨日より残響が少なく、僅かにオンマイク気味になっているのか湿度があるのか ピアノの鳴りが悪く聞こえて絶対的音量が判断しにくい。このため、同じ設定のまま奏者間の差から判断している
情感についての評価は難しいが、楽譜の指示以外にも、自分だったらこう緩急をつける、ここで間を置く、次第に速度を上げる、下げる、これはスフォルツアンド的に決める!ここは一休み、と弾きたい、あるいは弾いてほしいと考えるパターンからのズレで判断している。自分がこうあって欲しいとの予想に反するところでの変化は独特と判断している。Stage2からは期待に非常に近い場合は場合は、うまい!!!と書くことにした。
ピアノで苦しいのは、右手のメロディーを奏でるのも、左手でコードをバスで奏でるのも弱い小指であるということだ。弱い指なので、常に意識しないとメロディーが埋没してしまう。バスコードが弱いとベースとパーカッションの無い演奏みたいになる。したがって、高音の輝きと深い中低音が弱いピアノだと、審査員の席まで重要な情報が届かないので点が辛くなる。Webmasterが繰り返し音量音量と書くのは、ショパコンでの審査員の席が1000席のホールの最後部2階と遠いため、音量の評価が厳しいからである。
前回の大会でCFXが多数を占めたのも、また今回S&S479と300が多数を占める最大の要素は音量である。腕力が無いピアニストが音量の出ないピアノを選ぶことは非情に不利になる。
最近一番重要だと思うのは緩急のなかでも一瞬の「間」である。コーダとかパっセージ間に「間」を置かないと大音量高速のパっセージが団子になってしまう。特にバラード4のコーダとかは、微妙な間を置かないとコーダ全体が単なる団子でに終わってしまう。
間を置くというのはけっこう神経を使い、せっかちな人間には「間」を入れるのは苦痛だが必要なものだ。ピアノ曲であっても、歌曲と同じようにブレスが必要で、ブレスに当たる「間」が無いと、聞いている方は団子の音楽に酸欠感を感じる。このあたりが、WebmasterがSoritaよりkyomasu、Sumino、Ushidaを評価する理由である。
11/12に続く
Stage2の10/10 午前の部
Szu-Yu Su☆☆ S&S479 CHINESE TAIPEI
Hayato Sumino☆☆☆+ S&S300 Japan
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 複雑な構成を淀みなく弾く
Yutong Sun☆☆☆ S&S479 China
Tomoharu Ushida☆☆☆☆ CFX Japan
Andrzej Wiercinski☆☆ S&S300 POLAND
Yuchong Wu☆☆☆+ S&S300 China
10/10午後の部
Lingfei (Stephan) Xie☆☆☆ S&S300 China
Zi Xu☆☆☆ S&S479 China
Piotr Alexewicz☆☆ S&S479 Poland
Leonora Armellini☆☆ Fazili italy
J J Jun Li Bui☆☆ SK-EX Canada
11/11に続く
アジア系が随分減った印象 今後は特に中国勢の大粛清を防ぐために移民が増えると思う。ちょうど中国の卓球選手が本国枠ではオリンピックに出場できないので、移民して枠が空いた国から出るようなもの。国としても今まで出たことの無い種目に出る人間ができるということで、移民を認める場合が多い。
いよいよStage2 10/9午前の部
Arsenii Mun☆☆ CFX RUSSIA
Szymon Nehring☆☆ S&S479 POLAND
Viet Trung Nguyen☆☆+ S&S479 VIETNAM/POLAND
- Polonaise in A flat major Op. 53 細部の表現とペダリングとリズム感がいま一つ 前回☆☆☆今回☆☆+くらい
Georgijs Osokins☆☆☆ CFX LATVIA
Evren Ozel☆☆☆ S&S479 UNITED STATES
Kamil Pacholec☆☆☆ S&S479 POLAND
午後の部
Hao Rao☆☆☆+ S&S479 China
Sohgo Sawada☆☆☆ SK-EX Japan
Aristo Sham☆☆☆+ S&S300 CHINA, HONG KONG
Miyu Shindo☆☆☆+ S&S479 Japan
Talon Smith☆☆☆ S&S300 UNITED STATES
Kyohei Sorita☆☆☆+ S&S479 Japan
10/10に続く
第一次予選通過はプレリミナリー合格の87人からほぼ半減して45人、そのうち女性は9人であった。おおむね順当だと思うが、???と思う部分もある。そうなった理由については以前からうすうす見当がついているので、今回ここで解析結果を披露したい。要するに大人の事情というところだが、あくまでwebmasterの個人的解析に過ぎないのでそのつもりで読んでほしいが、納得される方もいるとおもう。
まず、何より国別の数字が大きな意味をもっているようなのである。
え、それってフェアじゃない!!!という人がいるかもしれないが、ショパコンは国際親善試合でもある。
これはオリンピックでも同じで、強い国は人数枠は若干多いが、弱い国にも最低人数枠は割り振られている。そうしないと、例えば体操とかロシア東欧系ばかりになってしまう。今回もアジア勢に優秀なコンテスタントが多く、技量だけで選べばアジア勢が大半を占めてしまうからかも知れない。
次に男女別でみると、45人中女性は9人しかいない(左端に赤マーク)。ほぼ1割というところだ。
そして、webmasterのコメントには9人中8人に音量やパワーがあると書かれていた。つまり、女性では相当なパワーが無いと進めないということが今回も証明されたのである。その中でも日本の誇る小柄なMiyu shindoの音量は女性で最上位の一人だ。
これにも無理はない。ホールで審査員は1072席のホールの最後部の2階におり、そこではネット中継とは異ってヘッドホン等は用意されておらず、審査員はホールの反響をふくめた観客の目線(耳線)での評価することになるから、そもそも音量がないと評価の対象にすらならないのである。
したがって、日本の8人のうち女性が3人いるのは、日本だけ特に女性の率が特に高いということだ。なので、個人的には二次に上がる候補として、Kaoruko Igarashi☆☆☆+ とRiko Imai☆☆☆+ を上げたが、国別枠、女性枠自体でも日本だけが突出するので叶わなかった可能性がある
実はポーランドは大変な親日国で、また日本はショパンつながりで有形無形で経済的にポーランドをバックアップしてきた歴史がある。ポーランドは大国ロシアとドイツに挟まれて辛酸をなめてきたわけで、世界で唯一ロシアに勝った日本には多くのシンパがいるのである。そんなわけで、これでも日本勢は絶対数でも女性の数でも優遇されている疑いがある。
これは他国人枠でも同じで、例えばJunhui Chen☆☆☆+、Yifan Hou☆☆☆+、Shunshun Tie☆☆☆+、Jinhyung Park☆☆☆+、Victoria Wong☆☆☆+、Yilan Zhao☆☆☆+等が落ちているのもアジア勢が圧倒的に多すぎるという理由であろう。
これは今後国際政治問題に発展する可能性もある。Jorge Gonzalez Buajasan☆☆☆+が落ちた理由は不明である。
なぜこういうことが起こるかというと、某P国の数合わせのためでは無いかと思われる。P国を見ると☆が1人、☆☆が5人と☆が少ないコンテスタントが多いように思う。これは毎回同じ現象である。
しかし、予選が進んで行くと次第に国別枠の影響は消えて厳選されていくので、最終的にはトップクラスしか残らないからそれで良い、という考え方もなりたつ。現にオリンピックでも番狂わせが無い限りそうなっている。
しかし、権威あるショパコンで一次で終わったか、二次まで進めたという事実はその人一生のブランドに関わるので、そうならなかったのは運が悪いということなのだろう。若ければ再度挑戦できるが、多数を占めるアジア勢にはさらに厳しくなっていく可能性も高い。
ということで、個人的には相当高い確率で二次に進む人間を的中させたし、そうならなかった理由も概ね解析できたと自負しているのだが、いかがであろうか?
次にピアノメーカー別に見ると、今回はS&Sの特に479がダントツ多い。確かに479は過去のハンブルグ製より音がでていて、前回ファイナルまでで過半を占めたCFX対策として、特別に鳴りの良い個体が選別されたのだろう。
個人的にはFazioliは278と308を1時間ほど弾いたことがあるが、低音に比して中高音がおとなしかった。しかし、今回のように、男女を含め頑強なピアニストが叩きまくれば、さしたる雑音をださずにS&SやCFXに近い大音響は出るようである。同様にSK-EXは音量が小さいが、頑強なピアニストが叩けばそれなりに音量はでるようだが苦しい音が混じる印象がある。
今回はルールで、過去S&SとCFXのチョイスが圧倒的だったのでこれらを標準とするものの、世界的に実績のあるピアノがあと3台は使える、となっていた。過去は地下からピアノが出てきたが、今回は入れ替えを早くするためにするために5台がステージの端に鎮座し、係員が感染対策か演奏後毎回アルコール?で鍵盤を拭くことになった。といっても、鍵盤の側の木部まで十分に消毒されたかどうかは定かでない。
結局、4メーカー5台のピアノが勢揃いすることになったが、どれも超絶的に素晴らしい個体ばかりであることは間違いない。しかしどれも超絶的に叩きまくるコンテスタントために、後の方では調律が甘くなり金切り音を上げるほど、ピアノに対して世界一過酷な環境である。
さて、日本は有力女流コンテスタントを少し失ったが、依然として堅固な橋頭堡を築いたようにもみえるので、今後の活躍が期待される。個人的にはアナクロかも知れないが、日本の音楽教育をうけた日本人が日本製のピアノを擁しての優勝を祈願したいところである。
高評価なのに落選された方々
引き続き10/7日分をお届けする
有力な日本人も多く登場する。基本的に日本人の演奏は概して正確で情感も深いが、最大の課題は音量あるいはダイナミックレンジである。なぜか、日本の教育でもピティナのコンクールでもショパコンやチャイコンで最大の要素とも言える音量が軽視されてきた歴史があるからだ。
ショパコンでは審査員は会場の最後部の2階席にいて、ヘッドホンではなく耳で聞いて審査する。要するに、そもそもここまで音が届かないと評価不能ということである。
それと、10/7からマイクの位置をピアノから少し離したような気がする。可能性としてはレベルオーバーがあったのか、あるいは遠い二階席にいる審査員とネットの音質を揃えるためかも知れない。そのため、参加者の音量差がはっきりしているような気がする。
10/7午前分
Asaki Iwai☆☆☆ S&S300
San Jittakarn S&S479
Joo-Yeon Ka☆☆ CFX
Adam Kaldunski☆☆ S&S479
Nikolay Khozyainov☆☆ S&S300
Su Yeon Kim☆☆☆+ S&S479
Aimi Kobayashi☆☆☆ S&S479
Mateusz Krzyzowski☆☆ S&S479
Jakub Kuszlik☆☆☆ S&S479
10/7午後の部
Shushi Kyomasu☆☆☆☆ CFX
プレリミナリーで日本人男性で最上位と書いたWebmasterは節穴か?
目下のところ強力な中国系に伍して行ける日本人男性は彼だけで、日本製ピアノで日本の大学卒の日本人の優勝も夢でないかも ミスだ音を引っ掛けたとか本質的でないことばかりを書いている人がいるが、緩急、大小、そして何より絶妙な間のとりかたが重要 そこを読み取るにはセンスが必要で、何十年ピアノを弾いていてもわからない人が多い。
Hyuk Lee☆☆☆+ KawaiSK-EX
Jaeyoon Lee☆☆☆ S&S479
Xiaoxuan Li☆ S&S300
Bruce (Xiaoyu) Liu☆☆☆☆ Fazioli
演奏のレベルも高く、独特の落ち着きがあって大ミスはやらかさないタイプ あとあと上位にからんでくると予想 Fazioliの将来にもかかわる大金星になるかも
Julia Lozowska☆☆ S&S479
Chao Wang☆☆ CFX
引き続き10/6日分をお届けする
アジア勢の勢いは続いているが、中にぽつぽつミスで没落していく参加者がいる。面白いのはミスは殆どが一番難しくないところで起こるということだ。また一回大ミスのあと精神が混乱すると小ミスが続発してしまうことがあるが、やはりコンサートピアニストは少々のミスで顔色一つ変えずに引き続ける鉄面皮が必要である。
10/6午前の部
Aleksandra Hortensja Dabek☆☆ S&S300
Alberto Ferro☆☆ S&S300
Yasuko Furumi☆☆☆ S&S300
Alexander Gadjiev☆☆☆ kawaiSK-EX
Avery Gagliano☆☆☆+ S&S300
Martin Garcia Garcia☆☆ Fazioli
- Etude in A minor Op. 25 no 4 おとなしい演奏
Eva Gevorgyan☆☆☆+ S&S479
Jorge Gonzalez Buajasan☆☆☆+ CFX
Joanna Goranko☆☆☆ S&S479
午後の分
Chelsea Guo☆☆☆ Fazioli
Eric Guo☆☆☆ S&S479
Saaya Hara☆☆ S&S479
Yifan Hou☆☆☆+ S&S479
Wei-Ting Hsieh☆☆☆+ S&S479
Kaoruko Igarashi☆☆☆+ S&S479
Riko Imai☆☆☆+ S&S300
Junichi Ito☆☆ Fazioli
10/6以降に続く
引き続き10/5日分をお届けする
以前にも書いたが、コロナ禍まで世界的に留学やマスターコース参加が簡単になり、また動画などの情報伝達も早くなったため、評価の高い演奏表現や技法について、国際的に急速に平準化が進んだ。昔みたいに、これはパリ音楽院、これはモスクワ音楽院、これはジュリアードといった流儀もなくなっている。
そして、演奏や技量に突出してはいないものの、どの曲も破綻なくこなす参加者が大勢いて審査もたいへんだろうと思う。
10/5午前分
Zi Xu☆☆☆+ S&S479
Yuanfan Yang☆☆☆ S&S300
Anastasia Yasko S&S479
個人的にはステージで上がらないコツを聞かれることがある。答えとしては、
1.家族か恋人からもらったハンカチかタオルをピアノの上においておく
と答えている
Andrey Zenin☆☆☆ kawai SK-EX
Boao Zhang☆☆☆ kawai SK-EX
Yilan Zhao☆☆☆+ S&S479
Ziji Zoe Zhao☆☆☆ Fazioli
以前、Webmasterは著名ピアニストのサイン多数のF308の第4のペダルを使って月の光を試弾してAlec Weilさんから褒められたことがある。その時Fazioliは大音量が出ないのかと思ったが、思えば腕力が足らなかったのだ。
Piotr Alexewicz☆☆ S&S479
Leonora Armellini☆☆ Fazioli
10/5午後の部
JJ Jun Li Bui☆☆ kawai SK-EX
Michelle Candotti☆☆ S&S479
Kai-Min Chang☆☆☆+ S&S300
Junhui Chen☆☆☆+ S&S300
Xuehong Chen☆☆☆ S&S479
Zixi Chen☆☆☆ S&S479
Hyounglok Choi☆ S&S479
Federico Gad Crema☆☆ Fazioli
本日のまとめとしては、高いレベルのアジア勢がかなり多いというところか。ここのところロシア東欧勢がさっぱり大人しいのが不気味ではある。可能性としては資本主義化して経済活動が急に忙しくなり、芸術にまわすパワーが減ったというところか。
10/5以降は次回ということで
いよいよStage1である。ざっと印象を述べると、演奏技術についても世界的な平準化が進み、アジア勢はますます強くなり技術的にも欧米勢を凌ぐ勢いである。海外留学やマスタークラス参加が容易になり、またネットで常に多くの演奏を聞けるようになって、グローバルなレベル差は急速に埋まりつつある。
特にノクターンの演奏法にはどこかにお手本があるのか、と思うほど参加者間で似ている。しかしバラード、スケルッツオでは個性が見え、特にコーダの奏法にはかなりの個人差がある。さらに舟歌や幻想曲op49では表現力に個性が大きく現れるようである。
しかし、技術面では、付点のキレが甘い参加者がけっこう多い。またペダリングが雑で音の濁りを気にしない参加者もいて違和感を感じる。この技量にしてこのペダリングか?と驚く例もあった。ペダリングは響きの美しさと濁りが紙一重で、難易度の高いパッセージではペダリングがおざなりになりやすい。ペダリングの技術はコロナ禍のネット接続ではわかりにくいのかも知れない。
日本のピティナ等の最大の欠点は、些細なミスに関しての評価が厳しい反面、指示通りの音量の不足に甘いことで、これは特に日本で女流が多いせいかもしれない。これが我が国のダイナミックレンジが狭い演奏につながるが、ショパコン、チャイコンでは音量不足では絶対に上位に残れない。過去入賞した中村紘子や宮谷理香の演奏を雑と評価する向きがあるが、小柄な日本人女性が入賞するためには体重をかけて鍵盤を叩かないと及ばないなのである。
Webmasterの評価のポイントは、まず楽譜の指示どおりの音量、速度、間(休止)などが守られているか、である。楽譜の指示は絶対とは思わないが、少なくとも序章の出だしとコーダの最後だけは守るべきだと考えている。
個人的には超技巧的速度はあまり重視しない。ミスタッチも目立たないものは気にしないが、決めの音、例えばコーダの最後の音をはずしたりすると評価は下る。ミスと書いてあるのは、Webmasterは気にしないが審査員は減点するであろう、というほどの意味で、表現力の評価は割れてもミスは問答無用で減点される。
あとは付点やシンコペーションのキレにも興味がある。その上で、ペダリングが丁寧で響きに濁りが無いか、である。これは自分自身がパッセージが忙しくなるとペダリングがおろそかになる悪癖への反省を込めての評価である。そして、退屈でなく、この人の他の曲も聞きたくなるか、というのが最終的なポイントである。
評点としては☆3つ以上は確実に次に進めるであろう参加者につけている。
以前もそうであったが今回の演奏以外のネットでの評価はいっさい無視している。不遜に聞こえるかも知れないが、コンクールに関しては学歴や経験やメディア取材より自分の直感のみが正しいと信じているからだ。だからこそ、2010年の優勝者を当てたのである。世間は細かい所ばかり気にする人が多すぎる。
楽譜は主としてIMSLPのLeipzig: Breitkopf und Hartel版(1880年頃)でチェックしている。この会社は未だ現存していてchopinとのやりとりが残っている出版社で正確なものが多く、エキエルなんかよりよっぽど信頼できる。これについては、
を参考にして欲しい。
ピアノに関して、前回はCFXがS&Sを圧倒していたが、今回はS&Sが巻き返して479が圧倒的人気である、この個体は中低音もCFXに近いレベルまで出ていた。前回CFXが急速に増えたのはYAMAHAの企業努力もあろうが、その頃のハンブルグ製S&Sが鳴らなかったのが最大の原因だろう。
今回の個体は2つとも厳選されたものだろう。479は高音の輝きが強く、300はバランスの良い音となっている。S&Sをチョイスしてショパコンやチャイコンに上位入賞すると、一生涯S&Sの有形無形のサポートを世界中で受けられる利点がある。
今回のCFXのバスは深いが、中高域とのバランスを考えた調律になっている。個人的には、体力の点で音量が厳しいピアニストは迷わずCFXを選ぶべきだと思う。ただしYAMAHAも世界中に拠点を持つが、ホールやコンサートチューナーの数やサポートにおいてS&Sには及ばないのは確かである。
今回少数だがSK-EXも使われたが音量がいま一つで大音量で金属的な雑音を感じる。Fazioliは音にぬくもりがある反面音量は小さいものの、腕力で大音量を絞り出すことは可能。チャイコンで話題となったkawaiコピーの中国製ピアノはショパコンには出現しなかった。
10/3午前の部
Xuanyi Mao☆ S&S300
Tomasz Marut☆☆ S&S479
Yupeng Mei☆☆☆ CFX
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 右手メロディーラインが音が明確
Arsenii Mun☆☆ CFX
Szymon Nehring☆☆ S&S479
Viet Trung Nguyen☆☆☆ S&S479ベトナム出身
Georgijs Osokins☆☆☆ CFX
Evren Ozel☆☆☆ S&S479
Kamil Pacholec☆☆ S&S479
10/3午後の分
Jinhyung Park☆☆☆+ CFX
Yeonmin Park☆☆ S&S479
Piotr Pawlak☆ S&S479
Leonardo Pierdomenico☆☆ S&S479
Zuzanna Pietrzak☆☆ S&S479
Hao Rao☆☆☆+ S&S479
Yangyang Ruan☆☆☆ S&S479
Sohgo Sawada☆☆ kawai sk-ex
。
Aristo Sham☆☆☆+S&S300
10/4午前の分
Miyu Shindo☆☆☆ S&S479
Talon Smith☆☆ S&S300
Kyohei Sorita☆☆☆ S&S479
Szu-Yu Su☆☆ S&S479
Hayato Sumino☆☆☆+ S&S300
Yutong Sun☆☆ S&S479
Aleksandra Swigut☆☆☆ Fazioli
Rikono Takeda☆☆☆ S&S300
Shunshun Tie☆☆☆+ S&S300
10/4午後の分
Sarah Tuan☆☆☆ S&S300
Tomoharu Ushida☆☆☆+ CFX
Zitong Wang☆☆☆ S&S479
Zijian Wei☆☆☆ S&S300
Marcin Wieczorek☆☆ S&S479
Andrzej Wiercinski☆ S&S300
Victoria Wong☆☆☆+ S&S479
Yuchong Wu☆☆☆ S&S300
Lingfei (Stephan) Xie☆ S&S300
10/5以降は次回ということで
あっという間にNC700Sの鑑札更新も5回目である。NCの主な用途は近郊の温泉と遺跡めぐりで、その理由は駐車スペースを食わないことと、渋滞に強いこと、トランクスペースがあること、またアドレスV125に迫る燃費(リッター30km以上)等だが、長距離でも比較的に疲労が少ないこともある。
しかし今年の夏期は異常に雨の日が多かった。また市町村立の温泉が非常事態宣言では閉鎖されている場合が多かった。もう一つの敵はキャンピングカーで、やはり長距離ではどこでも休憩できる強みで、NCの出番がかなり奪われてしまった。
ということで、走行距離はお恥ずかしいことに、2年間でたったの800kmである。せっかく昨年4月にタイヤも新調し、オイル、クーラント、ブレーキフルードなども交換してあるのに、である。
今回の車検では大チョンボをしでかした。8時30分前にラインにバイクを並べて陸運協会に行くと、自賠責証書がコピーであることが発覚したのだ。基本車検証と自賠責等は実車に装備することになっているが、大破したり焼失したりすると証書が無くなってしまう。そのためwebmasterはコピーを家に保存しているが、手違いで実車に自賠責のコピーが載っていたのだ。
そこで原本を取りに帰ることにした。幸い都市高速での往復はバイクのため渋滞の影響もなく、ロスタイムは50分ほどで済んだ。NCのエンジンは高速でも振動が少なく長いホイールベースのせいもあって快適である。Webmasterはガソリンに常時1%程度のPEAを混ぜているので、かわいそうなNCも高速での往復でエンジンと触媒のカーボンが少しはクリアされたことだろう。また以前期限切れで足止めを食ったETCの動作も確認できた。
再度ラインにならぶが、今回は、ライン前のチェックが以前より時間をかけて非常に綿密に行われている。以前は奥にあった騒音計がライン前に置いてあった。今までマフラー騒音対策が甘すぎたという判断なのか、騒音バイクは最初からラインに入れないという方針になったようだ。
しかし、これほど綿密な車検があるのに、街には車検に通りそうもない爆音の大型バイク(特にハーレー)が溢れている。おそらく、ショップが車検の間だけ純正もしくはJMCA対応品に付け替えていると思われる。
事前チェックはライト類やホーンのチェック、ハンドルの高さ、車の長さ等、ハンドルロック、車体番号、原動機番号などである。WebmasterのNCは、大型フロントスクリーン、ナックルカバー、バンパー、リアトランク、自家製スライダー以外はオール純正なので、検査官の印象も”楽勝”という感じ。
ラインは前回同様で、最初にメーター計測が前後輪どちらか指定する。前ブレーキ、前進して後ブレーキと速度計チェック、さらに前進してライトチェックである。ライト時は若干前輪に体重をかけて少し回転数を上げるのがコツのようである。そして排気ガスチェックだが、殆ど純正でヘッドライトのバルブもあえてLED等に交換していない我が家のNCは毎回一発合格である。
NCはコストダウンと燃費に特化したバイクで、その後のホンダ車の設計に大きく影響した。エンジンはSOHC、スロットルが一個でインテークはその後左右に分岐になっていて、まるでホンダ創世記のシングルキャブ2気筒車かのようである。水冷ポンプがヘッドにあるので冷却回路はエンジン丈夫にまとまっていて単純である。レッドゾーンが6500回転と低く、トルク重視で馬力も少ない。
ストリートファイター的なモダンな外観ながら、安価にハーレーの鼓動感も演出しつつ、日常使いにも便利で燃費の良いプリウスのような新世代の大型バイク、という位置づけである。従って「高性能なバイクを所有する喜び」からはかなり距離がある。
しかし、長期間維持する立場からは、昔の商用2気筒バイクのように壊れやすい高機能の部分が少なく手がかからないのも事実である。
今回の費用は、車検自体は1300+400=1700円である。時限立法なのに未だに続いている重量税3800円が実に腹立たしいが、自賠責は、前回までの250cc超11520円から9270円と約20%も安くなっている。125cc超250cc未満は9770円とこれより高く、また125cc以下の原付は8850円である。自賠責は事故率から計算されているので、大型より若いライダーが多い250ccクラスの事故率が高いのであろう。合計は1700+3800+9270=14770円+高速代往復というところ。
本来なら、車検のあと温泉に行くつもりであったが、大チョンボで疲れたため、近場の志賀島一周と、中西食堂のサザエ丼コースにした。直進性が高く、低い重心のため安定感がある(曲がりにくいということでもある)NCのツーリングは快適である。自賠責が2250円安くなったことで、ちょうどサザエ丼800円とガソリン満タン10リッター1570円の代金が相殺された勘定である。
今後も消耗品を早めに交換し、サビ対策に留意することで、あと10年くらいは維持したい。そのころには体力も低下しているであろうし、大型を諦めても良い年齢になっていることだろう。
現在Webmasterは長期在庫品の断捨離中である。そのなかで発掘されたのが、中華製カーオーディオで2年ほど前にアマゾンで\1500で入手したものだ。もうひとつ、小型シスコンのスピーカー(LS-SL3MD-N)で、10.5cmのウーハーとメタルドームの2wayに板厚12mmできれいな仕上がりのものがブックオフで2個\500だった。
スピーカーが激安なのはエッジが硬化して殆どストロークしない状態だったからだろう。調べると、ケンウッドが誇るハイブリッド式とかで、ゴムを浸透したクロス製のようだが、塗布されたダンプ剤が硬化しているようだ。
ネットでも知られているように、硬化したダンプ剤はブレーキフルード(ジエチレングリコール)に溶解するので、塗布してはティッシュで吸い取ることを繰り返すとかなり柔らかくなった。最後にミネラルオイルを数回塗布浸透させることで、エッジはほぼ適切な硬さになった。ユニットはかなりの入力に耐えるようで、おそらく外国人はこれでガンガン鳴らすのであろう。
以前に、あまりの安さにつられてダイソーのブルーツーススピーカー500円をサンプルした。ペアリングは簡単でモノラルながら音はまずまずの上になんと充電式ということで、いったい中国でいくらで作っているかナゾである。
中華式カーオーディオも\1500にしては筐体後面は放熱を兼ねた立派なアルミダイキャストである。スピーカーをつなぎ、電源は手持ちのアダプターがささるようなメスコネクターをつけて動作させてみた。
ペアリングは簡単でさっそく音が出てきた。機能は国内仕様のFM、AMラジオにSDカードとUSBメモリーの再生+ブルーツースで、これが新世代のカーステレオの底辺なのだろう。アンテナ端子の穴に太い電線を突っ込んでチューニングすると、なかなかいい音がしてきた。なおオートチューニングがあり自動的に選局がボタンに設定される。
出力は60Wx4とあるが、電圧13.6Vとしても4ΩスピーカーだとMOSのロスを考えても30Wx4=合計120W位しか出ないはずで、それなら電源ヒューズが10Aなのも話があう。2Ωのスピーカーならもっと出るかも知れないが、ヒューズが飛ぶかIC内部の温度あるいは電流リミッターが働くであろう。アンプはD級では無く一般的なAB級のようだが、そのうちみんなD級になると思われる。
いずれにせよ、今どきは半導体の進歩のおかげで出力が不足することはないし、こんな機械でも十分近所迷惑になるほどの音量はある。
こしゃくにもリモコンがついており、全ての機能をコントロールできる。筐体にはマイクもあり、スマホと接続すれば会話もできる様子である。アルミ筐の120Wレシーバーでリモコン付き送料込み\1500とは、いったい中国ではこれをいくらで作っているのだろうか。
Webmasterの個室では、BOSE100J+DENONのスーパーウーハーにパソコン2台とテレビの音声が入るようになっている。ミキサーは無く、全て出力に20kΩの抵抗をシリーズに入れたものをパラにつないで、TA2020のD級アンプでドライブしている。
これだと抵抗によるロスで音量が不足するので、アンプの初段のNFB抵抗を細工してゲインを5倍にしてある。音量はそれぞれの機器で概ねいいところに合わせてあるが、パラなのでどれかの入力をはずすと音量が変わったりするが、実用上これより便利なものは無いと思う。これについても近日中に紹介したいと思う。
さて、スピーカー2個を両面テープで張り合わせ、それに中華カーオーディオを貼り、筐体には木目壁紙を貼り付け、すべての重心位置で荷物ハーネスで縛って手持ちで持ち運べるようにした。重量は流石に約6KGあるが、一個口に固めてしまえばハンドリングは容易だ。
かなりの出力があるので会議等での簡易PAにも十分使えると思う。今どきなら特にマイクやアンプは必要ない。例えば、一台のスマホにこれをBT接続しておき、そのスマホにLINE等で別のスマホから電話を掛ければ拡声器となる。パーティートークなら、複数のスマホからも拡声することも可能だろう。
音質はカーオーディオ用ICのものだが、バス、ミッド、ハイのトーンコントロール、バス強調オンオフ、イコライザーが3段階、あとはラジオの感度兼モノステレオ切り替え等々で、音質はそこらのラジカセよりは相当良い。ウーハーもバスブーストをかけてニアフィールドなら50Hzあたりの重低音も聞こえる。本当にシスコン滅亡期のジェネラルオーディオのレベルが上がったものである。
ニュースによると、コロナによる家籠もりの影響で、思わぬものが売れているという。ということで、スマホ時代にもこういう持ち運び可能な多機能ブルツース電蓄が一台あると便利かも、と思うがいかがであろうか。
Webmasterの部屋には、
で書いた45Lのガス吸収式冷蔵庫があり、現在は酒類やおつまみを冷蔵している。これは不動品を安価で落札できたが、送料にその倍かかった。
制御基盤の故障で特にコネクタ品質が劣悪だったので、修理せずに手持ちの機械式サーモスタットに付け替えて修理し、現在は庫内は約4度に保たれている。消費電力は80W弱である。
キャンピングカーには同じDometic社(当時はElectrax)の45Lの吸収式冷蔵庫がある。能力は約80Wと部屋に置いているものと同じだが、初期冷却を加速するために澤藤電機のスイングコンプレッサーによるアシスト機能がついている。
3WAY(ガス、12V、AC100V)にDC12Vコンプレッサーの4wayだが、電熱とコンプレッサーにはサーモスタットがついているものの、ガスは間欠動作ができないので強弱3段階の調節しかない。なおバッテリー上がりを防止のため、DC12Vはエンジン稼働中だけ動作するようになっている。円筒形のコンプレッサーの消費電力は40Wと小さいが実装が下手なようで作動音と振動は結構気になる。
さてガス吸収式はコンプレッサー式より効率が劣ると言われている。下図は米国版Doeticホームページのミニバーの内容量が35Lと同じモデルの比較である。
容量が2割ほど小さく電力も60-70Wと少し小さい。数字に開きがあるのは抵抗の誤差のせいかもしれないが、Dometicのカタログはいい加減で、消費電力と表記のワット数があわなかったり誤植もびたびである。日本人と違ってあまり細かいことは気にしないのだろう。
年間電力使用量は吸収式が210kwh、コンプレッサー式が49KWと吸収式の方が4倍電気を食うようである。中央値65wで計算すると、1日の正味動作は吸収式は約9時間、コンプレッサー式は2.8時間の勘定だ。ドアが二重ガラスのものは見場が良いが4-5割余計に電気を食うようである。重量はコンプレッサー式が2-3kg重い。
吸収式は寝起きする居室に置いているが、これによって暑いとか冷房の効きが悪いとかを自覚することはない。70-80Wはノートパソコンの電力とほぼ同等なのでたいした熱負荷では無いが、果たして家庭で電気を食う吸収式冷蔵庫を使うメリットはあるのだろうか?
