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OVersion July 2000

July 29
 ●Win98日本語版オーバーヘッドのナゾ(山本式ttfcache生殺し編)
July 22
 ●C級スピーカー解脱のナゾ・その2(ブランド名を惜しむ編)
July 15
 ●ソケット7とPCIバスはDVDの夢を見るか
July 8
 ●涅槃株券のナゾ
July 1
 ●C級ディスプレーのB級風水変造のナゾ(所用時間15分編)



OVersion July 2000


July 29
 ●Win98日本語版オーバーヘッドのナゾ(山本式ttfcache生殺し編)

今回の内容はちょっとショッキングかも知れない。というのは、Win9Xにおける日本語化のオーバーヘッドがかくも大きいとはwebmasterも予想していなかったからである。

かねてからwebmasterは日本の雑誌やwebが英語版のベンチマークを使ってパフォーマンスの議論を行うのに疑問を呈して来たのは周知の通りである。最近もこちらでペン3と明日論の優劣を論じていたが、マヌケな事にベンチはみんな英語版である。この記事も、実際にはCPUパフォーマンス対戦といよりはL2キャッシュ対戦をやっているかのようである。実に嘆かわしいことだ。

ところで手元に英語版win98を積んだマシンがある。そのシステムのレスポンスは実に軽快であるがなぜだろう。今回はほぼ同じ装備の英語版と日本語版のWin98SEでメモリー負荷を比べることにする。日本語版は山本式風水変造を済ましてあり、フォントはTerminalのサイズ11に設定され、画面の表示はほぼWin95GOLD並になっている。アプリもIE5以外は殆ど何もインストールされていない。英語版もほぼWin95GOLD並の画面にしてある。

まず第一のショックはシステムのサイズだ。

英語版の\windowsにはファイルが約280個あり、その合計は35MBytesであった。一方日本語版は330個で合計59MBと随分大きかった。ところで\windows\systemは英語版ではファイル数約1000個で合計115MB、日本語版はファイル数1100と120MBと大差無い。おそらく\windows\systemのファイル群には多国語対応が織り込まれているのだろう。

次に第二のショックはメモリー負荷の差である。

立ち上げ時にアロケイトされたメモリーは英語版35MBに対し日本語版40MBであった。約5MBほどメモリー負荷が大きいことになる。この差は予想より小さかったが、これもおそらく多国語対応が織り込まれているせいだろう。

そこでアプリの代表としてwordpadを起動して文章を入れてみる。英語版は52MBとなった。小さなアプリではあるが、それでも15MB以上アロケイトが増えた事になる。さて日本語版のwordpadを立ち上げてみると、何と92MB???何かの間違いか。再度立ち上げなおしてみると今度は88MBと出た。さらにIMEで”東京特許許可局”と入力してみると、何と108MB???。一瞬幻かと思ったが、そうではなかった。

日本語版がメモリーを喰っている理由はあきらかであろう。まず日本語版のシステムが大きい。日本語アプリも英語版アプリより大きい。そして日本語を入力するとIMEの負荷だけでなく、変換辞書の負荷がかかり、フォントの負荷がかかる。これらはディスクキャッシュとして、また仮想メモリー空間のイメージとしてメモリーを消費する。wordpadのような単純なアプリに1行文章を入れただけで、彼我のメモリー負荷は50MBも違うのである。

その観点からしょうもない比較記事を読み直してみると、日本語版では、たとえwordpadのような小さなアプリも米国版のベンチで言えば、busines winstoneではなくhigh-end winstone99並のメモリー負荷がかかっていると考えるべきである。通常busines winstoneよりhigh-end winstone99の方がメモリー負荷が大きく、そのためタスクスイッチやミスヒットのペナルティーも大きくL2キャッシュの効果が出にくいのである。

さらに第三のショックはフォントの設定である。

英語版Win98では当初はMS UI GOTHICが選ばれるようだが、画面のプロパティーのデザイン(appearance)として登録されている設定で使われるフォントはすべてMS san serifであった。実はMS san serifはtrue type fontでは無くてラスターフォント(ビットマップフォント)なのである。さらにアクティブバーも単色となっている。

