パーフェクTVと契約してからもうすぐ1年になろうとする。パーフェクTVの画質については良い、悪いといろいろ意見があるがどうだろう。画像の題材によって画質の感じられ方は随分異なる。
パーフェクTVはMPEG2という規格を使用している。こちらに簡単な説明がある。MPEG-2 FAQは少し難しすぎるかもしれない。MPEG2はMPEGとほぼ同じ原理だが、デジタル放送に耐えるように種々の拡張を行った方法である。
パーフェクTVの画質を論じるにはMPEGの特性がカギになる。パーフェクTVでは1トランスポンダーの帯域が27MHzであり、情報量にして約24Mbit/sに相当する。これを普通のアナログビデオでは1チャンネルに割り振る所を、画質を優先するチャンネルには約6Mbit/s、標準の物では約4Mbit/s程度に圧縮し、4ないし6チャンネル確保する。
6Mbit/sと言ってもピンと来ないが、CD-ROMの標準速度が約1.5Mbit/sであるから、ほぼ4倍速のCD-ROMドライブの転送速度に等しい。この転送速度だとCD-ROM1枚に10分弱の動画を詰め込むことができる。画質はMPEGデコーダーのハードウェアを搭載したパソコンで352x240の解像度(標準VGAの1/4大の画面)で再生したものに相当する。
ところで最近CD-ROMでやれ12倍速だ16倍速だとか言っているが、CD-ROMの固有の問題(等速度再生やシーク速度)のためフルスピードで動く訳ではない。
MPEGによる圧縮の基本的原理は空間的な圧縮と時間的な圧縮に分かれる。まず空間的圧縮の原理はJPEGと似ている。こちらにも説明があるがこの説明では結構理解が難しいと思う。
まずHuffman符号による圧縮がある。これは様々なファイル圧縮(LHA, StuffIt, ZIPなど)やFAXの圧縮でおなじみなのでここでは深く考えない。もうひとつのDiscrete Cosine Transform (DCT)の離散コサイン変換という方法だが、一言で言うと色の細かい変化(高い空間周波数)の情報を間引くわけだ。
これは古くはRCAがカラーテレビの開発中に見つけた方法で、ヒトの網膜の色を感じる細胞(Cone)が白黒を感じる細胞(Rod)の数分の1しか無いため、色の解像度が低いことに注目している。テレビではカラーの解像度は白黒の数分の1しかないがあまり目立たない。従ってこの圧縮方法は画面全体の色のコントラストが強く細かい模様が不規則に散在する画像が苦手である。白黒に関してもヒトの網膜細胞のピッチより細かい物は省いても問題ない。
時間的圧縮は、動画の各フレームの画像がきわめて似ていることから、変化があった部分だけをマクロブロック単位(16x8 pixel)で書き換えれば良いという原理による。これに動きの予測を組み合わせると情報量を格段に圧縮できる。従ってコントラストが強くてフレーム間の画像変化が激しい画像が苦手である。特に古いフイルムのスクラッチノイズのようにコントラストの強いノイズがランダムに出現するような場合は最悪だ。
以上を頭に入れてパーフェクTVを見るとMPEG2の得意不得意が見えてくる。おおむねクラシックな題材の映画ではボロが目立ちにくい。牧羊ブタを題材にしたベイブではノイズは殆ど感じられなかった。しかし常に目立たないかというとそうでない。風に穂先が波のようになびく広大な草原で、主人公同志が駆け寄り、それを斜め上方から急速にズームしたりする壮大な情景では画面全体に不快なモアレのようなノイズが目立つ。
従ってMPEGが最も苦手なのがパニック映画である。最近の映画でアラが目立ったのが竜巻を題材にしたツイスターであった。まず雷が良くない。主人公が瞬間的に稲妻で照らされながら動くと、驚くほどぶざまに大きなマクロブロックのカタマリがパラパラと描画されているのが解る。
さらに、竜巻の中心にいろいろな物が巻き上げられるシーンも良くない。面白いことに、激しい変化のある画像はナマで見るより一度ビデオに落としたものの方がマクロブロックの境目がなまって目立たなくなる。
もうひとつMPEGの特質を理解するには、天候極不良時の画像が良い。天候不良で信号が弱くなると、画像が一瞬フリーズしたり、暗転したかと思うとマクロブロックがパラパラとばらまかれるのが良く解る。丁度80486の33MHzのET-4000の倍速CD-ROMでHなCD-ROMを大画面で再生しているような感じだ。
MPEGといっても規格だけなので、圧縮のストラテジーの向上によって画質は今後向上すると思うが、現時点では個人的に期待ほどでは無かった。この画質だと現在WOWOWなどで映画を楽しんでいる人は、あわててWOWOWを解約する必要は無いしペイバイビュー(一作品ごとにお金を払う)ものでも数100円以上はとれないように思う。
MPEGの細部を知らない配偶者や子供に画質を尋ねると、録画が上等なVHSビデオより悪いという。具体的にどう悪いかはわからないと言うが、ナマ放送でなくてビデオを見ているような感じだと言う。案外、画質の善し悪しは簡単にばれるものである。
この項を書くためにサイトを漁ったが、携帯電話の時と同じで日本にはメーカーや公的な技術解説の適当なサイトがあまり無いのが今後の日本を占う上で悲しい現実である。実際には日本のビデオ機器が世界を席巻しハイビジョンなどの情報の蓄積もあるのだが、それを啓蒙する努力が足らないのである。
資源の乏しい日本は技術立国でやっていくしか無いのであり、ハイテク啓蒙や教育が大事だと思うが、”知らしむべからず”という発想が邪魔をしているようだ。高校生にはベルやPHSが普及しているが、そのメカニズムをごく簡単に教育するだけでその波及効果は絶大だと思う。
米国ではクリントンは、すべての子供が9才までに字を覚え、12才でインターネットを使いこなし、18才で大学教育を受けるのを目標としている。日本の教育が米国より優れている点も多いが、日本にもこういった分かり易い目標が必要な気がする。
個人には衛星通信に関してJG3RID HOME PAGEのようにすばらしいサイトがあるのと実に対照的である。
10月24日(金)の正午時点の日経ダウはかなり押していて、前場に一時\17000を割り年初来安値を記録したようだが、ヒケでは戻しているようである。前日香港市場やNY市場で大きな下げがあっただけに、午前の株価報道は興味有るところだ。主要情報源を調べてみた。
まず資本マーケットと距離を置く旭日新聞だが、ニュースの主点はザラ場の最安値\16863を付けたことにある。今後の見込みも下落の懸念を忘れていない。いかにも旭日新聞らしい。
ライバルの売売新聞の報道は淡々としている。旭日新聞に比べ全般的にデータが多く羅列されており、香港市場の事やどのセクターで売買があったかがかかれている。今後の見込みについては触れてない。
経済の本家、N経はさらにクールな見方である。他市場など多くのデータもあるがまだ今後の見通しを語る段階でない、という感じの記述だ。
さて証券会社系はどうだろうか。ダイヤ証券の前場の報道のデータは詳細だが、その解析はおお甘である。前場ザラ場での年初来安については(ママ)、
”東京株式市場にとっては昨日後市場で、ある程度織り込んでいたことから大きな下落はない。東京株式市場は値がさハイテク株が売り気配から始まったったが、香港市場を見守る動きから、日経平均は一時17000円を割り込んだもの小動きに推移。”
と簡単に書いているが、一時ザラ場で288円安の年初来安を付けたのが小動き????。いかにも証券会社らしく脳天気な表現だ。
