October 31
果たして24時間風呂は実用的か?
October 29
空港を歩けばスカイマークエアラインに当たる編
October 26
続サーモ付き風呂シャワー水栓水漏れのナゾ(部品交換編)
October 23
再度RealAudioとTwinVQの効き比べのナゾ
October 19
株価報道の読み方1998(日経平均とTOPIX)
October 16
デュアルセレロンマシンの衝撃
October 13
山本式スーパーバイノーラルコンペンセーターのナゾ(その2、ソースを考える編)
October 11
儚くなったニッカド電池のナゾ(喝を入れて現世に引き戻す編)
October 8
山本式スーパーバイノーラルコンペンセーターのナゾ
October 4
新幹線のどうでも良い話(揺れない車両と席を選ぶ編)
October 1
WAVとMP3とRealAUDIOとTwinVQを聞き比べる(ヒトの印象対スペクトログラム)
最近では検索ページで自分のページがどこからリンクされているかがわかる。gooだとテキストだけでなく、自分のページへリンクを張っているページを逆引きする事も可能だ。自分が他人にどう思われているかを知ることは難しいが、少なくとも自分のページが他人にどのように思われているかは簡単に知ることができる。
先日、"今日の必ずトクする一言”を逆引きしてみた。いろいろな方々からリンクを頂いて感謝に堪えないのだが、顧客層は電算機関係のサラリーマンや学生さんなどが多いようだ。今回は顧客層の拡大を狙って??24時間風呂を取り上げてみたい。
一年前の事である。家に帰ると玄関に突然24時間風呂がドーンと置いてあった。なんでも家人が友人からロハで貰ってきたらしい。聞けば新型が出たので旧型在庫を社員に支給したとか。折しもレジオネア騒動で、友人はリサイクルショップに持っていっても断られたそうである。買えば30万以上するシロモノなので突然の出現に少々驚いた。
かなりデカイ本体だったが幸い風呂場に設置するスペースがあった。配管は簡単だが配線は風呂場に100Vを引き込む事になるので注意が必要だ。電線を風呂の換気扇のグリルから天井裏を這わせて隣の洗濯室に降ろし漏電ブレーカー付きプラグをコンセントに差す。もちろんアースは確実にとる必要がある。家の配電盤には既に漏電ブレーカーが入っているので二重の漏電対策になる。
次に濾過槽に砂利、貝殻、粒状活性炭を洗って入れる。お湯はゴミを取り除くスポンジ製のプレフィルターを通り切り替え弁とポンプを経て、紫外線殺菌され、濾過されて浴槽に戻ってくるというシカケだ。お湯をきれいにするのは濾過材の表面に生じる細菌のバイオフィルム層である。これに湯温を保つヒーターやタイマー、濾過槽の逆洗浄装置などが付いている。毎日自動的に逆洗浄装置が動作し、濾過材の汚れを落とすようになっている。
お湯の排出口には、ベンチュリー効果を用いた発泡装置がある。Webmasterは風呂で新聞や電気製品のカタログをゆっくり読むのが何より楽しみなので、泡につつまれての入浴は楽しい。
しかしである。はっきり書けば少なくとも我が家では24時間風呂は24時間使われていない。以下に理由を挙げる
まずお湯の節約というのがメーカーの謳い文句だが、我が家では余ったお湯の大半を翌日洗濯に使ってしまう。残り湯の方が温度が高いので、冷水より遙かに汚れ落ちが良いからだ。
では仮に、洗濯にお湯を使わないとしても、”お湯は3ヶ月入れ換えずに済む”との宣伝文句は正しくない。入浴すればお湯はどんどん減ってしまうので、絶えずお湯を追加する事になるので、数日でほとんど入れ替わってしまう。自動的に毎日動作する逆洗浄でも少なからぬお湯をロスする。
次の問題は電気代だ。特に風呂に湯沸かしの釜が付いている場合、お湯は釜を経由してどんどん冷めてしまう。従ってこれを防ぐシカケが必要になる。以前、
CD-ROMで風水学的省エネのナゾ(今晩から暖かいお風呂とトイレが楽しめる大発明)
で紹介した湯温維持装置は、実は24時間風呂のために開発したものである。それでも冬季に一日中入浴可の温度を保つには一日300円近い電気代がかかる。
最大の問題は衛生問題だ。確かに24時間風呂自体の浄化能力はかなり高いが、長く使っていると特有なニオイが生じてくる。24時間風呂の浄化能力に問題があるのかと思ったが、そうでは無かった。通常は風呂は自動注水なのだが追い炊きのために風呂釜がついているが、そこに湯垢が溜まってニオイが出る。
従って、メンテは結構煩雑だ。風呂釜は洗濯用の粉状漂白剤で毎月洗う必要がある。それだけでは無い。プレフィルターは毎日洗う事になっているが、サボッても最低週に一回は洗う必要があり、これが一番面倒だ。
さらに配管に生じるヌメリ(バイオフィルム層)を取るため、3ヶ月に一度粉状漂白剤で数時間配管を循環洗浄する必要がある。濾過材も1年毎に交換する事になっているが、単なる砂利と貝殻と粒状活性炭なので、これは念入りな洗浄すればOKだ。
問題になっているレジオネアであるが、メンテさえきちんとやっていればあまり心配は要らない。日本で24時間風呂によるレジオネア感染症の報告は無い。何より泡につつまれた入浴は気持ちが良く長湯してしまう。これにつかっている使っている間はメンテの面倒も忘れるほどだ。入浴が終わると逆洗浄を即行い電源を落としている。つまり入浴時間の間だけしか使っていない。
というわけで、残り湯を洗濯に使う状況では面倒なメンテの割を考えると24時間風呂を使うメリットはあまり無い、というのが結論である。同じ仕組みでヒーターの無い組み込み式の泡風呂のメーカー品は昔からあるのだが、メンテがめんどうで故障が多く評判が悪いので業者もあまり勧めたがらない。
もちろん、洗濯に残り湯を使わない家庭で、多くの家人が1日中いれかわりたちかわり入浴し、また風呂釜がついていない浴槽で、家人がメンテに熱心ならば便利であろうと思うが、そういう家庭はあまり無いのではないだろうか。
ただし、泡に包まれての入浴は非常に気持ちが良いので、入浴中にエアを吹き出す何らかの装置だけあれば良いような気がする。研究所において山本式泡風呂装置??を鋭意開発中なので、もしうまく行けば近日中に紹介出来る??かも知れない。
最近更新がかなり不規則になっているのは、業界の出張シーズンだからである。毎週のように出張があると、ジャンクを買うお小遣いに響くので、ジャンクが生き甲斐のWebmasterにとっては死活問題だ。株価暴落の折り、自然とコストコンシャスになってしまう。
新幹線と違って、飛行機の場合は空港で暇つぶしをする事になる。福岡空港のレストランはどれもバカ高で自然と足が遠ざかる。空港で一番安くかつ速くおなかを膨らませるには、東京行きターミナルの1階にあるコンビニが適当だ。
