サスペンション脱着のナゾ
この話はまだ私が若くてRX-7(SA-22C)にのっていた頃の話だ。当時は国産レシプロ車はどれも遅く、SA-22C程度の車で無敵だった。乗っていると当然サスに不満が出てくる。たまたま通りかかった車屋にカヤバのダンパーセットがあったので、先の事を考えずに買ってしまった。
サスはスターレット(KP61)のサス脱着の経験があったので油断があり、今思えばその慢心が悲劇の始まりであった。まず後輪のダンパーを交換したが、何事もなく交換できた。
問題はフロントである。まずスプリングを見るとこれが上下で径が違うテーパー状になっている。低いボンネットでタイヤをクリアするためだ。仕方なく工具屋に特殊スプリングコンプレッサーを注文し3日待った。値段は1セット1.5万と結構高い。この時点でショップに頼むより高くついてしまった。
でスプリングを縮めた。次にロアアームとストラットを止めているボルトをはずす。このときアッパマウトのネジ4個とストラットダンパーの上部取り付けネジをゆるめるが完全にははずさない(ストラットをはずしてしまうとゆるまない)。ここでロアアームとタイロッドボールジョイントのラバーブーツに亀裂があるのを見つけてしまった。
また買い出しである。当時のマツダのラバーブーツはトヨタのと比べ形状悪くて容量も小さく簡単にヒビが入る(今のは知らない)。マツダのはオバQの様な形をしていて仕込むとソロバンの玉の形になりその角に亀裂が入る。トヨタのはサイズが大きく最初からソロバンの玉の形をしている。このあたりがマツダのサスがボロと言われる由縁であろう。
でタイロッドをはずそうとするが、はずれない。また工具買い出しである。結局ベアリングプーラーを買ってきて規格外使用してはずした。マイナスドライバーでラバーブーツをはずすと、これは簡単にはずれた。ところが新しいのが硬くて入らない。結局ベアリングプーラーをブーツの金属のワッカにひっかけてはめた。
でサスアッセイをはずそうとするがこれが重い。結局友人に助けてもらっておろした。ここで失敗したのがスプリングアッパーシートより上の部品の順番が分からなくなってしまった。もう片方をはずせば分かるが不安である。ダンパーの方は留金を大きなスパナで外し、新しいカートリッジを入れるだけである。組む段になってワッシャーの順番がわからない。
スターレットの場合はアッパスプリングシートとアッパーマウントの間にボールベアリングがあるが、この車にはベアリングが無い。良く見るとワッシャーの内の一枚がテフロンコーティングしてあるだけである。こういう所がマツダのサスが確かにボロだという話に再度納得してしまった。
マツダをののしりながらバイク(VT-250F)でマツダオート福○に行くがRX-7のマニュアルが無い。結局FRファミリアのパーツリストのコピーを貰い、その順にワッシャーを仕込む。今度はアッパーマウントの向きがわからなくなった。ネジ4本でボディに止まっているが、4方向にはまるのである。その中心は偏芯しており、間違ってはめるとキャスターやキャンバーが狂う。見ると三角マークが一個付いている。もう片方のマウントは三角が後ろを向いている。
念のためマツダオート○岡に電話して聞く。”もしもし山本オートですが(ウソ)、サスのアッパマウントの向きですが三角マークが前でしょうか?”と聞くと”そうです”という返事。従ってもう片方も組み間違ったと思って(判断のあやまり)そのとおり組み込んだ。
その後ゴキゲンでドライブして見たが、ひょんな事で複数のディーラーや中古車屋によったときRX-7のエンジンルームを見るとアッパーマウントの三角マークが後ろを向いているでは無いか。そこでRX-7を何台かチェックすると、おおむね後ろを向いているが、前を向いている車もあった。どうも後ろを向いているのが正しいらしい。前を向いているのはサスを組み替えたか事故を修理したときに、私と同じように組み間違えたらしい。
ファミリアの部品を流用しているが、キャスターを寝かせるために前後逆に使うのが正しいようだ。同じ車種でもパワステの有無、高性能版かどうかでマウントの方向を変える事が結構あるようだ。 で結局またサス脱着をやりなおした。素人で同じ車のサス脱着を4回もやった人は珍しいであろう。今度は簡単に脱着できたがえらく疲れた。
このRX-7には後日談がある。マツダオート福○の点検後に路面に油がにじんでいる。ベルト交換のためにオルタネーターのネジをゆるめた際にテフロンのオイルラインを損傷していた。ロータリーは2サイクルと同じようにオイルを少量キャブに注入しているが、そのラインである。それをマツダオート○岡に指摘すると直してくれた。しかしラインを交換したのではなくて、損傷したところをゴムチューブでつないであった。
この経験から得られた教訓は
1.機械をばらす時には、ワッシャー類の順番や向きは記録しておく。
2.必要の無いサス脱着はしない。(笑)
3.ディーラーと言えども信用できない。嘘をいったり、大事なオイルラインを損傷したりする。ロータリーのような特殊な車では自らを守るものだけが長く車を維持できるのだ。
というところか。以来手に入れた車のフロントサスのアッパーマウントには進行方向へ白マジックで”F”と書き入れている。あつものに懲りてナマスを吹くという所か。しかし似たような話は結構多いと聞く。自動車が複雑化するとメーカー工場とディーラーの技術差は拡大するばかりだ。
その後SA-22Cは私が渡米中に義理の弟が乗っていた。ディーラーに入れるとエンジンルームに
レンズシャッター式一眼レフと羽根油のナゾ
今売られている一眼レフのシャッターはフォーカルプレーンシャッターというものだ。これはフィルムの前を二枚のふんどしのような幕(先幕と後幕)が走る。おおむねストロボ同期上限の1/125位までのシャッター速度ではまず先幕が走りシャッターが開く。その後、後幕が走りシャッターが閉じる。このシャッターの利点はレンズがシャッターと分離されているのでレンズ交換が容易である。欠点は
