新幹線”のぞみ”に乗ったことがあるであろうか。福岡から大阪あたりの出張に前は時間を考えてのぞみを使っていた。しかし最近はのぞみを避けている。それは横揺れの激しさで疲れるからある。少なくとも私には許容できない。
タダのわっかに見える列車の車輪のレールに当たる面(踏面)は路面に対して完全に並行ではない。車輪の外側の方が直径が小さく削ってある。列車の車輪は自動車の車輪と違って左右が繋がっている。従ってカーブを曲がるときに内側と外側の車輪では当然走行距離が違うから無理が生じる。
もちろん線路を傾けるのだが、それで吸収できるズレは知れている。そこで車体が遠心力で外側に寄ると、外側の車輪は直径の大きいところが線路にあたり、内側の車輪は直径が小さいところが当たる。それで少しでもその走行距離の差を吸収するようになっている。それでも吸収できないときは、キーキー鳴る。場合によってはカーブに油が塗ってあるところもあるくらいだ。
ということは、直線を走行しているときも、車輪は左右に動くゆとりがある。このため高速走行では軌道のわずかな狂いに対して台車は左右に振動し、このため車両中央を中心として左右に回転する動きや左右に水平移動する揺れ(ヨー)が生じる。これが次の車両に動きが伝わって、まるでヘビのように蛇行するわけだ。この蛇行はパンタグラフのある車両や後ろ寄りの車両では一段と大きくなる。またトンネル内では空気圧の変動により揺れが激しい。
とりわけ私はこの蛇行によるヨーに生来弱く、著しい疲労を来すのである。(写真はJ社へのリンク http://www.westjr.co.jp/new/2special/image/497_500.gif)
もちろん対策も取られている。連結部にはロールダンパーを仕込んである。これで車両間のロールを規制するもので、在来線でも特急車両にはついている。さらに新しい500系では連結部にヨーダンパー新設やセミアクティブサスペンション(ダンパーの強さを制御する)などを仕込んでいる。しかしダンパーやエレキで押さえ込んでも老朽化や故障時のマージンに不安が残る。この手のエレキ制御は想定しない入力が加わったときは制御が破綻することもあるかもしれない。技術は本筋を行かなくてはいけない。
私が小学生低学年でまだアルファベットも読めない時に、小田急のSE車が狭軌では世界一の車両であることは知っていた。小学館だかどこだかの図鑑にそう書いてあった。どこがすぐれているかと言うとSE車は連接車なのである。連接車とは車両と車両の間に台車があるのだ。当時オルゴールをならしながら疾走するSE車は私には新幹線よりインパクトがあった。(写真は小田急のNSE車へのリンク)
うーーん、いつみても美しい車両だ。連接車では車両間の揺動が原理上起きない。さらに車両長に対して台車間距離が最大となり、ヨーの大きさは車軸間距離に反比例する。さらに列車あたりの台車数、車軸数が少なくなるから、軽量化にも有利である。高速鉄道には連接車が有利なことは、鉄道ファンの小学生でも知っている。さらに脱線しにくく、いったん脱線した時の被害も小さい。フランスの誇るTGVも当然連接車であり、1993年の脱線事故でも被害が小さかった。
これは第一次世界大戦時の塹壕が原因で地面が陥没し、線路が5メートル宙に浮いていた。この線路に時速296kmでつっこんだTGVは一部脱線したが強固に結合された連結車構造によって車両離断せず線路内で停止し、ケガ人はなかった。先日の阪神大震災の時に新幹線の高架がどうなったかご存じの向きは気になる事実であろう。(写真はTGVへのリンク http://mercurio.iet.unipi.it/tgv/gif/trailer.gif)
TGVの機関車については、http://mercurio.iet.unipi.it/tgv/jpg/motrice.jpgに、また台車についてはhttp://mercurio.iet.unipi.it/tgv/jpg/bogie.jpgにきれいな絵がある。印象的だったのはTGVの機関車の台車がシンプルな作りだったことである。軸バネや軸リンケージ、並行カルダン継ぎ手もシンプルに見える。これで500km/h以上行けるところが不思議だが、連接車というトポロジーによるマージンが大きいと推測される。片やエレキで押さえ込み、片や牧歌的な連接車で悠々パスというところか。