ここならパンもお菓子もインスタントラーメンも選び放題で、お湯も電子レンジも使える。コンビニ前にはテレビと椅子があるので、常連客やツアコン、バスガイドや運転手も多く出没する。同様に、一番安くかつ急速に酔いたい場合には缶チュウーハイのレモン味が適している。ビールが所望な場合は発泡酒が置いてないので缶入りより僅かに安いスーパードライの小ビン入りとなる。
さてコンビニに向かうと、スカイマークエアラインズのカウンターがあった。場所はANAカウンターの一番ハズレで、これ以上ハズれるとベルトコンベアーが無いので手荷物の取り扱いに困るだろう。
スカイマークエアラインズは、航空会社のドル箱の羽田−福岡間を日に3往復している( 写真はDIREC-TVのリンク)。機材はB767-300ER(309席=スーパシート12席+エコノミー297席)一台で、福岡到着から出発までのターナラウンドは40分、羽田のそれは55分とかなりギリギリの設定だ。機材は近く追加されるらしい。
何より片道\13700は魅力的でスケジュールの設定が良いため満席が続いており、予約電話もビジーが多いらしい。予約の精算はカードもしくはコンビニの支払いのみと簡略化されており、インターネット予約も準備中とか。予想通りカウンターは込み合っており、黄色いTシャツのスタッフが案内している。
カウンターには白黒コピーのパンフと時刻表があった。運賃体系は簡潔で契約事項が大きな字体で書かれており、契約がはっきりかかれていない大手とは対照的である。大手の割引運賃は複雑でどれが正価なのか解らないし、電算機上であの料金体系の整合性を維持するのは、マルチCPUでのキャッシュの整合性を保つのと同じくらい難しい処理ではなかろうか。
予約発券システムはANAと完全に独立しているようだ。JAS傘下のハーレクインとは異なったアプローチである。クライントはThinkPadを使用し、10BASE-Tカードを経て繋がっている。ホストがどうなっているか解るハズも無いが、クライアントはWin95のOSR2.1上で動いているように見えたが、あるいはIE4を仕込んだNTかも知れない。
クライアントの画面は、基本的な予約発券業務とクレジットカード、コンビニとの精算電文処理のように見えた。グラウンドの制服は黄色をベースにした目立つモノで、ケバく無い印象であった。アテンダントも大いに気になるが不明である。
Webmasterは米国に住んでいた頃にディスカウントの先駆けとなったPeople'sExpressの衝撃的ビジネスを覚えている。この会社が東海岸と西海岸の間を$100以下で初めて結んだのである。アテンダントがグラウンドの業務をこなし、そのまま搭乗する。当然飲み物のサービスはすべて有料である。
People'sExpressを利用しようと思った時にはすでに会社は買収され搭乗するチャンスが無かった。次なるディスカウントのトップに踊り出たのはコンチネンタルで、こちらは数回利用するチャンスがあった。機材はDC-9が多く、細長い機材に目一杯座席数が確保されていた。座席のピッチは Webmasterにもさして余裕が無く、大柄な米国人にはかなり窮屈そうだった。なんと左右をトイレに挟まれた後部与圧隔壁前にも座席が確保されていた。
乗り込んでストーリッジの蓋をあけると、中は紙箱カートン入りの飲み物と紙コップが入っており、大柄のアテンダントが”ここはナットアベイラブルだ、ソーリー”という感じだった。ゴミは飛行中にアテンダントがゴミ袋を持って回収して回る。離着陸時のアテンダントの座席は、まるでバスの補助シートのように通路上に飛び出す構造にはびっくりした。クルーは乗客と一緒に移動したりする。
友人にコンチネンタルの事を聞いたら、”多少窮屈な座席でも数十ドル節約するなら我慢する。もしお金があるならアメリカンエアラインズを選ぶのだが”、と言っていた。コンチネンタルも破綻し再編成の嵐に飲み込まれてまた復活するという、ジェットコースターのような激動の時代を辿っている。
その間日本の業界には高コスト体質に大きな変化は訪れていない。つい先日もどっかの組合がストであきれられたばかりである。スカイマークのような刺激が無いと、どっぷり高コストに漬かったまま業界全体がゆっくり破局に向かっていた事だろう。大手は以前ドル箱の羽田ー札幌間と羽田ー福岡間をこっそり値上げした。結局不況で五月雨的値下げを余儀なくされ、利用者には怒りの記憶だけ残った。
ハナシは戻るが、羽田でもコストコンシャスなサバイバルは可能である。まず空港へは京浜急行が安い。モノレールに乗り換えて空港に着いてANA側出口に出ると、エレベーターの脇に目立たないようにコンビニがある。ここにはパンや弁当類がいつも多量に積んである。
パンや弁当の売れ行きを見ていると、グラウンドやアテンダントはお菓子ばっかり、ブルーカラーは弁当ばかりと偏食が多いようだ。そのせいか?ビタミンパーラーなどの栄養ドリンク類が良く売れている。ここでの最高のコストパフォーマンスはテリヤキバーガー\130で電子レンジで30秒だ。
お湯もあるので、インスタントラーメン類も選べる。飲み物は、ここでもなぜか発泡酒が無く缶チューハイのレモン味(\209)が大量に在庫されている。上の階の椅子が大混雑しているときは、コンビニの手前の自動販売機コーナーに椅子とテーブルがあり、ここも常連のツアコンが事務をやっていたりする。
波乱のハナシばかりで申し訳ないが、
に関して多くのメイルをいただいた。大半はメカ好き素人の方で、水栓の設置法や消耗部品の入手法のお問い合わせ、そして水栓金具の規格が合わずに苦労した経験談などであった。一方プロの方からはトラブル例、水栓業界の内情のタレコミ、特に某トップメーカーが消耗部品をなかなか供給してくれないと言う不満などであった。
一通だけ、記載を書き換えて欲しいという要求がプロの方からあった。”何か事実に反する記載があるか?”と尋ねたが、記載に間違いは無いとのお答えだったのでご希望に沿えなかった。
件の水栓は先日の応急修理で水漏れは完治していたのだが、水を止める時のレスポンスというか、キレが新品ほど良くない。人間で言えば前立腺肥大のような感じか。
最近のコマにはフランジに接する部分に細いゴムのリップがあって、これがスパっと水が切れる理由のようだ。6年も使ったコマにはリップどころか逆に深い溝が出来ており、寿命と言うべきだろう。
部品調達は自ら支店へ赴く事をポリシーとしているが、困ったことに水栓に型番も製造番号も刻まれていない。消耗部品が必要な頃には、主力商品が変わっていて型番が特定しがたい、というのがこの手の前近代的業界にありがちである。
型番や製造年は、ローレットのネジ切りや面取り切削の具合などの符丁のような手がかりで見分けるのがこの業界のしきたりらしい。まるでピンボケ写真から戦艦大和と武蔵を見分けるような感じだ。結局間違いの無いように実物と部品のデジカメのプリントアウトを持参した。会社の対応は非常に親切で、主力商品だった事もあって目的の部品はすぐ見つかった。