に書いた様に例え1/1000の高速でも実際の動作は1/125位だ。フィルム面の前をスリットが走ることにより、平均露光1/1000であるに過ぎないのである。だから幕の走行方向と同じ向きに走る自動車を撮影すると自動車が伸びたり縮んだりする。
ところが以前レンズシャッター式一眼レフというのが存在した。有名なものは東京光学のトプコンユニとトプコンユニレックス、それに興和の製品であろう。そうコルゲンコーワは光学メーカーも有していた。中でもトプコンユニはシャッター優先式自動露出というユニークな物である。この機械は昭和46年頃の代物で、これを稼動可能に維持するために、ずいぶんカメラを勉強させられた。
大版カメラ用のセイコーシャッターSLV(直径約27mm)がレンズの後ろ(ビハインドザレンズ式)でミラーの手前についている。動作の仕掛けはこうだ。まず通常では開放レバーによってシャッターは開放されている。レンズを通った光は開放されたシャッターを経てミラーで反射されピントグラスに像を結ぶ。これをペンタプリズムを介してファインダで見るわけだ。ミラーの後ろに遮光板がある以外は普通の一眼レフと同じだ。
撮影時はやや複雑である。まずシャッターが閉じた後(右写真)、ミラーと遮光板が上がり設定まで絞り込まれる。次にシャッターが設定時間開き再び閉じる。そこで絞りが開放され、ミラーと遮光板が下降した後にシャッターが開放される。このカメラの利点は1/500まで完全にストロボが同調するため、シャープな画像が得られる事だ。
また自動露出はTTL式だ。ミラーに多数スリットが切られておりミラー裏にCDSが組み込まれている。スリットのパターンは中央重点式となっている。電池からCDSを経由した電流はファインダーにも現れるメーターの針を振らす。メーターはシャッター速度環とリンクしておりメーター自体がシャッター速度に応じて回転するようになっている。
露光時には押さえ金具がメータ針を固定する。これにギザの付いた山形カムが上昇する。メーター針の位置によって山形カムの当たる位置が変化しカムの上昇量も変化する。このカムが絞りとリンクしており露光量が調節される。この機構は当時の自動露出カメラでは一般的なものだ。
ところでレンズシャッターの故障に羽根油という現象がある。これを説明する前にレンズシャッターのしくみを理解する必要がある。シャッターは数枚の羽根(セクター)からなっていてその機構は絞りとまったく同じである。ただ絞りは普段開放で露光時に絞られる。シャッターは逆で普段閉じていて露光時に開く(実際の複雑な動作はすでに述べた)。シャッターは羽根につながった環のレバーを動かすと開閉する。
シャッターの動力源はスプリングのついた回転レバーである。フィルム巻き上げで回転レバーがスプリングに逆らって巻き上げられ固定される。シャッターを押すとこの回転レバーの固定が解除され元の位置に戻る途中で羽根のレバーをちょんと押してシャッターを開く。シャッター最高速度ではたったこれだけのことである。
問題はスローシャッターだ。回転レバーが戻る時に別のレバーが当たって時間稼ぎをするのが減速装置(ガバナー)である。その本体はオルゴールの減速装置と同じで、レバーの動きをギア仕掛けで増速し、最後は時計のテンプと同じ原理で小さな重りを左右揺らす。シャッター速度はガバナーのレバーの突出量で調節する。同じようなガバナーはセルフタイマーにも使われている。
レンズシャッターは高速にストロボ同期する理想的なシャッターであるが、故障で一番多いのが羽根油という現象だ。シャッターのギアから油が染み出して羽根につくと羽根同志が表面張力で張り付いて動かなくなる。これを直すには分解するしかないと本に書いてある。だだがバラさずに直す方法がある。
まずカメラを分解しシャッターを露出させる。そこでセルフタイマーを操作させるのだが爪楊枝のような物でセルフタイマーを固定してシャッターが閉じた状態にする。そこで無水アルコールを含んだ綿棒で丁寧に羽根を折らないようにして表面と裏面を掃除する。これでもダメな場合は、フィルム側を上にして数mlのアルコールを閉じたセクターの上に静かに流し、裏の布に染み込ませてとる。アルコールのかわりにトルエンなどのシンナーでも良いが、羽根の油分を完全に取ってしまうとサビるので、アルコールがちょうど良いのである。セクター洗浄の後の潤滑には4B位の鉛筆の粉が良い。
このように、トプコンユニは複雑なレンズシャッター式一眼レフに、ミラー式TTL測光と自動露出と当時ダントツに精巧なカメラであった。その複雑さは(材質と加工精度はともかく)ライカもニコンFも足元にも及ばないメカニズムである。トプコンユニは私の宝物である。
当時は日本のカメラの黄金期であった。ニコマート、ペンタックスSP,キャノンFTb,ミノルタSRT101、ヤシカ、コニカFTA、オリンパスペンFTなど今も骨董屋で見かけるカメラ以外にペトリ、ミランダと今は無い会社もあった。しかしカメラはその後ヤシカエレクトロ35とハネウエルの自動測距とで大きく変化する事になる。
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ガスコンロのナゾ
普段このページを見ておられる方々はどのくらいご自分で料理されるであろうか。しばらく目を離した間にガスコンロがとんでもない代物になっているのかご存知であろうか。
あれは1989年頃に帰国したころであった。貧乏なので公団賃貸に入居したが、政府御用達公団型流し台にはガスコンロが無い。そこで電気屋に行ってガスコンロを見ると変である。見慣れた回転ツマミが無くて押しボタン式になっている。さらに火力調節はその上に左右に動くレバーでやるのである。
不合理きまわりない。回転ツマミであれば1挙動で点火と火力調節ができるのである。さらに危険である。というのは子供はツマミを回すことができなくても簡単にボタンを押す。上に燃えるものや空鍋があれば即火事だ。あるいは体が触っただけで点火することもあろう。このためか押しボタンの下にわざわざロックレバーがある。
回転式が点火と火力調節が1挙動なのに対し、押しボタン式はロックレバー解除を入れると3挙動になってしまう。危険な上に煩雑である。以前に
April 18,1997 (Fri.)