やはり株の事と言えばノルマ証券を欠かすことができない。記述は意外や淡々としており元気が無い。今後の見込みは”模様眺め気分が強く”(ママ)と控えめであり記載も少ない。不祥事の後遺症だろうか、記事の量と下段の注意の断り(これは投資勧誘でなく情報提供云々)の量に大差ない。
不祥事に揺れる日光証券のホームページは大変なことになっている。現時点でメニューリンクや画像が多数消失と大混乱だ。社告にも”平成9年10月21日、証券取引等監視委員会より告発を受けました”とある。もともとこの社は月単位の概況しか無く、15年来の顧客(私のこと)から見ても不満である。
ここのE-Mail BOXをクリックして腰を抜かしてはいけない。メイルアドレスが全角英文字で書いてある。下の方に英語で羅列してあって、これを参考にして、それぞれのメイラーで送れとある。フォームなど無いのだ。subjectの{ | | }はUNIX風呪文だが、実際にどう書いて送ったら良いのだろう。以下ママ
Subject : {www|nikko|index|stock|bond|cb|jmix}いずれかを指定して下さい。 また、下記項目についてお知らせ下さい。 Your Name: E-mail Address: Company: Position: Address: Telephone No.: Fax No.: Machine environments: {unix|windows|macintosh etc} Messages:どうして日々の概況が無いのか、どうしてE-MailBoxがこんなのかをE-mailした所、夕方にはさっそくメイルアドレスだけは半角になっていたが、UNIX風呪文Subjectと英文字群はそのままだった。日光証券にE-Mailを打つには英語とUNIXの学習が必要らしい。最近では小学生のページにもちゃんとしたフォームがあるが。
担当者によると、フォームだとE-Mailのアドレスを取りこぼす可能性があるとか言っていたが、ここのホームトレードはブラウザーのSecure機能を利用した機密保持できる先進的な作りで、それでいてE-Mailがコレなのは理解に苦しむ。
もう一つ大変な山の手証券も社告には”本日、証券取引等監視委員会による告発を受け、東京地検特捜部により、当社関係者が再逮捕されました。”とある。ここも週単位の概況しか無いところが情けない。
ホームページのデキの良さが会社の規模とは無関係である良い例が居間川証券マーケット宅配便である。ここの内容はすばらしい。資本金29億の会社にリアルタイムな概況があって、資本金1234億の日光や1266億の山の手に無いのかナゾである。
大きな証券会社ほど儲けさせてくれるのでは無いかという希望は、
で調査した通り持たない方がよい。
最後に株式投資向上委員会を忘れたらバチがあたると思う。ここの記述は重みがある。
このように、資本マーケットに距離を置く旭日新聞と、超楽観的なダイヤ証券の記事には大きな差があり、短い記載にも立場の違いや会社の勢いが良く現れている。サンゴ”造報”事件やペルー事件でMRTAに好意的だった旭日新聞の記事が200以上の今年の大学入試に使われたとかで、腰が抜けて言葉も出ない。
このページを読んでいる人は私がマック嫌いと思っているようだが、実はマックはマックプラスの頃からのユーザーである。今所有もしくはお世話をしているものはMacPlus、IIfx、520、575、630(3台)、7100(2台)、8100、9500(2台)と結構な台数になる。
かつてのマックはLANが標準である点が光っていた。プリンタポートはRS422という規格で高速にシリアル転送できる。RS232Cが基本的には送信、受診と接地という3本の電線を使うのに比べ、RS422は送受信にそれぞれ+と-があるバランス型である。RS232Cは規格上数10mの電線しか張れないがRS422は数百mまで電線を張ることができる。これはオーディオで言うとRCAプラグ(普通のオーディオプラグ)とキャノン端子(プロ用バランス型)との違いに相当する。
マックはこれでLAN(AppleTalk)を構成するソフトをROMで標準装備していた。当初はプリンターの共有のみでファイル共有は出来なかった(可能にするアプリはあった)。アップルトークとはそもそもLANのプロトコールと物理層の両方を指していた。しかしシリアルで画像をPOSTSCRIPTで転送すると時間がかかってしまう。そこで新たに10BASE-Tを物理層として採用したものをEtherTalk、シリアルを物理層としたものをLocalTalk、そしてプロトコール自体をAppleTalkと称するようになった。実際にはAppleTalkとLocalTalkはアップル内部でもユーザーの間でも混同されているので注意が必要だ。
その後AppleTalkではファイルの共有が可能になり、ネットワークが弱いDOSやWn3.1に大差を付けていたのである。ところがWindows95でネットワーク機能にアップルは完敗してしまった。Windows95ではネットワーク機能は32bitのノンプリエンプチィブなシステム自体に繰り込まれており、LANもtcp/ipも安定している。おまけにWindows95のローカルにつながっているプリンターの全てがネットワーク上ですべて共有可能となり、EtherTalk上でローカルプリンターを共有できないマックに大差を付けている。さらにマックのtcp/ipはAppleTalkに細工してパケットを生成しているので、何かと速度が出ず安定しないのはご存じの通りである。
これからが本題である。ある仕事場には2台のマック(7100と9500)がある。それぞれはLocalTalkとEtherTalkで二重につながっている。ところがレーザープリンターLaserJet4PJは7100のモデムポートにシリアルでつながっている。もう一台のDeskWriterはLocalTalk上に存在する。DeskWriterは両方のマックからLocalTalkを通じて印刷できるが、7100のモデムポートにつながっているレーザープリンターは7100からしか印刷できなかった。そこで文句が出た。
表向きモデムポートにつながったレーザープリンターの共有は不可能ということになっており、EtherTalk上で動作するネットワークプリンターが必要ということになっている。しかしインチキをして実はこのような接続のレーザープリンターをLocalTalkで共有する事は可能である。知っている人もいるとは思うが、私の周りのマック使いはだれも知らなかったので書くことにした。但しどのレーザープリンターでも可能な訳ではなく、以下の記載はHPのレーザージェットに専用ドライバーPowerPrintをインストールした場合には間違いなく可能である。これでWindows95に一矢を報いようという訳では無いが。
まずレーザープリンターのドライバー群をインストールしたシステムフォールダーをチェックする。まず機能拡張フォルダーにレーザープリンター自体のドライバー(Laser Jet 4PJのアイコン)と、スプーラー(SpoolMaster、バックグラウンド印刷を可能にするシロモノ)とそのランチャー(SpoolLauncher、無い場合もある)の3つ(もしくは2つ)があることを確認して欲しい。
次にシステムフォルダー内にスプール用フォールダーがあるかどうかを確かめる。もしこれらが説明した場所にあればレーザープリンターのAppleTalkを通じて共有できる可能性がある。
通常これらの動作は次のようである。セレクターでプリンターをレーザープリンターに指定する。アプリで印刷を指示すると、印刷内容はQuickDrawとプリンタードライバーでプリンターの内部形式に変換される。スプールの設定(つまりバックグラウンドプリントが可になっていると、印刷出力は一旦スプールフォールダー(SpoolMaster Folder)にファイルとして出力され、それをスプーラーがCPU能力を盗みながら少しずつレーザープリンターに送り出すわけだ。