少し驚いたのは、写真の通り消耗部品の形が変わった事である。従来のは肉厚重厚なのに対し、新型は主要部分以外は肉厚がずっと薄くなっている。フランジ径も小型化されており、径を合わせるためのブッシュが附いていた。さらにコマがなるべく回転せずにフランジに当たるように改良されている。当然ながら、消耗部品にも型番の打刻なんか無い。
一見なんの変化もないような水栓業界の製品であるが、子細に見るとバブル前後で大きく設計が変化している。まず、バブル期では水栓自体の重厚化、高価格化、高機能化、デザイン差別化が進んだ。
従来は平滑だったコマの表面にリップが附き、フランジ径も拡大された。人手不足やメンテの都合かコマの長寿命化が計られ、コマがフランジに回転せずに密着する構造に変化している。コマが回転すると磨耗が速くなるからだろう。このため、コマ周辺はOリングを多用する構造となり、困った事に操作力が大きめになっている。
実は洗面所にT社のしゃれたシャワー附きサーモ水栓があるのだが、デザイン重視とOリング多用のため新品の時から操作力が重く子供の力では締まりにくかった。結局モーメントを稼ぐためにハンドルを無骨な長めのレバーに交換するハメになった。これまた困った事にハンドルの軸径も各社でマチマチと徹底している。
バブルが破綻すると、低価格化の嵐がやってきた。水栓ケースが小型化しフランジ径も小さく部品の肉厚も薄くなった。コストダウンのために海外生産も増えている。同時に普及クラスの製品や部品はホームセンターなどに大量に並ぶようになり、シャワー附きサーモ水栓の普及品は2万前後で入手できる。今後はバブルな水栓商売はできなくなるだろう。今回の*VKの部品も、型番さえ特定できればホームセンターで注文できるそうだ。
今後は、いろいろな形の水栓が手頃な価格で選べるようにして欲しいと思う。もちろん、メーカーでバラバラな規格は統一して貰わなければならないし、製品や消耗部品の型番やシリアルの刻印が無く品質保証の制度も不備の上、消耗部品を円滑に供給しないメーカーがあるという前近代的状況はなんとかして欲しいものだ。
先日の、
WAVとMP3とRealAUDIOとTwinVQを聞き比べる(ヒトの印象対スペクトログラム)
は各方面へ思わぬ波乱を招いたようである。Webmasterが特に気になったは、”80kbpsのTwinVQの音質が(128kbpsのMp3を凌いで)音楽CDに迫る”,というセールストークがみかかの雑誌広告などで一人歩きしている事で、これはスペクトログラムを見ても間違いで有ることは論を待たない。
”TWINVQ変換領域重み付けは、NTT ヒューマンインタフェース研究所で開発された、高音質音楽圧縮技術です。多種多様な音楽を、音質を損なうことなく、原音の 1/18 以下、ISO 標準 MPEG Audio方式と比べても 、1/2 以下に圧縮することが可能です。 ”
らしいが、正しい解釈はTwin-VQは音楽CD(1.5Mbps)の1/18分、すなわち80kbpsでISO標準MPEG-AUDIO Layer-2方式(192kbps)と比べて1/2以下に圧縮する事が可能、というハナシが、みかかの広報ではLayer-2の部分が知らない内に、あるいは錯誤もしくは故意に落ちたものである。
TwinVQの原理については残念ながらネット上を探すも詳しい解説が無い。みかかのページに文献はリストアップされているが入手できていない。MP3の解説は、Audio & Multimedia (AMM) TechnologyかFrequently Asked Questions about MPEG Audio Layer-3, あるいは原理が類似したATRAC: Adaptive Transform Acoustic Coding for MiniDiscが参考になる。
Twin-VQの音質は聴覚モデルを用いたMP3というよりは、声道モデルを用いたLPC系に近い印象がある。断片的な情報によると、”離散コサイン変換(DCT)による周波数変換型楽音符号化方式に、あらかじめ用意した標準パターンと類似したパターンの番号を選び出す「重み付きインターリーブ・ベクトル量子化」等の要素技術を加えたもの”だそうだ。JPEGの圧縮技術と、携帯電話で過渡成分を波形テーブルを用いて転送するV-CELPのアイデアを取り入れたのであろうか。用途としては、通信カラオケやストリームビデオなども念頭に置いているようだ。
先日YAMAHAからSoundVQエンコーダー(ver2.54beta1)を入手した。これはみかか発のエンコーダーと異なって40kbpsや20kbpsにも対応している。80kbpsではRealAudioより印象が悪かったTwinVQだが,低い帯域ではどうだろうか?スペクトログラムを見ながら聞き比べた印象をまとめると、
方式(帯域) 周波数 過渡 (ステレオ) バランス 特性 定位 再生CPU負荷 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- MP3-128kbps 良好 やや過補正 良好 良好 Realaudio80k 良好 良好 僅かに揺れる 良好 TwinVQ80k 高域やや低下 過補正 良好 極めて高い RealAudio40k 高域かなり低下 良好 揺れる 良好 TwinVQ40k 高域やや低下 過補正 良好 かなり高い Realaudio20k 高域激しく低下 良好 激しく揺れる 良好 TwinVQ20k 高域かなり低下 過補正 やや揺れる 高い ----------------------------------------------------------------------------------------------------となった。定位はステレオの実現方法による差が出るようだ。WebmasterはHTMLでの表組が嫌いで、インチキな表になっているが勘弁して欲しい。
80kbpsでぱっとしないTwinVQも,40kや20kではRealAudioより周波数バランス,定位がやや優れている。過渡特性は依然過補正の印象がつきまとうが、波形テーブルの効果か劣化が抑えられている。
しかし、どの帯域でもエンコーダー,デコーダーともCPU負荷が他の方式より50%-100%程度重い。P55Cの200MHz程度のマシンだとエンコード中は他のタスクは全く反応しなくなるし、再生もマシンの反応が極めて鈍くなる。
ストリーミング再生のサンプルはこちらにあるはずだが、そこいら中リンク不良ばかりで僅かにつながるサンプルはひどい音だ。44k程度のストリーミングもCPUの負荷が高く、再生しながらののワープロ入力すらままならず実用にならない。
一方、低帯域でのRealAudioはTwin-VQより音質的には見劣りするが、何よりビデオが出るメリットが大きく、デコーダーの負荷が軽いのでブラウザーのシンクロも良好だ。つまり情報の品質と帯域、CPU負荷の妥協点の設定の問題なのである。