カーステレオのナゾ
でも書いたとおり、回転ツマミには回転軸という支点があるので指が空間に定位し、微妙な調節がやりやすい。一方レバーや押しボタンは手をどこかに固定して支点を作らなければ微妙な調節ができないのである。もし車のハンドルがレバー式であったら、体のどこかを固定して支点にしないとうまく運転できないだろう。もし水道栓が押しボタン式だったら水量の調節が不便であろう。
もう一つの利点は、炎の強さや消火の確認が回転ツマミの角度で確認できる。押しボタンだと、押されているのかどうかが正面から見てわからない。ハイテクジェット機では計器がディスプレー表示だが、エンジンの回転数や油音などは依然としてディスプレー上に円形計器として表示される。これは4発のエンジンが同じ状況にあるかが針の角度を一瞥するだけで確認できるからだ。
最近は車の空調もツマミをひねるタイプが増えている。携帯電話もその右側面にロータリーエンコーダーが付いた物が好評だ。
幸いなことに、最近ではチラホラと回転ツマミ式コンロがカタログに戻ってきている。以前売り場の人に聞いたら”最近の人はトロ火の調節ができないし、そもそも料理をあまりしない”と言っていた。
最近の人類は押しボタンのようなオンオフ制御は得意だがひねって調節するのが下手になっているようだ。道理で運転が下手なはずである。テレビのダイヤルが無くなったのが関係しているのだろうか。またこんな製品を各メーカーがほとんど同時にどっと出してくるカルテル体質も不思議だ。変な位置にあるウインカーと同様に、良く役員がこんな危険な製品にOKを出したものだ。
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セダンのナゾ
かねがね自動車のセダンが本当に快適な乗り物だろうか、という疑問を持っている。個人的には6台乗ってきた車のうちクーペ1台、セダン2台、ハッチバック3台(うち初代RX-71台)であるが、特にセダンが快適であったという記憶が無い。
日本のセダンの特徴が無用に低い車高と小さ目のグリーンハウス(車室)である。確かにエンジンフードとトランクフードが長くて低くて小さ目の車室というのは見た目にかっこいい。おそらくジャグアーや米車の影響があるのだろう。しかし大衆車まで立派なトランクの長さを確保した上に空力のために前後の窓を寝かせていくとどんどん車室が狭くなる。
特に後部座席の上にリアウインドーが迫る事になる。そうすると、夏はパッセンジャーの頭は直射日光に晒された上に、路面の不整があれば頭部がガラスにぶつかる。後部のヘッドルームが小さくなるために、座席を寝かせ座面を落とし込む。とすると今度はレッグルームが狭くなる。信じがたいがPレジデントのような巨大なセダンでさえ満足な室内高が無く身長180cmのパッセンジャーがまともに座れない。
まだちゃんとしたドア窓枠を持つセダンは良い。リアドアの窓ガラスに分割線を入れることによってドア形状が自由になるので、座席に対してCピラーを比較的後ろに持っていくことができる。しかし4ドアハードトップは悲惨である。まずセダンよりさらにスタイル優先で後席が狭い。その上ホイールベースが短か目の日本車ではリアドアのタイヤハウスの切り欠きが大きいので、ドア内に大きな窓ガラスが引き込めない。無理矢理、ガラスの前を落とし込んで窓ガラスを収容すると、大きく窓が開かない。
ということでしかたなく窓ガラスが小さくなる。とするとデザインとの兼ね合いもあって座席に対してCピラーを前進させなければならない。とすると乗り降りの時にCピラーが邪魔で頭をぶつける。窓ガラス支持のためにドアは必要以上に耳が大きく張り出すため、突出したCピラーとあいまって狭い所での乗降性は最悪だ。さらにリアウインドはCピラーに沿って前進しているので、リアパッセンジャーの上にはますますガラスが迫って日光に晒される上にヘッドルームはさらに狭くなる。
もうひとつ気になるのは、サイドの窓ガラスもかなり寝ていることだ。日本車より背の高いドイツ車や米車よりむしろ寝ている。このため窓ガラスは頭部に迫ってきて圧迫感があるし側方衝突にも不利。サイドからも日光が入ってくるし、窓を開けると雨も入ってくる。
さらに窓枠が無いと、気密性に問題が出る。新しいうちはゴムの弾力性もあり窓ガラス支持もしっかりしているが古くなると空気が漏れてくる。さらにガラス上部をひっぱると簡単に数センチの隙間が空くので盗難にも弱く、窓枠の分だけ衝突時の強度も低い。
もっともこんな事はメーカーは知っててやっている。だからT社はAリストやCレスタなどプレスドアで窓枠付きの車を増やしている。どのくらい4ドアハードトップという変な車種が存続してくのか様子見しているのだろう。
そういえば、2台目FFコロナにリムジン仕様が限定数販売されたのを思い出す。これは比較的ボクシーなセダンであったコロナのBピラーのところで延長部を追加した物で今も時に見かける。個人的にはこういった思い切ったデザインでないとセダンの将来は暗いと思っている。
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Windows95メモリー必要量のナゾ
Windows95の必要メモリーについては諸説ある。おおむね16MBが最低必要で、32MBあれば快適、画像や音を扱うには32MB以上あったほうが良い、と言われている。いったいどの位必要だろうか?
Windows95では余ったメモリーはディスクキャッシュとして使われている。これはUNIXやNetWareと同じだ。アプリケーションによってメモリーが必要になるとキャッシュを次第に開放していく。さらにメモリーが必要になると、システムのうちダイナミックに使用可能な部分(DLLなど)を次第にディスク上に書き出していく。
システムのデバイスドライバーとして読み込んだ物は開放しにくいが、DLLにすると開放が容易になってメモリー効率を改善できる。さらにメモリーが必要になると、アプリケーションのうち分割可能な部分をディスクに書き出していく。さらにメモリーが必要になると、ディスク指定された領域をメモリーとスワップしてメモリーが実際より大きいかのように使うことができる。
この仕組みを仮想記憶という。仮想記憶といってもメモリーの大きな単位(セグメント)単位の管理方法と、もっと細かい単位(ページ)で管理する方法がある。大きな単位で行うと、メモリー上に未使用部分が虫食いの様に残ってしまいメモリー効率が悪い。アップルのMacはきわめて原始的なセグメント方式を取っている。
一方Windows95では幸いにもページ方式である。OSはMMU(メモリー管理ユニット)と協力して、不要なページをディスクに待避し、必要なページをメモリーに呼び戻す。さらにメモリー上の虫食いを整理しなるべく大きな空きメモリー領域を作成する。このために、OS自体もアプリケーションも細切れにしてダイナミックにページ管理できる構造である必要がある。
UNIXに比べると何かと穴の多いことで有名なWin95であるが、OS自体のDLL化、モジュール化、コンテナ化はUNIXより進んでいる。UNIXではカーネルにライブラリーを組み込んでカーネルの再構築が必要になる。モジュール化は遅れている。