新幹線がなぜ連接車にしないのか、いくつか理由が考えられる。台車間距離が増えるのでカーブでは車体限界が内側に出っ張る。しかしこれは車体下部を絞ればいい。カーブのある駅(神戸とか)でプラットホームとの間の距離が空く。しかしのぞみは現に神戸に止まっていない。それに小田急はじめ日本中の私鉄や路面電車には連接車が数多く存在するところから、さしたる技術的問題が無いことは明白である。
小田急やフランスへの対面のため連接車は作らないという話もあるが、まさかそんな程度の低いことはなかろう。できれば目を閉じていれば知らないうちに発車し300km/hに到達、というのを目指して貰いたい。連接車にして各車両を電動機付にすることで特色は出せるし粘着にも有利。さらに海外への売り込みでは実績が示す通り連接車の方が有利。J社が連接車を作らないのは、今世紀最大のナゾのひとつである。
速度記録では1990年にTGV改造車が時速515kmを記録している。これは世界中にショックを与えた。というのは、その領域の速度では車輪の粘着が得られないので、磁気浮揚式のリニアモーターカーが必要だと考えられていたからである。日本国内では私の知る限り1992年にWin350が記録した350.48km、STAR21が425km(詳細不明)で、また955(300X)がかなりの速度を記録しているらしい。
リンク
こちらを見ていて気づいたのだが、J社東日本が開発した試験車両STAR21は、半分が通常のボギー形式で残り半分が連接車になっている。JRは連接車に関して数種類の台車を試作しシリアスに検討した形跡がある。連接車の利点は明白だが運用、メンテ、コストの点で通常のボギー台車でもかなりいいところまで行ける、という判断だったようだ。Win350や500系については台車の詳細は不明だがボルスタレス台車で牽引部に左右動ヨーダンパーがあり、これが可変油圧ダンパーによってヨーを規制するもよう。
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身の回りに結構消耗品というのが多い。電気、ガス、水道、食品、洗剤、トイレットペーパーなどはその存在自体が消耗品である。パソコンまわりでも印刷用紙、インク、フロッピーあたりが代表的な物か。そのような物品を見ると消耗品ビジネスというのが見えてくる。機械を安く売って、消耗品や保守で利益を上げるシステムである。人間は新規に購入するときには価格に神経質であるが、保守契約などで毎月同じお金を持って行かれても気づきにくいのである。
すでにこちらに書いたようにプリンターは消耗品の固まりである。特にレーザープリンターは無駄が大きい。まず紙だが一旦印刷するとカールするので、裏も使おうと思っても紙詰まりしてしまう。トナーカートリッジも消耗品の親玉のような物だ。なぜかメーカーはリサイクルについてはほおかむりしたままだが、欧州ではペナルティーを食らう話もある。
私の周りではレーザープリンターはCノンのLS404系統に統一している。これはカートリッジが高いので機種が混在するとストックが無駄になるからである。しかしこの系統はすでに廃れ気味でありカートリッジの形が違う機種がコロコロ出てきている。これじゃあリサイクルしにくいし投資効率が悪かろうと思われる。互換性を持ったまま改良すれば良かろうに。
今は廃れたドットマトリックスプリンターもなぜかインクリボンの中心しか使わない機種が大半であった。まわりからインクが中心に染みてくるのであろうがもったいない。しかし工夫されている製品もあった。あるメーカーのはインクリボンが上下に運動するようになっていた。また別のメーカーは水平に張ってあるインクリボンがわずかに傾いていて、幅全体を使うようになっていた。こういう良心的な設計(というかメンテ回数を減らすためだろうが)はおおむね大容量の業務用だが、設計者はおそらく上司から”消耗品がビジネスにならない”とどなられたかもしれない。