現状ではTwin-VQは情報品質とCPU負荷のバランスに手を入れる必要がある。特に80kbpsで音楽CD並みと称するにはかなりのムリがある。20kや40kあたりの低帯域でFMラジオ波の音質を狙うのが最大のメリットを追求すべき方式と言える。実際、サンプルはみんな低帯域のものばかりであった。
この当たりがベータ版ばかりが続いてなかなか製品版に繋がらない理由かもしれない。聞くところに寄ると、数少ないTwin-VQの非純正プレーヤーであるJ-Jofolはライセンスの問題でダウンロードできなくなったそうだ。貴重な援軍の芽を摘みにいく状況が不思議である。
以下、証券市場に詳しいヒトは読み飛ばして欲しい。時間の無駄になるかも知れない。
以前株価について、
について書いてからちょうど1年たった。最近も株価は激動している。10月2日の主な数字を拾うと、
終値 前日比 ------------------------------------------------------------------------ 日経平均 13223.69 +26.57 (+0.20%) TOPIX 1014.02 - 1.70 (-0.17%) ------------------------------------------------------------------------面白いことに日経平均はわずかに上げ、TOPIXはわずかに下げていてヘンである。なぜこの2つの指数は一致しないのだろうか?以下の解析の信頼性はゼロであることを予め断っておく。まず日経平均の本家は、
"一時、86年1月以来ほぼ12年8カ月ぶりに1万3000円の大台を割り込んだ。(中略)売り一巡後は公的・年金資金とみられる買い物が株価指数先物などに入り、日経平均は午後に入って高くなった。”
と言っている。実に正確な報道である。しかし日経平均が上げたのにTOPIXが下げたのはどうしてだろうか。
詳しい事は日本証券広報センター証券QandAを読んでいただく事にして、一番違うのは日経平均が225銘柄対象なのに対しTOPIXが全銘柄対象であることだ。
従って日経平均は株価が安くて流通性の低い、つまり需給によって値が動く銘柄をに買いが集中すれば動くことがある。しかしTOPIXは全銘柄の時価総額から算出するから、大勢と違う動きをすることは無い。さて、いつ頃買いが集中するかが問題だが、それについては日経平均のその日の値動きが解れば良い。
以前は日経のホームページで”日経平均その日の値動き”が見られたのだが最近は見かけない。かわりに、
(要RealVideo)で見ることができる。この日のような値動きの場合は、2時30分からスルスルと100円弱上げるのが普通だ。なぜかいつも100円弱である?
日経平均は225銘柄の単純平均に修正倍率(22.38倍)を掛けて算出される。ということは、日経平均で100円弱動かすには225銘柄単純平均が約4円(約1%)動けば良い。それにはどのくらいの資金が必要だろうか。
この解析はスーパーコンを使っても不可能に近いが、手がかりがある。情報が豊富な今川證券宅急便の投資主体別売買動向を見ると、外国人は3600万株の売り越し、投信も750万株の売り越しなのに、法人は1200万株の買い越しとなっている。
1200万株の買い越し分は平均株価500円として約60億円になる。60億円は大金であるが市場にとっては小金であるとも言える。こんな日の引け前のお化粧買いの手口はバレバレなので、必ず提灯を付けて儲けを狙う筋が出てくる。従って、実際の必要資金は遙かに少なくて済むだろう。そして翌日寄り付きで売れば労せずして利幅がとれる。
こういった動きを証券会社は何と言っているのだろう。まず、ノルマ証券は、
”値嵩優良株の急落の割りには全般は落ち着いた動きとなっている。値頃感からの買い戻しと、週末のG7での国際的協調対策への一縷の期待が窺われる。”
と、日経とずいぶん分析が違う。さて、ダイヤ証券は、
”朝方13000円の大台を一時割り込んだものの午後にはG7を控え買い戻す動きが先行、昨日比を挟んで揉み合いとなった。”
となる。”G7”というキーワードがどちらにも出てくるところが面白い。
日光証券ホームページには概況も日経平均もTOPIXも無い。有料情報サービスにも概況が無く、かわりにマクロメディアフラッシュが出てくるだけなので、リンクは上げない。
結局、一時は86年1月以来ほぼ12年8カ月ぶりの下げを記録した激動の一日が”落ち着いた動き”や”揉み合い”という言葉に変わるところが体温の違いとしか言いようが無い。
DOS/V雑誌をあまり読まないWebmasterだが、10/15のDOS/Vマガジンは、Fast and Firstのほりこし氏の記事と当ページのリンクも載っているとかで熟読した。
ほりこし氏の記事はパワルフかつ高度なので、ラーメンをすすりながらトラ技をパラパラ読めるムキで無いと読解が難しいかもしれない。同じく衝撃的な記事がデュアルセレロンマシンの記事である。内容はすでにこちらで発表されていた。
マルチCPUによる対称型マルチ処理(SMP)については、
Xeonの能力、寿命と雑誌評論を予想する編
スロットCPUは21世紀の夢を見るか?(Pen-PRO-ODPのCPUゲタ疑惑編)
でも触れた。高速なCPUにとってもマルチタスクは荷が重い。単なるファイルの読み書きや通信といったサーバー負荷だけでなく、ブラウザーやソフトMIDIに3Dなどサイズが大きく雑多なデータを、DOS,16bit、32bitと雑多でローカリティーの低いコードで処理する負荷がかかる。
この状態ではタスクスイッチのためにCPUのキャッシュの効率が低下しアプリのレスポンスが低下する。キャッシュを大容量化、高速化するのも一つの方法だが限りがある。そこでCPUをマルチにする。
タスクやリソースを複数のCPUに公平に割り振れば(SMP)、各CPUはタスクスイッチの頻度が低下し、処理能力やキャッシュ効率が向上する。システムの処理能力をCPUの数を増やす事によって向上できれば、OSやアプリを変えなくて済むのでラクだ(スケーラビリティー)。
しかしCPUの数と処理能力は直線的に比例しない。CPUが共有バスの取り合い(バス競合)をしてしまう。Pen-PROやPen-IIがSMPに有利と言われるのは、CPUが能力の高いキャッシュを持っているため、他のCPUやデバイスがバスを占有している間もキャッシュ上のデータやコードの処理が続けられる(ハズ)、というハナシになっている。
Xeonの4wayの出荷が順調で無いので、現状でWin-NTで一番トランザクション能力の高いサーバーはPen-PROの8wayである。このマシンではバス調停能力を持ったチップセットを使用して4wayごとにバスを分離し、L2キャッシュが1MBのPen-PROを使っている。ここまではSMPの教科書的なハナシでツジツマが合う。