そこで、メモリーが不足してディスクにメモリー内容をページ単位に細切れにして書き出す状態をページフォールト(違反)と呼ぶ。この状態をモニターできれば自分のマシンがメモリー不足かどうかを判定できる。
このために、まだインストールされて無ければコントロールパネル、アプリケーションの追加、アクセサリーでシステムモニターを追加する。再起動してファイル名を指定して実行で
sysmon
を実行する。システムモニターで編集、項目の追加、メモリーマネージャーでページ違反を追加する。眺めは
である。この状態では、左側にCPU負荷パーセントを表示している。このマシンは64MB積んでいるので通常はページ違反は生じていない。わざといっぺんにワード、エクセル、パワーポイント、アクセスを同時に起動した瞬間だけページ違反が高くなっているがすぐゼロに戻っている。これが常時高い状態ならメモリー不足である。他にも空きメモリー、キャッシュサイズ、スワップ状態に関する多くの指標からメモリー管理状態を観察できる。
Sysmonを観察しているとシステム自体で8MB、Netscapeなどの大きなアプリでは16MB。MS-OFFICEの複数のアプリを同時に快適に使うには28MB程度、さらにディスクキャッシュを効かせるには32MBあれば良いようだ。よほど大きな画像情報を扱わない限り、32MB以上ではCPUやシステムの能力が問題になりあまり早くならない。Win95は16MBないし32MBを目処にチューンされているようだ。
メモリーがたっぷりある場合はメモリーをキャッシュに優先的に割り振ると良い。それには、コントロールパネル、システム、パフォーマンス、ファイルシステムでコンピューターの主な使用目的のところで、通常のデスクトップコンピューターの所をネットワークサーバーにする。
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天体望遠鏡のナゾ
天空にヘールボップ彗星が輝くこの頃であるが、子供から天体望遠鏡をねだられるかもしれない。しかしヘタな天体望遠鏡を買わないのが正解だ。
日本人の悪いクセとして"型から入る"というのがある。デパートに行くとピカピカの天体望遠鏡が並んでいてつい欲しくなる。建て売り住宅展示場でも子供部屋のベランダには必ず望遠鏡がある。もう一つ悪い癖として"スペック重視"というのがあり、誇らげなく**倍とか赤道儀付きとかについ惹かれてしまう。
最近の工業製品はたいしたもので、安物望遠鏡でも鏡やレンズは予想外にしっかりしている。昔は鏡やレンズの良いものはとても高かったのである。一方三脚や赤道儀類はどんどん安っぽくなっており、材質もアルミや真鍮からプラスティックになった結果として、安い割に口径が大きく結構星は良く見えるが、架台の剛性不足とガタとで揺れて写真などうまく撮れない代物になる。架台がしっかりした望遠鏡は最低10万以上するのである。
10cm級の反射望遠鏡で倍率の一番低い接眼レンズで星座を見ても視界中星だらけで、どれがどの星座かわからないのでちっとも面白くない。例えばオリオンの3つ星も、プレアディス星団(すばる)もばらばらに見えてしまう。おまけに像は倒立だ。結局月の表面を2,3度家族で見て納得したら図体がでかいのであとは物置行きというのが関の山。
星座を見るなら双眼鏡がはるかに便利である。ここでもスペック重視の悪いクセが出て高倍率ズーム付きを買いたくなるが、低倍率でシンプルでピントあわせ機構(ヘリコイド)のガタの無いものを選ぶのがミソだ。
ヒトの眼には虹彩という絞りがある。暗闇に眼がなれてくると虹彩が開くがその最大直径(ひとみ径)は約7ミリである。倍率を7倍とすると双眼鏡の対物レンズ直径が7x7=49=約50mmの時対物レンズで拾った光量がフルに虹彩を通過することになる。というわけで天文ファンは口径50mmの倍率7倍(7x50という表示)を好む。三脚取り付け金具があると家族や彼女との星見に便利である。
だが7x50の双眼鏡は少し大きい。その点値段が安くて小さい8x30や、小型のダハプリズム式8x21も少し暗いが結構役に立つ。つまり倍率が低目でヘリコイドのガタの無い物が良いのである。近年の工業の進歩により安物にもちゃんとしたレンズが付いてくるが、一方ヘリコイドの造りは安っぽくなっている感じだ。他にもバードウォッチング用スコープも使えるがやや倍率が高すぎるかもしれない。
双眼鏡だと星雲などとても見えない、と思うかもしれないが、今ごろだとオリオン座の中心の三つ星の少し下にM42星雲がはっきり観察できると思う。
ところで双眼鏡で一つの星が2個見えることがあるが、これは左右の光軸が狂っているからだ。安物では最初から、また高級品でも一度落とすと簡単に狂う。地上だと少々軸が狂っていても、眼と脳ミソがまわりの景色を頼りに補正するので気づかないが、景色の無い星見では困る。
軸の合せ方だが、双眼鏡には滑り止めシボのついたビニールが張ってあるが、蝶番付近にビニールの切れ目がある。そこを両側に1cm位剥いでみると小さなネジがある。両側のネジを少しづつ回して(それぞれ斜めに像が動くが)星が重なるようにすればOKである。ミソはネジを少しづつゆっくり回して合せる事だ。ネジを早く回してもプリズム位置が落ち着くまですこしヒマがかかるのである。
ダハプリズムの双眼鏡は合せ方が違う。普通の双眼鏡は対物レンズと接眼レンズの軸がズレていて、その間にポロプリズムが2個ある。ダハプリズムの物は対物レンズと接眼レンズが一直線上にあり、工作精度が要求されるが小型である。これは視度調節の付いていない方の接眼レンズ付近のゴムカバーをはぐると小さなネジが2個あり、これで軸を合せる。
きちんとフォーカスと軸のあった双眼鏡は使っていて気持ちの良いものである。ところでヒマな方はこちらを覗いてみて欲しい。水陸望遠鏡とか超理論とか、誂え品造りますとか、面白い。このメーカーは昔から私たち貧乏人の味方だが、カタログの色の趣味は(主に黄色)独特であったが、ホームページの色調にも特の哲学?がある。
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カーステレオのナゾ
カーステレオというのはナゾの固まりである。メーカーに言わせるとそもそもカーステレオと読んではいけないらしい。カーオーディオと言うらしい。
普通のカセット付きカーステレオは、デッキアンプと呼ぶらしい。さらにFM/AMチューナー付きカセット付きカーステレオはデッキレシーバーと言うらしい。さらにこれにCDプレーヤーのコントロール機能が付くと、オーディオヘッドユニットと言うらしい。高い値段を正当化するための呼称だろうか。
でカセット部分を見ると、異なるメーカーでも良く似た造りになってきた。本当に各メーカーがカセット部分を造っているかどうかわからない。それでも安い3万円位のモデルは比較的まともな格好にまともな音量ツマミ(もちろん回転式)がついているからましな方だ。