ホテル用が依然として発売されているのは、狭い寝室に置いて無音(0dB)無振動なのがメリットなのであろう。コンプレッサー式の騒音は33dB(A)と記されているが、無響室で測っているので実際はこれよりうるさく感じるのが普通だ。
ちなみに、大手ハイアールの40L冷蔵庫は定格消費49W、年間消費120kwh、騒音25dB JIS C960とさらに静かだが、JIS規格では無響室で距離1mのA特性で測ることになっている。
消費電力はJISC9801-3規格で計測するが、これには霜取り装置や指定補助装置の動作や二種類周囲温度の規定、さらにサーカムベンションの有無判断など非常に指示が細かい。
これは各家電メーカーはカタログ電力消費の数字を良くするため、ありとあらゆるズル(サーカムベンション)をやってきてはバレて、JIS規格がたびたび改められた歴史があるからだ。実測データとカタログ数値が異なるというクレームが消費者センターに度々あり、調べたところJIS測定条件を察知したマイコンが霜取りやドアヒーター、運転をまびく等の不正がバレた歴史がある。
わざわざ、
「サーカムベンション装置の動作が疑わしい場合,試験機関は疑わしい装置の存在及び動作を検知するために,扉開閉又は他の適切な処置を冷却機器に施し,サーカムベンション装置であるかを確認する必要がある。施した動作及び結果の詳細を消費電力量の測定値とともに試験報告書に記載する。」
と書かれているほどだ。そのせいか、大手の冷蔵庫の消費電力は以前よりかなり大きくなっている。
個人的には、得体の知れないとぐろを巻いている配管がコンプレッサを使わずに熱源で冷えるというエントロピー的にパラドックスのような技術への興味を満たすが最大の目的であったし、それでいてビールが常に冷えているという実利もあることから満足している。
さて、吸収式の電力消費を計測してみたところ、涼しい日で1.2KWh、暑い日で1.3kwh程度であった。作動中も音がしないので動作しているかどうかわからないのだが、計算上は1日14-15時間動作していることになる。
そこでシャープのプラズマクラスター付き改造26L冷蔵庫も測ってみたが、驚くべきことに涼しい日で1Kwh、暑い日で1.1kwh食っている。吸収式より容積が小さく、蓋が上面についているので開けても冷気のロスは少ないはずだが、意外に差がない。
温度設定では吸収式の温度が安定している庫内底部で摂氏4度だが、吸収式のほうが前面のドアを開けるたびに10度付近まで上昇し、その後も回復が遅いようである。いずれにせよ、この手の消費電力は実用状況で計測しないとわからない。
家庭内での吸収式は電力消費の点でコンプレッサー式より分が悪いが、キャンピングカーなどのRVに積む場合は話が変わってくる。最近は大容量の太陽光パネルを装備したRVもあり、WebasterのJB470にも200Wの太陽光パネルと200AHのバッテリーを積んでおり、コンプレッサーのアシスト機能を間欠作動させても、それだけでは電欠にはならない。
しかし照明にテレビやパソコン、さらに電子レンジなど他に電気を食う装備があるので夜間や曇天では余裕がなくなる。さらに現状では多くの駐車場所で発電機が禁止されている。
3way冷蔵庫は弱ならディスポのガス缶一本で約23時間動作する。ただし吸収式は立ち上がりが遅いので、最初にアシスト機能を10分動作させてからガスに引き継ぐほうが実践的ではある。
我が国ではLPGに関する当局の指導が厳しく、検査済の容器でも業者にガスを詰めてもらうのが難しくなっている。一方欧米ではRVには通常大容量のガス容器を装備していて充填も容易なので、調理と冷蔵庫、温水ボイラー等はガスを使うのが常識である。
我が国のLPGガス状況はあまりにも厳しいが、幸いディスポのガス缶は100円均一でもコンビニでも安価に購入できる。個人的にはガス缶のリスクは10Lボンベより高いと思うが、なぜか野放しである。JB470にはガス缶2本をセットできるので、調理と冷蔵庫を使ってもガス缶を毎日交換する必要は無い。なお、JB470にはガス漏れセンサーが標準でついている。
というわけで、電力を節約できるという意味では、3wayの吸収式冷蔵庫はRV用途で依然として存在価値があるる。
なお、吸収式冷蔵庫のトラブルとしては、長らく使用せずに放置すると、庫内のエバポレーターでアンモニアが結晶化して詰まるとことがある。Webmasterの冷蔵庫も最初は効きが悪かったが、使っているうちに回復し、ガス弱の設定でも1時間で氷ができるまでに回復した。
完全に動かない場合には特殊な修理法がある。上の図をみて欲しいが、冷却回路下にタンクがありそこに液体アンモニアが溜まっている。それを本来の冷却回路の中のアンモニア液を重力を使って順行性に回して結晶を溶かすという方法である。配管に穴が空いていてガスが抜けていない限り治る可能性があるという。
1)冷蔵庫裏の右のボイラが下になるように90度倒す。
少しでも冷えたらそのまましばらく動作させていくうちに回復するが、まったく動作しなければ再度上記を気長に繰り返すというものだ。なお、まったく逆の方向に回して、アンモニアをタンクからエバポレーターに逆行性に回すという方法もあるらしい。いずれにせよ、吸収式は冷えるまで時間がかかるので簡単に故障と考えずに気長に待つことが大事である。
他にはバーナーのガスの出口の絞りがサビ等で詰まることがあり、これは清掃することで治るらしい。いずれにせよ、吸収式はガスが静的に重力差による対流で動作するので、良い状態をキープすることが大事である。
結論として、家庭用の吸収式は電力消費的には不利だが騒音や振動が無いことが重要な用途なら存在価値がある。RVではガスが使うことで電気が節約できることにメリットがある。立ち上がりが遅いのは問題だが、コンプレッサーのアシスト機能が付いていれば依然として有用性が高い、といったところである。
日本からステージ1にすすんだ13人のプレリミナリー演奏の印象を記しておく。実際にはこれに浜松国際ピアノコンクール2位の牛田智大が加というわる。
基本的に日本勢に実力は非常に高いレベルにあり、明らかに下手なピアニストは一人もいない。ほぼ全員が聴いたことがあるコンクールの入賞歴がある。
ミネルバのフクロウは夜飛ぶといわれるが、日本の音楽界の実力がここ数年急激に進んだ様子がわかる。それは、国際的な留学やマスターコースやレッスン参加がネット上の手続き等で容易になったことがある。またネット予約で世界中のコンサートが予約できるようになり、動画配信が当たり前になったことで、より多くの演奏を聴き比べできるようになったことが大きいと思う。
基礎的な運指能力は当然であるが、解釈や表現力もかなり伯仲している。とすれば、最終的にはChopinらしくポーランドの民族的リズムの上に構築された華麗ながら陰影も含んだ表現が評価されることになるのだろう。
今回のパンデミックで、核を含む軍事力やIT技術は自然の猛威の前になすすべが無いことが証明された。また音楽業界はその影響を一番大きく受けて、演奏会は激減している。
ピアニストも経済的にピンチに追い込まれているが、一方練習する時間、そして曲を思索構成する時間もたっぷりあったわけである。
またパンデミック下で最新科学の権威がバイオ系をのぞいて壊滅状態であることから、過去のパワーや超絶技巧を駆使した、例えばBuninのような爆速演奏の評価は下がり、逆に陰影や緩急に富んだChopin の本質に迫る演奏が評価されると予想する。
Webmasterは2010年の優勝者を予想したが、今回は全体のレベルが向上しているため、飛び抜けたピアニストを予想するのが困難に感じている。
The Preliminary Round の課題曲については前回説明したが、日本人のチョイスはバラード4が多く、ついで舟歌、バラード2、幻想曲49、そしてバラード1、バラード3の順であった。
バラード1はchopinらしい華麗で多彩な表現に満ちているが長い。バラード2は運指の要求が過大で構成にも難がある。バラード3は牧歌的で明るいがインパクトが弱い。バラード4はChopinの総決算的な作品だが暗い。舟歌は緩急の表現力が要求される。幻想曲は複雑な構成をどうまとめるかが問われる。
Chopinの傑作を問うアンケートではバラード1と4は双璧だが、個人的には明るいバラード1に比べ、死を予期したかのように暗いバラード4は好まない。実際は練習量と得られる成果のコスパが悪いのが真の理由である。Webmasterの体力では隔日練習することになっているバラード1でさえ週1−2回しか練習できていない。
The Preliminary Round で、Chopinの集大成であるバラード4を選ぶピアニストは、何としてもステージに進むためにここで実力を示さないと、という意気込みを感じる一方、それ以外を弾くピアニストは、ステージに進めると思っていて、それまで温存しておきたい?作戦のように思われる。
出身大学を見ると芸大が圧倒的に多いが、新興の昭和音大が躍進する一方、桐朋は後退している。演奏の桐朋、教育研究の芸大と言われたのは昔の話で、今は情感豊かな演奏をする芸大生が増えていて、レベル的にも世界のトップクラスに肉薄している。面白いことに東大工学部卒と名大の医学生が含まれている。
コンクール歴を見ると、ピティナ、全日本学生を始め、浜松やショパンAsia、いしかわ、高松など多くのピアニストが入賞している。特に浜松の評価が高く、ステージ1までシード権がある。
個人的には、勿論ミスは無いほうがいいが運指力よりは表現力、特に緩急とパッセージの間の「間」のとり方、華麗ながら、決めるところのでは必要なパワー等を重視して判断している。爆速の超技巧であっても、パッセージが団子になっているような演奏は評価しないことにしている。
以下、名前、レパートリー、ピアノ、印象、出身大学等を記載している。
Yasuko Furumi ☆☆☆☆☆
Saaya Hara ☆☆☆☆☆+
Yukino Hayashi ☆☆☆☆+
Wataru Hisasue ☆☆☆☆☆+
Kaoruko Igarashi ☆☆☆☆☆+
Hana Igawa ☆☆☆☆+
Riko Imai ☆☆☆☆☆+
Seika Ishida ☆☆☆☆☆
Junichi Ito ☆☆☆☆☆
Asaki Iwai ☆☆☆☆☆+
Yukino Kaihara ☆☆☆☆☆+
Airi Katada ☆☆☆☆☆
Yurika Kimura ☆☆☆☆☆
Aimi Kobayashi ☆☆☆☆☆
Yukine Kuroki ☆☆☆☆☆++
Shushi Kyomasu ☆☆☆☆☆++
Asaka Miyoshi ☆☆☆☆☆+
Momoko Mizutani ☆☆☆☆+
Mayaka Nakagawa ☆☆☆☆☆+
Yui Nakamura ☆☆☆☆☆+
Mariko Nogami ☆☆☆☆☆
Arisa Onoda ☆☆☆☆+
Kazuya Saito ☆☆☆☆☆+
Sohgo Sawada ☆☆☆☆+
Kotaro Shigemori ☆☆☆+
Miyu Shindo ☆☆☆☆☆+
Mana Shoji ☆☆☆☆☆+
Kyohei Sorita ☆☆☆☆☆
Hayato Sumino ☆☆☆☆☆+
Rikono Takeda ☆☆☆☆☆+
Miki Yamagata ☆☆☆☆☆+
とまあ、本当に全てのコンテスタントのレベルが高く、このままステージ1,2、ファイナルと進めば、ひょっとして上位は日本人多数?もちろん他国人はあまり聴いていないなかでの印象だが。
あえてスケール感から言えば、男性陣ではShushi Kyomasuが少し飛び抜けているように思うが、他には、Wataru Hisasue、Kazuya Saito、Wataru Hisasue などが上げられるし、Hayato Suminoもかなりいい線いっていると思った。
女子は本当の混戦だが、ショパコンは浜松やピティナとは異なり日本人に厳しい全身を使ったパワーが必要だ。以前 宮谷理香の演奏を3mの距離で聴いたが、彼女は重労働のバラード1を弾くにはまだ体が温まっていないので準備運動としてプログラムに無かったスケルッツオ3を弾くと言ったが、準備運動とは名ばかりで全身を使う激しいものだった。ピアニストとはアスリートなのだと思った次第である。
中村紘子も、「ピアノとともに、バラード1その3の3」(ピアニスト必見の目から鱗の巻)のレッスンで(「その1初回」、「その3の2」、「その2」も必見)、決めの音は弱い小指や薬指でなく、指使いを変えて親指に体重を載せて叩けと言っていた。さらに打鍵力を損なう行き当りばったりで無用な体動や肘を開いたりするな(目から鱗)とか、体重の載せ方や生徒も圧倒されるメフィストワルツの弾き方等も得難い情報である。演奏が雑と攻撃されることもあったが、小柄な日本人女子がショパコンに入賞する技は指導者が常に意識すべき問題である。
その観点から☆☆☆☆☆+をつけたのは、Saaya Hara、Kaoruko Igarashi、Asaki Iwai、 Yukino Kaihara、Mayaka Nakagawa、Asaka Miyoshi、Yui Nakamura、Miyu Shindo、Hayato Sumino、Miki Yamagata だが、それ以外ともほとんど差がない。個人的には、Yukine Kuroki、Yukino Kaihara、Riko Imai、Asaki Iwai、Miyu Shindo、Mana Shoji、Rikono Takeda、Yui Nakamura、あたりを押したいところ。
さらにルックス枠というのがあるとすれば、Yukine Kuroki、Seika Ishida、Mayaka Nakagawa、Miki Yamagataあたりが明らかにビデオのアップが多かった。男性陣ではChopinに似ているかもということでHayato Suminoか。これは冗談ではなく、ショパコンでは以前からChopinに似ている参加者は上位に行きやすいと言われている。
おそらくメールが来そうなので書いておくが、Kyohei Sorita とAimi Kobayashiについては、今回急激にレベルが上がった参加者の中でも運指能力では上位かも知れないが、緩急を交えて華麗で多彩なChopinに癒しを求めるコロナ禍のメンタリティーから少しはずれているように思う。やはりコロナ禍は多くの価値観を変えてしまったとしか言いようが無い。
Soritaはバラードで爆速で畳み掛けるが、パッセージ間に「緩」や「間」が無いので息苦しく感じると書いた。
素人がDTMでやらかす失敗は、初音ミクにブレスをさせずに曲を作ってしまうということである。初音ミクはブレス無しで歌っても酸欠にならないが、聴いている方が酸欠を感じる。
同様にピアノはブレスが無くても酸欠にならないが、聴いている方が酸欠を感じる。舟歌とかは典型的で、Chopinはパッセージの間に必ずブレスに相当する「間」を入れている。そうでないと歌いながら漕ぐ船頭が酸欠になるからだ。ダンスでも、例えばワルツは「ィイィッッチニーーーサン(間)」という風に「間」が無いと踊れない。爆速であればあるほど「間」が必要で効果的なのだ。
今回もヤマハCFXは中低音の音量とサステインでS&Sを圧倒しているので、パワーに欠ける日本人、特に女子はCFXを選ぶべきである。日本人にはS&Sには秘密の力があるとの信仰があるようだが、時代は変わった。その点、Yukino KaiharaやMana ShojiはCFXのパワーを十分に使いこなしていると思った。
というわけで、今後どうなるかは余談を許さない。日本の参加者のレベルが向上した間、他国の参加者のレベルがそのままの訳もなく、アジアから次々に上手な若手が参加している一方、Webmasterとどっこいの下手なエチュードを弾く参加者もいて、少しびっくりした。
ともあれ、オリンピック同様になるべく多くの日本人の入賞者を期待したいところである。
オリンピックが終わったところで、ショパンコンクール2020が一年遅れで進行中であることに気がついた。ョパンコンクール2010については、
□ショパンコンクールの宴の後のナゾ(スコア解説とブレハッチとの関係編)
で二人気に入ったピアニストを上げたが、それは優勝したYulianna Avdeevaと5位のFran?ois Dumonであった。Webmasterは普段音楽業界ともあまり縁がないし雑誌類も全く読んでいないが、実力差は見えてくるものだ。なお、
”Trifonovは順当な順位だと思うが、さらなる上達の余地というか大化けする可能性がある”と書いたが、チャイコフスキーコンクール優勝とその後の活躍を見ればこの予想はみごとに的中していると思う。
ショパンコンクール2015年は気がついたときには終わっていたが、
に印象を書いた。このころから国際ピアノ界はアジアを中心に回るようになってきており、ピアノの選択でもヤマハCFXが躍進したことを思い出す。
さて、今回のコンクール2020のルールによれば、書類、経歴、写真、卒業証書や賞状類、3年間の演奏歴、ステージ1の規定曲の演奏ビデオ、経費のデポジット100ユーロ等をwebサイトもしくはEメールで送ることになっており、締切は2019年12月であった。
書類とビデオ選考から2020年3月までに160人が選ばれてthe Preliminary Roundに進むことになる。
これに加えて、世界各地版ショパンコンクールや世界の著名コンクールの上位入賞者にはシード権があるが、別途申し込みが必要である。
The Preliminary Round で候補者は80人に絞られる。今回は151人の参加者のうち、中国22人、ポーランド16人、日本14人、韓国7人、イタリア6人を含むの合計87人がえらばれた。これには浜松国際ピアノコンクール2位の牛田智大も含まれる。
今後のコンペの旅費と宿泊費は事務局から支払われる。今後の予定は、
基本的にエチュード以外はThe Preliminary Round と重複してよいが、ステージ1以降では重複は許されない。The Preliminary Round からステージ2までバラード、舟歌、幻想曲から1曲の指定が続いているので、それらの比重は重い。
ステージが進むにつれて、スケルッツオ、ポロネーズ、ソナタが加わり、chopinの演奏の大半を網羅されているが、バラード、舟歌、幻想曲が引き続き指定されることから、結局はバラードは2,3曲、そして舟歌、幻想曲も高い確率で弾かれることになる。エチュードは当然としてもマズルカの比重も結構重く、それにワルツも加わる。
過去のコンクールでは採点が公開された、それによれば予選を含め弾いた曲は事実上すべて加算されており、重要とされる曲では一回の失敗も致命的である。
次回は、The Preliminary Roundの牛田智大を除く13人の演奏の印象を書くつもりである。ただし、今回は出場者のレベルが異常に高く、最終優勝者を当てるのは困難なので、あくまでも日本人の範囲だけに予想を絞ることにする。
セイコーが「T0(ティー・ゼロ)コンスタントフォース・トゥールビヨン(以下、T0)」を開発したらしい。
彼らの言葉によると、”本作は、これまでにない手法でトゥールビヨンとコンスタントフォースを組み合わせた機構を搭載しており、過去に作られた同種の機構の中では最も優れたものと言える。セイコーは、ついに時計師たちの果たせぬ夢を、理論上は完全な形で実現したのである。”とある。
そして、”T0のコンスタントフォースは、キャリッジと同軸に置いた歯車のトルクを定力ばねにため、そのほどけるエネルギーで、てんぷだけでなく、キャリッジ自体を回転させる” そうである。
トゥールビヨンについては、過去
□難物トゥールビヨンの修理のナゾ
□セイコートゥールビヨンのナゾ
1)ダブルバレル
図はセイコーからのリンクである。
まず香車が2つ(ダブルバレル)あり、並列に接続されている。ダブルバレルはトゥールビヨンのようにトルクが必要な場合は並列に、トルクは必要無いが持続時間を稼ぎたいときには直列に接続される。
セイコーGSの自動巻スタンダードモデルのCaliber 9S65は8振動で持続時間約72時間(約3日間)、Caliber 9SA5はダブルバレルで10振動で持続時間が約80時間となっている。
通常テンプの振動数を増やすと空気抵抗が増える。さらにトゥールビヨンは軸受が多いので持続時間が短くなる。
額縁トゥールビヨンと酷評された”FUGAKU”はシングルバレルで持続時間は37時間しかなかった。一方ブレゲのClassique Tourbillon Messidor 5335BR はシングルバレルで50時間あるのに、である。
今回のT0はダブルバレルで持続時間は50時間と、なんとかシングルバレルのブレゲ並の持続時間というところ。T0のダブルバレルがCaliber 9SA5と同等であればトゥールビヨンによるロスが30時間分ということになる。
なお、左側のバレル表面に遊星歯車が見える。中心のサンギアと、遊星歯車プラネタリーギアの動きの差分が外側のリングギアに現れることでパワーリザーブ表示を実現している。
2)フリースプラングテンプ
グランドセイコーが高い精度を宣伝しても世界的に評価が低かった最大の原因は、旧来の緩急針を採用したからだとWebmasterは考える。
緩急針とは、テンプのぜんまいを2つのヒゲ棒で挟み、ぜんまいの有効長を変えて精度をあわせる装置でヒゲ受けとも言う。昔のセイコーでは2つのヒゲ棒は緩急針に固定されていたが、グランドセイコー(最新の5でも)ではヒゲ棒は回転(アオリ)できるようになっている。
ヒゲ棒が固定の場合は、ぜんまいが均等に収縮し、かつ内外2つのヒゲ棒へ均等に当たるようにぜんまいを曲げて調節するが、グランドセイコーでは、ぜんまいの形を理想的な円形に保ちつつ、ぜんまいとの当たりはヒゲ棒を回して調節できる。実際にはぜんまいを2つのヒゲ棒の真ん中からわずかにはずすことで、ぜんまいがほどけてトルクが低下し振り角が減った場合に当時性を保つ細工も可能になる。
さすがグランドセイコーといいたいところだが、この機構はセイコーのオリジナルではなく、ETAの普及型ムーブについているエタクロンを導入したものである。グランドセイコーに近いレベルの調節は、原理的にはWebmasterが多数所有している機械式スウオッチのETA2840(市価1万円)にも使える。
一方、欧州の同一価格帯の代表的な高級時計であるRolexでは全数がフリースプラングテンプとなっている。これには緩急針がなく、ぜんまいの長さは一定で、テンプの重りを回して調節する。ぜんまいの終端はブレゲ巻き上げヒゲになっているのが普通だ。調節に手間がかかるが、経年変化でも歩度が安定している。
残念ながらヒゲ棒を使う緩急システムでは、ぜんまいの同じ部位がヒゲ棒に当たるため経年変化による変形が集中し歩度が安定しない。フリースプラングテンプでは特定の部分に負荷がかからないので衝撃や経年変化に強いが、細かい調節はテンプのネジを回すためにやっかいである。
セイコー自身もCaliber 9SA5で従来の緩急針を、”この仕組みは衝撃に弱く、ぜんまいがほどけた際に時間が狂いがちだ。ぜんまいがほどけても正確である機構を盛り込んでいる時計も多くあるが、理論上は緩急針のない方が好ましい。”と自社製品の弱点を認めている。
ぜんまいがほどけてトルクが低下すると、テンプの振れ幅が減り、2本のヒゲ棒との当たりが変化してぜんまいの有効長が変化し等時性が低下する。フリースプラングではヒゲ棒が無いので振れ幅の等時性への影響が小さいので(巻き上げヒゲの位置や形状で微妙な変化はある)、フリースプラングのほうが上等というのがコンセンサスである。
もう一つ、グランドセイコーの評価が低い理由にテンプ受けが片持ちであることがある。同一価格帯のRolexは全てテンプの受けが両持ちになっていて、経年変化やショックに強くなっている。セイコーも過去GS45系やKS44系等では両持ちだったが、生産性やコストのため廃止されたのである。
さらに、市価50万以上の9S65等の内部の見えない部分の仕上げが、NC機器で量産されるファイブと大差無いことだ。ETAの廉価版29XXでは内部の見えない受けにもブラスト処理されている。もともと9S65の輪列はETA29XXのパクリでもある。
今は中国製と思われるRolexのコピー品が横行していて、S級コピー品では両持ちにフリースプラングテンプは常識で、なんとデイトナのクロノムーブメントのコピーも本物と見分けがつかないレベルになっており、歯車や受け、そしてケースの精度も仕上げも本物に遜色ないレベルまで達している。そんな時代に、旧来の緩急針式のグランドセイコーとザラツ研磨だけではもはや立場が無くなっている。
以上の理由で、グランドセイコーはいかにザラツでケースを磨いても、時間精度が高くても、ぜんまいが特殊な材質であろうとも、国際的にはRolexのライバルにはなりえないだけでなく、Rolexのコピー品にも技術的に遅れをとっているのが現状である。
3)トゥールビヨン
T0のトゥールビヨンは基本的には前後支持タイプである。
トゥールビヨンには大きく分けて2系統ある。1つはトゥールビヨンのケージを時計の表と裏の両端で支持している古典的なタイプで、表側(ダイヤル面、時計学的には裏側)にケージの支持が見えるが、最近のブレゲではサファイヤガラスを使い支持が見えないものがある。テンプの軸はケージの軸と同じく中央にあることが多い。
この方式はブレゲの時代からあるが、ガンギ車とアンクルのために重量バランスに偏りがあり、ケージの向きによって等時性が崩れるのでバランスウェイトを仕込むことが多い。テンプは重力の影響を消せるが、ケージ自体が重量の影響をうけるからである。
もう一つは、最近のタイプでケージを裏側(時計学的には表)のサファイヤ軸受の片持ち支持としているもので、表側には支持が見えないのが特徴である。ガンギ車とアンクル重量バランスをとるために、テンプの軸はケージの軸から少し偏芯しているのが普通だ。
このタイプの説明の図
のように、ケージが片持ち支持か前後両面で支持されているかどうかが基本的な違いである。Webmasterが修理したのはこのタイプで、現状では中国製のムーブが数百ドルで入手可能である。しかし、支持が片持ちなので落下などのショックに弱い欠点があり、Webmasterが修理した個体では衝撃でケージが変形した瞬間にガンギ車の軸がはずれていた。
なお、セイコーは過去トゥールビヨンで特許をとっており、それは、
のようだが、今回はついにこの特許の要素が一部使われている。通常のトゥールビヨンではケージの軸を3番車が駆動するが、このトゥールビヨンではケージ外側の歯車を3番車が駆動することでムーブを薄くできる。この部分が次項のコンスタントトルク機構につながっている。
ただし特許ではガンギ車のギアはリングギアの内側と噛み合うが、今回のは通常のように固定歯車の外側と噛み合うようになっている。これは特許の実装でもケージの支持は必要で実装上ムーブを薄くすることにはならないので採用されていないのであろう。
4)コンスタントフォース(正確にはコンスタントトルクと呼ぶべきか)
コンスタントフォースとは、ぜんまいからテンプを駆動するトルクを一定にする装置である。通常は輪列のどこかにバネ要素を置いて一定角度巻き上げられ、それが開放される時の行ってのトルクを利用する装置である。
今回のメカだが、下面からの透視図(回転方向は逆になる)のコントラストを調節すると、ナゾのルビーが見えてくる。
写真右上にコンスタントトルクのキモの歯車(以下コンスタントトルク歯車)があり、その回転を止めているのが赤いルビーである。ルビーがコンスタントトルク歯車から離れると1秒分反時計回り方向に(ダイヤルから見れば時計回り方向に)回転する。動作原理を説明した下手な図である(説明のため実物とは異なる)。
この図はダイヤル面から見たもので、トゥールビヨンの下側ケージが図中斜線の歯車1である。これにはガンギ車が結合されていて、その軸がムーブ底部の固定歯車と噛み合ってケージ全体を常時回転させている。また歯車1と同軸でバネを介して連結された歯車2があって、歯車2には歯車1を追随するトルクがかかるようになっている。
歯車2にはコンスタントトルク用歯車があり、その軸はガンギ車の軸と同様にムーブ底部の固定歯車と噛み合っているが、歯車1に固定されたルビーに規制されていて回転が止まっている。
歯車1は常時回転しているのでルビーは次第に歯車2のコンスタントトルク車から遠ざかり、その噛合がはずれてコンスタントトルク車がワンノッチ時計方向に回転する。そうすると歯車2全体が歯車1を追随して1秒分時計方向に回転すると、再度コンスタントトルク歯車がルビーと嵌合して回転がとまる。
この説明はわかりやすいが、実際には歯車1が歯車2を毎秒駆動するのではなくて、歯車2が歯車1を駆動する。トルクの伝わり方は説明とは逆なのだ。
バレルからのトルクは3番車から歯車2に伝わり、そして1秒ごとに歯車1に伝わる。つまり、一秒ごとに回転する歯車2をバネ要素を介して歯車1が追随する。歯車1にバネ要素で伝えられたトルクはガンギ車を回し脱進器を介してテンプを回転させ、ケージを常時回転させる。
バレルから3番車を経て歯車2にかかるトルクはぜんまいが解けるにつれて変化するが、歯車2と歯車1の毎秒の回転のズレによりバネに蓄積し放出されるトルクは一定なので、結果的にテンプにかかるトルクも一定となるシカケである。
実は、老舗IWCもコンスタントフォース機構を組み込んだトゥールビヨンを発表しているが、セイコーと異なりコンスタントフォース機構はガンギ車と4番車の間にあってテンプを回転させる前に働き、ケージは間欠的に毎秒移動する。
セイコーの場合は逆に1秒毎に進む歯車2から一定のトルクが歯車1を経てテンプに伝えられるので、欧米のコンスタントフォース機とは異なり常時回転するガンギ車と脱進機はシンプルな構成で重量やロスを減らす作戦である。
ケージ中央にテンプを置くと、アンクルとガンギ車がオフセンターとなり重心がズレるが、コンスタントトルク歯車をガンギ車と点対称に配置することで、重量バランスを整える働きもある。
しかし万事がOKという訳ではない。問題は、間欠的に回転する歯車2のケージと輪列の回転マスを受け止めるコンスタントトルク車と歯車1のルビーの衝突エネルギーが大きいことである。そのため、ルビーとコンスタントトルク車にの間にはオイルが必要らしい。
通常のアンクルとテンプ間の衝撃は1秒に数回に分割されるが、コンスタントトルク車とルビー間は1秒に1回の大きな衝撃である。コンスタントトルク車の歯形にも工夫が足らない感じで、この衝撃をどう解決するかが課題であろう。セイコーの説明ではコンスタントトルク歯車はセラミック製とも読み取れるが、個人的にはスウォッチの破断したセラミック製アンクルを見たことがあるので、この歯車がこのムーブのアキレス腱となる可能性がある。
この部の精度が経年変化で低下すると歯車1にかかるトルクも変動して精度が保てない。試作品はともかく、耐久性を持った実用品して発売されるには時間がかかりそうである。実際ビデオでは1秒運針の間隔がかなりバラついており、ムーブがケースに収まった写真が無いのは時計としてはまだ完成していないということだ。
見場的には、前面の支持ケージと回転する2つのケージ支持が煩雑に見えてアピールが弱い。セイコーが常時回転しているトゥールビヨンを見せたいのか、コンスタントフォースの1秒運針を見せたいのか決めきれていないのだろう。ブレゲのようにサファイヤ支持とし、2つのケージ支持は色分けする工夫が必要だろう。
それともう一つ、機械式時計はその運針のなめらかさで1秒以下の時間が測れるという特質がある。1秒毎の運針ならクオーツと同じではないか、というニッチな意見もあるかもしれない。Webmasterは仕事柄10秒間脈数を測ることが多かったが、時計計測の誤差が機械式なら1%以下だが、1秒運針なら10%になる、という考え方も成り立つ。ハイビートやスプリングドライブのスムーズな運針を喧伝してきたセイコーにとっても意見が分かれるところだろう。
5)ハイビート
60年代70年代のセイコーは、旧式のメカニズムながらハイビートで天文台コンクールを席巻した。その歴史のせいかハイビートのこだわりは世界の時計メーカーの中で突出している。
しかし、Webmasterのように古い時計のガラで遊んでいる立場から見れば、ハイビートはぜんまいの材質や持続時間、軸受の消耗や油切れなど、寿命に難があることから避けたい代物である。6振動の時計でも実用上問題無い精度に追い込むことは可能で、またハイビートより持続時間が長く、また精度を維持できる。
例えばRolexは世界中に堅牢な実用高級時計を供給してきた立場から、ハイビートへのこだわりは強くない。クロノメーターに搭載していたゼニス製エル・プリメロも、あえてロービートとして耐久性を確保していた。パテックも長らくロービートであったし、バセロンはハイビートとロービートを切り替える時計を出したほどである。ETAのSystem51や最新ムーブメントpowermatic80では、あえてロービートとして持続時間を80時間以上としている。
個人的にはセイコーのハイビートへの過度の傾斜が心配である。精度を求めるならGPSとソーラ付きGショックにすればよいのだ。
世界中の高級時計ユーザーは機械式時計にクロノメーター規格以上の精度を要求していない。むしろハイビートによる摩耗や油切れ等を心配するユーザーは時計をタンスのコヤシとしやすい面がある。
世界的には、2軸で三次元に動くトゥールビヨンが実用化されており、コンスタントトルク機構やハイビートがどれほど評価されるかは疑問である。過去欧米メーカーもコンスタントトルク機構でアピールしようと試みたが、顧客への訴求力は過去弱く商売的には成功しなかった。
まあ、今回のT0は”FUGAKU”に比べたら、セイコーの総力を傾けて頑張った作品だろうが、そのベクトルが世界の潮流とズレている印象は否めない。
なお、実際にトゥービヨンを分解修理し使用した経験を持つ人は少ないと思うが、私の個体では、片持ちトゥールビヨンは姿勢によってかなりの歩度差があった。その理由は、ケージを支持する回転板とサファイヤ板間の摩擦が姿勢で変化するためである。
そもそもブレゲが発明したトゥールビヨンは見て楽しむものであって、必ずしも実用上の時間精度を向上させるには至っていないというのが現時点でのWebmasterの印象である。多くのトゥールビヨンはその神経質なメカのためタンスのコヤシになっていて普段使いされていないように思う。個人的には、普段使いできるほど頑強なトゥールビヨンがあればある程度の数が売れるのでは無いかと考えている。
トゥールビヨンを眺めていると癒やされるので、Webmasterは長らくつまらない会議中の逃避のために使うことが多かったのである。
スペックはCeleronM350-1.3 GHz 748KB、1024x768液晶、HDD120GB、i915GMチップセットのビジネスノートInspiron220で、WifiはUSB外付けである。
このノートもどうやって手元に来たのか記憶がさだかでないが、キーボードのテカリが全いことから企業でスペアのまま出番がなかったかわいそうな代物で、裏にWinXPproのプロダクトキーが貼ってありバッテリーが生きていたのでサンプルしたのだろう。企業リースバック品はHome仕様よりPro仕様が多いようだ。
と書いていて、このノートの外観、キータッチにはデジャヴ感がある。
□Versapro VJ13m(CeleronM-1.3 GHz)のLubuntuによるによる再生のナゾ
i915GMチップセットとCentrino第二世代で、PCMCIAがTIまではVJ13mと同じだが、100BASEがIntelPROと異なるなどの違いがある。