つまり、英語版で画面のデザインを選択すると山本式風水フォント変造と同じようにTrue Type font では無くラスターフォントが選ばれてしまうのである。やけに英語版システムがきびきびしていたハズである。

最後に第四のショックはttfcacheのサイズである。

あなたのパソコンの\windowsにあるttfcacheのサイズはどれくらいだろうか。最低2MB程度はありはしないか。英語版Win98のttfcacheサイズはかなり使い倒してやっとこさ12kBと言うところだ。ムリも無い。日本語フォントが数千文字あるのに対し、英語は主にアルファニューメリック(アルファベットと数字)しか無いし、しかも文字も小さい。

ttfcacheとは、毎回true type fontを展開する手間を節約するために一度展開した情報を貯めておくモノで、Win9xを終了する度にファイルとして書き出して更新されるようだ。ところが、ttfcacheが日本語版win98を本当にスピードアップしているのかどうかには疑問がある。

つまり、数メガのファイルから展開したフォントを検索するオーバーヘッドと、文字を展開するオーバーヘッドとの差のどちらが大きいのか微妙な所である。もちろん山本式風水変造でフォントをラスターフォントにしておくとttfcacheの負荷は非常に小さくなる。パソコンの使用法によるが、ttfcacheが無い方が早い場合もある。信じれないなら、autoexec.batの最後に、

attrib -h \windows\ttfcache
del \windows\ttfcache

と加えてttfcacheを毎回立ち上げ時に消して見よう。ttfcacheが無くても文字表示のtrue type font表示のパフォーマンスの差はまったく感じられないだろう。しかしもっとうまい手がある。

それはwebmasterが試行錯誤の末見つけだした山本式ttfcache生殺し変造(PAT PEND.)である。方法は簡単でレジストリーをいじる必要は無い。ttfcacheが200-300kBに育ったら、その時点でttfcacheのファイルのプロパティーを読み取り専門にしてしまう。こうしておくとttfcacheは有効に働くがこれ以上肥大しないし、またsafeモードで消去もされ無いという生殺し状態となる。200-300kbytesというサイズは、ちょうど頻度の高いM$のttfフォントが一巡して使われて、それがキャッシュされた時点に相当する。

いずれにせよ、これに山本式風水フォント変造を併用すると立ち上げとシャットダウンがかなり高速化する。これを経験してしまうと、いかにM$の言う高速シャットダウンがマヌケに見えてくる。

日本語版は深い考えも無く英語版のttfcacheを導入したようだが、あるいは日本語のOSとしてはttfcacheというアイデア自体に問題があるのかも知れない。このようなメガバイト級の情報からフォントを検索するオーバーヘッドが、win98をさらに愚鈍で不安定なシステムにしている。不安定なシステムでは決まってttfcacheが壊れてフォントが化けるのである。

つまり、ttfcacheの肥大を防ぐことで山本式風水フォント変造の効果が倍増する。そして日本語版win98が英語版に肉薄するレスポンスとなるのである。

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July 22
 ●C級スピーカー解脱のナゾ・その2(ブランド名を惜しむ編)

人間の欲望には限りが無いもので、DVDの画質に満足すると次は音質に興味がいく。前回DVD変造でトレードしたSB-LIVEは4スピーカーを駆動可能なので、ボロなパソコンスピーカーをリアに回し、フロントには昔テレビにAuratoneと組でサラウンドに使っていた*udioTechnica社のスピーカーを使う事にする。

スピーカーの値踏みについては以前こちらに書いたことがある。最初にチェックするのはマグネットの大きさだ。10cmクラスの上等なものでは、マグネットの大きさはコーン紙と同じくらいある。あとはエッジがロールエッジになっていてストロークが取れるもので、コーン紙の剛性の高いものであれば、素性は良いといえる。

この安物サラウンド用スピーカーのブランド名にマニアに郷愁を覚えることだろう。実際にはmade in Taiwanの品であるが、安物なりにすみからすみまで最低限の品質が確保され、何となく凛としたところがある。特に蓋をあけてみるまで、これほど良質なスピーカーユニットが使われているとは思わなかった。

やはりメーカーはブランド名を惜しむべきである。そしてブランド名を記したからには責任を取るべきだ。ユーザーとトラブルばかり起こしている困ったメーカーがあるが、ブランドを粗末にしているとしか思えない。米国にQなるブランドのテレビを見かけたが、最近の日経で、パナ社がモト社からブランドと雇用を買い取って大事に維持してきた事を知った。もって銘すべきである。