最近のインクジェットプリンターも消耗品が心配である。以前大量に存在した熱転写プリンターのインクリボンは廃版になった物が多い。まだ熱転写プリンターはインクリボンのカートリッジに細工してリボンがあるように見せかけて、FAX用の感熱紙を使うと印刷が出来る(やっていた)。しかしインクジェットの場合そうはいかず、コロコロと生み出される機種の消耗品がいつまで供給されるか見物である。まあプリンター自体も安いので、全体が消耗品とも言えるが。
機械類を見ると、消耗ということに対するエンジニアの工夫に気づくことが多い。例えば電車の架線である。これは電車の進行方向にむかって左右ジグザグに張ってある。これによって電車のパンタグラフが均一に減る。自動車のエンジンなどでも、例えばDOHCエンジンのカムの山と、バルブヘッドの中心はすこしずれている。これはカムが回る度にバルブヘッドもすこしづつ回転して磨耗を分散するのである。ピストンのリングもそれぞれが回って磨耗とガス漏れを減らすようにできている。このようにすこしづつ回転することで磨耗を分散する部品は多い。
その目でみると、プリンターの次に目につく消耗品ビジネスは携帯電話やPHSではなかろうか。個人的には端末の寿命を全うさせたいのだが、どんどん良い端末が、タダ同然で手にはいる。さらに契約を更新するよりは、契約破棄して新規契約するほうが安い。その意味では、端末もコロコロ変わる電話番号も消耗品と言えるかもしれない。何か釈然としないが、それは私が老化したのかもしれない。
経済の原則からすると我々人間も消耗品なのである。しかし人間は人間からしか生産できない。従って人間が人間を(拡大)再生産するのに要するコスト(子育てのこと)を人間のメンテ費用(生活費や住居費)に上のせした分が給与に該当するそうである。
最初に戻る先日羽田から福岡に戻るときに、席は自動受付機で通路側を指定した。搭乗してみると、窓側の2席が空いている。ラッキーと思ったがよく見るとその窓側の席は窓が無い窓際席であった。
どうして窓の無い窓際席があるか、独自の調査(笑)により、次のような事が判明した。普通この事は本には書いてない。
1.プロペラ機では、プロペラの延長線上の胴体には窓が無い。その部分の胴体は強化されておりプロペラ面を示す赤線が引いてあるのが普通である。プロペラに故障があると、破片が飛んでくるからである。空には異物や鳥が飛んでおり、またプロペラに着氷したものも飛んで来る可能性がある。
プロペラ機はジェット機になって、しばらくはこの赤線は消えていた。しかし最近の高バイバス比(吸い込んだ空気とエンジンを通る空気量の比)のターボファンエンジンでは、推力の大半がエンジン排気ではなくてファンブレード(プロペラのような物)で発生する。エンジン爆発や異物や鳥の吸入でこのファンブレードが飛び出して胴体に穴を空ける事故が過去に数件あり、数人のパッセンジャーが吸い出されて死亡している。
というわけで、エンジンのファンブレードの延長線上の胴体は強化されており、そこには窓が無い窓際席が出来ることになる。
2.飛行機にはストレッチモデルというものがある。例えばBoeing737は当初100席弱の機体だったが、現在では胴体を延長して150席程度になっている。他にもD-90-50(全長41m139席)も同様にDC-9-10(全長32m90席)のストレッチモデルであり、最近はMD-90(全長46m153席)に進化している。上記の胴体強化部分付近を継ぎ目にしてストレッチモデルが誕生する。その継ぎ目には窓が無い。
このため各種のストレッチ仕様を持つ飛行機(例えばBoeing767-200と300とか)のストレッチ部分の窓の配列は大変不規則になっているので、注意してみるとおもしろい。767-200も300も上記の理由でエンジンファンブレード面には窓が無い。しかしその2席前は継ぎ目で窓がない。300ではその継ぎ目に4窓分ストレッチ部分を挟んだのでさらに前方一カ所窓が無いのである。
ところで、ストレッチという方法は実に能率が良い。エンジンは年々改良され推力は上昇し、燃費が改善する。従って最大離陸重量に余裕ができるので、胴体を伸ばせるが、翼や尾翼、操縦系統などは殆ど変える必要がない。さらにストレッチすると尾翼と主翼の距離が開くため固有安定性が増し、尾翼の効きも良くなる。Boeing737(もともとBoeing727と胴体幅が同じ)やMD-9などは、当初から見るとおどろくほどストレッチされている。