しかし、である。メモリーとディスクや周辺機器とのI/Oを高速化するためにバスマスター方式でメモリーが書き換わると、メモリーとCPUのキャッシュ内容の不整合が起こる。さらに同じメモリーアドレスを複数のCPUが同時に処理しようとすると、CPUキャッシュ同志とメモリーの不整合が起こる。
従ってバスを監視(バススヌープ)し、不整合のおそれがある場合はキャッシュの部分もしくは全体をフラッシュしなければならない。仮想記憶やディスクキャッシュのような重要なタスクでバスマスター転送が高頻度で起こるため、キャッシュがフラッシュされる可能性が増える。つまり、バスマスターはCPUロードを下げる一方、キャッシュには不利に働く。
もしバススヌープが強力なら、不整合が考えられるキャッシュラインのみフラッシュすれば良い。しかしヒットしたかどうか、どのラインをフラッシュすべきかの判断の処理に時間がかかり、また不整合のリスクも高まるため、実際にはキャッシュの多くを高い頻度でフラッシュすることになる。
さらに肥大化したWin-NTのように、サーバー負荷に加えオフィスアプリやブラウザー、マルチメディアなどの雑多な負荷が非同期にかかる状態では、ますますバス調停やキャッシュコントロールが難しくなり、バスにアクセスしていないCPUは事実上HALTしてしまう。
このようにSMPで正しいスケーラービリティー、つまりCPUの数と処理能力が比例するためには、OSのタスク管理能力、バス調停能力とキャッシュ制御、バスマスター機器のチューニングなどが必要だ。
しかるに、記事によればマルチスレッドベンチマークでデュアルセレロンマシンの能力はデュアルPen-IIと大差ない。教科書的にはL2キャッシュの無いセレロンはバス要求頻度と占有時間が高くSMPには最も不向きなハズだ。インテルがデュアルのセレロンが使えないように基板を設計した真意は不明だが、Webmasterもセレロンはデュアルに向かないと思っていた。しかし必ずしもそうでは無いようだ。
つまり、現状のWin-NTでバス調停能力とキャッシュ制御に関してボトルネックとなる何らかの要因が推測される。個人的には、Win-NTの肥大化のため、キャッシュの御利益がコードの小さいPC-UNIXやNetwareほど出ないのではないかと邪推している。結局肥大したコードやデータに対して、高速なCPUと低速なメモリーの速度ギャップはキャッシュで埋まらない、と言うことである。
webmasterはご存じの通りネット上では”L2キャッシュ能力限界説”の最右翼に位置し、山のような反対意見のメイルを貰ってきた。セレロンの普及によってL2キャッシュの御利益が、Super-πのような効き目の出やすいアプリでも30%以下、ゲームやマルチメディアでは数%であり、トータルで10-15%程度という事実がやっと理解されてきた。
しかし、さすがにSMPの条件ではセレロンとPen-IIで大差がつくと思っていたがそうでは無い。と言う事は、Pen-IIとXeonの能力差にも疑問が出てくる。
宣伝文句をすんなりと受け入れるには何となく不透明な印象が残る。セレロンは、CPU、キャッシュ、バス調停、そしてSMPに関して多くの疑問と課題を投げかけてくれるCPUである。
先日のスーパーバイノーラルコンペンセーター(SBC)には多くの反響があった。多くは効果に対する驚きの声であった。少数効果が大して無いという意見もあった。なぜそういう事が起きるのか原因を考えてみたい。
1.ソースの問題
悲しいことに、現代の音楽は正しくステレオ再生するように作られていない場合が多い。ひどい場合は別々の楽器、別々のマイク、別々に録音したソースを適当にまぜてアンサンブルが作られる。これだと位相や音量による正しい定位など望めない。シンセ楽器を多用した録音も同様である。
ナマであっても多くのマイクを使い、楽器間に隔壁を置いて録音される事がある。これだと少しはマシだが自然な音場とは程遠い。正しい録音がなされていないソースでは結局いくらお金をかけても正しい定位が得られるハズが無い。従ってライブ録音のように、自然なマイク配置でないと正しく定位しない。これは物理の法則である。
2.機器の問題
定位は音量差や位相差などから得られる。従ってレベル変動や位相変動が大きな機器ではダメである。例えば安物なカセットだと、テープ走行が安定せずレベル変動や位相変動を生じる。アジマスの狂ったヘッドも同じである。
その点では、音楽CDは理想的なメディアである。SBCで音楽CDとそれから作成したMP3を聞き比べると、MP3の音場は音楽CDより平板で狭くなっている事に気付く。MP3には音量が小さいが位相差をもったソースの事が考えられていないので、圧縮の仮定で微妙な位相差をもったかすかな音源が失われるのだろう。SBCの効果には、定位を安定させるために水準以上のオーディオ機器が必要だ。
3.心理的効果
思えばMIDI、CD-RやMP3と、オーディオは高度化している。あまりにもスペック性能の高い(そして間抜けな)製品があふれているため、自ら五感を駆使するオーディオ能力が退化しているように思う。
スピーカーやプレーヤーをいじった経験があれば、ちょっとした細工で音が激変する事が理解できるだろう。それが例え改悪であっても自らの手を下した細工だと不思議と良く聞こえるのが人情である。
このSBCはヒトの五感に訴え野生を呼び戻す細工なのかも知れない。あまりにも簡単な細工ではあるが、その効果が著し過ぎて感涙モノである。
4.感受性の問題
ヒトの聴覚は極めて高度である。従って同じ音場を認識するメカニズムがヒトによって異なっていてもナンの不思議も無い。味覚に対する感受性がさまざまであるように、立体音場に対する感受性にも大きな差がある。
いかな高いオーディオ機器を購入してもこの手の感受性は育たないように思う。これはハーモニカでも縦笛でも良いから、ナマの楽器をトライする事が良い。バンドを組んで合奏すればヘタでもなお楽しい。
先日の記事の後、再度SBCを使ってさまざまなソースを聞いてみた。至適抵抗値は、ヘッドホンのインピーダンスによるが、やはり50ないし100オーム程度である。
音場が拡大されて定位する音源の間の距離も広がるためか、レベルが低いので認識スレスレだった楽器が定位によって浮かび上がってくる事が何度かあった。”こんな所に音があったのか”という感じだ。また不自然な音場、録音をつないだ形跡や、CDでは存在しないハズの微妙なドロップアウトなどもはっきり聞こえるようになった。
音場の定位というのは複雑な要素を含んでいる。オーディオの道は険しい。高い機械を買えばそれで良い、というものでは無いのだ。