インスト用USBからは直接起動できなかったが、plpbt.isoを焼いたDVD-RからUSB起動を選ぶとlubuntu-18.04.5-desktop-i386.isoは短時間でインストできた。標準的なパーツで構成されているために問題なく進行し、wifiはkeeceブランドの3R-KCWが標準のドライバーで動作している。
しかし、AmazonPrimeVideoのフル画面再生は画質標準でもコマ落ちする。同じCPU、同じチップセット、同じOSとドライバーとブラウザーにもかかわらずNECのVJ13mより遅いのは、BIOS、メモリーコントローラーを始めチップセットの随所の細かい設定が最適化されていないのだろう。このあたりがプロのNECと単なるアッセンブル(OEMだが)メーカーDellの実力差なのだと思う。
動画以外のレスポンスはまずまずである。動画のコマ落ちは映画を見るのには致命的だが、環境ビデオを流しっぱなしなら使えるかもしれない。
というわけで、グラフィックアダプターの動画支援機能によっても異なるが、i915GMの標準グラフィックのCelreronMでコマ落ちしないためにはやはり1.5GHzが必要なようである。
これはモバイルノートで、Core2Duo-T7250 2GHz 2GB、12inch-1280x800液晶、HDD160GB、GM45 Expressチップセットで、WifiはCentrinoのintel Pro、100BASEはMarvell technology、指紋認証付きである。
ものは、現在常用しているDynabookSS RX3と並んでリースバックされたものを¥1000で拾ってきたものだ。このノートもキーボードのテカリは皆無で、やはり控えのままVistaということでかわいそうな一生を送ったものだろう。
通常HPのパソコンはDellよりおしゃれなだが、この製品は液晶パネル裏にも、キーボードベセルにもシボがまったくなく、またパッドのボタンの感触も最低と、高級感が無いすっぴんノートである。ただしキーボード上の音量調整が指のタッチでスライド式で、BIOS設定も特殊など、一部にはHPらしいところもある。電源端子が特殊な丸形で、アダプターを選ぶ。
本来はCore2Duo-p8400の2.26GHzのTDP25Wが搭載されていたが、高速なわりにTDPが低いこのCPUは他のノートにとられ、代わりに別の液晶が不良となったノートのCore2Duo-T7250のTDP35Wが刺さっている。
そのノートにはClelon550のTDP31Wが刺さっていたが、Core2Duo-T7250のTDP35Wに換装したら電力不足で起動しないことがあったので、Core2Duo-p8400の2.26GHzのTDP25Wに換装した。このノートにはCore2Duo-T7250のTDP35Wを刺したところ問題なく起動するのでそのまま使っているのだ。
ただ、そのノートはSocketM(白色)だったので、本来はSoecketP(ピンク)仕様のCore2Duoは走らないハズだが、実際は問題なく動く。その理由は、Core2DuoのMeromにはピン配置が異なるSocketM仕様とSocketP仕様が混在していて、セットメーカーはモデル設定に困まり、どちらでも刺さる改造ソケットと対応Biosを乗せていた。
GM45チップセットはmobile Intel 4 Seriesと呼ばれるi945のマイナーチェンジ版で、次のCoreiXでメモリーバス内蔵となる一大変革を控えていたため小変更にとどまった。性能的にはWindows7やwindows10でも十分使えるが、プロダクトキーがVistaというM$の黒歴史として無かったことしたいOSで、windows7のようにwindonws10にアップデートできず、最新のyoutubeやAmazonPrimeVideoが見れないので放置されていたのである。
黒歴史を消したいならVistaもwin10にアップデートできるようにすべきだったと思う。WinXPのPOS仕様と有料アップデートは2019年までサポートされていたのに、Vistaは2012年までで、有料アップデートも2017年までとひどい扱いである。
さて、Core2DuoT7250 2GHzの性能はCPUMARKのCPU総合1124で、Intelモバイル系最新最速のCoprei7-9750H-TDP45Wの13476と比べると悲劇的に見えるが、相手は6コア12スレッドの最高4.6GHzでの性能である。コア数とクロックを揃えると6倍でCore2Duoが2006年発売でメモリーバス非内蔵であることを考えると大差では無い。ベンチマークの差はめったに使わない命令を多用しており、整数演算だけならクロックあたりでCore2DuoはCoreiXの80%位の性能がある。
一方TDPの差は大きく、流石にプロセスルールが45nmから10nmに進化しただけのことはある。つまり、16年間にコア自体の性能はあまり改善していないが、製造技術の進歩でTDPは確実に減ったということだ。
VISTAは64bitではあるものの、OSのサイズが小さいのか2GBメモリーでも我慢できるレスポンスである。しかしWindows10の64bitの2GBではさまざまな策を練ってもレスポンスが鈍い。Win10ではCPUを高速なものに換装しても実用レスポンスはあまり改善せず、メモリーを増やすこととSSD換装もしくは大量のReadyBoostのみが有効な策である。
インストは、Vistaに80GB、lubuntu-18.04.5に80GB割り振った。USBメモリーからごく短時間にインストできた。もちろん、FirefoxのAmazonPrimeVideoのフル画面再生は余裕で、動画再生中で他のタスクのレスポンスも良好である。Chromiumもインストールされたが、やはりDRMの問題かAmazonPrimeVideoは再生できなかった。
このノートは12inchとコンパクトながら1280x800液晶を持ち使い勝手が良いので、ベッド上で動画を見るのに使っている。
物はCeleronM-1.5 GHz DDR2-2GB、1280x800液晶、i910GML EXPRESS チップセットHDD100GBの大型ノートでWifiは内蔵InterPROである。
このノートには、録画予約が可能なアナログTVチューナーとビデオキャプチャーがのっていてロケフリ機能もある。SlingBoxみたいに他のパソコンにテレビや保存したビデオをキャストできるようになっている。仕事場では手術ビデオの編集などに重宝していたが、その後はWinXP-Homeということで放置されていた。
久しぶりに火を入れたがBIOS設定がクリアされていた。CMOS用のリチウム電池がなくなったと思い苦労して分解したが、バックアップは充電可能なニッケル水素電池だった。2,3時間ONで放置して充電後再起動したら動かなくなった。電池端子をはずして設定をクリアしたら再度動作した。
CMOSが充電式電池では中途半端な充電で起動しなくなることがある。2昼夜通電したら正常に稼働するようになった。SONYのVAIOにはけっこう充電式があるで、SONYの通弊として分解に神経を使う個体が多い。
筐体はシルバーだが、キーボード左右の角がなだらかに下にカーブしていて、HGウェルズの映画の宇宙戦争(1953)のUFOみたいな優美なデザインであるが、機能的にはいくつか悪癖がある。
それはSONYのチップメーカーの標準回路例からC、Rやインダクター等のフィルターを省くという悪癖だ。かつてエンジニアがいかに標準回路から部品を省いて小型化するかが腕のみせどころとか書いていた。
このノートは、福岡タワーから500mの窓に置いていたが、ビデオ信号に縞が入っていた。おそらくテレビ電波を拾って干渉していたのだろう。パケット無線を送信すると、オーディオに雑音が入っていた。AV入出力のフィルター等を省略したために、電波を拾っていたようである。
メーカーではノート単体から発生する電波障害については規格に合格させているのだろうが、ケーブルをつないだ場合までは保証されない。 チップセットはi910GML EXPRESSチップセットとCentrino第二世代の構成なので、lubuntu-18.04.5-desktop-i386.isoのインストールは順調に終わった
問題のAmazonPrimeVideoの再生は、フル画面の画質標準でわずかにコマ落ちするレベルにとどまる。AVパソコンではあるが、動画再生補助機能を持つ高機能ビデオチップを別途搭載していないので、1280x800のWXGAでは能力が不足なのである。
やはり、フル画面でのコマ落ちがなくレスポンスの良い動作には1.7GHz以上が必要のようである。
スペックはM36 173C/2WのCeleronM-1.73GHz DDR2-1512KB 12型1280x800液晶、WinXP、HDD40GB i945GMチップセット、指紋認証付きのモバイルノートで、現在持ち出しに重宝しているDynabookSS RX3の先代にあたるものだ。
このクラスはdynabookSS以外にも、パナソニックのレッツノートやVAIOなど、高価格なビジネスノートが溢れる激戦区で、M36もそれらに負けない装備と重厚な仕上げで、筐体は亜鉛ダイキャストでキーボードは防水となっている。
残念ながらCPUは高級仕様のCore 2 Duo T5500でなくCeleronR M430 1.73GHzである。使用時間の短いリースバック物件で、どうしてWebmasterの元にやってきたか記憶が定かでないが、おそらく作りが良いので拾ったものの、そのまま忘却されて放置されたようだ。
指紋認証やWifiは内蔵だがBluetoothは無い。現状ではメモリーを標準の512KBに1GBを追加し、裏のプロダクトキーからWinXPproをインストして軽快に動作しているが、古いOSのためAmazonPrimeVideoは再生不能である。HDDが40GBと小さいのも難点である。
そこで、lubuntu-18.04.5に20GB割り振って再生することにした。BIOSはUSBメモリー起動に対応しており、簡単にインストすることができた。
最新のFirefoxがソフト更新でインストされ、YoutubeやAmazonPrimeVideoの再生も全く支障が無い。Chromiumもインスト可能であったので、これらを使う限りWin10での運用に遜色無いレベルである。HDDが小さいのが難点だが、SDカードスロットがあるので必要ならそれで補えばよいだろう。
T芝製というと、コンセプトが独断的でサポートが不親切、仕上げも鷹揚という印象だが、メーカーが激戦区に向けて力を入れて作った機種と、適当に作った機種との差は大きい。画面もコンパクトな12インチのわりに1280x800の解像度があり表示も美しい。
電池も生きていて持ち出し可能だが、より新しいdynabooSS-RX3が存在するため、出番があまりない。
物はCeleronM-1.3 GHz 1024kb(748KB使用可能)、1024x768液晶、HDD60GBの標準的なビジネスノートでWifiは外付けUSBである。
どうしてこのノートが手元に来たのか記憶が無い。Webmasterはリースバック品を漁ることがあるが、中にはキーボードのテカリが全くなく使用感の乏しい代物が混じっている。おそらく企業でスペアのまま出番がなかったかわいそうな代物なのだろうが、裏にM$のプロダクトキーが貼ってあり、傷が少なくバッテリーが生きていて安価だったので拾ったのだろう。
プロダクトキーを生かしてOSをインストし、サポートから拾ったドライバーを入れれば安定して動くものが多い。メーカーはまずNEC製が一番信頼性があり、キーボードを始め品質が良い。富士通は細部まで注意が行き届いていない設計の上キーボードがボロで、T芝は独りよがりな仕様でサポートが悪い、ソニーは故障が多くメンテしにくい等で、よほどの拾い物でなければ避けたいところだ。
Versapro VJ13mは上質なシルバーで塗装され端正なNECデザインでキーボードも良質だが、裏に冷却ファンの入り口があるのでACERのOEMだと思う。ACERは中華製の中では品質が安定しているが、裏にある冷却ファン入り口がテーブルクロスやふとんで塞がれて過熱する欠点がある。ただしNECの場合はたとえOEMでもデザインやパーツ、品質等は自社の基準が維持されてるようだ。
チップセットや周辺パーツとAVはi915GMチップセットとCentrino第二世代で、PCMCIAがTI、100BASEがRealtekと標準的である。100BASEがintelでないのはCentrinoパッケージのWifiが実装されていないからであろう。
インストはDVDから行った。具体的な手順は、lubuntu-18.04.5-desktop-i386.isoであること以外は下段のThinkpadT23と同じである。表樹的なパーツで構成されているために問題なく進行し、MediatekのUSBWifiのMT7601も良好に動作している。
さて稼働レスポンスだが、同じ構成のDellの製品より良いように思う。Dellも標準的なパーツを多用するが、同じパーツであっても実装や細かい設定で微妙な性能差がでるもので、この点NEC+ACERチームは良いしごとをしているようだ。
さて、問題のAmazonPrimeVideoの再生はフル画面の画質標準で、コマ落ちがあるがさほど目立たないという実用最低限のラインである。操作に対するレスポンスは緩慢なので、環境ビデオでも流すのに向いているかも知れない。
この機種ではChromiumはうまくインストできなかった。Chromium派生ブラウザーとしてはOperaがうまくインストされたが、DRMの関係かAmazonPrieVideoが再生できなかった。OfficeはLibreofficeが完璧に動作するので、当面の仕事には不自由しない。
というわけで、PentiumM世代のパソコンで、フル動画再生が1.3GHz程度でも可能な個体があることは事実だが、レスポンスの良い動作にはCeleronMの1.7GHz程度、メモリーも最低1GB欲しいところである。
高級な赤メタリック塗料にGatewayの立体的なマーク(ひっかかって不便だが)と重厚な作り。仕上がりはVAIOのtypeWに遜色無い上質なものだが、高額ネットブックというコンセプトに誤りがあったのか売れ残りを安価で入手することができた。
物はACER Aspire OneのOEMでTDP6.5WのCPUのためバッテリーも長持ちだが、解像度が1024x600と縦が足らないので画面を80%に縮小しないと下部がケラれてボタンを押せないことがある。
スペックはAtomN280-1.66 GHzの1コア2スレッド、1GB、i945GSE Express、HDD160GB、WifiとBluetooth実装で、チップセットはPentium-M後期からCore初期のCentrino第三世代のもので、同程度のクロックのCeleronMとの性能差に興味がある。WebmasterはAtomの2コア4スレッドのデスクトップを自宅と仕事場で使っていて、Atomの性能があなどれないことを知っている。
インスト手順はThinkPadT23と同じだが、命令セットが32bitに限られるがチップセットがより新しいのでlubuntu-18.04.5-desktop-i386.isoをインストした。
DVDドライブが無いのでUSBメモリーからインストしたが、ランダムアクセスが早いのでDVDの数分の1の時間でインストは終わった。Lubuntuのお試しモードはUSBから起動で常用に耐えるレスポンスがあるので、USBで起動可能なパソコンなら乗っ取り運用が可能だ。ただし起動USBにファイルが保存できない(DVDのふりをしているので)、クラウドか別のドライブにデータをセーブすることになる。
結論的には、AmazonPrimeの動画再生は同じHD450グラフィックのCerelonMの1.6GHz+i945チップセットのものより良好で標準画質ならコマ落ちしないことがわかった。
マルチスレッド機能はスレッドを複数のパイプラインに分配して同時稼働させる技術だが、メインの整数パイプラインではタスク間の依存やIOの奪いあいで効率が上がらない。しかし整数パイプラインとMMX系の演算パイプラインとにスレッドを分配しやすい動画再生ではマルチスレッドが効きやすいと言われている。
coreシリーズの起源をインテルはP6のPentiumMとしているが、それは嘘でPentiumV由来である。Atomシリーズは80386コア由来で、どちらも80386の系譜ではある。
クロックあたりの効率を上げるためにパイプライン複数化とOut of order処理を強化したのがPentiumVだが、インテルがDECから購入したStrongARMの影響もあって、シリコンを食うOut of order処理を省いたコアを複数使って低TDPを狙う作戦に変化したのがAtomシリーズである。ただしCoreシリーズもAtomシリーズも、廃止されたNetburstシリーズで開発された高速I/Oとマルチスレッド技術を実装している。
パフォーマンスが劣るハズのAtomだが、WindowsではAtomは意外や善戦する。それは、毎回同じ話で申し訳ないが、
”なぜNT族はかくも遅いのか?
。。。。。。。。。Windows族の特徴の一つにDLLへの過大な依存がある。システムサービスの多くをDLLとして実装することにより、DLLをダイナミックに更新するだけでバグフィックスや機能の追加が実現できる。また使用頻度の低いDLLは細切れになってスワップアウトされるので、メモリー効率も良いはずであった。従ってM$はDLLを乱発し、システムはDLLだらけとなった。この点がOSの機能が固定されているモノリシックなUNIX族と大きく異なる。。。。。。。。
と同じ話である。処理が多数のDLLファイルに分散して存在するためにコードのローカリティーが低く、頻繁なファイルアクセス、タスクスイッチやジャンプが発生するために、キャッシュ効率をはじめ様々な高速化のシカケがうまく動かないので処理が遅くなる。
このため、Out of order処理を省いた軽量コアのAtomが意外に良好なパフォーマンスを発揮するのである。そういえば、アップルもインテルCPUを捨ててARMのマルチコアに転向したらしい。Windowsは肥大化を続けており、速度があがらない最大の原因は過大なDLLファイルへのアクセスなので、最新のCoreiXシリーズでも高価なCPUを装備するよりランダムアクセスが早い安価なSSDに交換するほうが遥かに実用性能が高くなる。
というわけで、軽量なLT2000の出番だが、問題は10インチ前後の画面がタブレットと用途がバッティングすることだろう。Webmasterの手元にも10インチタブレットがあり、これと出番を競うことになる。
動画を見るだけならタブレットが有利だが、タブレットでの細かい入力ミスが身の破滅に繋がりかねない銀行や証券の業務には、やはりキーボードがあるLT2000のほうが安心である。
というわけで、LubuntuでAmazonPrimeVideoが安定して再生可能となったLT2000は出番が増える予感がある。
Webmasterの手持ちで稼働可能なノートのうち最古でもっとも性能が低いThinkpad T23(PenVM-1.13GHz-512KB-HDD30GB)をLubuntuで再生したい。これが実用可能な状態まで再生できれば、他の全てのノートも再生可能となる、いわば試金石のようなものである。
実物はチタン製液晶カバーがゴムコーティングされた重厚なものだが、内部は多くの仕様が用意されたフレキシブルな作りになっている。チップセットはi830MPで、メモリーはSDRAMと古いものである。
この機械はIBMの保証付き純正リビルド品として入手したが、もともと高額商品のためリビルド品でも高かったことを覚えている。XPproが搭載されていたが、家人がウイルスでHDDを空にされてしまった。IBMの包括契約のためプロダクトキーが貼付されておらず、他機種お下がりのWindows2000をインストしたものの、赤いポッチが使いにくいとのことで長い長い眠りについていた。
現状ではWindows2000が敏速に稼働しているが、2019年までupdateされたXPに比べてシステムのセキュリティーが古く、対応したワクチンソフトAVASTが更新停止のためネット接続のリスクが高い。そこでサポートが続いているlubuntu-16.04.6-desktop-i386.isoをインストし、DRM対応の最新のFirefoxとすることで、安心してネット接続できるようにしたい。
性能レベルだが、多くのノートをLubuntu化した経験によれば、1024x768のフル画面動画を再生するには最低でも1.3GHzのCerelonMが必要なようだ。このノートはPentiumVの1.13GHzなので、YoutubeならともかくAmazonPrimeの映画再生は厳しい予感がするが、ディスプレーアダプターのS3のSuperSavage IXC16はUMAでない内蔵メモリーを持ち標準的なi830P内蔵グラフィックより高性能なので、あるいはうまく再生できるかも知れない。
メモリー増設の手持ちが無く256x2=512KBと寂しいので、徹底的に軽量化する。HDD30GBも寂しいが、Windows2000のシステムを軽量化して5GB以下とし、10GB、Lubuntuに20GB割り振ることにした。
なお、Lubuntuは18.04LTSではインストエラーとなったので、ulubuntu-16.04.6-desktop-i386.isoをDVDに焼いてインストした。PentiumMより古い世代のノートにはLubuntu16.04が必要のようである。なお16.04LTSは2021年、18.04LTSは2023年までサポートされる。
手順としては、
1)最初にWindows2000でディスクのチェックする。ISOを焼いたDVDからインストするが、同時アップデートにはWiFiが必要なので古めのLogitecLAN-W150/U2を刺した。BUFFALO WLI-UC-GNM、Qualcomm-Atheros、MediatecMT7601U等の2.4GHzモノバンドのポピュラーなものには標準対応のようだ。BlueToothも安価なCSRV4.0には対応している。
2)途中でWifiの設定があるので、SSIDを選びパスワードを入力し、インスト中に同時アップデートを有効とする。
3)インストするHDDを分割してWindows2000と共存できる。Lubuntuのシステムに20GB割り振ったが、不足ならWindws2000のパーティションに越境してファイルを退避する手もある。
4)機器名、IDとパスワードを要求される。IDにはピリオドは含めない。
5)デスクトップが立ち上がるが、メモリー節約のため、メニュー、グラフィック mtpaint graphic editorでターコイス色の小さなPNGを作り壁紙設定定する。ラベルテキストフォントはubuntu9にしている。Firefoxのプロセス数はデフォートでは8だが、メモリー節約のため3とする。
6)メモリー節約のためドックでデスクトップページャーを起動しデスクトップ画面数を1とする。外観で表示フォントサイズを全て9とする。テーマはWindows風のClearlooksを選んでいる。
7)ルックアンドフィールのウィジェットでM$を意識したRedmond、デフォルトフォントはubuntu9を指定、アイコンテーマはチリ箱がきれいなGNOME、その他のツールバースタイルでテキストなし、ツールバーアイコンサイズはボタンと同じとしている。
8)次に、software UpdaterでアップデートするとFirefoxも88.0.1まで更新される。ディスクスペースが不足したらターミナルでsudo apt cleanを実行してテンポラリーファイル等を消し、不要データをwindows2000領域に越境させるが、それでも不足ならGpartedでパーティションを拡大する。
9)Forefox88.0.1では、最新のYoutubeもAmazonPrimeVideoも動作するが、設定でDRMを有効とする必要がある。Syncで通常使っているFirefoxとブックマーク、設定の一部、拡張機能が同期できるので便利である。
10)Libreofficeをインストする。M$Officeとは90%程度互換である。
11)ブラウザーのサブとしてソフトウェアからchromiumをインストするが、システムがアップデートされていないとインストしても動作しない。GOOGLEのChromeに酷似しているが同期しないので、BookmarkChromeからファイルで持ってくる必要がある。拡張機能は最新のChromeと同じものが使えるが、DRMの仕様が異なるのかAmazonPrimeVideoは動作しなかった。
なお、Lubuntuの最新64bit版では純正のGoogleChromeをインスト可能だが、円滑な動作にはメモリーは2GBを要するようだ。
というわけで、長い眠りについていたThinkPadT23で少なくともYoutubeはまともに動作するようになったが、やはりAmazonPrimeVideoは無理のようだ。全般的な動作はwindows2000よりかなり緩慢だが、その原因はCPUのパフォーマンスというよりはメモリー不足が原因のようである。窓の数が増えるとめっきり遅くなる。
次回は小さなのノート(Gateway LT2000 AtomN280-1.66 GHz1コア2スレッド、1GB、945GSE Express、HDD160GB)にLubuntuを載せて、動画再生能力を探ってみたい。
あなたの周りにも、まだ元気なXPやVISTAのマシンがあるだろう。
WinXPについては、
□WindowsXPは2019年までの寿命を全うしたか?(XP改は2019年までサポートされていた編)
のように、レジストリーに1行加えるだけで、XPを高機能POS端末用エンベデッド版として2019年までWindowsupdateが可能であった。セキュリティー的には、この操作で2019年レベルまでアップデートし、あとはAVASTなどのワクチンソフトをインストすればまず大丈夫というレベルに維持はできる。個人的には、OSは巨大なものほど未知の穴が多数あるので、2019年まで対策され尽くされたXPのほうがよっぽど安全だと考えている。
いずれにせよ、XPはシステムが300MB以下でメモリー1GBでも軽快に動作するが、Youtubeの新しい圧縮codecのものが見えなかったり、アマゾンプライムのような映画オンデマンド再生ができないことである。実際にはブラウザーにデジタル著作権管理 (DRM; Digital Rights Management) があればよいのだが、その前にOSバージョンで蹴られるのだ。
そのためには、パソコンのHDDを分割して別のOSを載せて、新しいブラウザーで動画を見る方法がある。XPで星の数ほど存在するWinアプリを使い、動画の時だけを別のOSを使うのである。これについて、Webmasterがトライした方法を紹介したい。
1)LINUXを使う(32bit版のLubuntu 18.04.5 LTS Bionic Beaver)
いろいろあるディストリビューションのなかで試したのはLUBUNTUである。LUBUNTUは軽量化したUBUNTUで、OSは実測で300MB以下とXPとほぼ同じ大きさである。メモリーは500MB以下でも動作するが、1GB以上あるとその高速性が際立つ。
使用したのは32bit版のLubuntu 18.04.5 LTS (Bionic Beaver)で、こちらから入手できる。
Alternate install image版もあるがフル版をお勧めする。というは”インストする”以外に”試す”メニューがあり、isoファイルをUSBメモリーに焼けば、ほとんどのパソコンを間借りしてブラウジングとオフィスアプリ(Libreoffice)が使え、作った文書はクラウド(例えばGoogleDrive)に残すことができる。しかしUSBメモリーは自分をCDROMと思っているので、自分自身にはファイルは残せないが。
インストすると、ハードディスクの分割を提案してくる。Windowsとどちらが大きなファイルを使うかの用途で決めればよく、Lubuntu側は30GB以下でも例えば映画を見るだけなら十分に使える。操作はWindowsユーザーにもさほど違和感が無いようにチューンされている。
まずFireFoxがプレインストされている。これは他のパソコンのFirefoxとSYNCさせれば、Bookmarkも拡張機能も引っ越してくる。現時点では最新のGoogleChromeは64bit版だけだが、古い32bit版ならインストできるようだ。機能的にはWindows版とまったく同じである。
WiFi子機は2.4GHz帯の代表的なものはドライバーが自動的にあてられるが、2.4GHzと5GHz両用のものは自動的にはドライバーは当たらなかった。
他にはChromiumブラウザーがインストできる(できない場合もあるが)。これはCHROMEと機能的には90%同じだが、自分自身にログインしても、他のパソコンのブラウザと同期しない。Lubuntuソフトウェアセンターの問題はインストに失敗していてもエラーが表示されないことだ。
この場合はダウンロードファイルをGDebiパッケージインストーラーにかけてエラーを出し、対策すれば使えることがある。多くの場合はライブラリーが無いとか古いことが理由なので、それをSynapticパッケージマネージャーでインストすれば使えるようになる場合がある。
しかし拡張機能は同じものがCHROME STOREからインストできるし、ブックマークはファイルでもってこられるので、CHROMEとほぼ同じ使い方はできる。FirefoxもChromiumも最新のYoutubeもアマゾンプライムの映画を再生できた。
他にもChromium系のブラウザーがいろいろあるが、VelvetはうまくインストできなかったもののOperaはインストできた。オフィスはLibreOfficeがインストできたので通常の仕事の90%は可能というところだ。
使い道としては、Windows側のハードディスクが読めるので、起動不能となったWindowsからファイルを回収してクラウドに上げるとか、ハードディスクのパーティションをGPARTで操作するとかは可能だ。過去、WebmasterはLINUXをで起動不能のWindowsからファイルを回収するのによく使っていた。
今回はレスポンスの点で32bit版をインストしたが、アプリの数としては今は64bit版のほうが潤沢かもしれない。純正Google Chromeの64bit版がインストできるので、Windowsの代替としては良いかもしれない。64bit版もWindows10よりは軽快のようである。基本的に、パフォーマンスの劣るマシンで、XPのように身軽で、しかも最新の動画サイトにアクセスできるという用途には一番向いていると思う。
2)CHROMIUM-OSを使う
CHROMIUMーOSも、The Chromium Projectsからか、カスタムビルドサイト例えばChromium OS Buildsからダウンロードする。X86、amd64、ARM版などがある。Webmasterが試したのは相当古いCx86OS_R60-9592.B-Special.7z(2017)だったと思う。
ダウンロードして7Z解凍したimgファイルをImage Writer for Microsoft WindowsでUSBメモリーに焼くのである。
最近はneverwareにあるCloudReady でUSBメモリーに焼くのが流行のようだが、32bit版は廃止されているようだ。
インストは簡単だが、タッチパッドがうまく動かず、ドライバーを仕込む必要があり、WebmasterはUSBのマウスを使っていた。おそらく最新版では改められているのだろう。基本的には身軽な印象はある。
しかしCHROIUMーOSにはかなりの違和感がある。
まずログインにGoogleで使っているIDとパスワードが必要だが、Googleには個人情報、住所録、クラウドファイル等重要な情報が紐付けられているので、毎回他人がいる環境では入力するのに抵抗がある。
なので、もう一つアカウントをつくっても良いが、OSとCHRONIUMブラウザーが一体なので、ログインと別のアカウントでGmail等にアクセスは表向きできないことになっている。オフィス等はGoogleのクラウドバージョンを使い、作成したドキュメントもGoogleDriveに記録される。つまりすべてがGoogleを中心に回っていて、ブラウザーも選ぶ自由すら無い。
IーPHONEがアップルの箱庭で動いているのとおなじようなもので、自由がなく息苦しく、個人的には不愉快のなOSだと感じたのでそうそうに消去したし、二度と使おうと思わない。
初代CHRONIUM-OSのようなものは、実質的にはパソコン版アンドロイドだった。これだとアンドロイド版アプリに限られるものの、Ver2.2のころのアプリはほとんど動作していたので、息苦しくはなかったが、その後奇形的に発展したのがCHROMIUM-OSのようである。
3)Remix OS for PC
これはLYNUXなどと様子がことなり、malavidaからインストールする。すでにラストバージョン : 3. 0. 207で開発は終了しているが、Android ver6相当の環境をパソコン内に作るものだ。
インストすると、ブートに細工するものの、OS自体はWindowsをインストしたHDD内で32GB以上のサイズをもった単一の特殊ファイル構造としてとどまっている。
細工したブートからREMIXを選ぶと、99%アンドロイドの世界である。したがって、ブラウザーもchromeを始め、各種選ぶことができるが、あくまで操作はスマホと同じで、細かい設定などは提供されない。例えば、パソコン版のChromeのようにいろいろ拡張機能を選ぶことができない。
ただしスマホと異なるのは、アプリが完全に独立した窓で多数開けるので、アプリ間の見通しがよいし、アプリ間でデータをコピペしやすいことだ。スマホでは、アプリを切り替えてコピペしても、戻ったときにアプリが消滅していることがある。それはアンドロイドOSがメモリーが不足したら勝手に終了してしまうからだ。
それが、マルチウインドーで複数のアプリが見えていれば、サイトを見比べながらデータのコピペが簡単なのだ。
というわけで、CHROMIUM-OSのような閉塞感、息苦しさは無いが、はたしてPCにこのOSが必要か?と言われれば問題ではある。個人的には銀行や証券などの金にかかわる作業をスマホで行うと、指が滑って飛んでもない操作をするのではないか、という恐怖があるが、それがREMIXでは落ち着いて操作できる気がする。
というわけで、存在価値はあると思うが、やはりLUBUNTUのようなOSらしさは無い。
ということで、結論としては、やはりwinXPは生かしたまま、必要に応じてLUBUNTUを起動する。ドライブはお互いに見えていて、ファイル操作は可能というのが一番しっくりくると思うがが、CHROMIUMーOSで何ら違和感、閉塞感を感じないという人もいるかもしれない。
個人的にはI-PHONEを使うと、箱庭感というか、アップルの押し付け感、閉塞感、息苦しさ感に耐えられないが、日本のスマホユーザーの半分は、I-PHONEに拘束されたままで満足しているわけで、これはユーザーの好みによるとしか言えないのである。
皆様はどんなパソコンをお使いだろうか?