レーザープリンターを共有する方法は以下の通りである。まず7100(モデムポートにレーザープリンターがつながったホスト)にも9500(クライアント)にもレーザープリンターのドライバー群をインストールする。ホストもクライアントもコンパネのネットワークはLocalTalkにしておき、セレクターではレーザープリンターを指定し、バックグラウンドプリント可およびAppleTalkを使う設定にして置く。
ホストとクライアントで共有設定と利用者&グループを設定し、LocalTalk経由で相互の起動ハードディスクが見えるようにしておく。ホストでシステムフォルダーのスプールフォルダーを選択して、フォルダのエイリアスを作る。クライアントのシステムフォルダーにあるスプールフォールダーは名前を変えた上にシステムフォルダー以外に移動しておく。クライアントのシステムフォルダー内にホスト上のスプールフォルダーのエイリアスをコピーし、その名前をもともとあったスプールフォールダー(SpoolMaster Folder)の名前に一字一句同じ名前に変える。この部分がミソだ。
以上で準備が済んだ。クライアントのアプリでレーザープリンターに印刷を命じると、ドライバーとスプーラーが動作して、エイリアスで見えているスプールフォールダーにスプールファイルを生成し、印刷する仕組みである。
確かにレーザープリンターの共有は可能となったが安定性に問題がある。もともと68KでないPowerMacの系統はLocalTalkが不安定で、大きなファイルを転送したり印刷すると止まることが多い。これはAppleTalkやLocalTalk、そしてファインダーには68Kマックのエミュレーションコードが大量に残っており、PowerMacがネイティブになったりエミュレーションになったり切り替わる時に入出力のタイミングが厳しくなりハングしやすい。くれぐれもマックで印刷する前に必ず文書を保存する事が重要だ。
今日も忙しい日だった。やっとこさ7時過ぎになって研究室に戻って冷蔵庫を空けたところ、Dイエー印のミネラルウォーターがあった。以前
に書いたように私はPETボトルを一切買わない主義だが、そこに置いてある物は飲む。ラベルをよく見るとナチュラルミネラルォーターと書いてあるが、これが実にナチュラルで無いシロモノであることを思い出した。
ヨーローッパで言うナチュラルミネラルウォーターとは、井戸から出てすぐ瓶に詰める。もちろん浮遊物を取り除くための濾過や、炭酸ガスの除去および追加は認められているが、加熱殺菌は認められていない。加熱すればガス分をはじめとした種々の揮発成分が飛んでしまうし、カルシウムなどは不溶化して減少してしまう。
自然そのままを重視するので、殺菌は認められていない。またタンクに入れて工場に運ぶことはできず、あくまでも井戸のすぐ近くで瓶詰めしなければいけないし、泉源も明らかに表示しなければならない。厳しい認定を受けたものが初めてヨーロッパのEEC規格ナチュラルミネラルウォーターと名のることができる。
以前
でも書いたように、日本ではこと水と酒に関しては実にいい加減である。No林省の言うミネラルウォーターは以下のように分類される。
まずボトルドウォーターであるが、文字通りボトルに水を詰めただけであって、水道水でも何でも良い。
次がミネラルウォーターであるが、地中でミネラル分が溶解した地下水の事だが、濾過・沈殿・加熱殺菌のほか、オゾン殺菌・紫外線殺菌・ミネラル分調整・ブレンドなどが許されている。ということはミネラルの何を加えても、どんな水を混ぜても良いわけだ。
次にナチュラルウォーターというのがあるが、これはミネラル分の溶解の少ない地下水で、濾過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていないものを指す。ナチュラルミネラルウォーターとは地中でミネラル分が溶解した地下水で濾過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていないものである。ミネラル分がどのくらいあればナチュラルミネラルウォーターと名乗って良いかについては基準が明確で無い。
じゃあナチュラルミネラルウォーターなら自然の水そのままかと言うとそうでは無い。沈殿処理では薬品で特定の成分を沈殿させて除去されてしまうし、加熱殺菌では揮発性の物は全部飛んでしまう上に不溶化したミネラルも失われる。日本では特定の泉源(井戸)を表示する必要は無いし、工場に移送して加工瓶詰めもO.K.である。こういうのはヨーロッパではナチュラルミネラルォーターとは呼べない。
全国各地で井戸水を水道水と水源にしている所があり、水質が良いので最小限の濾過と殺菌だけで水道水として供給されている。これにミネラルがちょっとでも入っていたら適当な瓶に詰めればナチュラルミネラルウォーターを名乗って良いことになってしまう。
No林省が神経質になっているのは細菌数の問題らしい。そもそもヨーロッパでは細菌数が問題になるような泉源は使わないという考えで、そのため水源周囲の衛生状態の確保のために厳しい基準がある。日本で細菌が問題になるなら、ビールのように特殊フィルターで細菌のみを濾過することが可能であるから、沈殿や加熱殺菌せずともナチュラルに近い物を作ることは可能なはずだ。
そもそもPETボトルが嫌いな上に、出自や加工方法があやしい国産ミネラルウォーターは何となく買いたく無いが、本日はありがたくも、No林省のガイドラインに従った本物でないミネラルウォーターを飲ませていただいた。
N産のクルーというタクシー専用車が出てから随分たった。これはホイールベース2665mmのFR車でクラシックなスタイルはともかく、タクシー専用車のなかでは一番デキがいいと思う。
まず全高が高くサイドもリアも窓が立っている。前席の下に足が入るのでレッグルームは広い。しかしシートバック(トルソー角)は寝過ぎのように思う。
ホイールベースがあるので車室の前後方向に余裕はあるのだが、後輪とリアシートとの位置関係が良くない。シートの両側はかなり大きくタイヤハウスにけられていて、その部分の前後長が不足する。シートバックも両側下方がやはり大きくタイヤハウスにけられているせいか、かなり見かけのトルソー角が寝ている。
つまり座席が後輪に対して後方に張り付いた形になっているので、レッグルームの割にシートに左右方向の余裕が無い。シートバックが寝ているので、きちんと行儀良く座っていても次第に体が前にずり落ちる感じになる。レッグルームに余裕があるから、あと2cm位シート全体を前に出してシートバックを起こし気味にしていいのではないだろうか。その点だけが残念である。
問題はTヨタのコンフォートであるが、これがTヨタの車かと驚くほどデキが悪い。基本的な成り立ちはクルーと同じであり車室のサイズには余裕があるが、前席の下に余計なメンバーが出っ張っていて足入れ性が極端に悪い、というかまったく足が入らない。前後のシート間距離は十分にあるが、足を伸ばせないのである。
とするとパッセンジャーは足を伸ばせないのでアップライトなポジションを取ろうとする。ところがクルーと同じくシートバックが寝過ぎである。従って足をすくめながら後ろに寄りかかるというヘンな姿勢になって実に疲れる。
Tヨタと言えば世界でもデキの良い車を作るので有名なメーカーであるが、なぜこんな程度の低いセダンが出てきたのかナゾである。普通のクラウンのセダンも、先々代マークーIIセダンも前席の下に足が入るのにである。