これが値段が高くなるとデザインがかなり変である。音楽を再生するとグライコやらDSP表示やら、まるで花火のように画面がチラチラ表示して運転のじゃまである。70年代には受けたのかもしれないが、最近のコギャルに言わせれば”ウザッタイ”、savvyな女子大生には”インテリジェンスのかけらも無い”と言われるかもしれない
また値段が高くなればなるほど操作性は劣悪になる。やたら画面の表示がキラキラする上に、ボタンがイボイノシシのようにたくさんついている。特に問題なのがボタンで音量を変えるやつで、走行中に操作が困難である。安物のカーステレオの丸い音量ツマミボリュームの方がはるかに操作しやすい。
特に最悪なのは、1DINサイズの前面いっぱいにキラキラ表示とボタンが並んでいるモデルだ。カセットを入れ替えるためには、イボイノシシのようなボタンの中からOPENというボタンを押してパネルを開かねばならない。パネルを開いている間は操作ボタンが押せないし、パネルが突出して危険。
それだけじゃない。この手のモデルはパネルのためにカセット部の放熱が悪く、その上パネルがチカチカランプでさらに発熱するから、炎天下に駐車後はカセット部が高温になり、保護のためしばらく動作拒否をする始末である。安物にも劣る設計である。さらにパネルでロスした奥行きのために、DINサイズといっても前にでっぱっていて、衝突のときに突出物となって危険である。
その夜間邪魔な位チカチカする表示が直射日光下ではまったく読めないのである。多くは見栄え重視の蛍光管だ。ネガカラー液晶というものもあるが、これは表示文字以外が黒おとしで文字の所にカラーフィルターが仕込んである。つまり通常の液晶と逆で、表示するときに液晶がオフになる。通常のポジ液晶(背景がグリーンやオレンジで字が黒のもの)の方がはるかに視認性が悪い。
出力の方は27Wx4ないし35wと表示されている。カーステレオではスイッチング電源で昇圧しないかぎり電源電圧は13.8Vである。出力回路はBOTL(Balanced Output Trans-less)というもので、メインアンプ1チャンネルに2個のアンプを用意し、入力信号を各アンプに逆相で加える。そうすると各アンプの出力は逆相で現れるので、各出力にスピーカーの両端を接続すれば出力コンデンサーが要らない。これだと電源効率が4倍になって、13.8Vで27Wとか35w出るわけだが、ものすごい発熱だから最大瞬間出力と考えた方が良い。35wのやつはおそらく終段がMOSトランジスターになっていて電源効率を稼いでいるのだろう。
ところで同じメーカーのカーステレオでも輸出用は全く異なる。こんなチカチカしたカーステレオでは盗難や破壊が避けられ無い。そこでパネルはおとなしいデザインであり、ロックをはずすと中身が取り出せる。車を降りるときにカーステレオも家に持って入ることになる。
あるいはダッシュボードに一体化させておく。ダッシュボードに”このカーステレオを破壊して取り出しても動作しない”という警告シールがはってあったりする。国内と国外でずいぶんな違いである。今後は国内の車にも輸入車のように盗難防止装置をつける時代になっているかも知れない。
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一眼レフのナゾ
最近の一眼レフは高機能である。自動露出、オートフォーカス、モータードライブに加え、暗くなるとストロボがペンタ部から出てくる。自動露出も絞り優先、シャッター速度優先、プログラム式とある。プログラム式の中にもさらに絞り優先とシャッター優先があったりする。露光についても、スポット測光、中央重点測光、平均測光に加え、ポートレートモード、さらにはプログラムカードを使うものもある。やたらいろいろモードがあって初心者には全然親切でない
これと対極にあるのがレンズ付きフィルムの類である。これには絞りもシャッタースピードも固定。ストロボ付きの固定である。しかしちゃんと写る。特に十分に明るいところである程度距離を置くとかなり良い画像になる。
つまり露出は思ったより限られている。カメラの露光範囲はおおむねEV0からEV15位であるがその中で一番使用頻度が高いのは1/125で絞りはf5.6ぐらいだと思う。(異論もあろうが)
現代のフィルムは露光範囲(ラティチュード)が広いし高感度だ。レンズ付きフィルムに入っているフィルムは表示ASA400、実質800程度のフィルムと思われる。従って絞りを2段ないし3段絞って、1/125のf11程度かと思われる。(確かめたわけではないが)
先にEV0からEV15が写真に適した範囲と書いた。まずEV0というのは人間の目でもけっこう暗い状態である。EV15というのは蛍光燈の表面の明るさである。
もうひとつレンズ付きフィルムの画像が良い理由はレンズにある。最近は計算機の進歩、材質の進歩により単玉レンズでもかなり性能が良い。これにはCDプレーヤーのレーザーピックアップなどに大変精度の良いレンズが安く大量に作れるようになったことが大きいと言われる。さらにレンズの中央の収差の良い部分のみを使用するように絞られている。
高度な一眼レフは幅広いシャッタースピードを誇るように見える。しかしフォーカルプレーンシャッターという形式は、おおむね1/125(物によっては1/250以上)より遅い速度しか全開にならない。それより早い速度ではシャッターが全部開く訳ではなく、フィルム前面をスリットが走っていく。
従ってシャッターの走り始めから走り終わるまでの速度は1/1000であっても実際は1/125秒であって、フィルム上の画像は最大1/125秒の時間差があるわけだ。1/1000というのは例えば画面1/8の幅のスリットがフィルムを動くのに1/125秒かかる時のフィルム全体の平均露光時間であって、露光量1/1000でもシャッター動作は1/125に過ぎないのである。
このことが動く物体を撮影するときに1/1000の威力は無いし、微妙な歪みを起こす事になる。つまり、シャッターの理想からいえば、シャッターが常に全開するレンズ付きフィルムの方が高度一眼レフより理想に近い事になる。また遅いシャッターではカメラの固定が必要になるし、フィルムには相反則不規という問題がある。通常露出は絞りとシャッター速度は反比例の関係があるが、シャッター速度が遅くなるとその法則から外れてくるうえにカラーバランスが狂ってしまう。従って暗いところは結局ダメなのだ。
さて新人たちにカメラ操作を頼むとほとんど無力感にとらわれる。絞りやシャッター速度という言葉が死語なのである。説明すらままならない。カメラも無線もラジコンも老齢化が進んでいる。特に写真の知識が乏しい若者には高度な一眼レフの操作はボタンやモードが多数あって殊のほか難しい。さらに電池が無いと動かない。電池の接点が錆びてくる。またレンズ、外部ストロボ、本体の接点がさびて不調だったりする。
というわけで高度な一眼レフ不調時の事を考えてメカニカルシャッターのサブカメラを用意することになる。スペックとしてはシャッターはメタルフォーカルプレーンの立て走りが好みで、銘柄としてはコパルスクエアSやセイコーMFが耐久性がある。当然電池が無くても動く事が必要である。横走りタイプのものは総じて経年変化が出やすい。 露出計はCDSの定点あわせの物で十分と思う。