えらいことである。行事が迫っているのにハンディーカムのバッテリーが死んでいる。電圧ゼロで充電器につないでもナンの反応も無い。専用充電器でマニュアル通り20回程度しか充電していないのだが、半年ほどほっておいたら儚くなってしまっていた。
ハンディーカムは強セラブランドの火立製作所OEMで、バッテリーの形式が特殊で代品が入手できない。バッテリーが儚くなったハンディーカムは死んだも同然だ。従って喝を入れて現世に引き戻すこととする。
1.この方法はニッカド電池に有効ですが、ニッケル水素電池では十分なデータが無く、リチウム電池では爆発するため使えません。リチウム電池で行うと必ず爆発、炎上して重大事故に繋がりますから、絶対に行っては行けません。
2.ニッカド電池でも爆発、炎上などの重大事故の可能性があります。これらの電池の電解液は腐食性が強く、非常に危険です。
ニッカド電池を直列に接続して完全放電させると、なぜか電圧が出なくなる電池が出てくる。これは逆充電と呼ばれる現象だ。同じロットの電池を組み合わせても容量にバラツキが出る。何個か直列にして消耗するまで使用すると、先に消耗した電池には見かけ上逆電圧が加わり逆充電されて不良になりやすい。
他の原因としては過充電がある。充電時間が長すぎたり、無理な急速充電を繰り返すと電池がパーになる。
アウトの具合も様々だ。プラス電極付近に塩を吹く(ソールティング)事がある。ニッカド電池の陽極には安全弁があり、内圧が高まった時にここからガスを逃がす。過熱、過充電、逆充電などをやると、ガスとともに少量の電解液が漏れ出て陽極付近で塩を吹く。
塩が少量なら錆びを落としてクレ5-56を吹いておくと使える事がある。塩を多量に吹いて包装(シュリンクチューブ)内まで錆びているのはダメだ。たとえ充電可能でも、塩を通じて自己放電してしまう。塩で安全弁が空きっぱなしになるのかと水につけたりしたが、多量に塩を吹いたモノはやはりダメだった。
電圧がゼロの場合にも、内部電極がショート状態で電圧がゼロの場合と、内部抵抗が大きくなって電圧ゼロの場合がある。ニッカド電池では充電に伴って発生するガスは回収されるが、消耗すると電解液が失われる。
そうすると電解液の結晶がセパレーター内に針状に成長し電極間をブリッジすると電圧ゼロになる。さらに結晶が成長して干上がってしまえば完全にアウトだ。
電池の寿命や過充電に対する耐久性にはメーカー差が大きいようで、Sンヨーの単3(450mAH)の数本は20年近く使っている。一方、数回の定格内の急速充電で塩を吹いてダメになったメーカー品もある。このメーカーのはどのサイズも塩を吹きやすく寿命が短い。個人的な印象だが、安全弁あたりの細工?に良し悪しがあるように思う。
ニッカド電池は正しく使えば300回程度充電できるハズである。個人的な経験に寄ると、充電回数が少なく過充電歴も無く塩も吹いていない根性無しの充電不能ニッカド電池には蘇生のチャンスがある。以下の数字はすべて個人的に収集したデータなので、その結果には一切責任を持たない。
蘇生には、大電流を通すことにより内部でショートを起こしている結晶を吹き飛ばす方法を取る。
ハンディーカムのバッテリーパックには、内部に温度リミッターやヒューズが入っている。10Cで充電すると数秒でこれらが動作し、場合によっては二度と使えなくなる。その意味でも3秒は絶対に守らなければならない。
さらに大事なのはその後のケアである。病気は病み上がりのケアが大事で、ニッカド電池の場合は充電方法が大事だ。ニッカド電池にはいくつかの充電方法がある。
1.オーソドックスな方法で、1/10Cの電流(容量500mAHなら50mA)で15時間通電する方法。
2.トリクル法と呼ばれる方法で、1/30C程度の電流(500mAHなら15mA)で常時通電する方法。
3.急速充電法で、1/5Cで7時間充電する方法。
4.超急速充電法で、2Cの電流で1時間弱通電する。充電末期に電圧が逆に降下する現象を利用して充電終了(−ΔV法)とする。
電池の負担は1が一番軽く、3や4は当然ムリがかかる。従ってしばらくは1の方法で何度か充放電を繰り返す事が大事だ。次第に容量が回復してくる場合はしばらく使える。しかし再度電圧がゼロになるようなら、あきらめるしか無い。
強セラのバッテリーは7.2V1000mAHの規格だったが、15V以上の電圧で10Aを3秒間通電した所、正常に充電できるようになった。しかし油断は禁物、しばらく穏やかに充放電を繰り返さないと、再度冥土に旅立つ可能性がある。
先日電気屋を歩いていたらヘッドホンステレオを売っていた。AM/FM付きオートリバースで、充電池と充電器付きで\10kと手頃だ。Webmasterが以前この手のを買ったのはオリジナルのウォークマン(写真左)だから、ずいぶん長く使ってきた。隣のFMウオークマンもほぼ同じくらいか。我ながらあきれるほど物持ちが良い。
しかしウォークマンには忸怩たる思い出がある。Webmasterも同じモノを考えており部品だけ確保してあった。手持ちのカセットに組み込む積もりだったがヒマが無く計画が頓挫していた。従ってオリジナルのウオークマンを見たときの気持ちは複雑だった。
別にWebmasterがそれを自作していても世間に何の変化も無いが、気分的にトラウマ?になった。それがオリジナルのウオークマンを自戒を込めて眺めてきた?理由の一つである。現代のヘッドホンステレオは、来るべき携帯MP3プレーヤーの普及を前に、メカ的には完成していると行って良い。しかしヘッドホン特有の頭の中に音源が定位する違和感は解決されていない。
そして、つひにそのトラウマを払拭する大発明??を本日紹介できるのは望外の喜びである。名付けて山本式スーパーバイノーラルコンペンセイター(SBC、PAT PEND.)と呼ぶ。その効果は歪みと無縁で秋空のように澄み渡って自然であり、ヘッドホンステレオのパースペクティブを一変させる。大げさであるが、試していただけるとそのフェノミナルな効果に納得して貰えると思う。
まず原理だ。普通ステレオマイクは原則として左右にやや距離をもって設置される。もちろんマルチポイントの事もシングルポイントの事もあるわけだが、基本的にはそのような音場を前提に音づくりされている。
これをヘッドホンで効くと図Bのようになり、左右マイク間の音源は脳味噌中央に定位して、音場が左右に不自然に圧縮されることになる。そもそも、頭の中に楽器があるハズが無い。
本来ヘッドホン用のソースは疑似ヘッドにマイクを仕込んだバイノーラルマイクで録音しないと正しい定位が得られないのだが、そんなソースは殆ど無い。SBCは図Cのように頭の中に定位する音場を左右に拡大する装置である。
図Aの黒い音符に注目して欲しい。この部位での音は、
♪ = 2/3L + 1/3R
に近似できると考えられる。この音符をほぼ左耳の位置まで移動させるには、1/3Rを差し引けば良い。つまり、
R’= R − 1/3L
L’= L − 1/3R