しかし、ストレッチしすぎると離陸時に尻餅してしまう。毎年のように離陸時の尻餅事故があり、例のダッチロールで墜落したBoeing747も事故原因は尻餅事故の修理ミスであった。笑い話ではないが尻餅事故予防のためにお尻にソリや車のついた機体もけっこうある。
しかし過去には逆に短縮されたBoeing747があった。まだエンジンの燃費が悪かった頃Boeing747で東京-NY間は冬季には航続距離がギリギリであった。そこで作られたのがBoing747-SPである。これは機体を短く軽量化し飛行高度を上げて航続距離を稼いだのであった。
しかしその後エンジンの燃費が改良されたので次第に退役しつつある。さらに飛行高度を上げたためにオゾン酔いで頭痛者が出るとか放射線を多く浴びるとか風評があり、さらに胴体短縮のため尾翼を大きくする必要があったためペイロードが減った割に重量は減らなかったこともあったとかである。
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2月に入ってこれで3回目、のべ5日目の東京出張で、疲れている。ここ数年出張の時はJ社でなくてA社の飛行機を選んでいた。それはJ社が元国営であったということと、J社のアテンダントは概して年齢が高いということが理由にあった。同乗したえらいヒトは気付いなかったようだが、私は搭乗した瞬間に乗員の名前をチェックするのである。もちろん、整備上の問題でJ社が整備ライセンス留保を喰らっているの事も知っている。
飛行機の前から2つ目くらいのドアの付近には乗務員の名前入れがある。ここ数年のJ社はかなりのものであった。なんせ一番若いアテンダントがアシスタントパーサーだったりする。15年ほど前に見合いしたり合コンした相手に出くわして興ざめであった。ちょうど1986年頃の米国でのPanam(今は米国内で復活しているそうだが)が乗務員の高齢化による人件費増で倒産したのを目撃した経験があるから、思いは複雑であった。
ところが最近状況が激変した。まず名前入れがパイロット、コパイ、パーサーの他は空欄である。制服もシニアーキャビンアテンダントはベージュの色で、他のアテンダント(紺色)と色が違う。名前入れに名前がないのは、個人的に情報を収集した(笑)範囲では”契約社員”と呼ばれる制度のためらしい。
バブル後はエアラインはアテンダントの採用を減らしていた。その間アテンダントの平均年齢はジリジリと上昇していたのであった。なんせ年収800万以上というのであるから人事の流れが止まっていた。その間多くのアテンダントの希望者は採用を待っていた。そこで登場したのが実務時間ベースの時給で給与を計算する”契約社員”というパート雇用である。名札が無いので序列がわからないのだが、個人的にはスカーフの色あたりに序列のカギがあるように思う。(追加:スカーフの色は関係なく、機体で座る位置によって決まっているとする説あり。進行方向に向かって右側中央付近に契約社員が多く、入り口付近はベテランが固めるとも言う)
私のようなミーハーは”契約社員”のおかげで最近はJ社に乗る機会が増えてきた。まず契約社員は年齢が概して若い。長年アテンダントになるのを夢見て待っていた人が多く、一部正式社員への道が開けているということで、概してサービスが良い。目に見えてキャビンがにぎやかになった。
そこで興ざめなのは、パイロットの機内アナウンスであろう。その英語が問題である。今日は
"The lake Biwako...."
と行っていた。これは”Biwako lake"もしくは"The lake of Biwa(ko)"
が正しい。これは高校生でも習うはずである。
さらに
"The weather office says it is fine....."
とか行っていたが、数百名のパッセンジャーに向かっていうのにはくだけすぎている。今の米国では機械を主語にしてsaysという口語も時に耳にするが。
"According to the weather report in fukuoka...."