もうひとつはMツダのカスタムブキャブだが、これは先々代のルーチェセダンそのものである。まともなプロポーションのセダンではあるが、現在の水準からすると車室が狭い。その代わり足入れ性もボチボチでシートバックの角度が比較的まともな点が救いではある。カペラも復活してまずまずなので、ルーチェという名前ももう一度使えるかも。
なぜMツダがカペラやルーチェの名前を廃したかは興味のある所である。以前Mツダは大金を投じてなぜMツダ車が売れないのか市場調査したらしい。もちろん中古が安いとか、故障とか、デザインがとか、燃費とか、そういった回答をMツダは予想していたらしい。
ところが意に反して、車自体よりもMツダという名前が悪いという結果になってしまった。そこでMツダは徹底してMツダという名前を隠蔽し始めた。S銀行の後押し(外資に売り渡すための陰謀という説もある)もあって、名前の良く解らないディーラー網と車を乱発した。結果はご存じの通りである。普通やたら車名やグレードに詳しい小学生がいるものだが、おそらく覚えきれなかったと思う。
ところで、シートバックを長くして後ろに寝かせ気味のセダンは多い。これはカタログ上の車室長の数字を稼ぐためだ。車室長はインストパネルのフード後端からリアシートバック後端までを言うらしく、インストパネルのフードを前進させてシートバックを長く大きく寝かせれば数字が大きくなる意味の無い数字であるが、メーカーのライバル車同志の比較資料にはなぜか重視されている。
しかしタクシー専用車では意味の無い数字など比べてもしょうがない。もっとまともな後席を付けて欲しいものだ。なぜかタクシーでくつろげないなあ、と思っていた人も多いのではないだろうか。シートも理由の一つだ。
あれは1985年ころだったと思うが、仕事でマンハッタンに3年ほど住んでいた。住所は37丁目のパークとレキシントンの間だ。マディソンやパンナムに近い場所柄、銀行員や証券マン、メーカーにアパレル、アーチストと多くの知己を得た。
日本からわずかな蓄えをもって渡米したが、その中の50万程は金貨で持って行った。その話をしたら銀行員や証券マンはマネをして、さっそく100万ほど蓄えを金貨に変えた。
その意味することはこうである。当時はジャパンアズNo.1とかいう本がでて、日米関係はあまり良くなかった。NY市立大のKという教授は日米関係は危機的であるとか言っていた。NYでは全く信用されていない男で、先日TVで”日本のH首相は米国ではジャンキーと呼ばれている”とウソばかり言っているが、知っているヒトは”ああまたか”という感じである。
脱線した。もし何らかの国際紛争が起きた時に在米領事館は邦人を擁護してくれるかどうかはなはだ疑問である。おそらくひとり25万ほどあれば、航空便でも船便でも何とか日本に帰り着けるのではなかろうか。有事の時は円はもちろん、ドルもあやしい。
そういうときには、金しか役に立たないだろう。かといって、インゴットでは分割出来ない。とすると、24Kのメイプルリーフがいいのではないか。我が家は夫婦だけだから50万用意した。銀行マン達は家族があったので100万分手当したわけだ。当時NYでは10万程でNY-東京の往復航空券が買えた時代である。
その後帰国してこの話をすると、日本人には笑い話でしか過ぎない。しかしNYに長く住んでいると他人事では無かったのだ。日本人とアジアの他の人たちとの一番大きな違いは、結局日本人はいつかは日本に帰ることを考えている事である。他国のヒトはそうでは無い。
昔から戦禍の耐えない国では金貨を貯める。有名なのはフランスの話だが、子供が産まれたら頑丈な扉に小さな切れ目を入れる。子供が誕生日を迎えたり、何かめでたい事がある度にナポレオン金貨を一枚づつ扉の中に貯めてゆく。いざ戦禍となったときは荷車に家族と家財道具一式を乗せて金貨を持って落ち延びるである。当然そんな状況では紙幣や有価証券は一銭の値打ちも無い。
アジアでもボートピープルが持っていたのはやはり金だったらしい。それを狙った海賊も出没したらしい。仕事仲間のテクニシャンは、金を抱いて某国本土から香港まで泳いで渡ったと言っていた。
そういう観点から見て、金投資というのはリターンを求めるものではなく、紙屑に帰す紙幣や有価証券に比べ最低の価値をキープできるアセットという考えがある。つまり経済変動で価値が半減しようが、倍増しようがあまり問題ない。とにかくゼロにならないアセットという意味である。
リスクを取らずにリターンを求め、破綻すると自己責任を認識しない我々には気になる話ではある。
みかかがナンバーサービスを始めるらしい。電話を掛けた方(発呼)の番号が、電話を受けた方(着呼)の機械に表示されるヤツである。横浜、名古屋と福岡で、テスト中だったが、こららの地域で先行してサービスが始まるらしい。いずれデジタル交換機への更新とともに全国でサービスされる見込みだ。
みかかから案内が来たがぶっとんだ。手続きをしない限り番号を通知する設定になっている。みかかから来たハガキをよく読まないヒトには要注意である。携帯端末やPHSでは以前から番号通知機能があるが、通常設定がOFFになっているのと対照的だ。
テレビで宣伝しているのはいたずら電話を防ぐ効用であるが、そもそもいたずら電話をするようなヤツが番号表示設定にするはずも無いので、当然目的は別の所にある。ビジネスである。
みかかから来たハガキをさらに良く読むといろいろ書いてある。そのなかで結構ブキミなのが”ナンバーリクエスト”というサービス(事業用月\400+工事費\2000)である。内容は(ママ)
”電話番号を「通知しない」でかけてきた相手に、「こちらは000-xxx-xxxxです。恐れ入りますが、あなたの電話番号を通知しておかけ直しください」
と門前払いするサービスである。もともとはいたずら電話を撃退する機能かもしれないが、”素性を表さない限り苦情は受けないよ”というような厚顔無恥な会社のサービス窓口など(例えばみかかだ)にうってつけである。さらにぶっとぶのは(ママ)
”この場合ベルは鳴りません。また掛けた方は通話料がかかります。”
いたずら電話撃退用に申し込みたい向きもあるだろうが、通知しないヒトを一律に門前払いした上に通話料を取るにはかなり勇気が要るであろう。留守番電話も通話料を取るが、伝言は残すことができるのとは対照的だ。
もし自分がこのサービスを申し込むなら、”私の所に掛けるときダケは通知アリにしてね。”と関係各方面に連絡しておかなければ、とんでも無く失礼なヤツになるかも。
もうひとつ気になるのは、通話には通知アリ、通知ナシとならんで、通知不可の通話というのがあるらしいが、通知不可とは何であろうか。携帯電話とかPHSだろうか。あるいは、衛星やインターネットを経由した電話だろうか。
例えば、国外通話によくあるコールバックやインターネット電話みたいに、どっかに公衆網との接続点があり、一括してそこで電話を中継する仕組みを利用すれば通知不可になるのだろうか。一旦国外を経由して戻ってきた電話の場合は番号は表示されるのだろうか、そのあたりがはっきり書いてないのがブキミである。
いたずら電話対策というプライバシー保護の名を借りていてはいるが、逆に自分のプライバシー(番号)をビジネス方面にバラまく可能性も無しとしない。テクノロジーは両刃の剣であるし、コールバックやインターネット電話みたいに何らかの中継や転送機能を使用した複雑なシステムで有効かどうかはUnknownである。
ま、いずれにしてナンバーディスプレーサービスをビジネスに使いたいムキからも、ナンバー通知を希望せず門前払いされるひとからも取りはぐれの無いみかか丸儲けのシステムかも?