サブカメラのマウントはメインカメラのマウントにあわせる。個人的にはペンタックス、リコー、コシナなどチョイスの幅の広いKマウントが好みである。また電池は液漏れに備えはずしておく。フィルム室にはレンズのカビや接点の錆びを防ぐために、小さなシリカゲルの包みを置いておく。
米国に行くと、ペンタックスk1000とかリコーKRとかコシナのKマウントでメカニカルシャッターのカメラにタムロン、コシナ、トキナーあたりのズーム35-70mmのカメラが100ドルちょっとで売っている。これに2xのコンバーターが約50ドルである(コンバーターレンズというのはカメラの教科書には出てこないが、アイドルねらいのカメラ小僧の必需品だ)。土産がわり買うといいかも知れない。意外とサブカメラの方にはまるかも知れない。
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バージョンアップ地獄のナゾ
先日友人がWindows95マシンを買い替えたいと言ってきた。古くからのPC98やMacユーザーでけっこう詳しい友人が言うには、アプリを入れるスペースが無いのとMMXプロセッサーが気になるからという。HDDは1.2ギガ、Pentium133Mhz,16MBのマシンでさほど古くない。
HDDを見ると、Win95のCD-ROMの内容がそっくり乗っているではないか。不要おまけソフト多数も満載。掃除の結果、超ど級Officeソフトを仕込んでも半分以上空いている。
Win95のおまけ満載セットの場合はHDDの空きが半分以下のことが多い。良心的な機械にはバックアップ用CD-ROMが付いてくるが、何にも付いてこないものも多い。CD-ROMをつけない事で契約もコストも下がるし、いちいちCD-ROMを差す必要も無いので初心者に便利ということか。
ハッピーな友人は掃除に満足した模様で、買い替えはしばらく様子を見るとか。DOSやMac以外にCP/Mや汎用機も使っていた友人は、何か必要が生じたときにソフトもハードも更新する主義らしい。
このハッピーな友人に比べるとアンハッピーな友人がいる。比較的最近のMacユーザーなのだが、彼はAppleの”最新の機械が最善”という広告を信じてつねに最新型のハードとOSなのだが、いつもトラブルで騒いでいる。彼のMacのトラブルで文字化け印刷された用紙は数千枚におよび、えらい迷惑。
仕事の期限が迫っているので見て欲しい、というので見ると立ち上がりのときのアイコンが2列になるありさま。この手のユーザーの特徴として、あるものすべてをぶち込まないと損した気分になるらしい。Macの世界ではinitと言うが、実はDOSで言うTSR(Terminal and Stay Resident Program)や、デバイスドライバー、それにパッチである。
TSRの中でMacに一番有害なのはスクリーンセーバーである。私はあの有名なPyro!というので痛い目にあって以来、Win95やWinNTのようにOSに機能が組み込まれたものと、Apple純正の画面が真っ暗になる物以外は一切使わない主義だ。当然空とぶトースターもディズニーも入れない。(PC98のWin95では浮動小数点演算の後にスクリーンセーバーが動作するとハングする。こちらに対策がある)。そのしくみを理解すればわかるだろう。
スクリーンセーバーはキーやマウスなどの入力処理ルーチンに割り込んで処理を盗む。現在の画面を待避し、所定のグラフィック処理の後に処理を元のOSに戻す。Macの場合これにOSは一切関与しない。問題はグラフィック処理で種々のアプリとコンフリクトすると、横取りしているキー操作やマウス操作の処理に戻ってこないから即ハングである。つまりスクリーンセイバーのため入力は全て遅くなり信頼性が低下する上にトラブル時にはOSごと落ちてしまう。
他にメニューバーにディスクアクセスランプを表示するのものもトラブルの元だ。同じようにディスクアクセスをフックしてランプを表示するわけだから、これを入れただけでアクセスが遅くなる。特にPowerMAcに68K用のコレを入れると、ディスクアクセスの度にエミュレーションが入って、速度が1/3くらいになる。
以前Macにアクセスランプをつけたことがある。内臓SCSI-HDDの場合はLED端子があるから簡単だ。DOS/V用のLEDをルーバーのなかから覗かせれば良い。問題はCD-ROMだ。以前7100AVをバラすとCD-ROMはM下寿製であった。これなら簡単と思ってドライブをバラすと、なんとLED駆動回路はプリントパターンのみで部品が実装されてなかった。Macの場合しょっちゅうハングするので、アクセスランプが無いとハングなのかアクセス中なのか、わからず不便。
他にPowerMacには多数パッチが入っている。パッチのアイコンがノッペラボーなので、まさかと思って情報を見るとApple純正であるがDocumentも無い 。いったい何のためかわからないパッチの山なのである。
というわけで、怪しげなものをはずすが、それでもAppletalk関係、印刷関係、tcp/ip通信関係は不安定である。7100AVになってL630あたりよりガクンと不安定になった。不安定になったどころかappletalkや印刷が途中で止まるのである。いろいろ手をいれて安定したのもつかの間、今度は新しいPCIのMacはどれも不調である。
そこで雑誌やインターネットでパッチを探すのだが、情報は大混乱である。雑誌は脳天気にCoplandやOpenDocで実現される夢ばかり書いてあって、まじめにバグの事が書いていない。Appleに不利なことを書くと広告差し止め、情報提供停止を食らうとか?
致命的なことは、元締めのApple自体のバージョンの数字管理が何度も破綻したこと。つまりApple自信にも訳が分からなくなっており、未だ混乱は続いている。アンハッピーな友人はネットや口コミでパッチや新しいバージョンを入手するのだが、良くなったり悪くなったりである。毎日MacWeekでパッチ情報を入手しなければいけないパソコンのどこが初心者にやさしいのか?である。
そのアンハッピーな友人が悪いわけではない。脳天気な雑誌やwww.apple.comを信用してOSバージョンを更新したら、仕事のアプリが動かなくなった。そのためにパッチをネット中探すが、なかなか安定しない。バージョン情報も錯綜している。そうこうするうちに、それを解決した新しいOSバージョンが出るとか聞いて乗り換えると、彼の別の仕事のアプリが動かなくなった。そこでパッチを.......
というわけで、やっぱりAppleが一番悪いのである。マックが永遠に安定しない理由はOSのリソースの配分がうまくいかないからだが、その考察は
にも書いた通りである。
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続続続パーフェクTVのナゾ
パーフェクTVのセットアップの注意については以前
に書いた。それがどういう衛星でどういう仕様のトランスポンダーを使っていて、米国DirecTVホームページにどういうことが書いてあるかは
Dec.24 (Tue.)