と言うべきであろう。
温度も
"5 degrees Celsius"
と言っているが、これもあまり言わない言い方だ。
"5 degrees centigrade"
というのが一般的だろう。よっぽど古い教科書を使っているのか。
これではJFKなどでJ社が管制で後回しにされるのも無理は無いなあと思った。昔と違って日本人も英語のレベルがあがっているのである。数年前J社から”スッチーの英会話”とか出て驚いたものだが、案の定絶版になったようである。ともかくJ社が"みかか"あたりよりよっぽどリストラに本気である事だけは感じられたのであった。
最初に戻るよく宴会のお世話をするのだが、その参加者数と会費の見積もりは実に難しい仕事だ。しかし大体のところで立席のビュフェ形式のパーティーなら、料理と酒各種で@8000円ぐらいである。会場の格が上がってもっと良い酒を出してコンパニオンがつくと@10000になる。そこから上はきりがないが@15000を超えることはまれ。
で我々が宴会を予約しようとするとバッティングするのが披露宴。敵の宴会係も迷う所らしい。披露宴になると単価が高い。総費用から計算すると披露宴の場合@40000。しかし宴会では@15000止まりだ。利益の差は明白。通常の宴会係であれば当然披露宴を選ぶところであるが、出世する人はちがう。われわれの宴会を選ぶ。理由は簡単だ。普通の人の披露宴は一回しか無いが、宴会は同じ人間が同じ時期に毎年開くからである。披露宴は常に新しいホテルに無慈悲に流れていく傾向もある。
しかし披露宴というのは実に不思議である。仮に他で式をあげて、自前の服でパーティーに現れれば@15000でおつりが来るからである。
米国にいた時に米国人に自分の披露宴のビデオを見せたがオオウケであった。とくに受けるのがケーキ入刀と100年ロウソクのところで大笑いである。費用を聞かれるので話すとインクレディブルという。無理もない。
現地での結婚式に参加したことがあった。まず驚いたのは、結婚するには市町村の免許が必要なこと。ここでは詳細は述べないが、結婚の勉強をしなければいけないのだ。式が始るとオルガン奏者がいないということで不肖私が結婚行進曲を弾いた。その後はこれに懲りて練習している。
式の後は知り合いの豪邸でパーティーである。アットホームなパーティーで特に参加費というものは無い。そのかわり式の前に新郎新婦の必要とする物のリストを見てみんなで相談して、金かモノを出すのである。これだけ欧米の情報があふれている日本であるが、こういったあまりにも当たり前の事実はあまり知られていない。
米国人がインクレディブルといったのも無理は無い。もし@40000で式を挙げるお金があったら、新郎新婦の新婚生活用品一式と、新居を購入する頭金ができてしまう。よほどの大都会を除けば、2000万円もあればけっこうな家が買えるのである。
このようにホテルで式、宿泊、披露宴、衣装、写真、引き出物をすべて済ますのは戦後に東京で始ったらしい。東京では家も狭いので人を招くことが難しいし、また出身地方が様々でしきたりが異なる。それでホテルで行うことになって、その後それが肥大化したわけである。なぜか衣装や写真などは指定業者が牛耳っており、自前の衣装や引き出物を持っていくとショバ代を請求されるなど、実に不可思議である。
ここ福岡でも各会場を一巡したので、毎回すこし変わった披露宴を期待しているのだが、なかなかそういった式に出会わないのが残念である。これから右上がりの高度成長が終わるので、我々の常識にもリストラが必要かもしれない。
最初に戻る先日車を転がしていたら、Aステルの例のプアなCS(基地局)のアンテナだけが長いバージョンを見かけた。アンテナエレメントの長さは定かでは無いが2倍くらいあるように見える。ただし、アンテナ間隔は前と同じようだ。
以前から、くりかえしこちらに、AステルのCSのアンテナは短い、低い、技術的検討不足、せめてエレメントだけでも長くしろ、と書いてきたらその通りになった。例の4本アンテナの高出力CSもあのアンテナではエリア改善は見込めない、と書いたら、やっぱりそうだった。