まずディスプレーアダプターとは何の事か解ったらプロである。これはIBM方言(IBM Jargon)でAT互換機のビデオカードの事である。
IBMにはいろいろな方言がり、HDDはウィンチェスター、フロッピーはディスケット、マザーボードの事は古くはプレーナーボード、最近はシステムボードと言う。パソコンはノートパソコンであってもシステム装置で、カードを差す事はアダプターの導入という。
ソフトも面白い。BIOS設定は装置構成情報だし、ワープロソフト等をインストールすることは適応業務の導入と言う。
脱線した。ビデオカードでマニアは表示速度や3D機能ばかり重視するが、私は画質と安定性を最重視する。ビデオカードには画質の点ではっきり2種類(松と梅)に分かれる。
ビデオカードの部品で一番大きくいのがかつてGDCと言っていたアクセラレーターだ。下等な物は線、四角、描画、スクロールなどをこなし、上等な物では3D回転やテキスチャーマッピングまで行う。
画面のドットはフレームバッファーと呼ばれるVRAMの内容に対応する。絵を描く一番簡単な方法はCPUがVRAMの一つ一つに点を打っていく方法だが、バスを経由するので描画も遅い。
そこでアクセラレーターに例えば線なら始点、終点、線の属性を指定して書かせる。絵を動かすならアクセラレーターにフレームバッファー内のデーターを高速に移動させる。そうすればCPUは描画をアクセラレーターにまかせて次の仕事にかかれるので、バスが遅くても被害が小さい。
ところがバグが出る。CPUはアクセラレーターに四角の描画を命令するが、CPUが自分で書くわけでないから結果が保証されない。描画中にウインドーの移動や更新が重なると、書き損ないがゴミとして生じる。
アクセラレーターの豊富な描画機能をフルに使うようにドライバーを書くことによって、CPUはどんどんアクセラレーターに仕事を任せることになる。しかしドライバーの中には高速描画のためにかなりいい加減な(投機的な)書き方をするものがあり、それが特定の画像ではバグになってしまう。あるいはハングする。
だから上等なアクセラレーターの高速性を生かすほどバグも増えるのだ。未完成なビデオカードとドライバーが次々に登場するのはメディアとユーザーにも責任がある。雑誌記事は描画が早い事ばかりをあおり、ユーザーが先を争って入手しようとする。カローラしか必要で無い人にもフェラーリを買わせるような物だ。
従って、ビデオ関係で問題を生じたら、ちょっと古いビデオカードを使うと簡単に解決する。描画が速いことで節約できる時間よりトラブルでロス時間の方が通常長い。ビデオカードには640kbから1000kbの領域やI/O領域を広く占有する物(S3など)があるので、コンフリクトも多い。
まだゴミを撒くバグは良い方で、ハングすると完璧なマルチタスクOSでも対処方法が無いのだ。手元にあるカノープスのPowerWindows928-II/vも868もバグばかりで閉口した。複数のパソコンで確認したがどの機械でも安定しなかった。なのに雑誌記事はどれも絶賛ばかりでいい加減なものだった。
というわけで個人的にはバグの多い最新ハイエンドビデオカードの類は大嫌いであるがひとつだけ良い事は画質がいいことだ。ドットのひとつひとつが鮮明である。
アクセラレーターとROM、VRAMと制御回路はどのカードにもあるが、DAC(Degital-Analog converter)は付いている高級品と無い普及品がある。普及品ではDACはアクセラレーター内蔵だが、内蔵DACはだいたい画質が悪い。チップとしてのDACの性能はともかくチップから端子までの配線が長く細いので波形が歪んでなまくらな画質になる。
DACの動作は過酷だ。例えば1024x768の点をリフレッシュレイト75Hzで描画するとドット周波数は1024x768x75=59MHzになる。1280x1024ならば100MHzになるが、実際は帰線時間があるからもっと高い。各ドット毎に256段階のアナログ電圧を赤青緑の各チャンネルに出力するわけだから大変な仕事だ。高価な部品なので普及品ではほどほどのDACを内蔵している。カード上で一番熱を発生するのもDACである。
DACにも松竹梅とあるが、200MHz以上に対応する上等なDACを低い周波数で余裕をもって使うと画面の点のひとつひとつがはっきりしているわけだ。表示が鮮明なら一回り小さなフォントも使えるし目が疲れない。
というわけで、ハイエンドのビデオカードが安定してきて、そろそろ次のカードが登場するかという時点で上等なDACの載ったカードを安価に狙うのがトクだ。私はいつも”マニアのかたがた、いつもありがとうございます”といってゲットする事にしている。初物は高くつくのだ。
ところで、そのなまくらな画質を何とかする方法がある。まず上等なモニターケーブルを使う。効果的なのはモニターケーブルの途中のフェライト製のノイズフィルター(こぶのようなもの)を取ってしまうと驚くほど画質が良くなる。ニッパーをうまく使うと簡単にとれるし、雑音で問題が生じた場合は2つ割りのフェライトコアを戻してビニールテープで巻いておけば良い。
ボード自体に手を入れるのも効果的だ。VGA端子の1,2,3番からDACもしくはアクセラレーターへの配線をたどり、途中にフェライトコアがあればジャンパーを飛ばしてショートする。DAC内蔵アクセラレーターの場合、長くて細い配線のため、ノイズが問題になることはほとんどない。だからこそ画像がなまくらなのだ。
写真ではフェライトコアのチップ部品の上にジャンパーがハンダ付けしてあるのが見えるだろうか。改造後の画像は比べられないほどシャープになった。画像は改造前後をほぼ同じ条件で撮影したもので、その差は一目瞭然である。
もし他の機器に雑音で問題を生じた場合は、市販のノイズフィルターをケーブルがマシンから出てすぐの所に入れる。ノイズの調査にはAMラジオを近づけるノイズ発生源がすぐ解る。簡単だが応用の利く方法だ。
普通の人には勧めないが、モニターにも手を入れる方法がある。まずコンバージェンスやフォーカスを完璧に取る。さらにRGB入力回路にシリーズに入っている抵抗に数pFのトリマーをパラに入れて位相補償すると完璧である。こういった細かい細工が高級モニターと一式20万のおまけモニターの差である。モニター内部は高圧で感電死する可能性があるので、エキスパート以外はこの項は忘れて欲しい。
さらに画面に変動するモアレ模様を生じるビデオカードがある。これはバスからHDDやCD-ROM(かなり電流を喰う)のノイズや電源電圧変動を拾っているのだ。HDDのアクセスに従ってモアレ模様が変化し、同時にサウンドカードからも同様なノイズが聞こえるようだと確実だ。
その場合はカードを差すスロットを変える。拡張スロットーには電源に対してまたバスドライバーに対してそれぞれ別個に川上と川下があるので、スロットによってノイズ条件が違う。モデムなどのアナログ機器はHDDの配線リボンが近接しているだけでも簡単にノイズを拾い性能が低下する。
ノイズ対策の最後の決め手はカードの電源ラインにパスコンを追加することだ。実際のノウハウはサウンドカードを参考にすると良い。サウンドカードには多数のパスコンが入っていて、メーカーもノイズ対策に苦労しているのがしのばれる。
以上のように対策すると、誰よりもクリスプな画像を楽しめることが約束される。ビデオカードの描画が少々早かろうが遅かろうがたいしたことは無いが、悪い画質で老眼にならないことのほうが遥かに重要では無いか?