続パーフェクTV
に書いた。さらにコンテンツの問題については
に書いたが、その後の続編である。報道によれば、ディレクTVが迷走しているらしい。すでにパーフェクTVは通信衛星JCSAT3を使って配信を始めている。ユーザーの数は予想をやや下回っているらしいが、宮崎などの地上波放送チャンネルの少ない都道府県では、世帯数の1%を超えたところがあるようだ。衛星デジタルCS放送は定着しつつあると考えられる。
ところが、ディレクTVの使用するスーパーバードC号はまだ打ち上げられていない。パーフェクTVと一部相乗りするマードック氏のJSkyBは、最近打ち上げに成功した通信衛星JCSAT-4とJCSAT3の相乗りで準備が進んでいる。
ところがDirecTVはまず独自のチューナーを使う積もりだった。米国で成功したDirecTV式のチューナーを押し込もうとしたのだが、ユーザー、コンテンツ会社、行政すべての総スカンを喰って、パーフェクTVとJskyBと3社共通化することになった模様だ。これは少なくともユーザーには良いことだが、今あるパーフェクTV用機器が使えるかどうか詳細不明。
次のトラブルは、衛星だ。すでに稼働中のJCSAT3と打ち上げに成功したJCSAT4に比べ、スーパーバードC号が打ち上げに成功するかどうかわからない。通信衛星打ち上げの失敗は時々あり、いったん失敗すると人気のあるヒューズ社製造衛星のこと、次はいつになるかわからない。世界中が衛星を取り合っている。
日本DirecTVの迷走にごうを煮やしたヒューズ社は日本DirecTVにスーパーバードC号からJSAT-4に乗り換えを迫っていると報道されている。しかし日本DirecTVの出資企業のM菱商事は、ライバル商社の出資するN本サテライトシステムへの乗り換えを渋っていると報道されている。
しかし多くの借金を持って配信開始を待っているコンテンツ企業のなかには、配信が遅れると日干しになるのを恐れているようだ。どうしてもすでに稼働している衛星の方へコンテンツがなびいている。しかし出資企業関係のシバリがありますます苦しいとか。
この勝負は見えてきたように思う。なんせ日本DirecTVはまだホームページすら工事中、というか一言の情報も書いてないのは手抜かりだ。 日本のCSについては、こちらの説明がわかりやすい。
最初に戻るクレジットカードのナゾ
某Vクレジットカードからありがたくも、初年度会費半分でいいからゴールドカードにしないか、というお誘いがあった。ひさしぶりに規約を読む機会があったので楽しんでしまった。
この手の契約書には、裏に小さくかつ薄い字で規約が書いてあるが、法的問題があったらしく契約時には8ポイント活字の規約を送ると書いてある。米国では以前このfine printと呼ばれる読みにくい規約について訴訟があり、それ以後こういうことになったらしい。こういう規約をまじめに読む人は少なかろうが、それなりに楽しむことができる。
まずカードローンについては必ず担当会社が書いてある。面白いのは最後に近畿財務局長(5)第**号と書いてある。重要なのは( )の中の数字で、免許の更新回数を示すらしい。このあたりは不動産業者と同じである。
個人情報については最近のブラックリストの問題があるので、自分の情報を知るための問い合わせ先が、全国銀行個人信用センターなどの電話番号が載っている。問題はこういった信用情報センターが銀行系、クレジット系、流通系と別なこと。最近ではサリュークラブという組織に加盟すると優先的に自分の信用情報を教えて貰えることになっている。
規約の内容も変わっている。以前は圧倒的に会員に不利にできていた。例えば会社と会員との訴訟は、以前はクレジット会社の本社のある所の裁判所と一方的に決めてあった。今では会員の住所地、購入地、および当社の本社、支店、営業所と幅ができている。
また、カードを使って購入した製品に瑕疵(かし)があった場合、以前は支払いを拒否できなかった。支払った後に購入店と交渉しろということだった。最近は製品に瑕疵があった場合には会社に所定の手続きを取れば支払いを拒否できる。もちろん会員は購入店と交渉を行うように努力しろ、と書いてある。
しかし依然として会員に不利な条項も多数ある。例えば(規約の変更、承認)という項では、会社が規約を送付したあとにカードを使用したらそれを承認したことになると書いてあるが法的にはどうだろう?よくソフトウェアで包装のビニールを破いたら契約を承認した事になる、と書いてあるがこういう一方的な契約条項は法的に無効だそうだ。
どうしてこのようにカードにナーバスかというと、国内のみで使うつもりでもカード自体は世界中で有効ということ。つまり番号を盗まれると世界中で悪用される可能性がある。米国では番号だけで通販を電話で注文できる。外国では伝票だけでなくカーボン紙までくれる事があるが、これはカーボン紙に番号が残るのでセキュリティーのためにそれをくれるのだ。最初はどうしてゴミをくれるんだと思っていた。
特に治安の悪いところでゴールドカードを見せびらかすというのはけっこう危険。カードの与信枠が大きいということはそれだけ犯罪にとっては都合が良い事になる。NYに3年住んでいたが、キャッシュやカードを他人に見せるなと何度も注意されたことを思い出す。
しかしなんといっても危険なのは、ヤングゴールドカードのたぐい。個人的にはどうして20代の若者がゴールドカードを持つ必要があるのか不思議だ。普通のカード(クラシックカード)より予信枠が大きいのが理解できない。
ちなみに世界中でこんな理不尽なものがあるのは日本だけと思う。少なくとも米国では無い。ウソだと思ったらV社のホームページで確かめて欲しい。さらに学生用にデビューカードというのがあるが、これも不思議だ。もっとも問題が起こった場合親権者から回収するつもりだろうが、いったん番号が外国で一人歩きはじめたら危険である。うわさによれば、クレジットカードの番号をトラップするインターネットサーバーがあるとか無いとか。
いくらヤンゴゴールドカードでも外国の加盟店の目にはまちがいなく普通のゴールドカードにしか見えない。この若者がどうしてゴールドカードを持っているのだろうか???ということで無用なトラブルを招くかもしれない。
ところでこの初年度半額のゴールドカードのメリットは確かに増えている。空港の専用ラウンジで年間20回ビールを飲めば会費が回収できることになるし、会費はAメックスの通常カードと同じだから、迷うところである。
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スーツのナゾ
某大手スーパーDに上代\9900のスーツがあったのでサンプリングしてみた。
さて材質は毛100%である。厚みは無く表面がザラついた感じだが織り傷は無く均一に見える。裏地は標準的なポリエステルである。裏地は半裏であるが、ベントにも補強テープがあるなど比較的丁寧な造りである。ポケットはチェンジポケットを含めて3つ、玉縁の仕上げもまずまずである。右ポケット内に小銭入れも付いている。