さてスピーカーはボックス容量が約2Lの密閉型である。ユニットのfoは90Hz前後だろう。周波数特性の測り方については、

 ●超簡単スピーカーシステム特性計測のナゾ

を参照して欲しい。早速特性を測ると300から10KHzまでほぼフラットな特性である(上段)。これは以前測ったFOSTEX FE-103と山谷の出方まで殆ど同じで、一定の品質を持った10cmユニットの性能はよく似ており、ピストンモーションの帯域が広いのが特徴である。最近の欧米のスピーカーが12cm程度の小口径ユニットを多用する理由がよくわかる。

ただ問題は100-300HzがFE-103よりダラ下がりになっていることで、これがボーカルが痩せて聞こえる原因だろう。従って今回の変造ではこのあたりを膨らませて、150から10KHzまでを+-3dBに納めることとする。変造の手法は、

 ●山本式C級スピーカー解脱法のナゾ(風水学的音質改善編)

とほぼ同一である。まずコーン紙の面積の約1/15の面積の穴を開けて簡易バスレフ方式とする。穴はなるべくユニットから遠くするのがコツだ。できれば最低コーン紙の直径程度は離したい。今回はバッフル板の右下に開けた。この位置だと箱内外の回折の影響が気になるが、ユニットからの距離とを秤りにかけて、距離の方を優先した結果である。穴は裏に開けてもよいが、ニアフィールドで壁の反射が無くても低音を感じやすいようにバッフル面とした。

実は通常のポートを持ったバスレフ箱の設計については多くの成書がある。ところがポートの無い穴だけのバスレフ箱については定石というものが無い。特にスピーカーに比して箱が著しく小さすぎる場合には、答えがまったく無い。前述の条件は経験から割り出したものだが、幸い最近ではパソコンで特性の測定が簡単にできる。市販のミニコンポにも穴だけのバスレフ箱を見かけるが、Webmasterの見るところ穴が大きすぎ、またユニットに近すぎである。

工作は簡単で、穴は直径18mmのハンドビットで開けた。最近は電動工具の普及でハンドビットを見かけないが、LANの配線にも重宝するのでひとつ入手しておきたい。コーン紙の実効直径は8cmなので、このビットで開けた穴の面積が約1/15になる。この位の大きさの方が不要な中音の輻射が少ない。

バスレフの場合、どの程度吸音材を入れるかが論議になる。成書ではバスレフには吸音材は少なくてよいと書いてあり、既製品では驚くほど吸音材が貧弱な場合があるが、Webmasterはきちんと入れることにしている。それは吸音材はバスレフ穴から出てきて欲しい150Hz以下の低音にはあまり効かないからである。むしろある程度の吸音材を入れてバスレフ穴から不要な中音が輻射しない方が重要だと考えている。

さてゴタクより結果が重要だ。中段が変造後の特性だが、150から300Hzの間が3ないし5dBアップし、全体的にフラットな印象が強い。さてバスレフ穴からはどんな音が出ているのだろうか。下段がバスレフ穴から出ている音の特性で、約150Hzに穏やかなピークを持ち低音側にはなだらかに、中音側に急激に低下する理想的な形になっている。バスレフ穴からの音を聞くと位相反転が実感されて面白い。

バスレフ穴のfoをどこに持ってくるのかにも議論がある。大きな口径のユニットの場合、バスレフ穴のfoをユニットのfoより下に持ってきて低域を下方に延長してフラットな特性を狙うのが定石である。ただしこの手のスピーカーのように箱の容積が小さすぎる場合はユニットのfoよりかなり高い所から(2*fo付近)低音がダラ下がりになる。この場合、バスレフ穴のfoがユニットのfoより上(2*foより下)になってもかまわないと考える。

つまりトータルでフラットな特性にすることと、ユニットのfo付近でのコーン振幅を抑えてやることが結果的に大事だと思う。さて試聴だが、目をつぶるとスピーカーの変造前と印象が一転し、スピーカーの大きさが信じられない程である。イコライザーで150Hz以下を少し持ち上げると、いままで聞こえなかった重低音がかすかに聞こえてくる。できれば良質のスーパーウーハーと組み合わせたいところだ。