まさか、このページをAステル社が見ているとも思えないが、あまりにも技術的な煮詰めが不足していることに不安を感じる。煮詰めが不足したまま日本中にCSを設置されているのが不安である。
情報によると、A社のCSは10万局を超えるらしい。単価がいくらかしらないが、仮に50万とすると500億。本年度のPHS各業者の年間損失が1000億弱、計3000億弱。それを累積契約数で割ると、@10万以上の赤字となる。
最初に戻る事件は今朝朝7時半ごろである。太宰府インターから高速に合流しようとして加速していると、突如”バス”という音とともにエンジンが止まった。よろよろと路側帯に車を止める。インターから1kmもない所だ。幸い追突はされずに済んだ。エンジンプローというのはロータリーがブローして以来20年ぶりである。瞬時にタイミングベルトが切れたと思った。しかしまだ走行14000km。しかしイタ車は1万kmでも切れるというしありえない事ではない。
心を静めて、そうそうまずハザードを付けて、JAFに電話する。なんと別件あり30分かかるとのこと。車のディーラーにも電話するがガードマンだけである。仕事先にも電話。ああ、携帯電話があって良かった。電池は満充電だし。なんと鞄を探るとDDIpのPHSまで出てきた。しかも圏内である。これがなければ、寒空の中、路側帯を最大500m歩くところであった。
あたりは片側3車線計6車線と、日本でも有数の交通量のところ。ピュンピュン車が通り過ぎてかなり心許ない。そうそう三角表示板がトランクにある。しかし、それを出しに行くのも危ないなあ。しかし、こんな時に使わなければいつ使うのだ。後ろを見ながらそそくさと出して、かなり手前に置いた。
待つこと約30分、やっとJAFがきた。ディーラーにも電話がつながった。JAFの人間がオイルキャップを取るとカムが見えた。セルを回す。カムがまわる。タイミングベルトはかかっているようだが、おそらくテンショナーの不具合で山がズレたようだ。ということは、バルブとピストンが当たって本当のブオシャカである。そうなるとエンジンを降ろしてヘッドとブロックの両方をバラすことになる。私は近くの高速バス停で降ろして貰い、車はディーラーまで牽引して貰った。
しかし、なぜかあまりハラが立たない。この車がいたく気に入っていたのと、今までのディーラーの対応に満足していたからだろう。私のようなメカにうるさく猜疑心の強い人間が信用するのだから、相当なサービスだと思う。
というのは、前のロータリーエンジンのブローは、整備工場から出て500mのところで、メカニックが入れ忘れたエアクリーナーケースのネジのワッシャーが燃焼室に落ちてブローしたからである。マツダオート福岡は、のらりくらり言い訳してなかなか認めなかったが、目ざとい私はワッシャーが無いのに気付いたのであった。
以前スターレットに乗っていた時、リコールでディーラーの工場に入れた。運転するとエンジンルームから音がする。キャブとヘッドの間にトヨタ純正メガネレンチが挟まっている。ペナルティーとして没収した。もしベルトに巻き込んだらエンジンロックで大事故の所であった。以来ディーラーというと今ひとつ信用していなかったのだが、今回のディーラーは印象を変えてくれた。
熊本で仕事をしていると、ディーラーから電話。こちらが天神バス停に戻る所に代車を用意していると言う。果たして天神にグリーンメタの走行1000kmの代車(60psのやつ)がセールスマンと共に待っていた。さらに車の中のカード類も夜9時すぎに自宅まで届けてくれた。すこし過剰サービスか。メルセデスならともかく、なんせ安車なので。
ところで、60psの車はなかなか調子が良い。何より国産車には希薄なボディーの剛性感がある。このたいして遮音材の付いていない小さな車のドアの閉まる音はまるでクラウンのようであった。しかし、路面の不整は正直にひろう。スプリングは柔らかいが、ブッシュ、ダンパー、スタビ、そしてシートは堅い。なるほど国産車より信頼性は劣るが、ディーラー込みの信頼性はまずまずというところか。