Webmasterの手元には古いリース上がりのノートパソコンが多数ある。これは仕事場近くのパソコン屋が入居ビル建て替え閉店セール時に安く(1000-2000円)で入手した数台と、病院の同僚がウイルスで白紙になったのでくれた2台があるからだ。特に在庫一掃セールではマグネシウム合金のdynabookSSRXの未使用品が2台ありとても調子が良い。いずれも裏のWindows7のプロダクトキーを確認して購入している。
いずれもWindows7のサポート終了のために放出されたものであろう。個人的には入手したパソコンは即刻プロダクトキーに保護テープを貼って保護している。これがあるかどうかがパソコンの命運を決めるからだ。
始動不安定で部品取りにした1台以外は全て快調で、裏に貼ってあるプロダクトキーを使いWindows7経由でWindows10に更新して調子よく走っている。そのうち2台は、Windows10が不調という友人にプレゼントした。
友人の2台はシステムがWindowsupdate失敗にかかわるゴミまみれなので掃除してあげたが、タダであげたリース上がり物件のほうが遥かに快適に動作するとかで満足しているようだ。
実はWebmasterの家にも動作不調のWindows10ノートが2台あり、いろいろ掃除をしたものの反応が悪い。他にやはり不調のVISTAノートが1台あり使われていない。
そこで気付いたのだが、レスポンスの鈍いノートは全て64bit版であった。不調の原因は、64bit版はメモリー効率が悪く、Windows updateの時間が長くかかる。しばらく放置後に起動すると毎回Updateがかかり、仕事にならないので強制電源オフされる。またしばらくぶりに起動すると、さらに大量のUpdateがかかりレスポンスしないので強制オフされる。そうこうするうちに、適応されていない大量のupdateファイルのため実質的に使えないパソコンになってしまうのだ。
そうなると、世間のユーザーは調子が悪く使えないパソコンは放置し、タブレットに転向する。確かにアンドロイドやipadのほうがwifiやbluetoothが安定している。Windowsのwifやbluetoothは歴史的に後の方になって出現したせいで実装が悪く、不安定で使いにくいのである。実際にWindowsのwifiはなぜか不要で頻繁なセキュリティーチェックのたびに切れるのである。
一方、リース上がりのノートはまずHDDがクリアされているので、手持ちの32bit版Windwos7をインストし、その後Windows10に無料更新すると、余計なアプリがないまっさらな状態なので、メモリー4GBでもサクサク快調に動作するのである。
64bit版のメリットは、まずディスク容量やメモリー容量が大きいことで、大量のデータをクランチする作業に向く。一方CPUまわりやメモリーやバス容量は同じなのに、コードが5割から倍大きいので、全てのコードのロード・アンロードに時間がかかり、レスポンスが遅いのである。
Windowsは機能の大半を非同期にロード、アンロードされるDLLに散在するコードに依存していて、ファイルやメモリー読み書きのローカリティーが低く、パソコンのディスク、メモリー、CPUに散在するキャッシュの効率が悪く動きが鈍くなるのである。
さて、現在ではWindows10などはあるていど軽量化しないと使いものにならないというのは常識化しているが、それを風水変造と称して唱導したのはネットでもWebmasterがはしりだと思っている。過去の
□Mar. 9:WinNT族での風水変造を考える・実践編
のセリフだが、要点は
”なぜNT族はかくも遅いのか?
Windows族の特徴の一つにDLLへの過大な依存がある。システムサービスの多くをDLLとして実装することにより、DLLをダイナミックに更新するだけでバグフィックスや機能の追加が実現できる。また使用頻度の低いDLLは細切れになってスワップアウトされるので、メモリー効率も良いはずであった。従ってM$はDLLを乱発し、システムはDLLだらけとなった。この点がOSの機能が固定されているモノリシックなUNIX族と大きく異なる。
しかしM$はDLLにあまりにも依存しすぎた。たとえば一つの窓を開くためには多くのDLLが呼ばれる。画像や文字の表示やマルチメディア機能のためには、さらに多くのDLLがディスクから読み込まれることになる。そして、新しいバージョンではより多くのより肥大したDLLがロードされることとなった。
しかし、本来DLLは脇役のハズである。主人公であるアプリケーションのコードやデータがディスクから読み込まれ処理が行われるのだが、窓が開く瞬間にアプリケーションが握っていたリソースの多くが脇役のDLLに奪われてしまう。そしてアプリケーションとDLLがお互いにCPUの処理を、キャッシュを、仮想記憶の実メモリー分を、そしてディスクキャッシュを取り合うことになる。つまり、リソースを巡るDLLの春秋戦国時代と言うことである。”
”当時Pen-IIの廉価版として登場したセレロンにはL2キャッシュが装備されていなかった。しかしオーバークロックが効くセレロンはマルチメディアやゲームでPen-IIに肉薄する性能を示した。それは、CPUパワーが期待される重い処理ではタスクスイッチのためにL2キャッシュの効率が低下するからである。
本来マルチプロセッサー(SMP)ではバスの競合を避けるためにCPUが大きめのL2キャッシュを装備することになっている。しかし、L2キャッシュが無いデュアルセレロンの性能がデュアルPen-IIと遜色が無いということは、NT族ではSMPにおける常識が働いていないということである。
それでは同じ処理をWin9xとWin-NTに行わせるとどうなるだろうか。基本的にアプリやOSシェル、IEのコードの多くが共通であり、またマシン側のCPUキャッシュ量やメモリー量などのリソースも殆ど同一である。とすると、DLLが肥大化した分だけタスクスイッチの負荷が重いNT族の処理が遅くなってしまう。本来OSの32bit化と高度なスケジューリングによって高速化するハズのゲインが、DLLの肥大化によって喰われたのである。
どうやら電算機もレーシングカーと同じように、コードが太ったらお終いなのであって、太った分は高速CPUや高速ハードウェアでも埋め合わせができないということである。”
”スワップサイズの固定
Win族ではスワップファイルのサイズは可変としてディスクスペースを節約しているが、本当に有効なのだろうか。一般に処理が重くレスポンスが低下している場合には、使用可能な実メモリーが払底してページフォールトが発生していることが多い。OSにスワップファイルの拡大とスワップ処理を同時にやらせるのは負担が重い。また下手にスワップサイズが変化するとフラグメントも発生する。
この際スワップは固定してしまおう。これで頻繁に使われるDLL類を仮想メモリー空間(実メモリー+スワップファイル)の決まったページ(セクター)に落ち着かせ、OSの負担を減らしてやろうというのである。”
さまざまな風水変造のなかでも、仮想記憶サイズの固定化などは現在でも多くのユーザーがやっているらしいが、それを最初におおっぴらに唱導したのはWebmasterである。
その後WEBMASTERは、過大なDLL依存の効率を是正する目的でディスクの半導体化を唱導するようになった。それが、
□ゼロスピンドルパソコンはNT族の夢をみるか?のナゾ
の三部作である。現在のちょっとメカに詳しいユーザーなら、事務作業とかに使うかぎり、パソコンのCPUを高速なCPUに換装するより、遅いHDDをSSDに交換するほうが遥かに資金効果的にコスパが良いことは常識であろう。
DMAモードを可能にしたCF搭載の64kbpsA”カードを刺したレッツノートCF-A1には非常に快適で、その後VAIOーGモデルに交代するまでWebmasterは常に持ち歩いていた。
まあ、手前味噌な話が続いたが、古いWinXPパソコンで問題になるのは、まずYoutubeが見れるか、そしてアマゾンプライムのような映画配信が見れるか、であろう。もちろん、仕事の中心になるブラウザーやオイルツールも必要になるがこちらはハードルが動画配信よりは低い。
目安として、OSはwinXP、VISTA、LINUX系としては、LUBUNTU、REMIX,CHROMIUM-OSを前提にしている。現在XPやVISTAではYoutubuの動画再生に制約があり、アマゾンプライ等の映画配信は不可であるが、LINUX系のFireoxやCHROIUM系ブラウザーでは可能であることがミソである。R
おすすめの指針としては
1)ペンティアムMより以前のパソコンは(メモリーがSDRAM))実用的にブラウザーやオフィスは可能であっても、フル画面動画再生は不可に近い。
2)1GHzを超えるペンティアムM(セレロンMも含むセントリーノ)のシングルCPU(メモリーがDDR1ないしDDR2)はブラウザーやオフィスは問題ないが、フル画面での映画再生ではコマ落ちする。
ペンティアムMの後期でソケット479(SocketM)の製品で、CORE2duoの2GHz超に換装できれば、フルサイズ映画再生もWindows10も可能になる。
ここで問題になるのは、socketM(白色)とsocketP(ピンク)の互換性だ。ややこしいことにMerom世代では例えばT7500-2.20 GHz (200MHzx11)FSB800MHzはsocketP、T7400-2.16 GHz (166MHzx13)FSB667MHzはsocketMと、対応チップセットが同じでダイの世代も同じで性能まで殆ど同じながらsocketが違う。
お互い互換性が無い(ピンの細工で刺さらない)建前になっている。どうしてこうなったかは不明だが、一つはsocketPが高級仕様という切り分け、もう一つはデスクトップ用とモバイル用の切り分けにインテルが迷っていたせいであろう。
さらにPenryn(例えばcore2duo p8600)はsocketPのみでsocketMでは動作しないことになっている。で、そのままsocketPが暫く続くかと思いきや、次のCoreiXシリーズでメモリーバスがCPUに内蔵となりsocketPは短命で終わった。
セットメーカーにしてみれば、同じチップセットで似た性能のCPUに2種類のソケットを用意することはモデル設定、生産メンテで非常に迷惑なので、両方刺さるソケットを装備して後はBIOSでの対応を考える。
というわけで、このあたりはソケットのピンが細工されていてCPUが刺さる場合はBIOSを更新することで動作する可能性がある。ただし、この世代のマザーボードはTDPは30W前後が前提なので、Penrynの45nmのcore2duoのP8400かP8600(TDP25W)あたりが適切だろう。チップセットは945 Express以降となるが、そうでなくても動作する場合があり、これはケースバイケースである。
3)core2duoで2GHz超の場合(メモリーがDDR2)。映画のフル画面再生もWindows10も可能である。core 2 soloではフル画面動画は難しい。メモリーは3GB以上が必要だが、あえて4GB以上としない理由は次項で説明する。
4)coreiXの場合。映画のフル画面再生もWindows10も可能であるが、32bitでもメモリーは4GBとしたい。その理由は、Windows10の32bit版の場合は使えるメモリーは2.9GBで、その上にシステムがワークエリアを設定し、例えばROMのシャドーなどに使われる。シャドーとは周辺機器のアクセス速度の遅いROMの内容をメインメモリーにコピーして高速化する手法だ。
4GBメモリーの場合、600-800MBくらいWindowsが管理外のメモリーが存在するが、ここにRAMDISKを設定し、これを仮想メモリーのスワップ域として使えば、3.2GBを超えるメモリーを使えることになる。スワップには処理のオーバーヘッドがあるがが、それでもHDDよりは100倍早い。
Webmasterの場合は、無料のbuffalo_ramdisk_utility-3260を使っている(Googleで検索して欲しい)。しかし、この手のアプリにはお約束があるので、それを守らないとパソコンがレンガになる可能性がある。
A)確保するメモリー域は、アプリが示唆する空いている領域より50GB程度小さく使うこと。この領域は無法地帯で、BIOSやハードが特殊な処理をするために使う可能性があるので、目一杯設定しないことが必要だ。
B)buffaloのツールの場合、msconig.exeのブート詳細パネルの最大メモリー量は一切操作しないこと。バグのために起動メモリーが256MBに制限され起動に数時間かかる場合がある。そうなるとWindows10の場合、数時間かけて起動させる以外に回復の方法が無い。
C)RAMDISKのフォーマットはNTFSとすること。baffaloのツールは終了時に内容をディスクに書き込み、起動時期書き戻す処理をするが、baffaloのツールは終了時に内容をディスクに書き込み、起動時期書き戻す処理をするが、FAT32の場合swapfile.sysのアトリビュート設定に失敗するのでNTFSフォーマットを指定すること。
C)この領域にReadyBoostを設定しないこと。baffaloのツールは終了時に内容をディスクに書き込み、起動時期書き戻す処理をするが、FAT32の場合ReadyBoostファイルアトリビュート設定に失敗する。NTFSの場合もうまく行かないことが多い。
E)パソコンのスリープは使えるが、休止は使えない。休止はメモリー上のイメージをそのままHDDに書き込み、回復時にそれをメモリーにロードするが、Windows管理外の部分は処理されないので、休止に失敗する。
F)システムの終了時、起動時にRAMDISK域の読み書きに余計な時間を要する。スリープでの運用がベターである。
G)Windows10はシステムだけで1GB以上を食っていて遅い。高速化はCPUを換装するより、HDDをSSDに変えるのが一番効果的だ。しかし、HDDをクローンする手間があるので、USBメモリーもしくはSDカードを刺して、ReadyBoostを4GB以上設定するのがよい。SDカードが貴重なUSB端子を消費しないのでベターだが、USBの場合は殆ど出っ張らないSandiskのCurzシリーズ(16GB超)がおすすめである。
Windows10の32bit版にメモリー4GB装備で、管理外をRAMDISKを仮想記憶として使えば、サイズ的には64bit版のメモリー6GB超装備に匹敵し、さらにファイルのロード、アンロード時間が短いので、トータルでは遥かにレスポンスが良い。個人的には巨大なファイルを用いずに、HDD容量が1TB以下でまに合う通常の業務の場合は、32bit版があらゆる点で有利だと思う。
実際、我が家にあった不調Windows10の64bit版を32bit版に変更した。この場合、まず32bit版のWindows7をインストールし、その上で32bit版のWindows10アップデートのISOファイルをマイクロソフトから入手する。
なおWindows10では、32bit版を自動的に64bit版に変更するツールがあるが、その逆のツールがないので、バックアップやインストールは手動でやり、アプリも32bit版を用意する必要がある。chromeやbraveには32bit版があるがみつけにくい。その場合は古い32bit版をインストし、それをアップデートするのがいい。そのためにも、常用アプリはインストファイルを保存することが大事だ。
注意すべきは、マイクロソフトのWindows10への無料更新のページには、32bit版や64bit版を区別する表示が一切ないことだ。32bitのWindows7でアクセスすれば、32bit版のWindows10アップデートISOを無言で差し出してくれるので、自分で32bit版や64bit版を区別する必要がある。
次に、winXPやVISTAマシンをどうするか、である。確かに汎用のwinアプリが使えるメリットはあるが、Youtubeに制限があり、映画のオンデマンド配給が見れないのが致命的である。かといって、到底Windows10をインストールパフォーマンスは無い。
個人的には、そのような用途のためにハードディスクを分割してLINUXを乗せるのが良いと思う。長くなったのでそれについては次項にゆずることにする。
台所のビルトインガスコンロの一つが火が着かなくなった。正確に書くと、つまみを押すと連続点火音がして着火するが、手をはなすと消えてしまう。
原因は熱電対(サーモカップル)による立ち消え防止装置の不具合である。熱せられた熱電対が発生する電圧で電磁石がガスの弁を「開」に維持する仕掛けである。熱電対の出力は20mVと小さいが電磁石で弁を保持する程度のパワーはあるのだ。
昔公団賃貸住宅に住んでいたときに、風呂釜が熱電対不良で使えなくなった。そのときは、修理が来るまで毎晩乾電池で弁を保持して使ったことがある。
我が家の先代のコンロは、長年の使用でバーナーが焼け細ったが、すでに交換部品もディスコンとなっていた。そこで、このコンロは苦労して探しだしたツマミ式(天ぷら過熱防止装置つき)である。個人的には、1挙動でガス栓の開、点火、調節が可能なツマミ式がベストだと思っている。
ちょっと前に一大勢力だったボタン式は、ボタンを押して点火したあと、別のツマミで火力を調節する、という不便なものだ。おまけに腰で押したり子供がイタズラしただけで火がつくためにロック装置がある。ツマミ式では1挙動ですむ操作がロック解除、点火、調節と3挙動必要だ。
これは不人気だったらしく、最新のは電子式ながらツマミで調節可能となっている。しかし、これは停電になるとると使えないという一大欠点があった。ガスコンロのレゾンデートルは、停電時に調理だけでなく、ストーブや照明のかわりになることにあるからだ。最近は電子ツマミ式ながら電池で稼働するものもあるが、電池寿命が短い上に電池の交換がやりにくかったりする。
しかし、このコンロはまだ数年しか経過していないので、故障にはまだ早い気がする。内部を覗くと、
赤と黒の電線が熱電対につながっていた。そこで、コネクターをはずして、隣のコンロと配線を入れ替えたところ、炎が保持されるようになったので熱電対が原因であることははっきりしたが、なんと隣のコンロも正常に動いているではないか。要するに、コネクターの接触不良あるいは、組み立て時にコネクターのもうひと押しが足らなかったようである。
このコンロは火口が3個と、片面の魚焼きがついているという標準的なものだが、長年の改良で魚は上手に焼ける上にまったく匂いや煙は出ない。冷凍したトースタが丁度3分で焼けるのことも重宝している。
最近のビルトインガスコンロはトップがガラスでできていて、五徳が小さいので加熱した鍋をコンロからちょっと横にどけて置くという操作ができない。さらには上面パネルに縁取りが無い!!コンロもあある。吹きこぼれがコンロを超えて調理台まで流れてしまうなど、不可解な設計である。
不可解といえば、ビルトインガスコンロの価格である。市場価格では10-30万するなど価格が盛りすぎである。というのは、ビルトインでないコンロ(ガステーブルの2火口ー)の電子式ガステーブルでビルトインと同じバーナーを使っているものが5万しない。さらに、ビルトインでは取付費もかかるのだ。
家庭用ガス機器には大きな闇がある。これについては、
を読んでいただきたいが、この手の卸価格はカタログ定価の3割程度と、極めて不明朗な業界なのである。
料理自慢の向きは、国産のへんてこ電子コンロには不平タラタラだと思うが、アマチュアには冷凍食品と電子レンジ、電気湯沸かしのせいでコンロの使用頻度が減っているので、それでOKなのかも知れない。ある意味コンロは調理という記号性だけのインテリアに成り下がったのかも知れない。
そのせいか、最近の料理自慢の向きは中途半端な国産のコンロではなく、舶来の強力バーナー4口コンロを使うそうである。
老婆心コーナー 国産のガスコンロは絶滅危惧種となる気配が濃厚なので、お気に入りのつまみ式コンロをお使いなら、バーナーの消耗部品は供給がある内にストックすることをおすすめする。
ある時から、JB470が段差を乗り越えるたびにパキン、カキンという異音が聞こえるようになった。サスの故障は危険なので原因を探すがなかなかわからない。
一番の恐怖はアーム類の亀裂である。JB470はたくさん売れたデリカのトラックベースで、同じ構造のスターワゴンは4WD仕様もあり根強い人気があるが、ネットでもサス異音の話はあまり見かけない。我が家の車の固有の問題だろうか。
国際的にもLP300とその後継のLP400は相当数売れていて、エンジン4D56はコモンレール化されていまだ現役のようである。ネットで独文と英文のサービスマニュアルが入手できたのでパーツ類は把握できているが、それには既に廃止されたグリースニップルの給脂が指示されていたりと、古いままのあやしい記載もある。
まずはフロントサスのダブルウィッシュボーンの上下アームのチェックだが、目視ではクラック等は見当たらず、トンカチで叩いてみてもがクラックの気配はない。溶接機もスタンバイしておいたが出番が無かった。
ボルト類の緩みかもしれないので、サス、シャーシ等ほとんどすべてのボルト類をチェックしたが緩んでいる気配がない。フロントのアッパーアームがトーションバーとボルト締結されている部位にも緩みがない。キャブをシャーシーに固定するボルト類もしっかり締まっている。
サスのブッシュ類からの異音を疑い、ほぼすべてにCRC5-56やスプレーグリースを吹いてみたが音は消えない。
タイロッドエンドや上下アームのジョイントについては、
□JB470キャンピングカーのタイロッドエンドブーツの更新編
の時に点検交換済である。アッパーアームとハブとのジョイントのブーツは緩めでグリースが少量漏れているが、この部分は同じ構造のハイエースやボンゴでも少量漏れるようである。
よく耳をすませると、パキン、カキンは前輪よりわずかに後ろから聞こえてくるようである。それにサスアームに問題があれば、すぐ上が運転席なのでもっと異音は大きく聞こえるのではないか_
そこで、次はトーションバーのクランクをチェックした。トーションバーはアッパーアームから車両中央まで長々と伸びていて、後端のクランクがシャーシからボルトで釣られている。このネジの調整で車高を簡単に調節できるのは各メーカーとも同じ構造である。これについては、
□JB470の車高調整のナゾ(なるべくクルマを水平に近づけたい編)
を参照してほしい。クランクをシャーシーから釣るボルト両端は半円形の金属ブッシュになっていて、これがストロークに応じてわずかに摺動するが、この部にグリースを補給したがまったく音は変わらない。
サービスマニュアルでサス関係のパーツはすべてチェックしたが問題ないので、座席やエンジン点検蓋、エアクリーナー等のネジもすべててチェックしたが緩みもないし異音も消えないである。それどころか異音の頻度が増えて、ちょっとした段差の旅味パキン、カキンと音をたてるようになった。この時点でWebmasterは少しノイローゼになったのである。
JB470は装備もエンジンも快調で、問題は唯一サスから聞こえてくる音が消えないことだけだ。ひょっとしてこの車はもう寿命なのか?
以前から疑っていたのが、リアサスのリーフスプリングからの異音である。リーフスプリングをUボルトで車軸に固定するホチキスドライブは商用車では一般的な構造で、頑丈でメンテも簡単、さらに必要に応じてリーフの種類や枚数、ヘルパーリーフやゴムストッパー等でいかようにもチューンしアレンジでき、車高もかんたんに変えられるのが特徴である。
欠点はストロークをとるには長いリーフが必要なこと、車軸の位置決めが甘いこと、大きなトルクでリーフがたわんでワインドアップを起こすことなどだが、JB470では左右のダンパー下端が車軸を前後にまたぐようになっていて、ワインドアップに一応の対策がされている。これは古いサバンナRX-3でも使われていた方法である。
リーフスプリングのメリットとしては、重なったリーフ同士の摩擦でダンピング作用があることである。例えば鉄道車両には何枚も重ねたリーフの摩擦でダンパーを省略したものは多い。
リーフスプリングのデメリットとしては、リーフが擦れ合う音がでることだ。走行距離の多い車ではキュッキュとかキシキシといった音は出るし、走行距離が少ない車ではリーフのサビがすれあってガリガリと音がでることもある。この異音を嫌って、乗用車ではリーフの枚数を減らし、リーフ同士が擦れないようにゴムをはさんだり曲げてあるのが普通である。
しかし、リーフからパキン、カキンという音が出るだろうか????