というわけで、工作時間約20分の変造としては、かなり満足の行くものとなった。昨今のオーディオ界を見ると、ユーザーはブロイラーの如く既成のサウンドを耳に押し込まれるだけである。もちろん手作りのオーディオを目指すユーザーもいるが、悪しき商業主義のために幼少時から手作りの訓練が阻害されており、また変造の結果を定量的に測定できない為に客主観的な陥穽にはまりやすい。

このページでは過去アンプ、スピーカー、CDプレーヤーについて特性の計測とその変造を提案しつづけてきた。特に昨今のパソコンはすぐれた計測機器となり、変造ための強力な武器となる。オーディオのイニシティアブをユーザーに取り戻すために、ぜひ風水学的スピーカー変造にトライして欲しい。

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July 15
 ●ソケット7とPCIバスはDVDの夢を見るか

日本でもPS2以後にわかにDVDが一般化してきた。DVDの将来がどうなるのか、そもそもDVDがどれ位の寿命を持ったメディアなのかについての議論はいずれ項を改めるとして、WebmasterがこだわっているPCIバスのソケット7マシンでDVDがマトモに鑑賞できるか試してみることにする。

今時、家電店に並んでいるパソコンの高級機種にはCD-RかDVDのドライブが付いているが、DVD再生の質は様々である。もともと解像度自体はパソコンの方がDVD専用デッキより遙かに高いが、コマ落ちが目立つ。デッキで目立つブロックノイズが目立たない代わりに、動きが激しい画像ではカクカクとなる。

もちろん専用のDVDデッキといえどもソースの限界もありコマ落ちと無縁ではない。そもそも圧縮画像は動きに弱い。それも画面の要素がランダムに動く場合に弱い。たとえば海面の夕日を反射したきらめきや風に揺れる桜の花は四角いブロック状になってしまうし、監獄の鉄格子の向こう側で人物が動くと、高級デッキと言えども激しくコマ落ちする。

ところが最近仕事場にやってきた*OTECマシンは、早々にCPUファンが油切した安物だが(注油で回復したが)、DVD再生はどのマシンよりも上等で殆どコマ落ちしない。安物i810チップセットに500MHz前後のセレロンの組み合わせなのになぜだろう。理由は簡単で、これらのマシンにはもともとオマケソフトが殆ど無い上に、山本式風水変造が施されていたからである。もちろんi810がDVD支援ハードウェアを持つことも有るが、この程度のマシンでも風水変造でリソースを開放すれば、専用デッキを越える画質でDVDを再生できる

とすると、古いAGPを持たないソケット7マシンでもDVDがマトモに見えるのではなかろうか。DVDドライブを標準装備するメーカー製マシンは殆どセレロン+i810だが、K6-IIはダメなのか。ソケット7アーキテクチャーではCPUバスがL2キャッシュバスと共通であり、この点は独立したバックサイドバスを持つP2アーキテクチャーより不利である。

しかし、L2キャッシュの効果はもともとMPEG再生では低いためソケット7の問題が致命的とは思えない。ウソだと思うなら、BIOSでお手持ちのP2やセレロンのL2キャッシュをDISABLEにしてDVDを再生してみて欲しい。フレーム数もコマ落ちも殆ど変わらないだろう。雑誌の受け売りと異なり、所詮L2キャッシュの効果というのはその程度に過ぎない。1MBytes近いサイズのフレームバッファーの離散した番地の処理では激しくミスヒットするのである。

ところでDVDソフトPowerDVDのマニュアルにはWin95、K6-IIの300MHz以上、DirectDraw対応ビデオカード、ISAサウンドカードが最低環境とある。推奨環境はK6-IIの400MHzでPCIベースのサウンドカードとなっている。つまりどこにもP2アーキテクチャーに限るとは書いてないし、AGPの有無にも触れていない。とすればINTELの主張に反し、AGPバスの無いソケット7マザーボードASUS SP-97VでもDVDが楽しめるのでは無かろうか。