最初に戻る部品会社Aイシンの工場火事で、ブレーキの重要部品であるプロポーショナルバルブの生産が止まり、あおりを喰らってTヨタ自動車会社の生産が滞ったらしい。
くだんのバルブは、ブレーキ時に働く。ブレーキをかけると当然前輪過重が増え、後輪過重が減る。前後同様のブレーキ油圧が加わると、当然後輪は荷重が軽いためにロックしやすくなり、ブレーキ時の姿勢が不安定になる。これを防ぐために、ブレーキ時の後輪ブレーキ圧力を制限するのがこのバルブの仕事だ。
某自動車会社はカンバン方式をとっている。カンバン方式とジャストインタイム方式(在庫を持たない方式)とは厳密に異なるがここでは深入りしない。ジャストインタイムとは、部品の入庫時間を厳密に管理して、工場が在庫量を最小に押さえて、工場のスペース効率をかせぐシステムだ。
しかし、そのために部品会社は時間に合わせるために早めに出荷する。で、荷を積んだトラックは路上や高速道路のパーキングエリアで時間調整をするのだ。ようするに、某自動車会社のシステムは公道上やパーキングスペースを倉庫にするシステムなのである。その間、トラックはガラガラとエンジンを回しっぱなしで排気ガスと騒音をばらまいている。某自動車会社のECO-Projectの広告を見て、最初にこれを思い出してしまった。
最初に戻る今日車を運転していると私の前に変な車がいた。 ストップランプがついているのだが、挙動不審である。
よく見ると、右ウインカーが着いているのがやっと見えたが、ウインカーが変なところについている。あやうく追突するところだった。
私はあんまり車のカタログなどを見ないのだが、心あたりをインターネットで探すと、 写真があった。確かになぜかウインカーがリアバンパーに付いているように見える。
なにか幻を見ているのかもしれない。この位置だと直後の車には見えない。当然、悪天候には、水はねなどで見えにくい。
欧米の輸入車はかなり安い車にいたるまで、悪天候用リアフォグが付いている時代に、わざと視認性の悪い位置にウインカーランプが付いているなんて、やっぱり私の目の錯覚だろうか?
普通高級車は、より高い水準以上の安全性が期待されるはずだから、まさかと思う。私が老眼になったようだ。日本の一流企業の責任者が、こんなテールランプにOKを出すはずが無いよね。
最初に戻るThinkPad220に、Windows95をインストールしてみた。PCMCIAカードのモデムとLANカードが動いた。当然遅いが我慢出来る極限である。
ThinkPad220をご存じであろうか。CPUは80386SLという省電力版386SX,メインメモリー6MB、80MBHDD、640x480x16モノクロ液晶という仕様である。で、この機械にWin95をFDでインストールしても良いが、CD-ROMを使うことにする。
こういった機械には、PS2仕様の双方向プリンタポートを用いるアイメスのCD-ROMドライブ
が便利。これはconfig.sysに1行、autoexec.batに1行デバドラを加えるだけで、DOS、Win3.1、Win95,OS2でCD-ROMが読める優れ物である。SCSIカードを使うものがあるが、これより設定が簡単。このことはすでにこちらに書いた。理由は、モデムカードでモバイルインターネットに使えるし、LANカードでネットワークにつながる。PCMCIAポートが安定して使える、とそれだけである。
で不要な物は全部消して、DOSとWin3.1の骨格だけにする。掃除してみると、けっこうゴミがみつかる。フォントファイルが3カ所だぶっていたし、依然$disp.sysに細工して多行表示にしていた名残が残っていた。インストールすると、不思議とメモリー6MBでもけられなかった。しかし、HDDが80MBというので蹴られてしまった。120MB程度必要だと言う。そこで、MS-DOSのdoublespaceで圧縮することにした。しかし80MBを圧縮しても120MBしかならない。そこで、みかけの圧縮比を300%とウソの設定をして、約180MBということでインストールした。もちろん
setup /im /id