この車は以前は福島県のいわき市付近で生息していたらしく、シャーシーは丁寧に防錆処理されていたもののリーフスプリングからはサビが落ちていた。リーフ同士は擦れ合うものだし、寒冷地では凍結防止剤を撒くのでリーフがさびていて当然だろうと思っていた。
リーフは4枚あるが、よく見ると上の2枚はサビで完全に固着しているようで、それがストロークでスムーズに摺動せずにパキン、カキンと音が出るのではないか?と推測した。
そこで、上の2枚の間にCRC5-56を吹こうとしたが、しっかりひっついていて隙間がない。そこで、前輪の片方を段差に乗り上げて車体を傾けてリーフ間を広げようとしたが、隙間なくひっつたままである。マイナスドライバーを隙間にうちこんでCRCを吹き込んでみた。
その後不整路面を走らせると、リアサスからパキンカキンという音は消えてゴリゴリガサガサギシギシとものすごい音がした。どうやら2枚のリーフの固着がとれて摺動し始めたようである。このまま50kmほど走行してみたが異音はなかなか消えない。
そこで、リアシャーシをジャッキアップし、後車軸軸がシャーシから完全にぶら下がるようにし、さらにリーフ間をマイナスドライバーで叩いて十分開き、その間にスプレーグリスを大量に吹いたのが写真である。
その後100kmほど走ったところ、毎回走行開始時にズリズリキシキシ音が出るが、少し走ると消えるようになった。リーフスプリングは原理的に毎日ある程度の距離を走ってリーフを摺動させ続けないと異音が出るのである。
一方、乗り心地は格段に良くなった。もともと車重があるので乗り心地は悪くないが、ピッチングがやや不快だった。そのため、ランチョRSダンパーの調節ツマミを最強にセットしていたが、ホイールベースが短いのでピッチングは仕方がないものと諦めていた。
おそらく、距離が伸びるにつれて、リアのリーフの固着が部分的に取れてパキン、カキンと異音が出るようになったのだろう。その後いろいろ部位のチェックをしている間に固着がさらにとれて異音が出やすくなった、と考えると、これまでの現象の説明がつく。
そして、ピッチングが嘘のように軽くなった。今まではリーフスプリング同士が固着していてスプリングが堅い状態だったものが、スムーズに摺動するようになってバネ定数がさがり、ピッチングをある程度吸収するようになったのである。
もしあなたが、リアのリーフサスからの異音に悩んでいるなら、シャーシーをジャッキアップして後車軸を浮かせてリーフの間が開きやすくなったときにマイナスドライバー等をクサビとして固着をとり、その間にたっぷりグリーススプレーを吹けばよい。一旦固着がとれてリーフの間が開いたら、時々前輪の片方を段差に乗せてボディーを傾けてリアのリーフが開いた隙間にグリーススプレーを吹くといいだろう。
というわけで、JB470は絶好調である。近々、リーフスプリングのサビによる異音をを完全に取るために長旅に出ようと計画しているところだ。
Webmaeterは2019年9月からwinmax2+のモバイルルーターを使っている。それまでは、7GB契約のymobileスマホのテザリングを使っていた。
ルーターはHUAWEIのW05だが、これはキャッシュバックが\37000とW06より6000円高かったからである。確かにW06は最大1.2Gbpsを誇るが、4GLTE3本とWiMAX2+をCAとしてUSB接続した場合であり、WiMAX2+自体の性能はW05と同じである。何より4GLTEは1月に7Gbytesのしばりがあり3本のCAだと即座に上限を超えてしまう。そうするとWiMAX2+側も含め128kbpsが上限になってしまうので、あっても使えない機能である。
最初に使った時に、多くのWiMAX2+ルーターが見えてユーザーが多いことに驚いた。速度は都心の駅周辺の通勤時間でも最低数Mbpsは出るのでストレスはないが、旅先や観光地ではエリアの関係で4GLTEしか使えないこともがあったが、そのような状況では7GBを使いきったことはなかった。
しかしW05はコロナ禍でテレワークを使う家人に取られてしまった。これは我が家のJCOM(ケーブルTVと電話も)が普段のピーク速度は十分であるものの、夕方に速度低下でテレワークが切れてしまうことがあったからだ。
そこで契約したのが、
□怪しいクラウドSIMモバイルルーターのナゾ(期待を裏切ってまとも編)
のZeusu社クラウドSIMルーターであった。これは当初パケット上限無しであったが、例の「どんなときもWiFi」の通信障害後の行政指導で上限無しはなくなり、月40GBが2680円のコースとなった。
使い心地だが、電源ON後に仮の内部SIMからクラウドSIMに移行するのに30-40秒かかるが唯一の欠点であろうか。エリアはSOFTBANKの通信網につながることが多かったが、メインのAUスマホよりもエリアも速度も良好であった。長らくSOFTBAMKはエリアが劣るものと思い込んでいたが、現在はむしろAUのほうがエリアも速度も劣る印象がある。
自宅のJCOMはモデムを交換して貰ったが改善しなかったので、再度クレームを入れたところ、JCOMがこの地区で輻輳していることは認識しているので近くルーティングを変える予定なので様子を見て欲しいという。はたしてその後回線速度が改善したのでWiMAX2+ルーターが戻ってきたのである。
とするとWinMAx2+かZeusのどちらかが解約になるが、Zeusの契約には解約料が無いのでこちらを解約とした。Zeusルーターは速度エリアともに満足しておりクラウドSIMなる仕掛けも面白かったが、解約やむなしである。
再度WiMAX2+ルーターを持ち歩くことになったが、性能には不満はないものの世間では大容量ながら安価な格安SIMやルーターが増えてきて、多額のインセを貰ったものの一月4380円はちょっと高いかなという気がしてきた。
そこで楽天モバイルを契約し、機種は端末価格を大きく超えるキャッシュバックのあった富士通のArrowRXとした。高齢者を意識したランチャーになっているが、設定等をみる限り普通の端末である。過去富士通の端末はことごとく不具合をかかえていた不幸な歴史があるので納入価格も弱含みなのだろう。おそらくスマホ事業は赤字だと思う。
端末は最新のアルミ外装でiPHONEにも引けを取らない優美なものだが、ビルドを叩いて出てくる開発者用メニューにワイヤレスディスプレーイ認証があるものの、それを有効にするメニューが無いとか、価格に見合うように無理やり機能を削った形跡がある。画面は5.8インチ フルHD+とちょうど良い大きさで、Snapdragon 450の1.8GHzオクタコア+RAM3GBと控えめで発熱も少なく電池の持ちが良いので、ヘビーユーザーでなければ文句は出ないところか。
なお、楽天リンクというアプリがあり、これ経由の通話(IP電話?)とSMSは無料で、一度でも通話とSMSを使うと初期契約料3000円もペイバックされるという気前の良さである。ただし、楽天リンクは癖のあるアプリで、楽天端末以外では不具合が多いという。WebmasterのRXでもアプリ更新時のSMS認証ができず、端末を初期化する面倒があった。
楽天リンクの通話は遅延も中断もなく快適である。端末によってうまく動作しないところは、過去FUSIONと呼ばれその後楽天傘下でSmartalkとなったIP電話に近いものと推察している。もちろん単価が高い通常の音声電話も利用できるが、メールアドレスは特に供給されないところが既存キャリアと異なるところか。過去楽天メールを使っていたユーザーではそのまま使用できる。
さて、最初に自宅で電源を入れてアプリ楽天モバイルを見るとートナーのAU基地局につながっていることがわかった。AU回線では月5GBまでフルスピードでその後は1Mbpsに速度が落ちるが、それでもYoutubeやAmazonPrimeでも高解像度HDで無いかぎり問題は感じなかった。
Webmasterの仕事場は博多駅に近く、エリアマップに含まれているので楽天回線で動いているものと思っていたが違っていた。、ある日5GBytesを使い切りましたとの表示が出て、今までAU回線であったことに気づいた。
仕事場から博多駅に歩いていくと楽天の基地局が電波的に見えてきたが強度が-100dB以下とAUの-70から-80dBに比べ弱い。博多駅前広場でもすぐにAUに乗っ取られる始末で、いろいろなエリアで確認した結論として楽天発表のエリアはアリバイ的なものでまったくアテにならないことがわかった。
そこで、アプリ楽天モバイルのエリアクレーム能を使った所、楽天から返事が来て「ご指摘のように調査したところ博多駅付近では-100dB以下と弱いですが、近く改善する予定です」と言ってきたが、それから3ヶ月たっても改善していない。唯一安定して楽天を掴むのはAUの基地局が薄い海岸付近のみだった。しかし通常は強力なAUパートナー回線が使えるので、殆どのユーザーは気付いていないのかも知れない。
ただし、半ば強制的に楽天の基地局だけを掴む方法を確立できたので紹介したい。道具としてAndroidアプリのNetwork Cell Info Lightなどの基地局情報アプリを使うと便利である。手順は、
1)アプリ等で基地局の位置と方向を確認する。Webmasterの場合は博多駅西側に強力なAU基地局があり、博多駅東側に弱い楽天基地局があることがわかった。
2)金属製品(例えば本立とか)でAU基地局方向を遮蔽し、楽天基地局方向の見通しの良く回線強度の高いところに端末を置く。通常アンテナはスアホ頭部にあることが多いが、これもスマホを手で遮断して確認すると良い。
3)スマホ設定の、モバイル-ネットワーク選択の自動をはずし、検索されたリストでrakutenを選ぶ。なおメニューの場所はスマホによって異なる。
4)楽天基地局の電波強度が一番高いスマホの位置と向きを記録しておき、毎回そこに置く。
なお、4)から5)の操作をのんびりすると、迷入してきた強いAU基地局に乗っ取られてしまうので、素早く行う必要がある。
この手順で、-105dBの楽天基地局を安定して掴むことができたた。GoogleSpeedで回線速度を測ると、安定して数Mbps以上の速度がでる。AUパートナー回線を掴んでいるときは、月5GB制限を超えていれば1Mbpsしかでない。どちらを掴んでいるかは、アプリ楽天モバイルもしくはアプリ楽天LTE回線状況チェッカーでも確認できる。
ただし、電波強度は気候やビルと走行している自動車の反射等で変動するので、たまさかAUに乗っ取られていることがあるが、どのみち1Mbpsでも不満は無いので、時々点検する程度で十分だろう。
現時点では楽天モバイルは1年間無料で、キャッシュバックは3ヶ月後に楽天ポイントとし給付された。また、最初の事務料金3000も楽天リンクで会話とSMSをすることでキャッシュバックされたようである。
というわけで、楽天モバイルをメインのスマホにするのはどうかと思うが、AUパートナーエリアで使えるし最低でも上限無しの1Mbps接続は保証されているので、二台目スマホ兼モバイルルーターとしては悪くないと思う。何より契約して1年間は無料である。
なお、例の政府のスマホ価格抑制政策のあおりで、楽天モバイルも価格体系を4月より改訂した。それによれば、パケット1GBまでは無料、20GBまで1980円、それ以上無制限で2980円なので、使わない端末に課金されるペナルティーは無いに等しい。まあ、よほど神経質なユーザーでない限り使えないということは無いと思う。というわけで、WinMAX2+ルーターは解約となった。
思えば、このKV○の切換弁についての記載は、
□KVKの欠陥シャワー切換弁のナゾ20年版(ついに自前解決編)
さて、切換弁の原理については、前回と同じ図になるが、
のように、バネで隔てられた2つの弁がある。これが上下に移動し、片方だけが開いてカランとシャワーを切り替える構造になっている。
我が家においてもシャワー切り替え弁の使用回数は1日数回程度にすぎないのに早ければ2年程度で交換が必要となる。
台所にあり使用頻度が一番高い冷水温水MIX用のセラミック弁は今年で28年たっているが問題を起こしていない。古い規格なのでレバー上げで止水という仕様である。
洗面所にある冷水温水MIX用セラミック弁は15年ほどで不良となったが、まあ許容できる範囲である。この弁もセラミック部分の摩耗ではなく、セラミックを弁座におしつけるo-リングが摩耗したものであった。
前回は対策として2つの弁の距離を広げるために固定ネジに収縮チューブを噛ませてネジロック剤剤を使うことで解決した。
それから1年少々たったのだが、やはり弁の止水する範囲がやや狭くなってきた。まだ止水困難には至っていないが、過去はずした切換弁での修理シミュレーションでさらにベターな方法が見つかったので、今回は早めに対策する次第である。そもそも軸の回転で摩耗しやすい弁に細いリップを使うところが間違っていると思う。
今回は固定ネジの中にスペーサーを仕込んでネジを浮かすことで2つの弁の距離を広げる。それにはまず、ネジ込まれる部分の長さを測る必要がある。
8mmと出た。次にねじ込まれる部分の深さを測ると18mmと出た。ネジ込まれる部分が約10mmであるところを前回は熱収縮チューブを噛ませて1mmほど浮かしていた。
ならば、12mmのスペーサーを入れればネジ込まれる部分を2mm浮かすことができるハズだ。スペーサーの材料として真鍮製3mmのメッキネジの軸部分を使用した。真鍮なので電気腐食を避けらるし、柔らかいので削って調節も容易である。
少し削っては水栓にはめて調子を見る。最初はカランからもシャワーからも水が出ない止水域が非常に広く最大水量も少なくなるが、削って行くとちょうどよい雰囲気になった。今回は止水域をかなり広めとして4年間くらいは手直し不要を狙っている。
テストで良好なので、嫌気性ネジロック剤で固定して完成である。今回は各弁のシールと軸との間に高真空グレードのシリコングリースを塗布し滑りを良くしたので、軸の回転による弁の回転も抑えられ、弁リップの摩耗も遅くなる目算である。
完成して家人の意見を聞くと好評である。まずつまみを回すのが軽くなった。これはシリコングリースの効果であろう。また止水域が広めなので、神経をつかわなくても確実に止水できて良いとのことである。
同じ加工は各社のカランシャワー切換弁でも可能と思う。加工と丁寧なシリコングリースの塗布で、切換弁の寿命を10年以上、目標としては20年に伸ばすことが可能かも知れない。
切換弁不良は、温泉などの浴室でよく見かけるが、湯量が多い温泉では修理されていないことが多い。おそらく切換弁が高価な割に頻繁に消耗するので放置されているのだろう。今回紹介したスペーサーを使えば、水やお湯が無駄にならないだけでなく、弁の調節のフィーリングも格段に改善するので、ぜひ試していただきたいところである。
世界に遅れてやっとワクチンの医療従事者への接種が始まったところだが、それでも医療関係者400万人以上の1割にとどくかどうか、という対応の遅い日本である。
さて世界で先行するファイザーのワクチンの効き目についての報道では、プラセーボに比べ95%の予防効果があるとのことだった。しかし、Webmasterの周囲の疫学が専門を含め複数の医師のコンセンサスとしては、
95%という数字は信じがたい。通常、ワクチンの効果は長い歴史のなかでせいぜい60-70%と相場が決まっている
だった。その後、SARS-CoV-2 Vaccination ? An Ounce (Actually, Much Less) of Prevention, N Engl J Med 2020; 383:2677-2678, Eric J. Rubin, M.D., Ph.D., and Dan L. Longo, M.D.という、非常に短い論文が発表された。
問題は有効と判断した基準だが、原文では
「Confirmed Covid-19 was defined according to the Food and Drug Administration (FDA) criteria as the presence of at least one of the following symptoms: fever, new or increased cough, new or increased shortness of breath, chills, new or increased muscle pain, new loss of taste or smell, sore throat, diarrhea, or vomiting, combined with a respiratory specimen obtained during the symptomatic period or within 4 days before or after it that was positive for SARS-CoV-2 by nucleic acid amplification?based testing, either at the central laboratory or at a local testing facility (using a protocol-defined acceptable test).」
と書かれている。つまり、FDAのクライテリアの症状があったかどうかで感染の有無を判断しており、しかも症状は電子通信による申告で行われ、医師が逐一診察したわけでもない。
さらに、The Proportion of SARS-CoV-2 Infections That Are Asymptomatic A Systematic Reviewによると、COVIC-19ではPCR陽性でも無症状の患者が33%いるとのことである。
無症状のうちから他人にうつす可能性も指摘されていることから、症状のみの電子通信の申告で判断した有効率95%というのは、COVID-19のPCR検査陽性による判断では良くて60-70%程度と考えるべきであろう。
もうひとつの疑問が、ワクチン接種が先行しているイスラエルで感染者がどのくらい減ったか?である。イスラエルでは12月より積極的にワクチン接種がすすめられ、旭日新聞 接種率世界一のイスラエル 見えてきたワクチン後の世界によれば、人口約920万人のイスラエルではすでに4割を超える約440万人が1回の接種を終え、2回接種済みの人も300万人を超えた
なお、多くの報道ではイスラエル保健省は20日、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンについて、2回の接種による発症予防効果が95・8%に上った、という。それなら、随分イスラエルでは患者が減っていると考えるのが普通だ。
しかし、Johns Hopkins UniversityのデータによるGoogle発のリアルタイムデータでは、
正直、あまり減っていない。最近のピークの半分程度か。世界中のデータでは、
やはりピークの半分程度というデータの大差無いように見える。そして、日本のデータは
と、よっぽどピークより減っている。いろいろ議論があったが、ある同僚の医師の説によれば、
「Johns Hopkins Universityの言うイスラエルは、衛生状態が良くないイスラエル占領下のパレスチナを含むが、イスラエル政府の解析には含まれていないのではないか?」
ウイルス対策には各国ともナショナリズムむき出しなので、ありえない話ではないが、wikipediaによればガザ地区の人口は2013年で173万人だという。また2013年のイスラエル中央統計局によると総人口は802万人で、そのうちユダヤ人が604万人(75.3%)、アラブ人が166万人(20.7%)とある。
追加。その後のWHOのデータではイスラエルと占領下パレスチナは分離されていて、イスラエルの感染者数は激減しているが、パレスチナでは減少が遅れている。
しかし、なぜ接種率が現在5割を超えるとされるイスラエルでワクチンの効きがはっきり見えないのだろうか?
理由としては、もともとワクチンの効果の見積もりが過大で効果が累積するまで時間がかかっていると思われる。
もうひとつは、ワクチンが効きにくいE848k変異株が増えたという可能性もあるが、これも現時点ではE848k変異は世界的に20-30%なので可能性が低いが、今後は効いてくる可能性がある。さらにE484k以外の変異株もいろいろ出て来て、今後のワクチンの開発が追いつかなくなる可能性もある。
いずれにせよ、ワクチンの効果が出るには接種率が高くなってからある程度の時間がかかることは覚悟しなければいけない。そもそも日本では国民全体への接種がいつになるか不明だが、そのころにはワクチンが変異株のために時代遅れになっているかも知れない。
以上が、3月5日の参院予算委員会の政府新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長の、
「コロナ感染の年内の「終息」は見込めない。年内に人口の6、7割がワクチン接種を受けると仮定してもおそらく今年の冬までは感染が広がり、重症者も時々は出る」
という発言につながるのかも知れない。
もう20年位前であろうか、我が家ではQ&○ブランド(シチ○ン)製のダイバー風ウォッチがあり、これを風呂場の窓際においていた。順調に動いていたのだが、冬のある日から動作しなくなった。
この手のウォッチは動作しなくなったときに日なたに2,3日置いておけば復活するのだが、さすがに20年近く働いていて電池が劣化したのであろう、わずか1時間程度で止まってしまった。しかし風呂に時計が無いのは不便なので、適当なボタン電池を入れて動作させようと考えた。
以下の記載には危険があり、漏液や爆発等などでケガをする可能性があるので自己責任で読んでください。
さて分解すると、ボタン状の電池が転がり出てきた。不思議なことに普通の電子ウォッチと異なり、電池が電極で固定されていない。
電池には金メッキの端子が溶接してあり、それが微妙に奥まった電極にタッチするようにできている。
これは、おそらくいわゆるバカ避けとして、素人が適当なボタン電池をつっこんで、それが充電で爆発や漏液する事故を防ぐためであろうと思われる。調べると同じ電池でもシ○ズン社用だけで端子が3種類あり、さらにセ○コーやカ○オでもそれぞれ数種類あるようだ。
電池を見るとPanasonic MT920と書いてある。調べると、補修用の電池はamazonで2000円前後で販売されていることがわかった。しかし、そもそもこのダイバー風ウォッチは3000円ほどだったと記憶しているので、2000円出して交換するのはコスパが悪い。
さらに調べていくとMT920はチタンリチウム電池で特にサイクル寿命が良好らしい。当初ソーラーウォッチには 電気二重層コンデンサが使用されていたが、多機能でより長期の動作のためにより容量の大きいチタンリチウム電池が使用されるようになったという。
パナソニックのMT920サイトによると、
とある。データシートの放電特性をみると、定格消費で5日程度の容量である。
しかし手元の電池の電圧を測ると0.88Vしかない。針状結晶による短絡は無いが、光量不足のまま長らく放置されていたため極板が不活化しかけている状態であろう。ソーラー充電で回復しないなら直接充電してはどうか?
まずは安全を見て1/20Cでまず10時間充電ではどうだろうか。1/20Cとは0.25mAとなるので、通常の1.5Vの電池で0.88Vから公称電圧1.5Vまで充電するには3.3kΩを介して10時間で1/2C程度まで充電するのが無難であろう。
確かに、それが無難であろうが、ソーラーで回復しない程度に電極が不活化しかけているとすれば1/20Cでは回復しない可能性もある。とすれば、ショック療法としてごく短時間、(0.5秒)1.5Vにタッチさせてみるのも手では無いか?
というわけで、0.5秒ほどタッチさせると電圧は1.2V以上になっていた。どうやら不活化を脱したようで、さらに3時間充電することにした。
その後耐久試験を行った所4日ほどで2秒毎の運針になる程度まで回復したので、充電は成功したようである。
ところで風呂にはこの時計が不動になった後にカシオの防水時計が設置されていて、この時計の出番がなくなってしまった。いろいろ考えたあげく、アドレスV125のハンドルに設置するのが適当だと考えた。ここなら日光に当たる時間が長いので、さらに10年ほど長生きするのでは無いかと考えたのである。
というわけで、この時計は第二の運命を刻み始めてすでに2ヶ月経過観察したが、今のところ正常に動作している。
老婆心ながら、ショック療養は、あくまでも充電に反応しない場合にのみ0.5秒以下でトライすべきであり、それによる漏液、爆発などのリスクは当サイトはいっさい関知しないので、そのつもりで。
以前、Webmasterはエアコンプレッサーを持っていた。各種エアツールだけでなく、清掃、塗装、サンドブラストとかいろいろ使えるのではないか、ということで実用最低レベルの2PSのものを所有していた。
しかし、タンクの上にメカメカしいモーターとコンプレッサーが並んでいて図体と作動音が大きいことが不人気だった。特にエアインパクトがうるさいとのことで、かわりに電動インパクトを入手して利用度が減ったところ、使用頻度が低いなら邪魔なので処分できないかとの意見に抗えなかったのである。その後は、パンク修理用の携帯コンプレッサーしかなく鬱憤が溜まっていた。
そこでふと思ったのは、いかにもコンプレッサーというデザインでなく、かわいくメカメカしくないデザインのベビコンなら目を欺けるのではないか?エアツールを使用しないなら1PS以下でもいいのではないか、という作戦である。
そこでいろいろなサイトを漁るが、やはりコンプレッサーは基本的に男子が扱うものなのか、いかにもメカメカしいデザインものが多い。そのなかに古い型の日立製で中古不動品ながら金属部品が一切露出しておらず、コードも格納可能なおとなしそうなデザインの代物(エアパンチPA400)があったので入手した。
あとで気がついたのだが、このエアパンチPA400は1989年にグッドデザイン賞を撮っていた。一見してメカメカしくない点が評価されたのであろう。写真はサイトからのリンク
それは電源を入れるとコンプレッサーは動作するものの、いろいろなところから空気が漏れて圧力が上がらず停止しない。まずレギュレーター付近から漏れていて、さらにオイルレスコンプレッサーのクランク側からも漏れているようだ。
まずコンプレッサーを分解した。実はオイルレスと書いてあってもそれは嘘で、シリコンオイルが使われていて、金属製ピストンリングにテフロン樹脂製リングが併用されているだけで、それ以外は普通のコンプレッサーとは大差ない。使用時間は非常に短かったようで写真のように内部の部品に汚れは皆無だった。
コンプレッサーの漏れは腰上を分解して少量のシリコンオイルを補充するだけで止まった。整備の手順自体はエンジンと同様で、液体ガスケットもエンジン用のものを使った。
次はレギュレーターであるが、エアは底と圧力調節つまみ付近の2箇所から漏れていた。早速分解すると底はコンプレッサーからやってくる空気室のOリングがオイルで溶けていた。これを手持ちのものと交換すると底からの漏れはなくなり、レギュレーターを低圧にセットすれば圧力センサーが働いて自動停止するようになった。もう一歩である。
レギュレーターの構造と動作原理については、下の下手な絵を見てほしい。
レギュレーターの底側ではバネで弁が下から押し上げられて閉じている。この弁は、上側にあるピストンの中心の棒で下に押されることで開くようになっており、そのピストンは上からバネで抑えられていて、そのプリロードは上の圧力設定つまみのネジで調節できるようになっている。
まず、上の圧力設定を最低にすると、上のピストンの軸が下の弁を押し下げる力がなくなり、下の部屋の弁はコンプレッサーからの圧力で上方に押し付けられて閉じたままとなり、やがてタンクの圧力が上がるとセンサーによりコンプレッサーは自動的に停止する。
次に上の調節つまみを締め込んでいく(圧力を上げる設定にする)と、それがバネを介して中央のピストンを下方に押し、ピストン中央の棒が下の部屋の弁を押して開く。上の部屋の圧力が次第に上がるとピストンが圧力調節のバネに逆らって上方に移動し、所定の圧力になると下の弁は閉じる。
そういった仕掛けで出力の圧力が一定に調節できるのである。いわゆるレギュレータと呼ばれるものはどれも原理はここ100年かわっておらず、ピストンかダイアフラムが使われている程度の違いである。高圧の用途では小さなピストンで十分な調節力が発生するが、低圧の用途では動作のために面積の大きなピストンが必要となるので、かわりに傘のような大きなダイアフラムが使われるのである。
よく見ると、上の部屋のピストン周囲のOリングが溶けてエアが漏れていた。同じサイズのOリングがあったので、交換したところレギュレーターは正しく作動するようになった。
しかし樹脂製のピストンを見るとクラックが入りかけていた。おそらくレギュレーターの調節圧が高い設定で放置されていたため、上から強いバネで長時間押されていたからだろう。
とすれば、レギュレーターを交換が必要かも知れない。いろいろなショップを漁ると、似たサイズの中華製と思われるレギュレーターは廉価で各種売られているが、付け替えると目立たないコンプレッサーの筐体の圧力メーターの窓と、コネクタの穴の位置が合わなくなり、樹脂部を加工しなければならない。
そこでさらにピストンを見た所、両側は凹になっていて、ここに適当な樹脂を盛って補強することでクラックの進行は食い止められる雰囲気である。
そのためには、クラックに入った油分を取り除く必要があるだろう。これは適当な密閉容器にピストンとエタノールを入れ、減圧、加圧を繰り返すことで洗うことができる。
細かいクラックを修復するには表面張力が低く隙間に浸透しやすいアロンアルファの類が良いのではないか?ということで、ピストン上下両側の凹部にアロンアルファを盛っては硬化をまち、再度盛って硬化を待つ作業を繰り返した。アロンアルファの類は水分で硬化するため、このような正しくない使い方では硬化に長時間を要するようである。
というわけで、コンプレッサーは完動となった。このコンプレッサーはコードも内部に格納可能で、立て掛けて置くとトランクに見えて目立たないのである。重量的にも持ち運びしやすく、現時点では特に処分の圧力に接しておらずコンプライアンスが良好である。
というわけで、コンプレッサを再度自宅に持ち込むには相当な神経を使ったのである。
機械いじりの好きな男子(最近では女子もいるだろうが)は、エアツール、特に緩みにくいボルトをマシンガン的な音と振動で容易に緩めるインパクトのパワーは快感かも知れないが、善良な市民にとっては騒音を発生する迷惑な道具と認識される可能性があり、その場合はコンプレッサーも騒音を発生する迷惑な一味として厳しい視線にさらされるのである。
友人からファンヒーターが使えないというSOSがあった。
聞けば、フレームロッドのシリコン付着による結晶化現象のようである。これには、バーナーを分解して白化したフレームロッドの表面をヤスリでゴリゴリと削り取る必要があるが、分解と修理には骨が折れる。
そこで、Webmsterが以前報告した、
□暖房機器のアキレス腱、フレームロッドの風水クリーンアップ術
を紹介したところトラブルは氷解したようである。
さて、フレームロッドのシリコンによるの白化がなぜ起こるか、である。
シリコン(正確にはシリコーンだが)は、シャンプー、リンスを始め、ツヤがよくなる家庭内洗剤などの大量に含まれている。シャンプー等にはメチコンやジメチコン等のわざと?わかりにくい表示がされていることが多い。
これらが揮発して高温のフレームロッドに触れてガラス質のSiO2となって表面に付着して肉眼的には白く粉を吹いたように見える。ファンヒーター等は炎が導電性であることを利用して換気不良や立ち消えを検知しているが、SiO2(石英や水晶と同じもの)は良質の絶縁体なので、導電を妨げて不具合となる。
特に日本では過去清掃不慮や換気不能による一酸化炭素中毒が多発したために、ファンヒーターの着火不良や立ち消えの判断が厳し目になっているのだ。通常は低出力時の立ち消えや着火不良からはじまることが多い。
そこで、フレームロッドの風水クリーンアップ術である。これは、ガラス質のSiO2と、フレームロッドのタングステン合金の熱膨張率の差を利用している。フレームロッドが赤熱時に水をかけると熱膨張率のちがいからガラス質にヒビが入り、それが突沸する圧力で四散して剥げるのである。もうヤスリでゴリゴリするのは時代遅れなのだ。
説明については前回と同様だが、一部補記している
□ガスファンヒーター故障のナゾ(フィルターを掃除しましょう)
で紹介したように、ガスレンジと同様の熱電対を使ったものがあるので注意が必要である。
VENDEE GLOBE2020の行方は混沌を極めている。前回のVENDEE GLOBE2020では、Armel Le Cleac'hが2位のAlex THOMPSONに16時間の差をつけて、また3位のJeremie Beyouに4日の差をつけて優勝したのに比べ、トップのCharlie DALINのAPIVIAから9位のJean LE CAMのYes We Cam!までが距離273nmの間にひしめいているからである。
IMOCA60は1日に軽く300nm以上を走るので、相当な接戦になる。ちなみにnmは時速1kt(ノット)の船が1時間に走る距離である。さらに、ゴールのVENDEEまでには貿易風の間に無風となる高気圧が複数存在するので、タイミングによっては大きく順位が入れ替わる可能性がある。
その中で上位3位のグループを形成しているのが、いずれもフォイル挺であるCharlie DALINのAPIVIA、Louis BURTONのBUREAU VALLEE 2 そしてBoris HERRMANNのSEAEXPLORER-YACHT CLUB DE MONACOである。フォイル艇はうねりが少なく風が強いときに威力を発揮する。
注目はBoris HERRMANNで、彼の船は上位のフォイル艇よりさらに毎時2,3kt早いのである。これについては、Boris本人が語っている。
彼の船は参加した艇のなかで最大規模のフォイルを装備している。また船の重量も Alex THOMPSOMのHUGOBOSSの7.5トンの次に軽い7.6トンと戦闘力が高いのである。フォイルに関してはCharlie DALINのAPIVIAもほぼ同じものを装備しているが重量が8トンと重い。また彼のポートサイドフォイルは南インド洋でUFOとの衝突で障害を受けたとされている。
もう一つは、Borisは南氷洋の荒い海で船の高速性を故意に押さえていて、多くの場面でIsabelle JOSCHKEのMACSFより低速だった。彼はおそらくALexの船の強度問題や、Kevin ESCOFFIERのPRBの沈没事件から、荒い南氷洋で船にストレスをかけないように抑えていたようである。
殆どの艇にはマストの荷重を測るストレインゲージがあり、Borisはその数字をみて船にストレスがかからないように注意していたと言っていた。
Borisには外野から(今は船までネットで意見が飛んで来る)なんでもとプッシュしないのかと言われていたそうだが、ぐっと我慢していたのだろう。そして大西洋のうねりが少ない局面で最大速度を発揮してのである。
もう一つ、Borisはジブ(マストの前の三角形のセイル)のJ1.5サイズを用意していると、チームメンバーであるWILL HARRISが語っていた。J1.5というのが謎なのだが、J1とJ2の中間のサイズの帆を用意しているとのことである。
ルール2020では9枚までのセイルを持参可能である。そのうち1枚はメインセールなので、いわゆるジブの類を8枚持っていることになる。セールのサイズと種類については、Sails explained to the general public by Yann Eliesを参照されたい。下の図はそちらからのリンクである。
その前に、VENDEE GLOBEに出る船のセールには過去の常識がまったく通用しないので、説明しておきたい。まずメインセールが3角形でない。普通のヨットのメインセールが3角形な理由は、マストの先端ほど船をヒールさせる(傾ける)モーメントが大きいので先端ほどセールが小さくなるからだ。
しかし、最新の船には傾きを抑えるカントキールが装備されているので、より効率が良いアスペクト比の大きなメインセールを使うのである。なお、翼断面を保つために強力なバテンが前後スパンの全体に入っている。バテンとは、セールが風をはらむとドーム状になるが、その前方の膨らみが大きい翼断面に近づけるために通常は後方のみに入れるFRP製の板である。
メインセールには途中に鳩目がありここにシートを通すことで、帆を3段階小さく(リーフ)することができる。風速が30ktを超える荒天では、リーフを3段目と最小にし、J3ステーに蛍光色のストームジブを上げるのが通常である。さらに風速があがると教科書的にはセールをすべて下ろし、バウからシーアンカーを流して船を風に立てて凌ぐが、高性能なレーサーではマストだけでも断面が長円形のために風上に走ると言う。
ジブは、通常舳先(バウ)からマストまでの長さのものを100%ないしJ0と呼び、それからJ1,J2,J3と小さくなっていく。J0より大きいものを通常はジェノアと呼ぶが、さらに大きくジェノアとスピネーカーの中間サイズのものをジェネーカー(GK、ジェノア+スピネーカーの略、もしくはコード0とも呼ぶ)を積んでいる。さらに通常のものと異なる左右非対称のスピネーカーを積んでいて、これは先端(タック)をバウの出っ張り(バウスプリット)に固定し、従来のリフト用のスピンポールは使わない。
昔の船や470クラスのスピネーカーは左右対称で、下端(フット)の片方端をスピンポールで支持しつつきれいにドーム状に膨らむように左右端をロープをコントロールするために1名のクルーを必要とする。スピンの展開とコントロール、そして上手に仕舞込むには腕がいので、Webmasterの船では40年間に数回レースでしか使ったことが無い。
IMOCA60ではジェノアのようにラフは最前端に固定された状態で使うが、限られた状況でしか使われず、1度も使われずに終わる船もあるという。それは、風や進路の乱れでスピネーカーがマストやステーに絡みつくトラブル(提灯と言われる)になると厄介だからである。スピネーカーのかわりジェネカーが多用され、これは風向が240度と広い範囲で有効につかえる。
古典的には追い風(ランニング)ではジブとメインをマストの両側に展開して走っていた。通常は風下と船の進路の角度の半分にセールを出すというのがセオリーだったので、船を遠くからみても風に対してどの方向に走っているか解ったのである。同時に、スキッパーが上手か素人かも遠くからひと目でわかるところが怖いところである。
Webmasterは素人を乗せるときは、メインセールを上げずにジェノア1枚で走らせていたた。これで概ね270度の範囲で走れるし、突風時にはシートを手放せばいいので、素人に操船させても安全だからだ。メインセールにレイジージャックが無く、リーフまで毎回毎回艤装する必要があり疲れるからである。陸に上がって、ジェノアだけでも結構走るんですね、と他のスキッパーから言われ赤面である。操船の手抜きは結構遠くからもバレるのである。
しかし現在のレーサーでは追い風でもランニングとせず、あえて僅かに角度をつけるクオーターリーに近い走り方とする。それは、メインとジェネカーの翼断面効果で発生する揚力を推進力として風速より早く走れるからである。ヨットは揚力を使って風上に走るが、それと同じことは追い風でも起こるのである。
通常ランニングでは波と同じ方向にほぼ同じ速さで走るので周囲に波濤を感じないのが普通だが、風速より早く走るレーサーでは風下であるはずの前から強い風があたり絶えず波浪が飛んでくる。追い風ながら向かい風のクローズドホールドに近い状態になるので、ジブとメインも閉じ気味になる。アビーム(風に直角)の時も、船の速度が出るので見かけの風向きは上がりに近くなり、これまたセールは閉じ気味にになる。
つまり、風速より早く走る最新のレーサーでは、常にジブもメインもほぼすべての風向きで閉じ気味のままとなるので、セールを見ただけではどちらに走っているかわからないのである。左右にセールを広く展開するのは、完全な無風の時だけである。しかしセールを閉じて走るということは予想しない方向から突風が吹くとブローチングする危険もある。
追い風で方向を変えることを通常ジャイブと呼び、VENDEE GLOBEの解説でもジャイブと説明されているが、風速より早く走る場合の方向変換は向かい風に走るときと同じタック操作(舵を切る方向が逆)となる。このように、多くの点で古典的ヨット操縦の常識が通じないのである。
マストのトップからは前方のバウスプリット(舳先から出たところ)にステーがあり、トップから舳先へJ1用のフォアステー、次にマストのトップから少し下がったところ(フラクショナル)にJ2用とJ3用と4本ステーがあり、その中でJ2が一番多用される。J2は翼断面を強化するために、ジブながらフルスパンの細いバテンが入っていることが特徴だ。
なおジェネカー等やJ1を使うときにはJ3を併用して、ジブとメインセールの間のスロット効果を強化することもできる。船によって違うが、通常J2のステーは組み込み式のファーラーがついていて、マストを前方に支持するために固定されている。バウスプリットにつくセールとJ1とJ3はセール一体のファーラーが付くことがある。
話が長くなったが、おそらくBorisの船にはJ2より大きいJ1.5相当のセールを上げることでさらに2kt稼ぐ仕掛けになっているらしい。
しかし、もともとVENDEE GLOBEはフランスのレースであり、他国のスキッパーはお客さん扱いである。歴史上仏独関係は複雑で、万が一にもドイツ人のBorisが優勝すると、それなりの騒ぎとなるかも知れない。今回はイギリス人であるAlexが優勝したら一騒動あるかもとか言われていた。
なお、Borisは環境活動家で有名なグレタ・トゥーンベリが国連に出席するために英国から米国まで航海したMalizia_IIのスキッパーだった。
私は彼女が提唱する飛び恥(フライトシェイム)を否定しないし、実際コロナ禍で航空機需要は激減して地球の大気汚染が5%改善したことも否定しない。
Malizia_IIは Vendee Globe2016でSebastien Josseが使ったがリタイヤしたMalizia Gitana16を修復し、ソーラーパネル等の環境装備を追加したもので、建造費は数億円でスポンサーは仏の財閥Edmond de Rothschild Groupであった。このプロジェクトのために多くの人間が飛行機で往復したために批判されたこともあった。
あまり報道されていないが、Borisの船SEAEXPLORER-YACHT CLUB DE MONACOはまさにこのMalizia_IIのフォイルを拡大強化したそのものである。この船についてあまり広報されていないのはそういう経緯があるからかも知れない。それと、下記でWebmasterはこのGitana16を紹介していた。
□アメリカズカップAC45Fの艤装のナゾ
このGitana16こそが魔界転生して、今回のSEAEXPLORER-YACHT CLUB DE MONACOになったのである。何という奇遇であろうか。
動画ではスキッパーは疲労と寝不足で老け込んでいるが、Borisはどんな状況でも端正な装いのイケメンでドイツを始め欧州で大人気らしい。フランス語や英語もわかりやすく、抽象的な話が多い仏人と違って話は具体的でわかりやすいし、動画も工夫されていて面白い。
彼の船ではラインやシート(ロープ類)は常にきれいに整理されていて、これは独仏系ハーフのIsabelle JOSCHKEも同様である。英国人のAlexも整理整頓が上手で、仏系伊系には乱雑なままなスキッパーがいるのと対照的である、
Borisが優勝する可能性もかなりでてきたが、今後気象の具合で運悪く高気圧の無風帯に捕まり停滞するかもしれないし、また大西洋名物のUFO(正体不明浮遊物、多くは流出したブイやコンテナ)に当たる可能性もある。実際この船はVendee Globe2016でUFOに衝突して船体やフォイルを損傷しリタイヤした履歴がある。
このように、VENDEE GLOBEには不確定要素が多いが、今回は多数の船が非常に短い間隔で決勝ラインをくぐることは確かである。