そこで在庫をやりくりして試してみる。ビデオカードはVirgeDXでは歯が立たないと予想されるのでDVD支援ハードウェアを持つATI-ALL in wonder PROを手当した。DVDドライブとPowerDVDは組のものである。サウンドカードが古いSB-16(ISA)なのが気になる。SP-97Vのバスを75MHzとし、K6-IIを6倍速の450MHzで稼働する。PCIバスをCPUバス同期の37.5MHzに設定すると、Win95GOLDも矢のように軽く動作する。メモリーはSIMM(70nsのEDO-RAM)のままである。さてDVDは動くだろうか。

だめである。PowerDVDが安定せず3秒程でエラーになる。kernel類をOSR2から拝借すると安定することからWin95GOLD固有の問題である。しかしOEM用のOSR2にはupgrade機能が無いので、不本意ながらWin98を試すことにした。DVDとHDDのDMA設定もONにして山本式風水変造を施すと、Win98と言えどもかなり軽快に動く。DVDはどうなったか??

うーーん、確かに動く。ただしカクカクする上に音が歪んでいる。良く考えるとWin98のDirect-Xがver.5なので、K6-IIの3D-NOW!が十分に働いていない。そこでDirect-Xをver7に格上げし、ビデオドライバーも対応したものとする。PwerDVDもハードウェアアクセラレーションをONとする。なんとか鑑賞に堪えるようになってきたが、依然カクカク感は残っている。まだもう少しだ。

Webmasterも意地になってきた。そこで禁断の領域に踏み込むことにする。K6-IIも450MHz動作となればCPUパワーは十分と考えられる。そこでネックになるのがPCIバスだ。PCIバスは37.5MHzx32bit=150MBytes/secである。ビデオカードがフレームバッファーをすべて更新すると過大に仮定しても、800x600x16bitx60Hz=60MB/secは十分転送できそうだ。しかしそれは間違いである。PCIバスがバースト転送したとしても実質の帯域は表記の30%程度と考えるべきである。それが"デジタル帯域10に3つの法則”である。

もちろんMPEGではビデオカードのフレームバッファーはすべて更新されるわけではなく、またビデオカードのDVD支援ハードウェアも働くから、実際の画像情報は遙かに小さい。しかしPCIバスにはATAPI-DVDの約600kBytes/secやステレオサウンド約150kBytes/sec(PCI-ISAブリッジ経由)も同時に流れている。とするとPCIバスがネックとなる可能性がある。やはりAGPバスが無ければダメなのか??

そこで最終兵器としてtweakBIOSをダウンロードし、PCI関係のdelayed transaction, peer concurrencyを徹底する。同時にISAバス速度をPCI/3とし、タイミングも微調整する。freeware版のtweakBIOSは設定をsaveできないので、intelsatで設定を"save"し、autoexecで"change"を実行する。

ここに至ってDVDはかなり滑らかに再生するようになった。映画"Matrix"も動きの激しいところで若干のコマ落ちがあるものの、十分鑑賞に堪える。これなら店頭にあるパソコンの一番上等なヤツと同等ではある。これでOKか??いやそうでは無い。依然として風水変造を施した安物*OTECマシンの方がスムーズだ。この古参マシンも本体7万円の安物マシンに負けてしまうのか。

Webmasterもさらに意地になる。ここに至ってサウンドカードSoundBlaster-live(PCI)を他のマシンとスワップして投入した。これで手持ちのハードウェア(すべて既に古いが)は全て投入したことになる。もうPCIバスには後が無い。さすがに今回はDVDは十分な滑らかさで動き出した。

コマ落ちは皆無ではないが、専用デッキとてコマ落ちする。解像度がはるかに勝ることを考えれば初期の目的は達したのである。この状態でBIOSの細工をすべて戻しても問題が無かった。結局このマシンはATI all in wonderのテレビとキャプチャー機能にDVDを持つ当世極楽マルチメディアマシンに生まれ変わったのである。INTELの主張に反しAGPバスの有無は必ずしもDVD再生能力のボトルネックでは無かったと言うことだ。

結論として75MHzバスに400MHz以上のK6-II、PCIバスのRage-PRO、PCIバスのSB-Liveで最新セレロンマシンと遜色無いレベルでDVDが再生可能であった。SP-97VのSiS5598チップのATAPI-IDEは決して早い方ではないが問題無いようだ。結局PowerDVDのマニュアルの必要条件は正しかったことになる。実際にはK6-IIの450MHzパワーには余裕がある。現にDVDを再生しながらインターネットにつないだ状態でこの文章を書いている。ただしシステムトレイの小物類はCPUパワーを盗むので、始末しておく必要がある。