巷ではパソコンが売れないらしい。景気が悪いしインターネットパソコンが一巡したためであろう。しかしそれだけではないと思う。
皆様がお使いのペンティアムは133から233MHzあたりであろうか?でパフォーマンスは満足だろうか?例えば通常のワープロとか表計算などではマシンの性能はまずまずだし、インターネットだと回線速度の方が問題だ。
マルチメディアはどうだろうか。133MHzを超えるとソフトウェアMIDIもPCMも問題無かろう。動画はMPEGボードが無ければどうせダメである。毎日巨大なグラフィックでも書いている人を除けば、CPUの能力が倍になっても仕事時間が半分になる訳ではない。動画もメインCPUのみで軽々と動く位でないと誰も驚かない。
私はペンチアム133MHzや486DX66MHzのマシンで仕事をすることが多いが、さして困っていない。5倍位能力が向上しないと買い換える気がしないし、手持ちの特殊ISAボードや72ピンSIMMにも未練がある。
PC9800DAなどの386DXマシンは結構楽しめた。Cyrix486DLCの類があったからである。米国でコンパックデスクプロ386が出てから十分に386は長生きしたし、買った人も間違いの無い投資であったと納得したであろう。386DXのソケットも変わらなかったからCPU差し替えのスリルも味わえた。
386が33MHzを超えるころに486の16MHz〜20MHzが登場し、33MHzで普及期を迎え、その後486DX66MHzがメインとなりさらにDX100MHzに進化する。これもソケットが変わらなかったので、CPU差替とクロックアップが可能であった。炭酸ガスや水冷など、一番改造が楽しめた世代ではなかろうか。未だにペンティアムODP、AMDやCyrixで楽しみながら現役に使っている人も多いだろう。
そして486DX66MHzの頃にペンティアム60MHz〜66MHzが登場するが、今から考えてみて致命的バグはあるし性能的にも486-66MHzと大差無く完全な出来損ないである。このバグペンに飛びついた人の大半はマザーか本体を更新しているのでは無いか。ある意味では486よりも短命であった。輝くGW2000を苦労して個人輸入でゲットして得意げにご披露した後、アメリカからわざわざ不良品を個人輸入したバグペンユーザーとシロウトから言われて涙が出たという話もあった(私では無い)。
ペンティアムが普及したのはソケットも変わって120MHzないし133MHzの頃だ。丁度Windows95とインターネットが普及し始めたころで、20万円プラスでおまけ満載のパソコンが買えた大量に売れた。この歴史を考えるとペンティアムIIはペンティアムプロ同様メインになれないのではないかと思う。ソケットをはじめとした物理的な規格が短命のような気がする。
つまりCPUのソケット規格がコロコロ変わる間は慎重にならざるを得ない。*NTELは創業者利益と高付加価値とマージンを重視する。米国のMBAがビジネススクールで習うことを忠実に実践してきた。これに従うと、とにかく互換CPUは商売のじゃまである。586,686の名前を付けないのは互換機メーカーが商標をパクらないためだし、最近Pentiumのソケットをコロコロ変えるのは、互換機メーカーの対応を遅らせ、ユーザーに機械の更新を迫るためではないか。
そこで私の読みだが、クライアントマシンクラスはしばらくsocket7が続くと読む。72ピンSIMMもISAバスももうしばらく蔓延すると踏んでいる。またモデムもしばらく続くと読んでいる。経済の状況も厳しいのでsocket7で粘るユーザーがけっこう多いと読む。
今職場で性能的に苦しくなって来た多数の486をどう更新していくか?迷っている。私費もあれば研究用も事務用もある。備品は更新が実に面倒だ。一つの方法はペンティアムODPやAMDやCyrixのCPUに換装する方法があるが、これだと21世紀を迎えるころには完全な骨董品になっている。
もう一つはCPUとケース、マザーのみを更新することだろう。取りあえずFDDやHDD、サウンドカード、CD-ROMは引っ越しする。いったん汎用ケースに換えれば後々の改造が簡単だ。問題は小さな店から無名メーカーのケースやマザーボードなどを細々と伝票を切って買うのがやっかいなことだ。幸いメルコがケース類まで細々売っていて大きな店から品番で注文できるようなので、現在カタログを漁っている所だ。
メルコとはEMS以来のつきあいだが、あのカードの黒色カバーの字体とデザインのセンスは絶望的で無い方がいいと思う。放熱が悪いし、そもそも何のカードか解らないようなヒトは、カード単独で買わないと思うが。ケース類に関しての妄想は
に書いたが。マニアには参考にならないかも。しかしこれも悩んでしまう。職場のクライアントマシンなら233MHzMMXで21世紀を迎えられそうだが、個人的な研究用にはペンティアムIIが欲しい。しかし未完成な440LXマザーボードでは地雷原を踏む可能性が高くメモリーも換えなくてはならないうえに、今後ソケット規格がどうなるかわからない。現行のスロットではマルチCPUのサーバーマシンが困難でペンティアムプロは急速に陳腐化しているから、必ず何らかの手を打ってくる。
いろんな危険な改造でしょっちゅう地雷を踏んでいるくせに迷うのである。マザーボードもベビーATにするかATXにするかもあるし、NECのPC98NXにも興味がある。
ここのところ毎日Fast & Firstの改造記事を見ながら悶々と(実は楽しそうに)考えているところだ。
またまた同じネタでますます恐縮である。ここのところ、1日1台電流帰還アンプ改造だ。だいたい回路解析に約5分、改造に10分、評価5分というところか。
本日血祭りに上げたのはJusterブランドの安物パソコン用スピーカーである。内部の回路は、
と殆ど同じようである。ただし帰還用抵抗は270Ωでなく220Ωとなっていた。アンプの上には放熱器が接着されているのでメイクは定かでない。
回路的には出力コンデンサーを要するSEPPとなっている。BTL方式になっていないのはおそらくACアダプター(9V)附属で電源電圧に余裕があるからであろう。出力コンデンサーのコストがかかってもトータルで安く仕上がるからだろうか。
で改造だがこれまた実践編その1と同じである。まず220Ωの帰還用抵抗に0.3Ωの電線をパラにハンダ付けする。そしてその抵抗のホット側にスピーカーのコールド側をハンダ付けする。相変わらずコストはゼロである。
さて試聴だ。今回のスピーカーは5x7cmと小さく、エッジも硬くストロークが無い代物であまり期待がもてない。エンクロージャーも小さいから重低音はひっくり返っても出ない。しかしラジオ的狭いレンジが広がって、ラジカセ的音に昇進した。
ここでスピーカーの良否の見分け方にも簡単に触れておく。まずフレームがしっかりしてマグネットが大きいことが必要で、12cm級の高級品だと口径よりマグネットの方が大きく見えるハズだ。コーン紙は丈夫さと適度な内部損失のためやや厚みがあり、ざっくり梳いた感じが必要だ。
エッジはウレタンのロールエッジでストロークが大きくとれるものが上等だ。ボイスコイルの口径もコーンの口径に比して大きい方が良い。ボイスコイルの電線がコーン紙に露出している所で線の太さや断面を観察しよう。高級品は線が太く断面が四角だ。ダンパーの口径も高級品ではコーン口径と同じくらい大きい。最後にそこから端子に立ち上がる編線が上等であれば間違いない。
もちろんスピーカーの善し悪しは結果的には箱やアンプとの相性があるから試聴して見ないとわからないが、少なくともコストのかかるパーツが上等であれば良い物である可能性が高い。