となる。この説明が複雑な音場の説明として正しいかは分からないが、納得しやすいと思う。察しの良いムキは、
山本式バーチャルサウンドシステムのナゾその2(原理解説編)
山本式バーチャルサウンドシステム(PAT PEND.)のナゾ
と同じである事に気付かれるであろう。”なーーんだ”と言う前にまず試して欲しい。世の中頭も使わず製作もせずにぐちゃぐちゃ言うヒトが多すぎる。回路図??は図Dのごとく、ヘッドホンの左右共通のグラウンド側リターンの線に抵抗を入れる。スピーカーより有利なのは左右の低音が逆相で打ち消す効果が軽いことだろう。
抵抗値はヘッドホンのインピーダンスの1/3程度が目安で、至適値は50オームから100オーム程度だ。抵抗を大きくする程音場が広がるが、間接音が耳につくようになる。至適値はヘッドホーンのインピーダンスとリスナーの感受性によって異なる。抵抗をボリュームにすれば連続して効果を調節できて面白い。
部品はミニステレオのオスメスと抵抗と電線のみである。ヘッドホンステレオではリモコンが効かなくなるので、リモコンより末梢に抵抗を入れる必要がある。
効果は驚くべきだ。ナンでこんなに簡単な方法に気付かなかったかと、オーディオの無限の可能性に思いを巡らすことになる。同じソースがまったく別物に聞こえる程である。いかに、オーディオメーカーが大事な仕事をないがしろにしているか解るだろう。
メーカーであればDSPかアナログ回路を仕込むだろうが、なんせ原理にムリが無いSBCはS/Nが優れ、効果も自然で歪みとも無縁なのでヤミツキになる事を保証する。
ソースとしては、位相関係がめちゃくちゃなマルチポイント録音をミックスダウンしたものより、ライブ録音の方が効果が大きく定位も自然だ。オーディオには未だ解決しなければならない問題が多い。
以前、
新幹線”のぞみ”の横揺れのナゾ
続々、新幹線”のぞみ”の横揺れとスカイフック理論のナゾ
続、新幹線”のぞみ”の横揺れとボルスタレス台車のナゾ
で新幹線のゆれについて書いた。ココ以外に新幹線の揺れを題材にしているページは無いようだ。
先日京都に”のぞみ(300系)”で行って来た。本来なら”ひかり100系”を選ぶ所だが同僚の希望で”のぞみ300系”になってしまった。相変わらず横ゆれはひどく、特にフルスピードのトンネル区間では本を読んだり通路を歩くのが困難なほどだ。そこでWebmasterと同じように横揺れに敏感なムキに、どうやって揺れの少ない車両と席を選ぶかを考えてみたい。
走行時の僅かな軌道(線路)の狂い、トンネルや遮音壁との空力的動揺、すれ違い時やトンネル突入の空力的加振で車両に揺れが発生する。軌道の上下差によるゆれ(ピッチ)は厳しい軌道の管理と複数の上下動ダンパーで制御される。また左右へ回転(ロール)は、車両間にあるロールダンパーである程度チェックされる。
問題は横向き水平方向の加振である。確かに300系には牽引装置付近のしょぼい左右方向ダンパーと台車ヨーダンパーはあるが、残念ながら”のぞみ500系”に装備されている有効な車両間ヨーダンパー(写真)が無い。車両同志がヘビのおもちゃのように連結部分で折れ曲げを繰り返すことにより、車両の中心を軸として左右に回転する周波数1Hzほどのヨーを発生している。
つまり”のぞみ”は最高速度に見合う振動対策が不備なのである。ヒトはその約1Hzの揺れに対して平衡感覚と全身の筋肉とスジをつかって人体スカイフック制御を続けるため、妙に疲れて肩が凝るのである。そこで自衛策だ。
1.先頭か、最後尾か?
ヨーは列車の先頭から発生し最後尾へ伝わっていく。ヨーの一部は連結部のダンパーやロールダンパーである程度吸収されるが、最後尾の車両は片側しか連結部が無い(分子モデルで言うところの自由度が1つ少ない)ので揺動が大きい。また最後尾は波動で言うところの”開放端”になるので、揺動が反射して前方に戻ってくる。
つまり、最後尾付近は揺れが大きい。通常列車の中央より少し前あたりの揺れが少ないようだ。
2.パンタグラフとの関係
のぞみ系は騒音対策のためパンタグラフが減らされて2個になっている。パンタ付近にはパンタや碍子類の騒音対策のため巨大な空力的覆いがついている。パンタグラフは6両目と11両目の前後端にあり、覆いの一部は5両目と12両目の後方にも続いている。
横方向の空力的な加振は、断面積が大きな覆いのある部分に大きく加わるので、これが車両を回転する力(ヨー)になる。またトンネル区間ではカバー前後の空力的な揺動が発生する。そのため6両目と11両目はヨーが大きい。また5両目と12両目もややヨーが大きい。
これがのぞみ500系(JR西日本へのリンク写真)でどのように対策されたかは興味深い。まずヨー発生モーメントを減少するためにパンタグラフが小さく車両中央に寄せてあり横向き空力加振を減らすようになっている。さらにパンタグラフ車両にはセミアクティブダンパーを装備し、スカイフック制御によりヨーを抑えている。
従ってのぞみ500系では、パンタグラフのある5両目と13両目は揺れが大きいかもしれないが、逆にセミアクティブスカイフック制御の挙動をオシリで感じてみたいムキはそのあたりを狙うのも良いかも知れない。
2階建て車両のあるひかり100系ではパンタグラフは6両目と12両目にある。背が高い2階建て車両の前後の車両もヨーが予想される。偶数両目にはパンタグラフは撤去されているが覆いだけが残っているので、奇数両目の方が揺れないかも知れない。古いこだま0系だと偶数両目にパンタグラフがある。
3.車両の席の位置
不快なヨーは車両中央のZ軸方向に発生するから、当然車両の中央付近の通路側が揺れが小さい。もっとも最前列や最後列には室内掃除のためのコンセントがるので、揺れよりもパソコンの電源が欲しい向きには別の考え方もあろう。
車両のヨーは、車両に装備されたヨーセンサー?(他人の頭)を用いて評価するとおもしろい。それとなくトイレに立って、車両後方からお客さんのアタマのおおむね1Hz位の規則的な揺れを観察すると、前後端のアタマの揺れが一番大きく、中央付近に揺れが極小となる振動の節(node)が観察される。
車両にトイレや洗面所があるから、席番号の中央がnodeになるとは限らない。またのぞみ系でパンタグラフや覆いがある車両では、nodeは覆いと逆の方向(車両長の後方1/3あたりか?)に移動するようだ。
以上のハナシはなかば冗談で、健康なヒトには短距離ならあまり関係ないので真に受けられると困る。しかし赤ん坊や病人、乗り物酔いしやすいムキに揺れは効くので、覚えて置いてソンは無い。何となく揺れがひどいと思ったら車両番号と座席番号を確認してみよう。
究極の対策はのぞみ300系を選ばないことかもしれない。たかだか10分やそこら節約しても、体調が悪くなるのではどうしようも無い。運悪くのぞみ300系に当たったら、座席を選んで本など読まず人体スカイフック制御を放棄してひたすら居眠りに限る。