SP-97Vのスペックは随分古くなっている。それに今や第2線級のビデオカードとサウンドカードと\4000のK6-IIを投入するだけで、最新パソコンと互角になる。ソケット7もK6-IIのおかげで随分と長生きしたものである。

以前PC Watchでどこかのパソコン店員が”ソケット7は死んだ”と繰り返し言っていたことを思い出す。残念ながら、現在店頭にあるパソコンの3割以上はソケット7マシンであり、このまま21世紀に突入することは確実だ。一方、本ページの主張通りスロットCPUマシンは店頭から事実上消え、ついに21世紀を迎えることは出来なかった。そしてINTELの製品も情報操作も信頼を失っている。

ところで、今や高解像度フル画面で圧縮動画を再生できるパワーを実現したパソコンに、次なる適当な目標が見あたらないことに気付く。DVDが再生できるということは、これからやってくるデジタルテレビ類もすでに能力的に問題無いことになる。目標の無くなったパソコンはどこに向かうのか?結晶化するのか、あるいは鬱病になってしまうのか?

パソコンの能力の進化はこれで一段落を迎え、今後は激しいコストダウンと家電化(セットトップボックス化)の嵐に曝される。すでにi810にセレロンを積んだマシン本体の価格は5万円を切っている。今後CPUメーカーもビデオカードメーカーもOSメーカーも、そしてパソコン雑誌も結晶化したパソコン界で次なる話題を見つけるのに困ることだろう。

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July 8
 ●涅槃株券のナゾ

昨今では大会社が倒産することも珍しくない。銀行や証券会社、建築会社など、上場会社と言えども株式会社である限り倒産の可能性から逃れることはできない。毎日どういうことが起きているかは帝国データバンクで知れる。

あれはもう随分昔の事であるが、Webmasterは珍しい証券を保有することになった。倒産した会社の株券である。はたしてこの株券は倒産して紙屑になったのだろうか。

一般に会社が倒産すると言ってもいろいろな形態がある。そのうち、一番ポピュラーなのが会社更生法適用であろう。米国では良くチャプター・イレヴンと呼ばれる米国破産法第7章11条がそれである。もちろん日米の差は大きく、日本の会社更生法が不明朗な私的整理を排除して債務を整理して再建することに重点があるのに反し、米国のチャプター11は商売を続行させて再建させる事に重点がある。

ともあれ、倒産する場合の多くは債務超過である。つまり会社の資産より負債の方が大きいことになる。バランスシートでは右方に負債の部と資本の部が並んでいるが、ある意味では株式は会社が株主に負っている負債と同等ということである。

債務超過を解決するには負債の部か資本の部が減ればよいわけだ。つまり債権者に負債を割り引いて貰うだけでなく、株主にも応分の負担を求めることになるが、それは減資という形になる。それがどの程度の減資になるかは債務超過の状態によるが、多くは90%とか100%の減資ということになる。

90%の減資ということは、株券の価値が1/10になるということだ。この場合は株券は紙屑になった訳ではない。ところが100%の減資ということは、株券の価値がゼロになるということである。実際のこの株券の場合は100%減資の後、別の会社がほぼ100%に近い増資というかたちで資金を投入した。つまり少なくとも資本金の倍以上の負債があったことになる。

この会社の場合は、会社更生法の適用後も商売は続いていたし、金銭的には評価しがたい貴重なフィルムと全国の繁華街に若干の不動産があったため、立ち直りつつある。webmasterは映画ファンでもあるので、株券こそ紙屑になったが会社が更正したのは実に喜ばしいことである。

いずれにせよ、webmasterはこの株券のおかげで多くのことを学んだ。いまは株券を手元に保管することはマレであるが、事故の起きた株券というのはこういう顔をしている。この株券は証券市場と財務、そして会社更正の経過を知る貴重な教材として、また株券相の吉凶を占う教材としてwebmasterの部屋の壁に貼ってある。