ところで電流帰還式アンプでは低域のメリットだけでなく、位相が回転しインピーダンスが上昇する高域でも有効だ。安物スピーカーでもブラスやパーカッションがブリリアントに鳴り値段を忘れるほどである。
ここで電流帰還アンプの作り方についてまとめを書いてみると次のようになる。
1.まず回路を解析する。ICの場合はスピーカーのホット側からたどっていけば出力ピンがわかる。ディスクリート構成アンプの場合もスピーカーから逆にたどって行くと、2個の出力トランジスターの中点にたどり着く。大出力アンプであれば保護用抵抗、位相補正コイル、コンデンサーがあり紛らわしいが、そこから初段アンプに向かう電圧帰還用抵抗を見いだす。ここで電圧ゲインの推定を行う。
2.ICアンプの電圧帰還抵抗は一個しか無いことがある。実践編1と3の記載のように電圧ゲインを決定し、帰還用抵抗に改造し、そのホット側にスピーカーのコールドをつなげばOK.である。帰還用抵抗が外付けできないICアンプの場合は改造できない。
3.高級オーディオアンプの場合は、実践編2のように電流帰還4/5、電圧帰還1/5の電流電圧複合帰還アンプ(PAT pend.)にしておくと、スピーカーケーブルがはずれた時に発振するおそれが無く安全であろう。
4.BTL接続の場合は少しやっかいだ。この場合アンプ出力とスピーカーのホット側の間に抵抗を入れる。そして抵抗のホット側から初段に負帰還、コールド側から初段に正帰還を適当な分圧回路で戻す(PAT pend.)。初段で負帰還から正帰還を差し引いた電圧が真の帰還量となり電流帰還アンプを構成する。
これをBTLを構成する個々のアンプで行えばよい。この回路だとスピーカーのコールド側をグラウンドに落とすことができるのでBTL以外の回路でも使い道があると思う。
電流帰還アンプは電圧帰還アンプに比べボイスコイルがサーボループ内に入っているため位相補正のコイルやコンデンサーを省いても発振しにくいが、念のため方形波応答を見ておくといいだろう。ヘッドホーンの場合は分圧回路を追加する必要がある。実際の定数の見積もりにつては実践編2をよく読んで研究して欲しい。
この改造によって君もしくは君のメンバーが何らかの損害を被っても私は一切関知しないので、そのつもりで。
同じネタで恐縮である。回路図が読めないひとにはちょっとつらいかもしれない。今日は
で書いたアイワの安物ミニコンポを電流帰還化してみたので紹介する。ただ安全のために電圧帰還も残してある。その他ちょっとした問題があった。
回路はFig.1のようになっている。もっと詳しく説明するとアンプの終段はNPNトランジスターによる準コンプリメンタリーSEPPになっている。2電源方式のため出力にコンデンサーは入っていない。保護用抵抗やコイルの類が見あたらないのは、使用するスピーカーとケーブルが決まっているからだろうか。
定数を調べると電圧ゲインは100倍となる。設計だがFig.2のように電流帰還用抵抗は0.3Ω(実は抵抗線)のホット側から1kΩで戻してやると所定のゲインとなる。もしスピーカーケーブルがはずれた場合のために22kΩに換え100kΩを入れ所定の1/5程度の電圧帰還を掛けておく。これを電流電圧複合帰還アンプ(PAT pend.)と今後呼ぶ。
例によって特別なパーツは一個もない。オーラトーンで試聴してみると、ちょっと低域が伸びたかなあ、と言う程度で今回は劇的な変化ではなかった。
ところでハタと困ったのがヘッドホーン回路である。ヘッドホーンには抵抗を経て出力し、そのリターンは直接グランドに落ちている。このままではヘッドホーンを使うとゲインが変化してしまう。パターンカットが面倒なので、とりあえずヘッドホーン端子はテープで塞いで置こう。
ところで以前から気になっていたのは、電流帰還抵抗がスピーカーに直列に繋がるとダンピングファクターが悪化するのでは無いか?ということである。以前電流帰還抵抗を4Ωとしたときには少し制動が悪くなったような気がしたが、今回のように電流帰還抵抗を小さく設定した場合はむしろ制動が向上したようにも思う。
スピーカーの制動とは、そしてダンピングファクターとは何であろうか。スピーカーは電磁石でコーンを動かすので、そのコーンの動きを物理的に制動するのは空気、エッジ、ダンパーなどである。スピーカー端子を電線でショートすると、コイルの逆起電力自体がコイルの動きを止める方向に働き、これを電磁制動と言う。
電磁制動と言ってもなかなか実感できないかもしれない。手元にアナログ式テスターがあれば簡単な実験ができる。テスターを動かすと加速度で針が振れる。このときテスターを一番敏感な電流レンジにしてプローブ同志をショートすると針の振れが減る。テスターのOFFレンジでも同様である。これが電磁制動である。
電車にも電気ブレーキというのがあるが、ブレーキ時に電動機の両端を抵抗負荷につなぐと電動機に制動がかかる。これはブレーキのように磨耗しないので都合がいいわけだ。
ツイーターやスコーカーはコーンの重さが軽く振動数が高いので、空気により制動がかかる。しかし重いコーンをぶら下げたウーハーでは電磁制動が重要になる。スピーカーからから見てアンプの見かけの内部抵抗が低ければ電磁制動が効き低音が締まる。ありていに言うと、低音がボンボンではなくドンドントントンと乾いて聞こえる。この制動の具合をダンピングファクター(DF)と呼ぶ。
さて電流帰還アンプではどうなるであろうか。DFの算出を通常使用する近似式
DF=el/(e0-el)(elは指定負荷時の負荷両端電圧、e0は負荷抵抗無限大時の負荷両端電圧)
で計算するとゼロになってしまう。アンプはスピーカーの抵抗の大きさにかかわらず一定の電流を流そうとするために、e0は無限大になるからである。DFの理論式は、
DF=Rl/Ro(Rlはスピーカーのインピーダンス、Roはアンプの出力側からみた内部抵抗)
である。電流帰還アンプではスピーカー抵抗の大小にかかわらず電流帰還抵抗に両端の電圧が一定になるように電流を流すように動作するので、電流帰還抵抗を負荷と考えると、直列に繋がったスピーカーとアンプを電流帰還抵抗から見た場合の内部抵抗はゼロに近いことになる。つまり電流帰還抵抗からアンプ側を見た場合のDFは限りなく大きく、スピーカーから見たDFは限りなく小さくなるという、不思議な状態になる。どうやら、電圧帰還を前提にしたDFを電流帰還アンプに当てはめるのは適当で無いと言うことである。
通常の電圧帰還アンプでは、DFが100でもケーブルやネットワークにたった1ΩのロスがあればDFは6以下に激減する。おまけにどのメインアンプもDFがカタログ値のように大きいのは1KHz付近であり、電源のマージンが減少する重低音や帰還量が不足する高域では激減する。つまりウーハーの制動が一番必要な周波数ではDFから期待されるだけの制動は効いていない。
外国の超高級スピーカーには本体よりネットワークが大きいシロモノがあるが、これはネットワークの抵抗分を嫌っているからである。ウーハーでは電磁制動が頼りなのに、ネットワークのコイルが直列に繋がっているのだから絶望的である。ネットワークを使う限りHiFiには縁遠いのである。
さて
で触れたように、手持ちのオーディオ製品の電流帰還アンプ化を進めているWebmasterだが、今日は一番対策が簡単なエレコム製安物パソコン用アンプ内蔵スピーカーを血祭りにあげた。スピーカーケーブルがはずれる危険も保護回路も無いので、改造は非常に簡単な上に電線一本以外ビタ一文の費用もかけてない。