さて、Webmasterも長年クルーザーを走らせてきたが、帆走に関する知識は古典的なままであったものが、VENDEE GLOBE2を見ると、船や艤装の進歩に何枚も目からウロコの状態である。特にセールをどうトリムしているかは、非常に興味がある。
思えば、40年間もヨットハーバーに通っていたものの、周りの船にはジブファーラーやオートパイロットが装備されるようになっていることに長年気付いていなかった。船関係の雑誌も長年読んでなかったのである。
ダクロン製のジブは毎回フォアステーにハンクスで止めていたし、オートパイロットが無いので進路維持のためにラダーをゴムひもではさんで走っていたが、ウィンドベーンなるものは知っていた。まさにディンギーと同じ感覚で古風で煩雑な操作をしながら長年クルーザーを走らせていたwebmasterにとって、最新鋭の装備群には隔世の感がある。
WebmasterのJB470には3WAY冷蔵庫がついている。これは吸収式冷蔵庫と呼ばれるもので、熱源によって冷却する仕組みである。熱源はAC100VやDC12Vの電熱ヒーター以外に、カセットガスも使うことができる。キャンピングカーでは常に電源の確保が重要だが、カセットガス1本で24時間冷蔵庫を作動可能なので便利である。
吸収式冷蔵庫は冷却を始めるのに若干時間を要するので、電動コンプレッサー式のクーリングアシストがついているから、実際には4wayと呼ぶのが正しいかもしれない。
キャンピングカー用の吸収冷蔵庫の電気ヒーターはおおむね50-70Wだが、ガス使用のときは通常のガス湯沸かし器の口火程度の炎で十分なのである。
ガスを使うときには、まずガス栓を開け、点火装置をONにすると間欠的にパチパチと放電音がして点火される。この状態でガス栓を押したまま開にすると熱電対の働きで電磁弁が開に維持される。ガスがなくなり消火すると自動的に電磁弁が閉じてガスが遮断され、点火装置がのパチパチ音が持続するのでガス切れがわかるようになっている。
吸収式冷蔵庫は未使用で長時間放置すると効きが悪くなる。これは冷却に使うアンモニアの針状の結晶がエバポレーターに詰まるからで、その場合は本体を逆にして数日置くと水溶液で結晶が溶解して機能が回復する、という面白い修理法がある。Webmaseterの冷蔵庫も最初は効き目が悪かったが、使っている内に結晶がとけたのか効き目が回復している。
吸収式冷蔵庫は欧州の家電大手のELECTROLUXが戦前から販売して来たが、現在は部門が分割されDOMETIC社から供給されている。米国では現在もELECTROLUXブランドで大小の製品がキャンピングカーやトレーラーハウス用に販売されていていて、日本では現在もイワタニブランドから販売されている。欧米ではLPGの補給は法規的には容易に行えるようである。
日本ではLPGボンベの扱いに厳しい制限があるため、最近のキャンピングカーでは超小型の電動コンプレッサーを使用した冷蔵庫が主流になっている。Webmasterの車にはカセットガスを2本セットする仕掛けがあるので4way冷蔵庫が延命している。カセットガスは100均ショップでも売っているので、災害時のサバイバル用に吸収型冷蔵庫を1台欲しいと思ってたいたが、最近は電動コンプレッサー製品への更新が一段落したのか、出品が減っていた。
そんな中でオークションでDOMETICブランドのホテル用の吸収式冷蔵庫のジャンクが出品されていた。吸収式はコンプレッサーの振動や騒音が無いので、ドイツのDOMETIC社の冷蔵庫がホテル等で結構使われている。ジャンクはく欧州製品にありがちな電子制御回路の故障によるものだろうが、冷凍機自体には可動部分が無いので、配管が錆びてガス漏れしないかぎり修理可能であろう。
結局1600円で落札することができたが、送料はその倍程度かかった。
さて到着した冷蔵庫を電源につなぐと、室内灯が点滅したままで動作しない。制御回路はサーミスタによる温度調整と霜取りヒータを制御しているようだが、マイコンの初期自己診断で止まる様子だった。肝心のヒーターの抵抗は155オームと断線してなかったので、直接100Vにつなぐと動作することが解った。
実はWebmasterは冷却機には若干の興味があり、過去、
や、キャンピングカー用変造エアコンシリーズ、
□過熱で落ちる除湿器変造エアコンの鍛錬のナソ(電流センサー封印編)
など、コンプレッサー式のクーラーや冷蔵庫の変造も手掛けている。
基本的には冷却回路が動作していれば、温度制御は機械式あるいは電子式のサーモスタットで簡単に修理できる。自動霜取り機能は必須ではない。
回路を見ると、マイコンでヒーターをMOSでオンオフする仕掛けで、黒く四角い部品はリレーかと思ったが電源トランスであった。これで電子回路と庫内照明のLEDを駆動していた。
問題はコネクターの品質が非常に悪く、機械的にもグラグラと不安定で、接点の出来もひどいものである。おそらく故障は度々の接触不良によるものでは無いかと思う。欧州製は家電にしても自動車にしてもコネクター類の品質が日本製に比べ悲惨なほど悪く早々に故障する。修理してもそのうちに再度故障するであろうから、抜本的に変造することとした。
作業だが、まず庫内のサーミスターやLEDランプの配線を撤去する。
手持ちの機械式サーモスタットのガスチューブを室内に設置する。配線はAC100Vから一つは3Aヒューズを経由して、もう一つは機械式サーモスタットを経由してヒーターに接続するだけである。温度ヒューズの類が見当たらないが、ヒーター自体に組み込まれている様子である。
完成像である。機械式サーモスタットは底部のヒーター付近にあり、そこから配管が伸びて、右上の白いグロメットから庫内に入り庫内の壁に仮固定した感知チューブにつながっている。対比のために、中央付近に元の制御回路基盤が置いてある。庫内の冷却板が汗を書いているのがみえるだろうか。飲物はふるさと納税由来で、あとは酒のつまみとして冷奴用の豆腐と納豆である。
冷却回路だが、右のアルミパイプの中に断熱材に巻かれたボイラーがあり、底部にヒーターがある。ボイラーのアンモニア水溶液が加熱されてアンモニアが気化しボイラーを上昇して上部のコンデンサーへ向う。上昇するガスのポンプ作用で持ち上げられた水溶液が途中(全高の2/3の高さ)から底部に向かい二重管でボイラーに向う水溶液を予熱をするところがELECTROLUX社の工夫らしい。その後に水溶液はサイホンを上昇し、螺旋状の吸収パイプに入り、アンモニアガスを吸収しながら底部の吸収タンクに落下する。
ボイラーを出たアンモニアガスは上部のコンデンサーで凝縮して液体になり、庫内のエバポレーターで庫内の熱を奪いガスに戻る。ガスはその下の螺旋状の吸収パイプで水溶液に溶解しながら吸収タンクに戻る。なお、吸収パイプとタンクからエバポレーターの入り口まで送られる水素ガスが液化したアンモニアをエバポレーターに円滑に流す仕掛けがELECTROLUX社のもう一つの工夫らしい。
配管の構造や形状、分岐の位置や傾き等には多くのノウハウがあるようで、多くの競争業者は製造をやめ、いろいろなブランドで売られている吸収型冷蔵庫の大半はDOMETIC社からのOEMのようである。
吸収式冷却サイクルの構造を考えた時に、もっともこれに近い構造の機構といえば、それは、あのアインシュタインも機構を解明できなかったという水を飲む平和鳥であることを思い出した。水を飲む平和鳥は2つの大小球体とそれを結ぶ管からできていて、大きい球の中では管が底まで降りている。小さい球の表面にはフェルトがコーティングされていて浸された水を含むようになっている。
2つの球と管の中にはエーテルが入っている。管の中央に支点があるが、大きい球(鳥の胴体)の方が大きく重いので下に下がっている。その球の中のエーテルは大気の熱で気化し、その圧力で液体のエーテルが管を通じて小さい球に上がっていく。小さい球の表面は水で濡れているのでその気化熱で冷やされて中のエーテルは液化するので小さな球に液体エーテルが移動して重くなる。
そうすると小さな球が下がり管がほぼ水平になり、小さな球の一部が水に浸る。それと同時に、管の上半分を通って大きな球の中のエーテル気体が小さな球の中に流れ込み、そのため小さな球の液体エーテルが管の下半分を流れて大きな球に戻る。再び大きな球が重くなり下がるのである。
要するに、大きな球である鳥の胴体は周りの熱を吸って中のエーテルが気化し、小さな球である頭は水の気化熱で熱を放出してエーテル気体が液化するのである。つまり胴体は周囲の熱を奪うのでエバポレーターであり、頭は周囲に出した熱が気化熱で冷やされるのでコンデンサーなのである。
エアコンには冷媒を液化し循環させるのにコンプレッサが必要だが、水を飲む平和鳥はお辞儀をした時に胴体で気化したエーテルを頭に送り、頭で液化したエーテルを胴体に戻すことで、循環のためのコンプレッサーが不要なのである。つまり、2つの球に一本しか管が無いが、傾いていた管が水平に戻ることでエーテルが循環するのである。
仮に巨大な水を飲む平和鳥を作れば、往復動作で若干の発電をさせることは可能かも知れない。あるいは巨大な平和鳥の胴体を部屋にいれ、壁に設置した支点より頭を部屋の外に出して頭が濡れるように水桶を用意すれば、平和鳥はヒートポンプとして働いて、部屋を冷房することができるはずである。
吸収型冷蔵庫は基本的にはアンモニアを水から気化させ、また水に吸収させるという、アンモニアの回転をボイラー部分のポンプ作用で行っているわけで、その意味では水を飲む平和鳥に近いのである。
ところで、アインシュタインが水を飲む平和鳥のメカニズムがわからず苦悩しているのを見て、弟子は「なら分解してみましょう」と言ったとか。しかし、アインシュタインは「分解してしまったら科学でない」、と言って拒否したと伝わっている。
ヒーターはサーモスタットによって摂氏5度以上で動作し、摂氏3度で停止するように調節した。この手の装置は動作に適度なヒステリシスがあり、電子式はそれをシミュレートできるようになっているのが面白い。
なお、現在はAC100Vで動作しているが、必要があればDC12V仕様への改造も簡単だ。例えば50W1オームのメタルクラッド抵抗を2〜3個シリーズにしてボイラーのパイプに固定すればいいのである。吸収式冷蔵庫は最新のコンプレッサー式より効率は劣るが、音や振動が無く、熱源を選ばないので例えば太陽光温水器などと組み合わせて動作させることもできる。
冷蔵庫が動作しているかどうかは、後ろに手を伸ばしてコンデンサーが熱いかどうかで確認できる。音もなく動作する裏のパイプ臓物メカニズムが実に不思議であり、これに比べるとコンプレッサー式の冷蔵庫が知恵が足らない原始的な俗物に思えるようになったが、これが認識の変容というものだろうか。
あけましておめでとうございます
さて、単独無寄港の世界一周レースVendee Globe2020は、先行する船たちがケープ岬を回って南大西洋に戻ってきたところである。
さて、状況は前回予想
□Vendee Globe2020世界一周レースに見る最新外洋レース艇のナゾ
現時点(1月8日)ではフォイル艇(水中翼付き)が10位以内に6隻、ダガーボード艇(ノンフォイラー)が4隻と、ダガーボード船が予想以上の成績である。こうなった最大の理由は、高速のフォイル艇での船体強度に対する不安からではないかとWebmasterは想像している。そのせいか、フォイル挺はうねりのある海面ではどれも20ノット以上の高速を避けているからだ。
リタイヤには様々な原因があるものの、リタイアした7隻がすべてフォイル艇であることが、その高速性が船体および様々なパーツに対して大きなストレスとなっている可能性がある。
1)フォイル艇の船体強度の不安。
象徴的なのは、最速を誇るAlex THOMSONのHUGO BOSSで、1位で航海していたが、喜望峰付近で船体前部の縦の構造材にヒビがみつかり補修し、その後ラダーの損傷でリタイヤとなった。Alexはそれまで20ノットを超える速度を多用していたために、船体強度に問題が出たのであろう。
もうひとつが、Kevin ESCOFFIERのPRBである。PRBはVincent RiouがVendee Globe 2012で使用した船で、フォイルを付加するなど近代化改装されているが、悪天候下の喜望峰付近で3位で航海していたが船体が2つに折れて沈没した。幸い、スキッパー達の連携で、Jean LE CAMのYes We Cam!に救助された。
実はベテランであるJean LE CAMはVendee Globe 2008でホーン岬の前で転覆したところをVincent Riou のPRBに救助された経験があり、今回はそれが逆となったのである。なんという奇遇であろうか。
なお、Kevin ESCOFFIERはPRBチームのヨット設計士だったので船体強度については十分対策されていたと考えられるが、それでも船体に想定を超えるストレスがかかったのであろう。
2)UFO(正体不明の浮遊物)との衝突による船体損傷
今回もUFO問題は多数発生している。
Sebastien SIMONのARKEA PAPRECは、4位で航行中に右フォイルをUFOがヒットし、フォイルケースが破損して浸水した。ルール上フォイルのケースは破損しても船室に浸水しないように隔壁があるが、今回はその隔壁までが損傷し浸水したためにリタイヤとなった。この船は最新の設計のため、上位入賞が期待されていた。
その次が、Sam DAVIESのINITIATIVES-COEURで、UFOがキールにヒットしたため、キールケースの水密隔壁にヒビが入ってリタイヤとなった。幸い彼女の船は喜望峰の設備の良いサイトで早期に修理され、現在はレース参加外で世界一周を続けている。
最後が Isabelle JOSCHKEのMACSFで、Sam DAVIESのリタイヤ後に上位に進出していたが、ホーン岬直前の荒天でカントキールの作動装置が故障した。キールにはセンタリングでロックする非常用の機構があり、彼女の船はキールが垂直の位置でロックされたままレースを続けていた。しかし、ホーン岬から大西洋に入った時に荒天でセンタリングロック装置が故障しキールがロックできなくなった。さらにフォイルがUFOに衝突して損傷したために、リタイヤとなった。
3)ありとあらゆるパーツへの過大なストレス
シングルハンドで無寄港世界一周という3ヶ月に及ぶハードなレースではさまざまなパーツのトラブルが発生した。
一番ポピュラーなトラブルは、セールやマストの損傷で、突風やワイルドジャイブの衝撃で損傷することが多い。マストが損傷すると仮のマストを作りリタイヤするしかないが、セールの損傷は軽度であればスキッパーが修理できることもある。なお、マストについてはVendee Globe 事務所が標準設定したものを使うことになっていて、イコールコンディションである。
今回もNicolas TROUSSELのCORUM L'EPARGNEは大西洋を20ノット以上で快走していたが突風でマストが倒壊し最初のリタイアとなった。KOJIRO SHIRAISHIのDMG MORI GLOBAL ONEも早々にメインセールが損傷したが修理してレースを続けている。
次がカントキールの故障で、キールを傾けるラムと呼ばれる油圧シリンダーの損傷である。作動機構が故障した場合、垂直位でロックする機構があるが、Isabelle JOSCHKEの船ではロック機構も荒天で故障したようである。キールが固定されないと船のバランスが悪化するのでリタイヤするしか無い。
過去にはキールが損傷落下して転覆した船も多いため、最近はVendee Globe事務所が統一規格のものを供給し、船体の設計にもルールを設けている。今回もSam DAVIESとIsabelle JOSCHKEの船でトラブルが発生した。それ以外にも損傷にはいたらなかったものの、UFOのキールのヒットが報告されている。
カントキールの不具合もフォイル艇での速度や動揺による過大なストレスが関係していると思われる。フォイル挺はうねりを高速で走行したときに浮いた船体が波濤に衝突して激しい衝撃を受けるので、重いキールとその駆動機構にストレスがかかるのであろう。
キール駆動装置と油圧回路のトラブルも今回のVendee Globeで数件発生したが、スキッパーの技術とバックアップ体制で修理に成功している。
なお新しい試みとして、33隻中18隻に、マスト先端のカメラ画像をAIが判断することで進路上のUFOを検知して警告するOscar systemというシステムが搭載されている。しかし、多くのUFOは大半が水面下に潜っていて波浪があるため、残念ながら有効性はあまり高くないようである。
いずれにせよ、フォイルなどによる飛躍的な高速化に、多くのパーツは悲鳴を上げている状況なのである。
4)航法装置やオートパイロットへのストレス
今回はFabrice AMEDEOのNEWREST - ART & FENETRESで、彼の航法装置が2台とも故障したためにリタイヤとなった。航法装置は、事務局から送られてくる気象データーを表示し、画面上でコースを設定し、それがオートパイロット(自動操舵装置)と連動して進路保つ装置である。
Vendee Globeでは基本的にセイルやラインなどの操作はすべて人力ウインチで行うのが鉄則だが、流石にシングルハンドで世界一周をするためにオートパイロットは認められている。その電力は基本的には太陽電池、風力発電、水量発電等でまかない、非常用に発電機を搭載している。また入港時に必要なエンジンは許可されているが、いずれも燃料搭載量に制限がある。
オートパイロットは航法装置からの入力対して、コンパス、風向、風力、速度、ヒール角度などの情報を処理して操舵する装置である。ヨットを操縦したことがある人ならわかるだろうが、船は波浪を超えるたびに船首が左右に揺れる(ヨーイング)ので、通常は揺れる前に当て舵をすることで一定の方角を維持できる。そのタイミングや量には経験が必要だが、最新のAI技術でかなり細かい当て舵を行うようになっている。
風上に向う場合は、風が強いときには船は風上に向かおうとするが、風が弱くなると速度が落ちてしまうので、風力に合わせて上がりの角度を常に微調整しなくてはいけない。また風下に向う場合は不意にブローチングしないように安全方向に舵を切る必要もある。
さらにフォイルの登場で、船が大きくヒールしたまま高速で走行するようになったが、その状態で舵を左右に動かすと、船尾を上下に動かす(ピッチアップ、ピッチダウン)が発生する。フォイルでの走行中にピッチが変化すると危険なので、ヒール角を一定に保つような操舵も必要となる。
従って、AIとはいいながら、スキッパーが高度に電子化されたオートパイロットを船の特性や航行条件で細かくチューンする必要がある。さらに船が高速化してフォイルなどの新技術が導入されたために、オートパイロットと操舵メカニズムは素早く対応する必要があるため、機械的な負担が大きくなっている。
オートパイロットは基本的には進路の磁針方位を最初に設定するが、それに対水速度やマストトップの風向風力の情報も必要である。しかし、これらの情報が荒天やセンサーの不具合で間違った情報を送ってくることがあり、オートパイロットが混乱して不調に陥ることがある。さらに3ヶ月に及ぶ航海で常時動作するため、操舵のリンケージや油圧機器に故障が発生しやすい。
このため、船には航法装置、オートパイロット、操舵メカニズム、風向風力計などセンサー類のスペアを積んでいるが、それでも足らない場合はスキッパーが自ら修理するしかない。さらに機器は高度にAI化されているため、一度設定が狂うと、再度初期化、再設定しなければいけない。この初期化と再設定がかなり厄介なのだ。
オートパイロットの簡易型は数万円からあり、多くのクルーザーが装備している。簡易型は磁針方位だけだが、値段が高くなるにつれてセンサー類が増えてくる。基本、システムを初期化すると、まず風が無い穏やかなな海面で数回8の字を走行し、磁針を安定させる。その上で速度や風向風力の条件を付加して行き、最終的に意図したように走るようにするまで調整するのが大変なのである。
今回も荒天などで風量風向計などが不調になり、オートパイロットが錯乱して初期化を行ったというニュースが複数あった。通常は航法装置とオートパイロットの組合せにはメインとスペアとがあり、切り替え可能なようにできているが、南氷洋での流氷安全線付近でオートパイロットが不調になると非常に危険である。
今回Webmaseterが興味を持ったのは、Sebastien DESTREMAUのMERCIでのトラブルである。彼の船の操舵リンケージが壊れ、自己流で修理を行った。その後もさまざまな故障が発生するが、メーカーのサポートを受けながらスキッパー自らがオイルポンプやリンケージ、操舵角センサーなどをワンオフで修理しながら、リタイヤ寸前に何度もなりながら今も走行を続けている。
スキッパーはかなり変わった人間で、ビデオの抽象的な発言の真意を測りかねるが、意外やメカに明るくサバイバル能力があるようだ。おそらくVendee Globe事務局もいつリタイヤになるか、はらはらしながら見守っているのだろう。
無寄港世界一周とはいいながら、入港しても桟橋につかず沖に停泊し独力で修理することは認められている。今回もLouis BURTONが島影でBUREAU VALLEE 2のマストにのぼり、修理後に上位復活を果たした例もある。マストの頂点には風力風向計、GPS、レーダーを始め、複数のジブやメインセールのハリヤード類など重要なパーツが多数存在するため、スキッパーは航行中にマストに登って修理するシーンも多い。
感心するのは、どのスキッパーのサバイバル能力が高いことで、女性といえども重いウインチを回してセールを変えたりトリムし、航法装置をチューンし、電子回路やメカ機構の故障を修理できなくては行けない。タフでなければサバイバルできないのだ。
というわけで、Vendee Globeは厳しい南氷洋から大西洋に舞台がうつったところである。しかしVENDEEまでには複数の高気圧、低気圧、前線があり、荒天もあれば無風域もある。また、氷山とぶつかる心配が無い代わりに、大西洋には無数のUFOがうようよしており、衝突の危険も多い。
そんななかで、今回のVendee Globeはフォイル船の圧倒的勝利に終わるかのように思えたが、その高速性のため船体やパーツへのストレスも大きく、UFOとの衝突の被害も大きくなる。そのため、うねりのある状況ではフォイル艇も高速を活かすことができず、現時点ではダグボード艇を振り払う状態にはなっていないところが面白いのである。
なかでも、ベテランのJean LE CAMのYes We Cam!はダグボード艇でありながら、常に最適なコースを選び、最低限のタックとジャイブで常に上位を確保しているにいるところが実に渋いのである。同じ航海情報からでもストラテジーは無数にあり、その選択にはやはり経験と知恵が有効なのである。かれがどう考え、どう船を導くのか、そして、どのような結果になるのか、その過程をリアルタイムで観察できるのが、現在のVendee Globeなのである。
- Prelude in C sharp minor, Op. 45 情感は深い
- Scherzo in E major Op. 54 少しスロー
- Ballade in G minor Op. 23 スローだが情感は充実
- Polonaise in A flat major Op. 53 運指能力高く表現も十分 前回はスロー過ぎでて☆ 今回は☆☆
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 表現が美しいが小ミスあり
- Polonaise in C sharp minor Op. 26 no 1 曲順変更 自然な仕上がり
- Polonaise in E flat minor Op. 26 no 2 精度も高く演奏効果高い
- Waltz in A flat major Op. 42 ミスあるも独特の表現は魅力的 前回とおなじ☆☆
Alberto Ferro☆☆☆ S&S300 Italy
- Waltz in E flat major Op. 18 情感は豊か
- Ballade in F minor Op. 52 運指表現ともよいコーダは急ぎすぎ
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 細部まで情感がこもっていて好感が持てる 前回☆☆を☆☆☆
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 丁寧に歌い込む 中盤和音繰り返しに速度が欲しい
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 表現は十分 日本人としてはパワーがあるのだが
- Waltz in F major Op. 34 no 3 日本人らしく上品で細やか
- Barcarolle in F sharp major Op. 全般的に丁寧だが、パワーがどう評価されるか Miyu shindoほど音量がでていない印象 前回☆☆☆同様☆☆☆
- Prelude in C sharp minor, Op. 45 独特の節回しで表現が深いが音量が小さい
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 表現は細かいが音量がでていない
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 上品な演奏だが中盤の和音繰り返しで左低音fが殆ど聞こえない
- Waltz in A flat major Op. 42 基本的に演奏が速すぎて踊れない
- Ballade in F major Op. 38 独特の深い表現に品があるが 音量の評価が今後を決める 前回同様☆☆☆
- Ballade in A flat major Op. 47 音量をAlexander Gadjievと比べていただきたい いかにSK-EXが鳴らないが良く分かる 音量評価のために通常ボリュームはいじらないが、少し絞る必要があった
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 前回より平板な印象
- Waltz in F major Op. 34 no 3 元気で音量が大きい
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 この曲は音量のある伸びやかで元気のよい演奏に合っている 男性顔負けのパワーを評価してすこし甘く前回通り☆☆☆+
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 ラテン系には適した曲
- Ballade in A flat major Op. 47 牧歌的な雰囲気
- Impromptu in G flat major, Op. 51 表現は豊か
- Scherzo in B flat minor Op. 31 楽譜と違う 序章にはスタカートと休符がある
- Polonaise in A flat major Op. 53 ラテン系の美学で細かいところは気にしない楽観的で元気な演奏は受けがいいようで 観客の拍手なりやまず 前回☆☆を☆☆☆に
- Ballade in A flat major Op. 47 情感が濃い 細身ながら中腰から上体をかけてパワーを出す
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 ロシア風濃厚なワルツ
- Waltz in A minor, Op. 34 No. 2 陶酔感のあるメロディー
- Waltz in F major Op. 34 no 3 細部まで濃厚
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 左手のリズムが重厚 濃厚な情感とパワーで聴衆を魅了拍手なりやまず 前回と同じ☆☆☆+
●ショパンコンクール2020のStage2始まる!(10/10)
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 明るい演奏 小柄なのに音量がある
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 華麗にかつ力強く弾く
- Mazurka in B major, Op. 63 No. 1 リズム感がよい
- Mazurka in F minor, Op. 63 No. 2 複雑な構成
- Mazurka in C sharp minor, Op. 63 No. 3 コーダが面白い
- Ballade in F minor Op. 52 華麗に弾く かなりの音量を出すが限界に近い 前回☆☆で今回も☆☆
- Ballade in F major Op. 38 左右のバランスが良い パッセージの緩急と間が効果的
- Waltz in E flat major Op. 18 スケール感の大きなワルツ 余裕の表情
- Polonaise in A flat major Op. 53 得意の英雄のダイナミックレンジの大きな演奏 小ミスはあったが笑顔とともにノリノリで終わった。前回☆☆☆+で今回も☆☆☆+。
- Ballade in A flat major Op. 47 ペダリングは抑制するが依然長め 緩急が大きく音量もある
- Waltz in A flat major Op. 42 緩急を大きく取り高速と踊れないワルツ
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 重さを感じる演奏
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 やはりペダリングのキレはあまりよくない 前回☆☆今回☆☆☆
- Waltz in A flat major Op. 42 順序変更 緩急を工夫
- Ballade in F minor Op. 52 緩急とダイナミックレンジの大きな演奏 分散和音化がきれいでミスが少ない
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 弱点が少ない演奏でCFXバスが深い 最後まで手を抜かない
- Polonaise in A flat major Op. 53 うまい!!ピアノ王子はどんな曲でもダイナミックに弾きこなしミスも少なく弱点もない 音量も厚い 全方面的で総合点が高く最後にスマイル ☆☆☆☆
- Ballade in F minor Op. 52 表現は十分深いがコーダにミスあり
- Variations in B flat major on a theme from Ludovic by Herold/Halevy (Je vends des scapulaires), Op. 12 知らない曲をいれる意味はあるのか
- Waltz in E flat major Op. 18 コンクール用ではないような
- Polonaise in A flat major Op. 53 Ushidaのあとに聞くと厳しい 前回☆今回☆☆
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 表現は豊か
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 ツボをおさえている
- Waltz in A minor, Op. 34 No. 2 曲順変更 効果的な選曲
- Waltz in F major Op. 34 no 3 軽く弾き終わる
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 スケールの大きな演奏 基本的な技量はかなり高いレベルにある 前回☆☆☆今回☆☆☆+ 酷使で調律が甘くなっている
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 年齢の割にスローで始まり盛り上がる
- Waltz in A flat major op. 64 nr 3 スローでテンポを揺らす
- Ballade in A flat major Op. 47 バラードは得意のようでスローで始まるがコーダは爆速となるもののミスは少ない
- Lento con gran espressione cis-moll (WN 37) じっくり弾き込む
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 前回は精度が低く不必要にテンポを揺らすということで厳しい☆だったが緊張によるものだった可能性高い 今回はスローから爆速まで破綻せず情感も豊かということで☆☆☆とする このタイプは急速に上達するので将来どうなるか期待したい。
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 スローにじっくり弾き込む
- Ballade in F major Op. 38 情感深く精度の高い演奏
- Scherzo in B flat minor Op. 31 細部に至るまで丁寧な演奏
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 情感に満ちて丁寧な演奏
- Polonaise in A flat major Op. 53 どの曲も運指の精度が高く情感豊かに演奏しミスも少ない 演奏に落ち着きと品位がある 前回同様☆☆☆
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 演奏の精度は高いが左手の音が小さい
- Waltz in F major Op. 34 no 3 明るい演奏
- Waltz in A flat major op. 64 nr 3 リズム感が良い演奏
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 表現は明確でミスは少ない
- Ballade in F minor Op. 52 スローに始まるがコーダ急ぎすぎでパッセージが団子状態 運指能力が高いのはわかるがパッセージに緩急や間が無いと効果的でない 前回☆☆とかわらず
- Sostenuto in E flat major (Waltz in E flat major) [WN 53} Fazioliが似合う曲
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 パワーもあり音量も十分
- Ballade in A flat major Op. 47 質量でfazioliを朗々と鳴らす 細部は少し荒い
- Ballade in F minor Op. 52 ペダル踏みすぎで濁る コーダも団子状態で緩急や間が乏しい
- Polonaise in A flat major Op. 53 本日のマイク残響をひろうようでペダリングは抑えないと濁りやすい 細部は荒いが大曲3曲でもパワーは全く衰えない日本人にはまれなタイプ 前回☆☆とかわらず 演奏後もご満悦
- Variations in B flat major on a theme from Ludovic by Herold/Halevy (Je vends des scapulaires), Op. 12 Variations brillantes と呼ばれる曲で凝った技巧が多い
- Fantasy in F minor Op. 49 華麗さは十分に出ているが高音の輝きがいま一つ足らない
- Waltz in A flat major op. 64 nr 3 SK-EXに合う曲
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 華麗でノリの良い演奏 この曲は得意のようだが、実はWebmasterはウィーン風ワルツをポロネーズに焼き直したこの曲はショパンらしくないと思っている 前回と同じ☆☆。
●ショパンコンクール2020のStage2始まる!(10/9)
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 表現が浅く平板
- Waltz in E flat major Op. 18 これも平板で魅了に乏しい
- Scherzo in B minor Op. 20 テンポ早く平板で指が鍵盤の上を滑っていく 音に濁りあり
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 左手強すぎ 何となく変わったノリの悪い演奏で前回通り☆☆か
- Impromptu in G flat major, Op. 51 抑揚が乏しい
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 情感はあるが細やかさがない
- Waltz in A flat majo op. 64 nr 3 印象が弱い
- Andante spianato and Grande Polonaise Bril ミス多い ペダリングで音が濁っている 前回と同じ☆☆か
- Prelude in F sharp major Op. 28 no 13 表現は細やかで深い
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 陰影の表現がよい ミス少々
- Waltz in F major Op. 34 no 3 順序変更 まずまず
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 左手バスが効果的 ミス少々
- Polonaise-Fantasy in A flat major op. 61 低い着座位置 節回しは独特
- Polonaise in B flat major, Op. 71 No. 2 グールドを思わせる
- Mazurka in C sharp minor Op. 50 no 3 独自の境地が続く
- Waltz in F major Op. 34 no 3 ラテン的なワルツ
- Polonaise in A flat major Op. 53 明るく踊りたくなるポロネーズだがペダリングは甘い 独自性は一貫していて、ひょっとしてショパンはこんなだったかもと思わせるところあり 他の曲も聞いてみたくなる 前回☆☆☆ 今回もポゴレリッチ的怖いもの見たさで☆☆☆
- Impromptu in A flat major, Op. 29 細部をはしょる印象あり
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 明るいが細部に甘さあり
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 細部に甘さあり ミス少々
- Impromptu in F sharp major, Op. 36 正確な演奏
- Ballade in F minor Op. 52 緩急がやや浅い 前回☆☆☆今回☆☆☆
- Polonaise in F sharp minor Op. 44 運指表現とも高いレベル
- Impromptu in F sharp major, Op. 36 表現も豊か
- Waltz in F major Op. 34 no 3 リズム感あり
- Waltz in D flat major, Op. 64 No. 1 子犬のワルツが出るとは意外
- Waltz in C sharp minor, Op. 64 No. 2 これもポピュラーな曲
- Scherzo in B flat minor Op. 31 運指表現ともまずまずだがペダリングが荒い 前回☆☆を今回☆☆☆に格上げ
- Ballade in A flat major Op. 47 運指表現ともかなりのレベル
- Waltz in A flat major op. 34 nr 1 これも良い出来
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 完璧に近い演奏
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 すでにして演奏はますます深みを帯びて王者の風格 演奏所作ともかつてのRubinsteinを思わせる品があり前回☆☆☆+と同じ☆☆☆+とする。個人的にはYifan Houは過剰なルバートと所作が審査委員の不興を買ったのではないかと思っている。
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 演奏は良い 音量を意識しているがもう少し欲しい
- Waltz in F major Op. 34 no 3 運指も情感も十分
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 些細なミスはあったが表現は十分
- Scherzo in B flat minor Op. 31 付点とペダリングが甘い、音量については厳しい戦いが続く 前回☆☆を今回は少し甘く希望を込めて☆☆☆とする 日本医療界の希望の星
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 情感は細かい 音量も出ている
- Scherzo in B flat minor Op. 31 運指表現ともレベルは高い
- Waltz in A flat major Op. 42 運指能力が高い
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 運指表現ともレベルは高く、特に右手小指の音量が大きい 前回☆☆☆+ 今回も☆☆☆+とする
- Ballade in G minor Op. 23 表現は上位にある 小柄ながら上体を使って迫力のある音
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 美しく強力な高音はマジック
- Waltz in A flat major Op. 42 音がクリアで輝く
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 運指表現とも十分 コーダも増速で実際以上の高速に感じる ペダリングが丁寧で音が澄んでいる 驚くべきことにVUを計測したところ多くの男性を上回っていた 前回☆☆☆を日本人女性の頂点のマジックに少し甘いが☆☆☆+としたい 拍手多し
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 豊かな表現と音量
- Berceuse in D flat major, Op. 57 やさしい表現
- Waltz in A flat major op. 64 nr 3 りズム感がよい
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 運指表現音量とも豊かになった 音も美しく澄んでる 前回☆☆から☆☆☆に
- Waltz in F major Op. 34 no 3 緩急や間を意識したchopinらしい演奏になってきた
- Rondo a la Mazur in F major , Op. 5 少し反田節ルバートが過剰か
- Ballade in F major Op. 38 序章は異様に平板、後半は前回よりパッセージに間をとり表現も速度も抑制的になっている
- Andante spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major Op. 22 明らかに緩急と間を意識した演奏に変化した パワーだけでは多くのアジア勢に埋没するという判断か 正直、反田節で上位に残れるか微妙と思っていたが、今回の演奏を効く限りより好みの方向に進歩している。☆☆☆を☆☆☆+とした
●ショパンコンクール2020非情のStage1結果!(10/7)
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国別 Pre 1st
87 45
中国系 22 9+1人+
ポーランド 18 8
日本 14 8
韓国 7 3
イタリー 6 4+(1)ラトビア?