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July 1
 ●C級ディスプレーのB級風水変造のナゾ(所用時間15分編)

Webmasterもここのところ机の上のスペースの関係で液晶モニターを使っている。しかし仕事場には安物パソコンセットについてきた15インチのC級ブラウン管モニターも多数ある。ブラウン管モニターは画像のシャープさこそ液晶にかなわないが、演色性や反応速度の点は優れている。

C級モニターと言えども、メーカーによってかなりの差がある。さすがに日の丸電気や大和事務機器のモニターは比較的品質が良い。確実に品質が劣るのが富士山通信のおまけモニターである。どれもこれもシャープさに欠ける。捨てるとゴミを発生して環境にやさしくないし、かと言って常用すると目が悪くなりそうだ。

実際のブラウン管や回路の品質にさほど差が有るわけではない。結局冨士山通信のモニターは、ビデオケーブルに噛ませたフェライト製高周波フィルターの設定がまずく、それが画質のシャープさを損なっているのである。従って今回の変造ではビデオケーブルに2カ所あるフェライト製フィルターを取り除く。パソコン画像をディスプレーアダプターに手を入れて改善する風水工学的変造そのリクツを、

   ●ディスプレーアダプターのナゾ (その2,雑誌記事のウソ編)

で取り上げたのは2年以上前になる。今回は風水工学をC級富士山通信モニターに適応してB級に解脱させることを考える。その所要時間は約15分と見込まれる。

注意!!この変造には危険が伴います。モニターの中には高圧があり、誤って接触すると感電の可能性があります。従って電気の知識の無い方にはお勧めしません。本ページはこの変造にともなう一切の責任を担保しません。

感電が怖いので戻る

残念ながら日本人の平均的な技術力はかつて無いほど低下しているので、このような断り書きが必要になる。ゴム手袋をはめてからいぢるのが良いかもしれない。変造の対象は冨士山電気のDP-84ZとDP-84X1で、その手法も殆ど同じある。この安物モニターはおそらくそこいら中に転がっているのではないか。

まず安全のためモニターの電気を抜いて半日位ほったらかしにしておこう。それでも内部の電解コンにはかなりの電圧が残っている。まずモニターケーブルのパソコン端子付近にあるコブ(写真右上段)を処理する。カッターでケガをしないようにフェライトコアの被覆に写真のような切れ目をいれ、電工ペンチあたりで一撃するとフェライトが粉々になって除去できる。

次にモニターの中を開ける。まずペデスタル(台)をはずす。プラスティックの弾性でとまっているだけだ。あとネジを4個はずして裏蓋をとりさる。モニターケーブルを辿るとフェライトコア(写真右中段)が見えるだろう。DP-84X1の場合は、フェライトをティッシュで2重にくるんで手に持って電工ペンチで一撃を加えるとフェライトが飛び散らずに除去できる(写真右下段)。DP-84Zの場合は操作しにくい所にあるので、ケーブルを固定しているネジを1カ所はずしてから除去する必要がある。

ここでフライバックのフォーカスを調節するわけだが、これが何を意味しているか理解できない場合は忘れて欲しい。この変造は簡単だが、それ相応の注意がいる。自動車の運転と同じで、まず自分のウデと相談してから始めるべきである。

さてケースを戻して画像(左下段)を見比べてみよう。さっきまでの画像(左上段)のボケは一掃され、まるでE社の高級モニターのような画像になっている。実際の改善は写真より遥かに明確で、場合によっては解像度とマスクピッチの干渉によるモアレまで見えるようになる。もしこれで周囲のテレビにノイズが入る場合はTDKあたりのフェライトフィルターを噛ませて欲しい。経験によると、至近距離に置いたラジオ以外で問題になることは殆ど無い。

この変造は設計がプアな冨士山通信のモニターに特に有効だが、別にモニターの中をあけずとも、どんなモニターでもケーブルのフィルターを取り除くだけで程度の差こそあれ画質が向上する。ノイズ対策との兼ね合いが難しいが、理論的には1024x768x75Hz以上のスペックではフィルターを除去しないとマトモには見えないはずである。実際にはwebmasterが常用するモニターのフェライトフィルターはすべて除去してある。モニターの画質に不満のあるムキはダマされたと思って試してみて欲しい。

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