調べるとアンプはfig.1のような回路だった。出力から帰還をかける内蔵抵抗の値は不明だが、もうひとつは270Ωと判明した。
アンプの石はSAMSUNGのKA2206Bで両チャンネルが一個のパッケージに入っている。BTL接続でないことは出力にケミコンが入っていることで知れる。このアンプを選んだ理由は帰還用とおぼしき抵抗があったからである。判明した範囲でpinアウトを示すと、
KA2206/LA4183 - ECG1667: ----------------------- 出力 2.3 W x 2 at 9 V (4.7 W x 1 BTL接続時) Pin 1: BTL out 接地 Pin 2: Out 2 ケミコンを経てスピーカーへ Pin 3: Bootstrap 2 ケミコンを経てpin2へ Pin 4,5: Pwr amp GND (tab)接地 Pin 6: Neg feedback 2 ケミコンと帰還用抵抗270Ωを経て接地 Pin 7: In 2 ケミコンを経て入力 Pin 8: Decoupling ケミコンを経て接地 Pin 9: Preamp GND接地 Pin 10: In 1 ケミコンを経て入力へ Pin 11: Neg feedback 1ケミコンと帰還用抵抗270Ωを経て接地 Pin 12,13: Pwr amp GND (tab)接地 Pin 14: Bootstrap 1 ケミコンを経てpin15へ Pin 15: Out 1 ケミコンを経てスピーカーへ Pin 16: Vcc 電源9Vへ -----------------------多くのラジカセ用アンプは出力ケミコンを節約して低電圧で出力を稼ぐためにBTL接続になっており、ゲイン設定用の帰還抵抗が無いものが多い。電流帰還アンプ化にはどうしても帰還回路が(一部でも)外付けの物が必要である。このICの場合は帰還の片方だけが外に出ていてゲインが設定できる。
これに比べると上等なオーディオアンプはディスクリートで組んであるので改造は簡単だ。しかしスピーカーケーブルがはずれると無帰還アンプとなり発振の危険がある。安全のために電流帰還に加え、従来通りの電圧帰還を所定の1/5位かけておくと安全である。
さて出力からの帰還をかける内蔵の未知の抵抗だが、出力を2Wとあたりをつけると6Ωのスピーカーに実効値3.4Vが必要なので電圧ゲインを約20倍と推定すると約5kΩと算出される。しかし今回の改造ではあまり関係ない。
で実際の電流帰還アンプ回路は極限まで部品をケチるとFig.2のようになる。つまりスピーカーのインピーダンスを利用すれば電流帰還用抵抗の0.3Ωのみを用意すればいいわけだ。
動作は簡単である。通常の帰還は6:0.3つまり20:1である。例えば低域でスピーカーのインピーダンス6Ωが12Ωに上昇したとすると帰還は12:0.3、つまり40:1となり電圧ゲインが倍になり電流帰還抵抗を流れる電流は一定に保たれる。
容量のある0.3Ωの抵抗など手持ちがあるはずも無いので、細い電線をばらしてその中の導線の一本だけを使って0.3Ωを作成する。電線というのは驚く程抵抗がある物である。やはりスピーカーケーブルは無いのが理想である。
え、ケチだって?そうケチというと聞こえが悪いが、パーツゼロで最大限の効果を上げるのがHIFIを目指す鉄人の姿である。写真の通り、スピーカーのリターンの黒線を帰還抵抗270Ωのホット側にハンダつけする。帰還抵抗(線)は270Ωにパラにハンダ付けし固定する。
低域を伸ばすため帰還抵抗上方のケミコン100uFにも100uFをパラに入れたが、ケースに収まらなくなったので削除した。さらに電源のケミコンにおまじないとして良質のタンタル10uFをパラにしておいた。
さらにスピーカー内のバスレフ以外の不要な孔をふさぎ、吸音材の量をバスレフ用に調節した。バスレフでの吸音材は定在波がたたない程度にバスレフポートから離して斜めにいれるのがミソである。
さて試聴であるが低域が伸びたのがはっきりわかる。100Hz以下の重低音もかすかに聞こえる。fo付近のインピーダンス上昇域でもドライブがかかっている証拠である。調子にのって音量を上げると予想外にスピーカーの振幅が大きく歪み出した。アンプのドライブもfoインピーダンス上昇分に見合う電圧でドライブしている証拠だ。
コストゼロの大満足の改造であった。ところで電流帰還用抵抗でダンピングファクターが悪化するかと思ったが、聴感上低音はブーミーでなくトンタンと小気味よい。スピーカーに直列に抵抗が入るとダンピングファクターが低下すると思いこんでいたがそうではないようだ。聴感上の印象異なるのでダンピングファクターについては次回考察する。
一応特性も計ってみた。左が入力したノイズのFFT(パソコンのSB16で計ったのでフルスケール11KHz)であり、右がスピーカー前10cmでの音声出力のFFTである。やはり周波数特性はけっこう山有り谷有りだがそんな物であろう。ピストンモーションの領域が広い12KHzのスピーカーでもこれだから、実際の3wayシステムなどそこいらじゅう山と谷ばかりである。みんな本当にカタログの周波数特性図を信じているのだろうか?
電流帰還アンプといっても、何も複雑な回路は必要ない。ひとつ悪いことと言えば、ハイエンドオーディオの商売に対する影響くらいであろうか。オーディオフリークを自認するマニアは是非ご自分でも電流帰還アンプを試してもらい、バブルに踊って知性が鈍磨したオーディオ業界と評論家をぶっとばして欲しい。
携帯電話のプラスティック製アンテナのナゾ
携帯電話のアンテナにはいろいろある。伝統的にアンテナを重視する京セラやNEC、JRCなどに比べ、M下などはあまり性能を重視していないような印象がある。概してアンテナがなるべく人体から遠いところに大きく上方に張り出している端末が性能を重視していると見て良い。
PHSより通信の安定性を重視する携帯端末では殆どのアンテナが伸縮式になっている。多くの物は格納時とフルにのばしたときに電気的に切り替わって性能を確保するようになっている。いずれにしても、アンテナは電気的に高周波回路と接続されており、アンテナを中途半端に伸ばすと性能が十分出ないようになっている。
そのような端末の中での変わり種がモトローラと京セラの端末である。これらのアンテナをばらしてみると、アンテナエレメントはただのプラスティックで、どこにも電気的につながっていない。
一見ダミーかと思うが、伸ばすと確かに2-3dB性能が向上する。いったいどうなっているのであろうか。モトローラの端末は返却してしまったが、今回京セラのアンテナが壊れたので、その構造を示す物がこの写真だ。
まず端末のアンテナはヘリカルになっていて、その中をプラスティックエレメントが貫通している。プラスティックエレメントの中にはヘリカル状の導線が巻いてあり、端末のヘリカルとエレメントのヘリカルとは電磁誘導で結合するらしい。そしてエレメントのヘリカルが電波を掴むようになっている。
この方式の利点はエレメントが伸縮の途中でも同じような結合が得られることであろう。またエレメントはたいへん柔軟性に富み折れにくい。モトローラのエレメントがあまりにも丈夫だったので、同じように扱ったら京セラのはヘリカルの芯のプラスティックが3カ所位折れてしまったようである。
日本の通信技術者がモトローラのマイクロタックのプラスティック性アンテナを最初見たときには驚いて言葉も出なかったという。パテントの問題だろうか、日本では京セラ以外は使っていないようだ。悔しいことだが、非日本人的発想である。
携帯電話とPHSについては、今日の一言特集の
に情報を網羅しているので参照されたい。