---------------------------------------------------------
容易に気が付くように、二次に進むのは技量だけではなく、プレリミナリーの国別枠とほぼ同じ割合になっているのではないか?、という疑いだ。
Junhui Chen☆☆☆+ S&S300
Zixi Chen☆☆☆ S&S479
Asaki Iwai☆☆☆ S&S300
Jaeyoon Lee☆☆☆ S&S479
Jiana Peng☆☆☆ S&S479
Jorge Gonzalez Buajasan☆☆☆+ CFX 優勝候補
Joanna Goranko☆☆☆ S&S479
Chelsea Guo☆☆☆ Fazioli
Yifan Hou☆☆☆+ S&S479 優勝候補
Kaoruko Igarashi☆☆☆+ S&S479
Riko Imai☆☆☆+ S&S300
Xuanyi Mao☆ S&S300
Yupeng Mei☆☆☆ CFX
Jinhyung Park☆☆☆+ CFX 優勝候補
Yangyang Ruan☆☆☆ S&S479
Aleksandra Swigut☆☆☆ Fazioli
Rikono Takeda☆☆☆ S&S300
Shunshun Tie☆☆☆+ S&S300 優勝候補
Sarah Tuan☆☆☆ S&S300
Zitong Wang☆☆☆ S&S479
Zijian Wei☆☆☆ S&S300
Victoria Wong☆☆☆+ S&S479 優勝候補
Zi Xu☆☆☆+ S&S479 優勝候補
Yuanfan Yang☆☆☆ S&S300
Andrey Zenin☆☆☆ kawai SK-EX
Boao Zhang☆☆☆ kawai SK-EX
Yilan Zhao☆☆☆+ S&S479 優勝候補
Ziji Zoe Zhao☆☆☆ Fazioli
圧倒的にChinaが多い
ZとかXとか一目でアジア系とわかる名前が多い
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●ショパンコンクール2020のStage1始まる!(10/7)
- Nocturne in B major Op. 9 no 3 ノクターンは差がつきにくいが日本人は概して繊細に弾く
- Etude in A minor op. 10 nr 2 決して急がずじっくり弾き込む
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 テンポが揺れず左右のバランスが良い 最後に目立つミスあり
- Ballade in F minor Op. 52 華麗で緩急のある演奏だが、今回は細かいミスはあり、コーダは間が無くご団子になってしまった。全体的にはプレリミナリーの方が良かった。
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 表現やテンポにムラあり 目立つミスあり
- Etude in E flat major Op. 10 no 11 アルペジオにムラがあり聞き辛い
- Etude in C minor Op. 10 no 12 右手付点が不明確
- Ballade in A flat major Op. 47 バラ3の特徴である牧歌的なリズムを不必要に揺らすので、聞き続けるのが苦痛
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 表現は豊かだがアルペジオがバラつく
- Etude in F major Op. 10 no 8 運指も表現も良い
- Etude in A minor Op. 25 no 4 左右のバランスがよくリズム感もある
- Ballade in F minor Op. 52 表現やテンポにムラがある 小柄だが腰を浮かすことで音量をだしている 今後は侮れない
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 ゆっくりと響きを探る演奏
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 基本的な運指のレベルは高い
- Etude in B minor Op. 25 no 10 運指表現ともバランスが取れている
- Ballade in F minor Op. 52 癖が強いポーランド勢では珍しく普通の演奏だが細かいミス多数
- Etude in C sharp minor Op. 25 no 7 情感を移入しない演奏
- Etude in B minor Op. 25 no 10 演奏技術は高いレベルにあるが
- Etude in A minor Op. 25 no 11 間違いなく基本技術は高いのだが
- Ballade in F minor Op. 52 演奏は確かだが元気が無い 10年前に紅顔の天才美少年ピアニストとして颯爽と登場したのが今は覇気のないただのおじさんになっていた 演奏後の表情からも何らかの心的外傷にみまわれたと思われる
- Nocturne in F sharp minor Op. 48 no 2 明確な旋律とともに情感が深い
- Etude in F major Op. 10 no 8 確かな運指とリズム感
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 演奏に余裕がある 表現が美しい
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 今回ショパコンではベストのスケ3
- Nocturne in F sharp minor Op. 48 no 2 旋律が籠もった印象
- Etude in A minor Op. 25 no 11 左右のバランス良く音量も出ている
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 音量は少し抑え気味
- Scherzo in E major Op. 54 旋律が籠もっていて明確さが今ひとつ スケ4は難易度の割に構成が散漫でアピールしにくいので選ぶのは損 演奏前に椅子のことでひと悶着あり おそらく彼女は腰を浮かしてパワーを出すので椅子を選ぶのだろう 拍手が長く人気はあるようだ
- Nocturne in F sharp minor Op. 48 no 2 籠もった感じ スケ4を選ぶのは損
- Etude in E flat major Op. 10 no 11 多少のミスあり
- Etude in A minor Op. 25 no 11 左右のバランスは良好 多少のミスあり
- Scherzo in B flat minor Op. 31 旋律のメリハリが乏しい 付点が甘い 左右アルペジオのばらつきあり 小ミス多数
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 落ち着いたノクターン
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 運指と表現は高いレベル
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 安定した演奏で安心感あり
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 まともなスケ3 癖の強いポーランド勢では珍しく正統派で技術レベルは高いが、目立つミスあり
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 運指もやわらかく、十分な表現に深いバスが響く
- Etude in C major Op. 10 no 1 滑らかな運指に十分なバス、間を十分にとり表現も高度
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 余裕のある演奏と表現は極上
- Scherzo in E major Op. 54 曲の構成がもともと散漫なスケ4をおもしろく構築して飽きさせない 体動もYifan Houのようにわざとらしくない 綾なすパッセージに適切な緩急と絶妙な間があり歌うように聞こえる
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 バスも右手も音量不足でピアノが遠く感じる
- Etude in E minor Op. 25 no 5 演奏は高いレベルにあるがピアノが鳴らない
- Etude in A minor Op. 25 no 11 演奏はいいが迫力がいま一つ
- Fantasy in F minor Op. 49 細かいミスはあるものの 腰を浮かしてピアノを叩くくらいのタッチでの熱演なのだが、ピアノがそれに答えてない SK-EXは叩いても音量はあがらず異音がでるようだ
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 表現は十分 ノクターンは差がつきにくい
- Etude in E minor Op. 25 no 5 付点付きが長く次のパッセージと団子になってリズム感が悪い
- Etude in A minor Op. 25 no 11 背が高いせいか音量で大きくスケール感がある
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 この曲はスタカートだらけだが、守られていないところが多い。op25-5だがこれほどの技量の参加者が楽譜に無頓着 どのピアノも連日の酷使で調律が甘くなってきた
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 ノクターンは差がつきにくいが、それなりに情感と左手バスは深い
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 急ぎすぎて少し雑になっている
- Etude in A minor Op. 25 no 11 no 10 急ぎすぎて音符がポロポロこぼれていく
- Scherzo in C sharp minor Op. 3 スピードより大事なことは多いのだけど
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 Fazioliは叩けば音量は出るようだ
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 左手バスの旋律がきれいに出ていて音に立体感がある
- Etude in A minor Op. 25 no 4 着座位置は低くないが、普段は上体をかがんでおいて、必要なときに伸びて上半身の重みをかけるようだ 女流では多いが小柄な男性でも使える手かも リズム感をとるのにも役にたっている
- Scherzo in E major Op. 54 上体を使って音量の調節をしてダイナミックレンジを稼いでスケ4が退屈にならないようにしている
- Nocturne in B major Op. 9 no 3 表現は深いが痛いミスがあった 酷使された479の調律も甘くなってきた
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 無難にまとめる 運指技術はある
- Etude in B minor Op. 25 no 10 運指も表現も腕力もある ポーランドの音楽教育もグローバル化してきたようだ
- Ballade in G minor Op. 23 パワーで押すのかと思いきや意外やスローで表現豊かに始まり、コーダでも間を入れながら十分に歌わせるいいバラード1だ 譜面は一部エキエルか
Jiana Peng☆☆☆ S&S479
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 情感豊かに歌いパワーは炸裂する いよいよ調律は狂ってきた
- Ballade in F major Op. 38 前半は平板に弾き、その後Soritaも顔負けの高速度爆音パワーが炸裂
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 やはり速度とパワーで圧倒する作戦
- Etude in A minor Op. 25 no 11 パワーにあふれるがそれなりに情感も濃厚にこもっているが小ミスもあり さしものS&S479から金属音
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 ダイナミックレンジを広くとる演奏く CFXの低音は強力
- Ballade in G minor Op. 23 やはり緩急大小の幅を大きくとる作戦 大きなミスは無い
- Etude in E flat major Op. 10 no 11 若干のバラ付きあり、この手はあまり得意でないのか
- Etude in C major Op. 10 no 1 パワーで押すが小ミス多数
●ショパンコンクール2020のStage1始まる!(10/6)
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 ゆっくり情感を込めて弾く
- Etude in C major Op. 10 no 7 速度がのらないが情感はこもっている
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 速度が厳しいか ミスあり
- Ballade in A flat major Op. 47 全般的にパッセージによって得意不得意があるようで速度が変わる 女流としてはパワーがあるが運指は今後厳しくなる 美形度ではトップか
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 ノクターンでは差がつきにくい
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 ペダリングが今一つで音が濁る 後半スピードオーバー気味
- Etude in E flat major Op. 10 no 11 右手分散和音が弱く濁りがある
- Etude in C minor Op. 10 no 12 右手主題が弱く付点が甘い 全般的にアルペジオにミスが多い
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 盛り上がりはあり以前よりパワーがのっている
- Etude in A minor op. 10 nr 2 速度が上がると表現が浅くなる
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 基本的に運指には余裕がある
- Fantasy in F minor Op. 49 アルペジオがバラつっくことがある 盛り上がりには音量差<>が欲しい
- Etude in C sharp minor Op. 25 no 7 情感豊かに弾く
- Etude in F major Op. 10 no 8 表現は良いが音量がいまひとつ
- Etude in B minor Op. 25 no 10 アルペジオがバラつくことがあり
- Ballade in F minor Op. 52 演奏は運指表現とも良いが音量がのらないのでメリハリが今ひとつ 強打すると雑音が出る
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 安定感あり特色なし
- Etude in F major Op. 10 no 8 左右のバランスが良い
- Etude in E minor Op. 25 no 5 運指表現とも高いレベル
- Ballade in G minor Op. 23 出だしもpesanteになっている コーダでも十分歌い込む 音が美しく表現力も品位もあり音量も十分 総合力では女流でトップクラス
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 運指表現ともまずまず
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 ペダリングが丁寧で音が美しく音量もある
- Ballade in G minor Op. 23 出だしはPesanteよりエレガントすぎるか テンポの配分や奏法が独特で分散和音も多用する割にコーダは平凡で大事な最終音で痛恨のミス 情感過剰なので評価はわかれる
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 パワーがありダイナミックレンジの大きな演奏
- Etude in A minor Op. 25 no 11 中腰まで体を浮かせて女流の中では圧倒的なパワーか
- Etude in A minor Op. 25 no 4 以外に軽く流す
- Scherzo in E major Op. 54 かなりの時間を中腰で弾いている 拍手が鳴り止まない アジア人に無いパワーとスラブ系美意識で上位にくいこむ予感 審査員は基本的には後方2階席で聞いて評価するのでパワーが無いと上位には行けない
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 深いCFXのバスはノクターンで効果的
- Ballade in F major Op. 38 激しいパッセージの「間」が乏しく団子になっている
- Etude in E minor Op. 25 no 5 リズム感とキレが今ひとつ
- Etude in F major Op. 10 no 8 リズム感がいま一つ CFXは中低音のサステインが長いので丁寧なペダリングが必要
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 十分に歌いこむ
- Scherzo in B flat minor Op. 31 楽譜の指示を守ったオーソドックスな演奏 背も高くパワーがある
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 速度もパワーも十分にある
- Etude in C minor Op. 10 no 12 右手付点のキレがよく正確でパワーのある演奏 難しくないところで小さなミス 女流としてはパワーもあり総合力は高い
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 表現は細かい 歌もうまく人気者らしい
- Etude in E minor Op. 25 no 5 速度は遅く情感を込めている
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 運指能力も高いところを発揮する 背も高くパワーもある
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 歌手だけにゆっくり魅力的に歌う
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 ノクターンでは差がつきにくい 特色なし
- Etude in A minor op. 10 nr 2 ゆっくり正確に弾く
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 旋律のアクセントを明確につける
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 タッチがやや強すぎてやや硬質な舟歌になっている
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 丁寧に歌う
- Etude in F major Op. 10 no 8 華麗に弾くが左手バスの刻みがやや弱い
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 運指がバラつき苦しい
- Scherzo in E major Op. 54 美しく歌うがメロディーが埋もれる 後半は音量が苦しい 決めの音では体重をかけて欲しいところ プレリミナリーのバラード4が良かったのだが
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 テンポが揺らしすぎ
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 音量があって元気が良い
- Etude in E minor Op. 25 no 5 テンポが不安定 左目立つミスと弾き損ない多し
- Ballade in G minor Op. 23 この曲に関してはテンポ揺らしすぎ 技術はあるがLang Langみたいなわざとらしさが好みでない コーダは雑な印象 ただしこの演奏で2004年生まれというのが驚く
- Fantasy in F minor Op. 49を頭にもってきた 丁寧ながら音量もありメリハリがありダイナミックな演奏は女流では上位にある
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 情感深く中盤は盛り上がる
- Etude in E minor Op. 25 no 5 十分な表現でちょうど良い速度
- Etude in A minor Op. 25 no 11 最後だが左右のバランスが良く弾ききった 女流では総合力はかなり上位にある
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 丁寧に引き込むが迫力はいま一つ
- Etude in A minor Op. 25 no 11 左右のバランス良く音量も十分
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 運指表現とも十分で音量もある
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 伸びやかに弾く 迫力も十分 拍手多し 日本女子上位入賞期待の一人
- Etude in C major Op. 10 no 1 運指は丁寧で滑らか テンポも良く左手バスも効いている
- Etude in B minor Op. 25 no 10 表現も音量もまずまず
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 細かな表現が美しい
- Ballade in F minor Op. 52 細かいところまで表現が行き渡っている コーダの複雑に綾なすパッセージに適切な間がありまるで歌っているようで泣けてくる 音量もアジア女性としては十分か 感動のバラード4で日本女子上位入賞期待の一人
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 表現が細かい
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 精度もリズム感も良い 課題の音量も出ている雰囲気
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 表現も豊かだがミスがあった
- Ballade in F major Op. 38 表現も迫力も十分あるがミスもあり 難しいパッセージで音が混ざる印象ありペダリングと間の整理が欲しいところ そしてFazioliは調律が少し甘い
●ショパンコンクール2020のStage1始まる!(10/5)
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 少し平板か
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 精度が高く情感も豊かでいい演奏
- Etude in A minor Op. 25 no 11 運指も左右のバランスも良い
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 精度高く、表現、緩急、音量とも練られて秀逸 真面目な顔をして上手に歌う アジア系が舟歌を上手に弾く時代になった
- Etude in E major Op. 10 no 3 順序変更 コンクールで10-3は珍しいがいい演奏
- Etude in C major Op. 10 no 1 情感を込めて丁寧な演奏
- Etude in E flat major Op. 10 no 11 運指技術は高く左右のバランスも良い
い
- Ballade in A flat major Op. 47 精度も高く情感もこもっているが、Zi Xuに比べると表現の幅は浅い
- Nocturne in F sharp minor Op. 48 no 2 やや平板に終始
- Etude in F major Op. 10 no 8 中間部に目立つミス一回、後半は速度にムラ
- Etude in A minor op. 10 nr 2 最初弾き直し2回、中間部で数回と停止 もともと得意で無い曲だった様子
- Scherzo in C sharp minor Op. 39 大柄でパワーはあるが本来の速度が出ずミス頻発したが後半立て直す
2.ベストな演奏は必要ないので、楽しかった恋人とのデートやおしかったスイーツのことを考える。演奏が終わったらどのスイーツを食べるか考えるのが効果的
3.練習としてはテレビ放送をかけて、ニュースを効きながら弾く練習をしておく
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 演奏自体は情感に満ちたものだが、この体格にして音量が出ておらず表現の細部が聞き取れない
- Etude in C minor Op. 10 no 12 精度、情感とも豊かだが音量がでていない 右手付点音符が不明瞭
- Etude in B minor Op. 25 no 10 運指技術は高いところにあるが、音量が出ず盛り上がらない
- Ballade in F minor Op. 52 運指、情感とも高いレベルにあり、この大男が力いっぱい叩いてもピアノが鳴らない。次の予選ではピアノを変えるほうがいいと思う。
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 左手が強すぎて右手メロディーが希薄に聞こえる
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 演奏のレベルは高いが金属音が交じる
- Etude in B minor Op. 25 no 10 演奏レベルは高いが強打で異音が聞こえる
- Ballade in F minor Op. 52 運指、情感ともレベルは高いが、コーダは速すぎ これで2003年生まれだとか、中国若手の強者がひしめいている ピアノは強打すると金属音やウィペン共鳴なのか雑音が交じる
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 女流ながらタッチは強くダイナミックレンジが広い
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 運指技術は高く音量あるがミスあり 左手弱い
- Etude in C major Op. 10 no 1 バランス的には左手が弱いか
- Ballade in F minor Op. 52 ペダリングのやり方なのか音が美しい 大音量のコーダでも十分に歌う。女流のバラード4ではベストの一つか
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 まろやかな音だが音量もある 細かいミスあり
- Etude in A minor Op. 25 no 11 腰を浮かし上体の重量で深いバスを絞り出す木枯らしは一見の価値あり
- Etude in E minor Op. 25 no 5 運指の技術も高いが、ややペダリングが荒いか
- Fantasy in F minor Op. 49 Fazioliから大音量を絞り出す手法は小柄軽量な日本人にも参考になる 女流ではYuja Wangなどのアスリート系に分類される Fazioliでも雑音の少ない大音量を絞り出せるということである
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 節回しに特徴がある
- Etude in F major Op. 10 no 8 左手の音が小さい この曲のメロディーは左手である
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 難しくても左手でバスを刻む必要がある
- Scherzo in B flat minor Op. 31 序章の最後はスタカートである 付点が甘い 歌い込む部分にムラがある 歌うべきところで妙に急ぎすぎ
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 分散和音にムラあり
- Etude in E minor Op. 25 no 5 粘っこく弾くのが特徴、ミスあり
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 速度オーバーで歌うべきメロディーが不明確
- Scherzo in E major Op. 54 パワーはあるがメリハリが無く個々のパッセージが不明瞭 Fazioliは爆速と相性が良くない
- Etude in E major Op. 10 no 3 平板で迫力不足
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 平板で速度オーバー気味 左手弱い
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 左手が弱い エチュード3曲は鬱陶しい
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 歌い込み不足でダイナミックレンジが狭くスケール感が不足 ひとつはピアノの中低音の音量が出ていないせい もうひとつは急ぎすぎか
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 直前のSKより音のバランスが良い 迫力は弱いが歌い込みは十分
- Etude in A minor Op. 25 no 11 丁寧で表現も豊かだが迫力は弱い
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 左右のバランスもよく美しく弾くが、迫力は弱い
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 技術は可も不可も無くパワーも見かけよりある美麗なピアニストだが、ことピークパワーを求められるショパコンでは苦しいところ
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 ゆっくり始める 師匠のDang Thai Sonに似ているか
- Etude in E minor Op. 25 no 5 緩急を大きくとり正確かつ丁寧な演奏
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 余裕があり、大ミスはないという安心感がある
- Ballade in G minor Op. 23 手が大きく演奏に余裕があり品位も感じられる 楽譜の指示をよく守っているのも性格の現れなのだろう。コーダの精度を見ると限界はもっと高いところにあり、それは先にとっておく作戦か
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 表現力も音量もある
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 精度も表現力も十分
- Etude in F major Op. 10 no 8 大きな破綻は無い
- Ballade in A flat major Op. 47 端正だがもう少し歌っていいと思う 大ミスしない雰囲気あり。
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 ノクターンはどっかネットあたりにでもお手本があるのか皆似ている
- Etude in F major Op. 10 no 8 左手の音量が小さい chopinは早ければいいというものではない
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 これももう少し大きくバスを刻みたい
- Ballade in G minor Op. 23 出だしPesanteはもっと重厚であって欲しい 演奏は特徴が乏しいがコーダはちょうど良い速度
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 特色なし
- Etude in A minor Op. 25 no 4 左右のバランスが良くリズム感がある
- Etude in C major Op. 10 no 1 左手のバスが明確
- Ballade in A flat major Op. 47 情感込めて田園的リズムを刻む心地よい演奏
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 特色なし
- Etude in E minor Op. 25 no 5 テンポが遅くリズム感に乏しい この曲だけはある程度の速度が必要
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 テンポが遅く愛想が無い
- Ballade in F minor Op. 52 破綻は無いものの、おそらく参加者の中で最もテンポが遅くメリハリに欠けるが、なぜかコーダは平板なままわりと早く終わる。審査員は多数の演奏を聞くので遅すぎると不利
- Etude in C sharp minor Op. 25 no 7 音色が美しい
- Etude in B minor Op. 25 no 10 演奏は性格で響きが良く音量もある
- Etude in C minor Op. 10 no 12 パワーはある
- Fantasy in F minor Op. 49 演奏盛り上がりも良いが後半さほど難しくないところで大ミス2発+小ミス数発あり惜しい 音量はピアニスト次第
●ショパンコンクール2020のStage1始まる!(10/3-10/4)
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 80点無難にまとめるが盛り上がりが弱い
- Etude in G flat major Op. 10 no 5 コーダが弱い
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 左手バスの刻みが弱い
- Fantasy in F minor Op. 49 決めの部分の音量不足。体をうまく使っていない。
- Etude in E flat minor Op. 10 no 6 平板
- Etude in C major Op. 10 no 1 平板でミスもあり
- Etude in A minor op. 10 nr 2 左手の強弱に特徴がある
- Scherzo in E major Op. 54 盛り上がりに欠ける
- Etude in F major Op. 10 no 8 バスもよく出ている
- Etude in B minor Op. 25 no 10 きれいな演奏
- Fantasy in F minor Op. 49 BASSだけでなく高音に輝きがある
若干のミスが気にならないほど細部まで練られて魅力があり次の演奏が聞きたくなる
- Nocturne in F sharp minor Op. 48 no 2 明るい演奏
- Etude in C major Op. 10 no 1 バスが深く高音に輝きがある
- Etude in A minor op. 10 nr 2 歯切れがよい
- Ballade in G minor Op. 23 表現のツメは甘い印象で今ひとつ
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 情感が細かく明るいく
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 メロディーラインが浮き出る
- Etude in C major Op. 10 no 1 若干のミスあり
- Ballade in F minor Op. 52 アコーギクに癖があるが全般的には良い演奏
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 情感は出ている
- Etude in A minor Op. 25 no 4 ショパンらしさは出ている
- Etude in C minor Op. 10 no 12 聞き慣れない音はエキエル版か
- Ballade in F minor Op. 52 緩急や間が十分に取られ音量も十分、ベトナムのレベルは高い
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 グールド的な低い着座位置で神経質な演奏だが音が濁る
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 やはりペダリングが気になる
- Etude in C minor Op. 10 no 12 音量はあるがペダリングと甘い付点が気になる
- Ballade in A flat major Op. 47 独特の世界観があり魅力的だが個人的にはペダリングが気になる。椅子は低いが音量はある
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 若さを感じさせる演奏で少し平板か
- Etude in F major Op. 10 no 8 運指技術は高いがやや平板な印象
- Etude in A minor Op. 25 no 4 技術は高いレベルにある
- Fantasy in F minor Op. 49 音量、表現力特に間の取り方が非常によく好印象を持った。
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 少し平板か
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 左手の難しい部分で演奏速度が遅くなる
- Etude in B minor Op. 25 no 10 表現に優れるが運指は得意でない
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 細かい表現は十分 過去運指より表現力に優れる参加者が舟歌を選ぶ傾向がある 2010のFrancois Dumontを思い出した
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 なでるような奏法が柔らかい音を出す CFXの深いバスが生きている
- Etude in E minor Op. 25 no 5 情感深いがペダリングがやや過剰か
- Etude in C major Op. 10 no 1 重厚かつ正確
- Ballade in G minor Op. 23 譜面、例えば序章のpesante等を深く理解している 間違いなく精度、表現、音量等すべての点で今回バラード1でベスト
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 装飾音符はもっとゆっくり弾きたい
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 左手が弱い
- Nocturne in B major Op. 9 no 3 ノクターンにしては忙しい
- Scherzo in E major Op. 54 技術は高いが全般的に演奏を急ぎすぎ 緩急や間の取り方がいま一つ
- Etude in E flat minor Op. 10 no 6 平板
- Etude in A minor op. 10 nr 2 弾きなれている印象
- Etude in C minor Op. 10 no 12 付点が甘い
- Ballade in F minor Op. 52 正確な演奏だが、緩急がいま一つ情熱的でない
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 特色なし
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 ペダリングが甘く音が混ざる
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 左手が弱い
- Ballade in G minor Op. 23 出だしがpesanteになっていない。全般的にメリハリに欠けて魅力的でない コーダも爆発的でない
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 少し平板
- Etude in C minor Op. 10 no 12 最後はff ed appassionatoだが音量が足らない ポーランド人なのにエキエル版でない
- Etude in B minor Op. 25 no 10 コーダはffだが音量が足らない
- Ballade in G minor Op. 23 出だしがpesanteになっていない。全般的に平板で走りすぎ
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 表現が柔らかいが退屈では無い
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 丁寧な表現
- Etude in A minor Op. 25 no 11 左右のバランスが良い
- Scherzo in B flat minor Op. 31 2004年生まれとは信じられないほど老成し練られていて手強い
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 盛り上がりが良い
- Etude in C major Op. 10 no 7 少し急ぎすぎ
- Etude in F major Op. 10 no 8 左手がもう少し欲しい
- Fantasy in F minor Op. 49 難しくもないが目立つところでミスがあったが、総じて表現豊かで良い演奏だった
- Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 表現は良い
- Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 バスを刻みが弱い。
- Etude in C sharp minor, Op. 10 No. バスの刻みが弱い。CFXだったらと悔やまれる。