として、時間のかかるディスク容量チェックやメモリーチェックをパスする。と、なんとかインストールできた。しかし、圧縮比をウソついていたことが明らかで、残り数MBになってしまった。
そこで、どんどんファイルを捨てる。まず、*.txtは捨てる。次に入らないフォントを捨てる。\MSNを捨てる。ヘルプファイル(*.hlp)を捨てる。他にも不要なDLLなどもどんどんすてる。win3.1の残骸をどんどん捨てる、*.wavを、*.bmpを、test*.*を、*.CURを、*.SCRを、*.ANIを、*.logをどんどん捨てる。\windows\systemの不要アプリもどんどん捨てる。マルチメディアも捨てる。\DOSのファイルも捨てる。
というわけで、見事windows95がインストールできた。現状ではプリンタ、PCMCIA,ネットワーククライアント、モデム、Netscape1.1を仕込んで、まだ20MB弱あまるようだ。けっこう大きいWin95も、正味は50MB以下まで減量できる。写真のように、ちゃんとtcp/ipも動くし、MSネットワークも動く。この6MBのパフォーマンスの状態、というのもTP220上のMS-ペイントで切り取り、ちゃんとネットワークで転送したものだ。wordpadもws-ftpもttermも動くから、そこらの情報端末よりははるかに上等である。
で、6MBメモリーでのスピードは、かなりひどい。しかしモーバイルインターネットには220の小ささで、ヒマつぶしにはいいかも知れない。Windows95を減量するのは一種の知的ゲームだと思っている。
最近のPHSの普及は順調で、特に*DIpはシェアでほぼ50%、Aステルは約23%、*TTpは約27%。端末でもKセラのPS601がダントツらしい。ユーザーに*DIpのエリアの優位が明白になったこと、PS-601は拡販価格と性能の点で妥当なところだと思う。やっぱりエリアと端末の性能が重要なのはこちらに書いた通りである。
シェアと端末の販売で一見商売が好調に見えるらしい*DIポケットも親会社Kセラの連結決算予想の足をひっぱる損失らしい。日経によると、PHSキャリアの損失は各社1000億円近くにもなる。設備投資の原資となる加入料、基本料金、通話料だがどれもたいした額ではないし、加入料は無くなるし通話料もみかかに払わなければならない。
一番好調に見える*DDIpでさえ、なぜ大出血で拡販に走るのか。シェアでは窮地に立つ日本中エリアで苦労しているAステルがプアなCSをさらに大増設しているのかを見ると、地政学でロシアが不凍港を探すために南下策を取るのを連想させる。
市外通話は、みかか以外にもマイクロウェーブ、高速道路、送電線、海底ケーブル、衛星とチョイスは大きい。ところが市内になると結局みかかの独占だ。*DDipも市内近くまでは来ているが及ばない。電力会社は電柱までは来ているが、あと10mで市内公衆に繋がらない。ケーブルテレビもあと少しなの に繋がらない。規制も多い。PHSさえあれば、やっと不凍港が手に入るのだ。特にNCCの中で有力な*DIpや電力会社がPHSに必死になるのもわかる。
しかし、AステルのプアなCSのアンテナを見ると、もう少しうまくやる方法があると思う。全国津々浦々まであのプアなアンテナで埋められるかと思うと心が痛む。
携帯端末も、キャリアは結局みかかの規格(ハイキャップやPDC)に乗った戦略ではじり貧が明白になってきた。みかかのスペクトラム拡散通信(CDMA)で国際新規格を狙っていることはすでに書いたが、実現に必要なパワー制御、ソフトハンドオフなどの特許はすでにクアルコムが押さえており、実現に手間取る可能性がある。みかかもハイキャップやPDCの頃に比べると、CDMAに関しての遅れは大きいと見る。私はみかか以外はクアルコム方式で先行投資で撃って出る以外に勝ち目は無いと思う。
特にエリアの狭いいDOや、後発で負担が重いDジタル、TーカーはCDMAで連携すると良いと思う。え、できないって?出資企業の都合?嗚呼。
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