以前、
MPEG Audio-Layer3のナゾ(MP3とLPC-CODEC比較編)
で、音楽CDとMP3、RealAudio、そしてTwinVQで聞き比べた事があった。印象はかなりフランクに書いたつもりだが”雑誌の評価と違う”という意見を頂いた。今回サウンドスペクトログラムを作ってみたので、ヒトの印象がどのくらいアテになるのか考えてみたい。
非常に恐ろしい企画である。Webmasterはスペックより実物の印象を信じる独断のヒトなので、もしその独断がはずれていたら、今後オーディオの音質に関する評論は控えなければならない。
方法は、音楽CD(ザ森高の”臭い物にフタ、もっと臭い物バージョン”)をCDDAで吸い出し冒頭10secのWAVを作成する。ギター中心のフルバンドのじゃーんが3回、森高の声、そしてドラムの連打、そして再度じゃーんがあり、その背景には弱いパーカッションが連続している。
同じWAVからMP3(128kbps)、RealAudio(80kbps)、Twin-VQ(80kbps)を作成する。それからWAVに戻すと良いのだが、あいにくTwin-VQからWAVに戻すツールが手元に無かったので、WAVで比べる方法が無い。(TVQからWAVにするツールはあるそうである)。またWAVに戻すツールが違えばフェアな比較とは言えない。
従ってクオリティーが落ちるが、公平を期するためSoundBlaster16のLINE出力からWinAmp player, RealAudio Player, YAMAHA twin-VQ Playerを用いてアナログ出力し、別のパソコンのSondBlaster16のLineINに入れた。サウンドスペクトログラムは、Sonogramを使用した。周波数はフルスケール16kHzでlinearである。この構成はSoundBlasterの性能が問題になるが、
山本式スーパースロットスタビライザーのナゾ(風水学的ノイズ及び電圧降下根絶編)
の改造が加えてあるし、エンコーダー以外は全く同じ構成で同時期に作成したので純粋な比較が出来ると思う。
まずMP3(8Hz-mp3,128kbps)だが、これはMP3 Tidal WaveUGで、フリーウェアでは一番良いと評されていた。さてWebmasterは、
”8Hz-mp3でのエンコードは周波数特性のバランスが良いのでボロが出にくいが、ハイハット等のパーカッションのヌケが鈍く、ドラムの連打の分離が悪く感じた。”
と書いている。明らかにWAVとは異なり、高域の周波数成分が乏しい。これがハイハットなどのヌケ悪いように感じたのだろう。しかし高域以外は周波数分布がまずまずなので、バランスが良く感じたのだろう。
面白いのは後半にドラムの連打で、幅やエネルギーがWAVよりむしろ大きくなっている。これは過渡的な音に対する過補正のように思われるが、このためドラム類の連打の分離が悪いと感じられたのだろう。
つぎにRealAudio(80kpbs)であるが、
”聴感上はまずまずだが定位が少し揺れる印象””(TwionVQは)RealAudioの華やかな印象に及ばない”
と書いている。まず高域が全体にノイジーで、高域はWAVやMP3より低いが、TwinVQよりは伸びている。おそらくプレーヤーが圧縮で落ちた高域を補正しているのだろう。ノイズっぽいが周波数のバランスが良いため、”華やかな音”と感じたのだろう。パーカッション類はMP3よりむしろオリジナルに近く、過補正されてなくて自然だ。谷間の薄いディテールも良く保存されている。
さてTwin-VQ(80kbps)だが、
”パーカッションがボーカルに埋もれ、高域全体が曇った感じだ。位相の乱れは感じないが高域の厚みが無く、RealAudioの華やかな印象に及ばない。”
と書いた。この評論にいくつか意見を頂いた。
雑誌や評論では80kbpsのTwin-VQは128kbpsのMP3より良く音楽CDに迫るハズなのだそうである。そう判断したヒトはよっぽど耳の悪いのでは無いのではないか?
データを見ると、高域が他のエンコーダーより痩せている。それもある周波数(約10kHz)から上の情報がバッサリ欠落しており周波数のバランスが悪い。これが高域が曇っていて音に厚みが無い印象となったのだろう。さらに谷間の薄いディテールも飛んでいる。ドラムはMP3以上に分離が悪く太っている。これが音楽CDの品質だって???
スペクトルを少し遠くから目を細めて、情報量の欠落と周波数のバランスを見てみると、(JPEG画像のため、細部がオリジナルよりさらに落ちているが)、
音楽CD >> MP3(128kbps) >> RealAudio > Twin-VQ
の順に見え、聴感上の順位とも良く一致している。ドラム等の分離は、MP3やTwin-VQよりむしろRealAudioの方が自然で、これが華やかで分離の良い音として感じられた原因だろう。
スペクトラムを見ると、やはり高域はシャノンの定理が示すごとく帯域が狭いと落ちてくる。もともと圧縮技術は冗長度を削る技術であり、出来上がったものは空間周波数の低い限りなくランダムな灰色砂漠に近づく。
音楽では、ヒトのボーカルや低い弦楽器は周波数成分も低く冗長度が大きいので、圧縮してもボロが出にくい。音声だけを送るのであれば、携帯電話のように数kbpsの帯域でも良い。しかしハイハット、ドラムなどのパーカッション、高い金管楽器、そしてピアノなどは、高域の周波数成分を伴った過渡的な波形を持っている。
従って圧縮を効かすと、まず高域の周波数成分が落ち、過渡的な波形が時間軸に丸められてしまう。オーディオで音質を云々することは極めて難しい事であるが、このあたりに注目すれば音声圧縮のボロが見えてくるだろう。少なくとも、情報量の欠落に関してはスペクトル表示で一目瞭然であり申し開きし難い。
MP3は音楽CD(16bit)の1/12の情報量だ。これで音楽CDと同じサンプリングレートなら、音はサンプル毎にわずか1ないし2bit分しか変化できない。もし時間軸方向の圧縮が無ければ、過渡的に数bit変化する音に対処できないので、時間軸を操作して過渡的な成分を折り畳むことになる。このため128kbps程度ではどうやっても音楽CD並のいうことはあり得ない。これは物理の法則である。
Twin-VQは80kbpsでも128kbpsのMP3を凌ぐ、などと言っているが、その手の主張は4.8kbpsのPSI-CELPが9.6kbpsのVSELPに遜色無いとか、ちょっと昔に聞いたような気がする。今回のMP3エンコーダーはISOコード由来のフリーウェアなので、商用エンコーダーだとさらに音質に差が付くだろう。
WWII以来空母を中心とする機動部隊が戦艦至上主義を駆逐したのと同じくらい、現代の情報戦略にしめる情報圧縮テクノロジーは重要な技術である。そんな基幹技術でのハナシは掛け値無しでフランクに願いたいものだ。