- Ballade in G minor, Op. 23 演奏は細かく、華麗で情感がこもっているが、決めのところやバスの刻みが音量がいま一つ 絶対音量に劣るkawaiを選んだのはS師匠の関係か 序章はpesante(重々しく)から始まるが音量が弱くコーダのfffも弱い
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 音量があり盛り上がる
- Etude in F major Op. 10 no 8 左手はきれい響いているが少し速すぎか
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 左右のバランスが良いが速すぎか
- Ballade in F minor Op. 52 情感豊かでスケールが大きな演奏で他の曲も聞きたくなる
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 情感が深く小柄ながら音量がある
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 左右の音量のバランスが良い
- Etude in C major Op. 10 no 1 重厚な演奏
- Ballade in A flat major Op. 47 小柄でもこれほどの音量とスケール感を出せるという好例。上原彩子に似た体の使い方
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 右手のメロディーラインが弱い
- Etude in G flat major Op. 10 no 5あっさりした感じ
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6軽く流す雰囲気
- Ballade in F minor Op. 52 メロディーラインは美しいが間が乏しく音量も不足気味
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 パッセージに間をおかずにペダルを踏み変えず続ける癖がある。
- Etude in C major Op. 10 no 1 左手のバスの刻みが弱い
- Etude in B minor Op. 25 no 10 パッセージに間がない
- Scherzo in B flat minor Op. 31 序章ユニゾンはスタカートで終わるはず この曲でもっとも注意すべき最後の右手弾き損ない(FとF#ダブリ)は致命的 付点が不明確でバスの刻みも弱い
- Nocturne in B major Op. 62 no 1演奏は良いが音量が小さい。
- Etude in C major Op. 10 no 1 右が強すぎて左が弱い
- Etude in A minor op. 10 nr 2 左右のバランスがいま一つ
- Fantasy in F minor Op. 49 演奏はきれいだがやはり右手が強い
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 緻密でパワーもある
- Etude in C major Op. 10 no 1 左右のバランスが取れている
- Etude in B minor Op. 25 no 10 選曲は反田氏を意識しているのか パワーは負けていない
- Scherzo in B minor Op. 20 ショパンらしさと総合力で反田氏を凌ぐ
- Ballade in G minor Op. 23 出だしがPesanteになっていない ペダリングも音が濁っていて好みに合わない。
- Nocturne in C minor Op. 48 no 1 演奏はともかく音の濁りが気になる
- Etude in C major Op. 10 no 1 演奏はともかく音の濁りが気になる
- Etude in E minor Op. 25 no 5 演奏はともかく音の濁りが気になる
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 Fazioliはあっている気がする
- Barcarolle in F sharp major Op. 60 演奏は優雅で色彩感があるが音の遠投力が足らない
- Etude in E minor Op. 25 no 5 この曲はすばらしい演奏
- Etude in F majo Op. 10 no 8 コンクールでどう評価されるかはわからないが、独自の美しい世界観は完成の域にあり、サロンでの演奏に向いている Fazioliの調律、特にユニゾンが甘い
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 華麗ながら音量もある
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 技巧も上体を使ったパワーもある
- Etude in A minor Op. 25 no 4 運指能力は高い
- Ballade in F major Op. 38 間のとり方もよい。女性陣の中ではパワーは上位にある
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 緩急が豊かで音に伸びがある
- Etude in C minor Op. 10 no 12 運指に余裕ある正確な演奏
- Etude in E minor Op. 25 no 5 左手のバスが深く響く
- Ballade in G minor Op. 23 パワーのある模範的演奏。バラ1ではベストかも
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 面白いことに左手のほうが右手より強い
- Etude in C minor Op. 10 no 12 軽量級ながら体重をかけて予想以上の音量を出す
- Fantasy in F minor Op. 49 全身で音量をだすので髪の毛が鍵盤に舞うが、慣れているのかポリシーなのか演奏にはさしつかえないらしい
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 メルヘン系?なのに日本男子顔負けのパワーがあるのが不思議
- Nocturne in D flat major Op. 27 no 2 CFXの明るい音質を生かした演奏
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 情感の深い演奏
- Etude in C minor Op. 10 no 12 右手の付点がときに甘い
- Fantasy in F minor Op. 49 情感も最大音量も十分出ていてレベルは高いが少々ミスもあった
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 かなりパワーがある
- Etude in C sharp minor Op. 10 no 4 腰を使って強いタッチを得ている
- Etude in C major Op. 10 no 7 情感とパワーが優れる
- Fantasy in F minor Op. 49 情感とパワーは女流勢の中では上位か
- Etude in F major Op. 10 no 8 予想に反して柔らかい音
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 若干のミスあり
- Nocturne in B ☆major Op. 62 no 1 繊細な演奏
- Ballade in F minor Op. 52 独特の情感があるが荒いところもあり
- Etude in C major Op. 10 no 1 左手バスが深い
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 左右のバランスが良い
- Nocturne in E major Op. 62 no 2 左手バスの刻みが明確だが精度は甘い
- Scherzo in B flat minor Op. 31 速度オーバーで精度が悪く大きく乱れるところもあった 最初のユニゾンの終わりはスタカートのはずだが 地元の人気者らしい
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 平板な印象
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 ペダリングの切れ目が聞こえる
- Etude in A minor Op. 25 no 11 音量が小さく運指が不確実
- Scherzo in B minor Op. 20 技量的には場違いな印象
- Nocturne in C sharp minor Op. 27 no 1 上半身を使って音量を稼いでいる
- Etude in G sharp minor Op. 25 no 6 華麗さだけでなくパワーもある
- Etude in C minor Op. 10 no 12 高速だが精度は高く、付点などもきちんとしている
- Fantasy in F minor Op. 49 女流のなかではパワーと精度でかなり上位か
- Nocturne in E flat major Op. 55 no 2 演奏順変更、精緻なノクターン
- Etude in C major Op. 10 no 1 正確でミスタッチ少ない
- Etude in E minor Op. 25 no 5 運指能力たかく速度も出ている
- Ballade in F minor Op. 52 完成度が高いがコーダは飛ばしすぎ
- Nocturne in B major Op. 62 no 1 情感はでているが精度は高くない
- Etude in A flat major Op. 10 no 10 運指には不安定
- Etude in A minor Op. 25 no 11 速度にムラがあり安心できない
- Ballade in F minor Op. 52 エチュードは完成度かなり低いが 不思議なことにバラード4は一応完成していてコーダも弾けているのが不思議 得意不得意がはっきりしてレパートリーに偏りがある音高生によくいるタイプか
●NC700Sの5回目の鑑札更新のナゾ(事前チェックが綿密編)
●流行のブルーツース電蓄を作ってみるのナゾ
●ガス吸収式冷蔵庫はコンプレッサ式より電気を食うのかのナゾ
2)1日置いて上の放熱器が下になるようにさらに90度倒す
3)1日置いてエバポレータが下になるようにさらに90度倒す
4)1日置いてさらに90度倒して元の状態にして1日放置後、作動を確認する。
●ショパンコンクール2020のプレリミナリー演奏のナゾ(日本人の入賞者を占う編)
Nocturne in C sharp minor, Op. 27 No. 1 | Etude in C major, Op. 10 No. 7 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Mazurka in A flat major, Op. 24 No. 3 | Mazurka in B flat minor, Op. 24 No. 4 | Fantasy in F minor, Op. 49
S&S 華麗さや色彩感も混じるものの幻想曲は平板。鍵盤は撫でるのではなく体重を載せて叩かないとパワー不足。昭和音楽大学ピアノ演奏家コース3年
Mazurka in B flat major, Op. 17 No. 1 | Mazurka in A flat major, Op. 17 No. 3 | Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 | Etude in A minor, Op. 25 No. 11 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Ballade in F minor, Op. 52
CFX 華麗な舞曲に始まり重厚なエチュードに続き、しっかり歌いこんだ出色なバラード4を構築する。CFXの深いバスが効いている。東京藝術大学卒伊藤恵門下。色彩感が強い良い演奏。
Nocturne in E major, Op. 62 No. 2 | Etude in B minor, Op. 25 No. 10 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Mazurka in A flat major, Op. 50 No. 2 | Mazurka in C sharp minor, Op. 50 No. 3 | Ballade in F minor, Op. 52
S&S 運指能力の高さだけでなく情感も豊かにダイナミックに表現する。桐朋学園大学卒
Mazurka in G major, Op. 50 No. 1 | Mazurka in C sharp minor, Op. 50 No. 3 | Nocturne in B major, Op. 9 No. 3 | Etude in A flat major, Op. 10 No. 10 | Etude in C sharp minor, Op. 10 No. 4 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60
S&S エチュード10-4は華麗かつダイナミックで舟歌も完璧に近い。ベルリン芸術大学大学院
Nocturne in C sharp minor, Op. 27 No. 1 | Etude in C sharp minor, Op. 10 No. 4 | Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 | Mazurka in G sharp minor, Op. 33 No. 1 | Mazurka in D major, Op. 33 No. 3 | Ballade in G minor, Op. 23
S&S エチュードは表現力豊かで楽しそうに弾く。バラード1の完成度も高い。桐朋学園大主席卒
Nocturne in B major, Op. 62 No. 1 | Etude in C major, Op. 10 No. 1 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Mazurka in G sharp minor, Op. 33 No. 1 | Mazurka in B minor, Op. 33 No. 4 | Fantasy in F minor, Op. 49
S&S 全般に渡って確実かつ丁寧でChopinらしさを表現した演奏で好感が持てる。相愛大学音楽学部ピアノ専攻演奏課程卒
Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 | Etude in C minor, Op. 10 No. 12 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Mazurka in D major, Op. 33 No. 3 | Mazurka in B minor, Op. 33 No. 4 | Ballade in F minor, Op. 52
S&S 年齢以上に熟成された演奏。バラード4は重厚ながら明るい印象で終わる出色の出来。コーダの畳み掛けるパッセージ間にも微妙な「間」を置いてまるで朗々と語っているかのように聞こえる。東京藝術大学江口玲門下
Nocturne in F sharp minor, Op. 48 No. 2 | Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Mazurka in B flat major, Op. 17 No. 1 | Mazurka in E minor, Op. 17 No. 2 | Ballade in F minor, Op. 52
CFX ややハイフィンガーは故中村氏の影響か。丁寧に情感を込めて弾くことで、バラード4も甘く響く。ビデオはアップが多い。ウィーン国立音楽大学ピアノコンサート科
Mazurka in B flat major, Op. 17 No. 1 | Mazurka in G minor, Op. 24 No. 1 | Nocturne in G major, Op. 37 No. 2 | Ballade in F major, Op. 38 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5
CFX 情感を込めて弾き色彩感がある。バラード2は緩急あり端正だがコーダでの爆発的パワーが今ひとつで、Kyohei Sorita と対照的。パリ国立高等音楽院、リヨン国立高等音楽院
Nocturne in B major, Op. 9 No. 3 | Mazurka in A minor, Op. 59 No. 1 | Mazurka in F sharp minor, Op. 59 No. 3 | Etude in A minor, Op. 25 No. 4 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Ballade in F minor, Op. 52
S&S 情感を込めて緩急と「間」をとりながらじっくり弾く。パワーも十分あり朗々と奏でる模範的なバラード4。CFXだったらもっと効果的だったろう。東京藝術大学3年有森博門下だが、最近の芸大はレベルが高い。
Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Mazurka in A flat major, Op. 17 No. 3 | Mazurka in A minor, Op. 17 No. 4 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60
CFXの深いバスが響く重厚な演奏。舟歌での緩急、明暗の表現、間のとり方は出色。最近の芸大は表現力において桐朋を凌ぐか。東京藝術大学院伊藤 恵門下
Mazurka in G minor, Op. 24 No. 1 | Mazurka in C major, Op. 24 No. 2 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in A minor, Op. 25 No. 4 | Nocturne in B major, Op. 9 No. 3 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60 |
S&S Chopinらしく明るく華麗で色彩感のある舟歌。 ウィーン国立音楽大学大学院
Mazurka in B major, Op. 56 No. 1 | Mazurka in C major, Op. 56 No. 2 | Nocturne in C sharp minor, Op. 27 No. 1 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60 | Etude in G flat major, Op. 10 No. 5 | Etude in B minor, Op. 25 No. 10
CFX 緩急をつけた色彩感のある豊かな舟歌。東京音楽大学卒ベルリン芸術大学
Mazurka in D flat major, Op. 30 No. 3 | Mazurka in C sharp minor, Op. 30 No. 4 | Etude in G flat major, Op. 10 No. 5 | Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 | Nocturne in F sharp minor, Op. 48 No. 2 | Ballade in F major, Op. 38
S&S パワーの小林節から緩急を伴った演奏に変化はしているが、バラード2前半は不可解なほど平板。フィラデルフィア・カーティス音楽院
Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 | Nocturne in B major, Op. 9 No. 3 | Mazurka in G minor, Op. 24 No. 1 | Mazurka in C major, Op. 24 No. 2 | Fantasy in F minor, Op. 49
S&S Chopinらしい華麗で優雅でありながら情感も深い。色彩感のある幻想曲は出色でパワーもありダイナミックレンジが広い ビデオのアップも多数。昭和音楽大学院
Nocturne in E major, Op. 62 No. 2 | Etude in A minor, Op. 25 No. 11 | Etude in A flat major, Op. 10 No. 10 | Mazurka in A minor, Op. 59 No. 1 | Mazurka in F sharp minor, Op. 59 No. 3 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60
CFX 男性ながら柔らかな演奏で正確無比 緩急の幅が大きくCFXの深いバスが相まってダイナミックレンジも大きい。大きな手も高速な演奏に有利か 東京藝術大学院津田 裕也門下
Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 | Etude in G flat major, Op. 10 No. 5 | Etude in A flat major, Op. 10 No. 10 | Mazurka in A flat major, Op. 50 No. 2 | Mazurka in C sharp minor, Op. 50 No. 3 | Ballade in F minor, Op. 52
S&S 運指レベルが高く緩急も十分で表現も深い。東京藝術大学院卒
Mazurka in A minor, Op. 59 No. 1 | Mazurka in F sharp minor, Op. 59 No. 3 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in A flat major, Op. 10 No. 10 | Etude in E major, Op. 10 No. 3 | Ballade in F minor, Op. 52
CFX 情感深く丁寧で緩急も十分でバラード4も明るい。東京藝術大学卒
Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 | Mazurka in D flat major, Op. 30 No. 3 | Mazurka in C sharp minor, Op. 30 No. 4 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60
S&S 前回ステージ2、Chopinらしく明るく華麗だが表現も深い。 ビデオのアップ多数。東京音楽大学卒
Mazurka in E minor, Op. 41 No. 1 | Mazurka in C sharp minor, Op. 41 No. 4 | Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in C major, Op. 10 No. 7 | Ballade in A flat major, Op. 47
S&S 明るい曲想の演奏で、エチュードやバラード3もChopin的なリズム感のある良い演奏。昭和音楽大学卒
Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 | Etude in A flat major, Op. 10 No. 10 | Etude in A minor, Op. 25 No. 11 | Mazurka in C major, Op. 24 No. 2 | Mazurka in B flat minor, Op. 24 No. 4 | Ballade in F minor, Op. 52
S&S 前回ステージ1,明るく歯切れの良い演奏。バラード4は緩急が大きく情感を込めた演奏が好ましい。桐朋学園大、ベルリン芸術大
Nocturne in C sharp minor, Op. 27 No. 1 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Etude in C minor, Op. 10 No. 12 | Mazurka in A minor, Op. 59 No. 1 | Mazurka in F sharp minor, Op. 59 No. 3 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60
S&S 緩急や音割の解釈に特色があり一風異なる演奏。芸大音高からジュリアード音楽院、英国王立音楽院。
Nocturne in E flat major, Op. 55 No. 2 | Mazurka in C minor, Op. 30 No. 1 | Mazurka in D flat major, Op. 30 No. 3 | Etude in G flat major, Op. 10 No. 5 | Etude in B minor, Op. 25 No. 10 | Fantasy in F minor, Op. 49
S&S 音量があり明るく軽やかでバランスがとれた演奏。幻想曲は表現が細やかでパワーもある。東京藝術大、パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学
Mazurka in G major, Op. 50 No. 1 | Mazurka in C sharp minor, Op. 50 No. 3 | Etude in G flat major, Op. 10 No. 5 | Etude in B minor, Op. 25 No. 10 | Nocturne in D flat major, Op. 27 No. 2 | Ballade in G minor, Op. 23
S&S 軽やかで明るく明快な解釈と正確な演奏だが、今回のバラード1は力みすぎかミスがあった。医学生ということで共感が持てるので応援したいところ。名古屋大学医学科5年
Nocturne in B major, Op. 62 No. 1 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Mazurka in G major, Op. 50 No. 1 | Mazurka in C sharp minor, Op. 50 No. 3 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60
S&S 明るく正確な演奏で運指能力に余裕があるが、爆速の舟歌はあらずもがな。桐朋学園大
Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1 | Mazurka in B flat major, Op. 17 No. 1 | Mazurka in A minor, Op. 17 No. 4 | Barcarolle in F sharp major, Op. 60 | Etude in C major, Op. 10 No. 7 | Etude in C sharp minor, Op. 10 No. 4
S&S ショパコン中国からシード。情感がとても細かく、豊かでパワーと広がりのある演奏。小柄ながら体重をうまく乗せてパワーを稼ぐ弾き方は上原彩子に似ている。モスクワ音楽院付属中央音楽学校
Nocturne in B major, Op. 62 No. 1 | Etude in A minor, Op. 25 No. 11 | Etude in A flat major, Op. 10 No. 10 | Mazurka in B major, Op. 56 No. 1 | Mazurka in C minor, Op. 56 No. 3 | Ballade in F minor, Op. 52
CFX 緩急自在で重厚かつスケールの大きな完成された理想的なバラード4。過激なコーダでもパッセージ間に適度な「間」があることで、団子にならずきれいな唄になっている。東京藝術大学院 伊藤恵門下
Nocturne in B major, Op. 62 No. 1 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in E minor, Op. 25 No. 5 | Mazurka in B major, Op. 56 No. 1 | Mazurka in C major, Op. 56 No. 2 | Ballade in F major, Op. 38
CFX 高度な技巧と独特な反田節は存在感を示すが、Chopinの華麗さと若干趣を異にする。バラード2は爆速で畳み掛けるが、パッセージの間に「間」が無く団子になっているので息苦しく感じる。国立モスクワ音楽院
Nocturne in C minor, Op. 48 No. 1 | Mazurka in G minor, Op. 24 No. 1 | Mazurka in C major, Op. 24 No. 2 | Etude in A minor, Op. 25 No. 4 | Etude in A minor, Op. 25 No. 11 | Ballade in F major, Op. 38
S&S Cateen(かてぃん)さん Chopinらしい華麗でバランスの良いバラード2は出色の出来。ルックスもChopinに似ているかも。東大工学部卒、フランス音響音楽研究所
Nocturne in E flat major, Op. 55 No. 2 | Etude in A minor, Op. 25 No. 11 | Etude in E flat major, Op. 10 No. 11 | Mazurka in G sharp minor, Op. 33 No. 1 | Mazurka in D major, Op. 33 No. 3 | Ballade in F major, Op. 38
S&S 激しさの中に美しいアルペジく浮き出るバラード2。拍手多し。Kobayashiとは対照的な演奏。ポーランド国立ショパン音楽大学3年
Nocturne in G major, Op. 37 No. 2 | Mazurka in C major, Op. 24 No. 2 | Mazurka in B flat minor, Op. 24 No. 4 | Etude in F major, Op. 10 No. 8 | Etude in G sharp minor, Op. 25 No. 6 | Ballade in F minor, Op. 52
S&S 緩急と音割に独自性があり、スケール感のある演奏だが若干ミスタッチあり。ビデオのアップ多数。東京藝術大学2年東誠三門下
●ショパンコンクール2020の傾向と対策のナゾ
□近頃話題のフルコンサートピアノのナゾ(ショパンコンクール編)
a) Winners of the top three prizes of the following Chopin piano competitions may be accepted directly to the Preliminary
Round, bypassing the work of the Qualifying Committee (see § V):
Asia-Pacific International Fryderyk Chopin Piano Competition in Daegu (2018 edition)
Darmstadt International Chopin Piano Competition (2017 edition)
Canadian Chopin Piano Competition in Mississauga (2019 edition)
Moscow International Frederick Chopin Competition for Young Pianists (Foshan 2018 edition)
Beijing International Fryderyk Chopin Piano Competition for Young Pianists (2016/19 edition)
International Chopin Piano Competition in Asia, Tokyo (2020 edition)
b) Winners of the top two prizes of the following competitions may be accepted to the Competition, bypassing the work of
the Qualifying Committee and without having to participate in the Preliminary Round:
The Queen Elisabeth of Belgium International Music Competition in Brussels (2016 edition, piano category)
The International Paderewski Piano Competition in Bydgoszcz (2019 edition)
The Van Cliburn International Piano Competition in Fort Worth (2017 edition)
The Hamamatsu International Piano Competition (2018 edition)
The Leeds International Piano Competition (2018 edition)
The International Tchaikovsky Piano Competition in Moscow (2019 edition, piano category)
The Santander International Piano Competition (2018 edition)
The Arthur Rubinstein International Piano Master Competition in Tel Aviv (2017 edition)
c) For the following competitions, winners of the top two prizes may be accepted directly to the Competition, and winners of
the third prize directly to the Preliminary Round:
The National Chopin Piano Competition of the USA in Miami (2020 edition)
The Polish National Fryderyk Chopin Piano Competition in Warsaw (2020 edition).
The Preliminary Roundは2021年5月までにワルシャワで開かれるが、その日時は予め登録が必要で、参加旅費と宿泊費は自己負担である。課題曲は(詳細は上記ルールにあり)
エチュード2曲、
ノクターンとエチュードから1曲、
マズルカ2曲、
バラードと舟歌と幻想曲から1曲
である。演奏は暗譜で行い、一般公開される(今回は小さなホールだった様子)。譜面の版はエキエル氏監修の The National Edition of the Works of Fryderyk Chopin が推奨されるが、一般的に流通し演奏されている版であれば良いことになっている。バラードとエチュードを聴いた範囲では依然としてカバレフスキー版が多かったように思う。
Stage I participants: 29 September to 9 October 2021
Stage II participants: 29 September to 14 October 2021
Stage III participants: 29 September until the end of the Competition
Finalists: 29 September until the end of the Competition
となっている。課題曲(概要)は、
ステージ1
エチュード2曲、
ノクターンとエチュードから1曲、
バラードと舟歌と幻想曲とスケルッツオから1曲
ステージ2
バラードと舟歌と幻想曲とスケルッツオと幻想ポロネーズから1曲、
ワルツから1曲、
ポロネーズOp22,44,53,26から1曲、
制限時間内に自由選択1曲
ステージ3
ソナタop35、ソナタp58と前奏曲op28全曲から一つ
マズルカop17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59から1セット
制限時間内に自由選択1曲
となっている。詳細は上記リンクを参照されたい。
●セイコーコンスタントフォーストゥールビヨンのナゾ
□怪しげなトゥールビヨンのナゾ
で解析し、実際に修理した経験を書いた。また、
では、世界的になぜ”FUGAKU”が酷評されたのか解説している。今回は、T0コンスタントフォース・トゥールビヨン(以下T0)の構成要素を検討したい。国内外ネット広しといえども、納得のいくコンスタントフォーストゥールビヨンの原理が説明されているのはこのサイトだけであろう。
●Dell-PP10S(CeleronM-1.3 GHz)のLubuntuによるによる再生のナゾ
のVJ13mと似ている。キーボードは同じ部品だ。裏に冷却ファンの入り口があるのでVJ13mと同様ACERのOEMだと思うが、基板は微妙に異なるようだ。
●HP2230s(WindowsVista Core2duo)のLubuntuによるによる再生のナゾゾ
●VAIO VGN-AS34B(CeleronM1.5GHz)のLubuntuによるによる再生のナゾ
●DynabookSS (CeleronM1.73GHz)のLubuntuによるによる再生のナゾ
●Versapro VJ13m(CeleronM-1.3 GHz)のLubuntuによるによる再生のナゾ
●Gateway LT2000(AtomN280-1.66 GHz)のLubuntuによるによる再生のナゾ
●Thinkpad T23(PenV-1.13GHz)のLubuntuによる再生のナゾ
●古いXPやVISTAマシンで最新のYoutubeや動画配信を見る方法のナゾ
□焼き餅焼きのVaioG故障のナゾ(ファン注油とXP延長サポート編)
●64bit版Windows10の呪い(鈍い)のナゾ
□Mar. 2:WinNT族での風水変造を考える・序章
□ゼロスピンドルパソコンはDMAモードの夢をみるか?のナゾ
□ゼロスピンドルパソコンは超石器時代の夢をみるか?のナゾ
●火が着かないガスコンロのナゾ
●キャンピングカーのリアサス異音との戦いのナゾ
●格安ルーター楽天モバイルのナゾ(ユーザーを選ぶ編)
●サーモ付き風呂シャワー切換弁止水不良修理2021版のナゾ
□サーモ付き風呂シャワー水栓水漏れ2018のナゾ
□続サーモ付き風呂シャワー水栓水漏れのナゾ(部品交換編)
□サーモ付き風呂シャワー水栓水漏れのナゾ
についで5回めである。この極端に寿命の短い切換弁は最初の3回はありと高価な金を払って修理したが、その不具合のメカニズムが2020年の4回目で解明されたので、対策により交換せず修理可能となっている。
●COVID-19のワクチンはどの程度効くのかのナゾ(イスラエルのデータの矛盾)
●動作しなくなったソーラーウォッチ復活のナゾ
公称電圧 (V) 1.5
充電電圧 (V) 1.8 〜 2.6
公称容量 (mAh) 5
連続標準負荷 (mA) 0.05
直径 (mm) 9.5
高さ (mm) 2
質量 約 (g) 0.41
使用温度範囲 (°C) -10 〜 60
タイプ MT
●目立たないエアコンプレッサーレストアの謎(リベンジ編)
●ファンヒーターのフレームロッド風水クリーンアップ!のナゾ(着火不良・立ち消え根絶2021年版)
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用意するもの
1)ファンヒーター前面パネルをはずす+ドライバー
2)水鉄砲のようなもの(注射器や霧吹きなど。市販のスプレー製品の使用後のものでよい。十分水洗しておく)
3)気になる人はゴグルを着用のこと
4)昨今絶滅に瀕している、自ら科学しトラブルを解決する自立した心。これが大事。
手順
1)ファンヒーターが冷えているときに前面パネルをはずす。通常は前面パネルの側面の上か下にネジがある。旧サンヨーやアラジンなどはルーバーをはずすネジが別途ある(中央にもあったりする)ので注意。
2)バーナーの前面にあるのぞき窓の雲母板をはずす。雲母はもろいので、上から爪楊枝を2本並べてさし、穏やかに凸状にしてはずすと良い。
3)ファンヒーターを着火し、雲母がはまっていた窓から赤熱したフレームロッドがどこにあるか調べる。通常フレームロッドと点火用のロッドの2本あるが、フレームロッドの法が長く炎に長く接するようにできていることが多い。
4)ファンヒーターをオフにし、フレームロッドが赤熱している間に水流もしくは霧を黒くなるまで噴射する。
5)再度点火してフレームロッドが赤熱したらオフとして同様の作業を繰り返す。注射器による水流がもっとも効果的だが、霧吹きの場合はなるべく狭い範囲にしぼるがコツだ。3−5回これを行うとロッドだけでなくバーナーや網目の白化までが黒くなる。ついでに点火用ロッドやガラス質が付着して白くなった部分にも吹きかけよう。
6)最後に雲母を戻し、ルーバーや前面パネルを戻したら修理終了である。雲母は割れやすいが、雲母が無くても動作には問題は無い。同様に白化したルーバーについても、霧吹きによる急冷で簡単に掃除できるようになる。
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調べた範囲では現行の石油ファンヒーターの殆どがフレームロッドを使用している。しかしガスファンヒーターは、以前報告した、
●VENDEE GLOBE2020は誰が優勝するのかのナゾ
Webmasterは偶然このAC45Fに洋上で超接近遭遇してその細部をリポートし、またモノハルのフォイル艇の例として、Gitana16の動画をのせていた。
●吸収式冷蔵庫と水を飲む平和鳥の関係のナゾ
□キャンピングカー用変造エアコンのバリスターの恐怖のナゾ
□キャンピングカーの冷房のナゾ(TAD-22と変造CV-U100C-W編)
●Vendee Globe2020の行方のナゾ
とはかなり変わっている。
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