接着芯と思われる襟の作りはかっちりしているが、やや平面的な感じだ。Vゾーンや襟の大きさは標準的である。アームホールの作りもかっちりしている。
ズボンはワンタックだが、裏地はひざまである。右ポケットには小銭入れがある。
総じて縫製は丁寧であるが、なんとなく全体に抑揚が無く平面的な作りである。そういえば平面的だがかっちりした造りのスーツ姿の人々を大勢テレビで見たことがあるような気がした。そうそうあの有名な方の葬儀の時にもたくさんテレビに登場したような気がする。
この作りのいい割に安価で平面的なスーツは、実はD.P.R.K製であった。長い国名であった。
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天気予報のナゾ
天気予報がいまいち頼りないと思っている人は多いだろう。例えば降水確率が40%だと降るのか降らないのかまったくわからない。その理由は最後に考察するとして、幹事ばかりやっている私がどうやって天気を占うかを書いてみる。
まず、天気のデータはこちらを見に行く。最初に見るのは
http://lips.is.kochi-u.ac.jp/sat/gms.fareast/00Latest.jpg
あるいはhttp://www.jwa.go.jp/gms-japan.htmlである。こちらのほうが色が見やすいかも。
便利な時代になったものである。インターネットができるまでアマ無線機にT京ハイーパワー社のTNCを接続して短波の気象FAXを受信し、PC98上に数10分かけて表示させていた。隔世の感がある。
これで大事なことは、天候は西から東に流れるということ。たとえば中国大陸東岸から福岡に雲が到着するまで1日強かかると読む。さらに天候は海峡や山脈の影響を受けやすいことに注意する必要がある。さて雲の無いところは高気圧である。早い話雲の無いところには決して雨が降らない。簡単だが重要である。集中豪雨をもたらすような雲は、円形で境界が明瞭で密度の高い雲が特徴的である。これを普通の天気図
http://www.nikkei.co.jp/weather/weathermap.html
と見比べるとさらにおもしろい。天気図での気圧、前線の位置とかはかなり恣意的に書かれていることがわかる。天気図の問題は集中豪雨が起きそうな雲が図上に反映できないということで、この点素人はひまわりの画像のほうが役に立つ。天気図は後講釈的に見ると効果的である。さらに、週間単位の天候は
http://www.is.kochi-u.ac.jp/FTP/images/sat/gms.asia/00Latest.gif
を見る。再度書くように中国大陸東岸から福岡に至るまで1日強かかることがわかれば、週間単位の天候が読める。次に数週間単位の天気を占うには
http://www.is.kochi-u.ac.jp/FTP/images/sat/globe/00Latest.jpg
を見る。これを見て気づくのは、地球の気候はおおむね赤道を中心として南北に対称であるということ。また、天候の乱れは極地から始って温帯に及ぶ。おおむね、雲の分布は
/ / / / / / / ------------------------- \ \ \ \ \ \ \のように見え、これが西から東に流れていく。これも長年教科書で習わなかったことである。これをみれば、気象衛星が無い時代、どうして極地観測が重要であったかが理解できる。
以上のようなことを頭に入れれば予報は比較的簡単である。特に九州地方は中国大陸から海を越えた雲が最初にやってくるので、予測が付きやすい。
ところが日本には山脈と海峡があるので複雑な部分の予報は難しい。さらに山脈や海峡で生じた大気の乱れはその後数100kmに尾を引いて影響を与える。従ってこういう所は気候のプロに頼りたい所だが、プロにも難しすぎてさっぱり当たらないので素人と大差無いが実状である。
ひまわりの画像を見て不思議なのは、気候の変化が激しい時には、予報の変更が実際よりどんどん遅れることである。いったん出した予報はなぜか既成事実のように居座り、どうしたわけか必要以上にその後の予報に影響を与えるようだ。
例えば先の阪神大震災でも、いったん震度6と発表された後、震度7に訂正されるまでずいぶん時間がかかった。木造家屋が何割も倒壊する場合は震度7以上に決まっているのに、である。
どうして臨機応変に予報を変えていくことができないのは、役所の中に何らかの内部事情があるのだろうか?
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ビデオテープのナゾ
あれはS56年頃だったと思う。当時留守録用にビデオを仕入れた私は、さっそくビデオテープを2種類買ってきた。スタンダードテープとハイグレード(HG)テープである。当時HGテープはスタンダードの倍近い値段がしていた。
HGの方のパッケージには、色がハッキリクッキリと書いてあった。当時手元にあったパソコンPC-6001でいろいろなテストパターンを作って、どのくらいHGの方がスタンダードテープより画像がきれいなものか、調べた。
ところが多くの線をいろいろな間隔で表示させてみるのだがまったく差がない。色がにじみやすいマゼンタやシアンなどのにじみ具合を比べてもまったく差がなかった。標準モードでなく3倍モードならもっと差がつくのかと思って調べたが、これまたまったく差がない。
若かった私は、その製造元に電話したのである。でスタンダードとHGの差は何かと聞くと主にバックコートの差であるという。これは磁性面の裏側に導電性物質が塗ってあり、テープの帯電を防ぐことによってゴミの付着や走行の安定を図ったものであるという。
じゃあ磁性面は違うのか、というとこれは大差無いという。ビデオデッキのヘッドの材質やギャップ、バイアス、周波数特性はスタンダードテープの抗磁力に合わせてあるので、異なる磁性体のテープの場合は画像が良くなるどころか悪くなることもあるわけだ。
例えば2DDのフロッピーを2HDフォーマットするとエラーが出る。それは2HDのヘッドが要求する抗磁力が2DDのフロッピーに無いからである。逆に2HDのフロッピーを2DDフォーマットしてもエラーが出る。それは2DDのヘッドでは2HDの磁性体を充分に磁化できないからである。考えてみると当たり前だ。一時のオーディオカセットが細かいバイアスやイコライザーのセットアップを要求したのを思い出せば納得がいくであろう。個人的にはレベルドロップしない塗りムラの無く、カセットハーフの精度が良いテープの方が重要だと思った。
その後も、テープの宣伝は過剰であざやかさ30%アップ、くっきり度40%アップで、合計70%画質アップとか、今なら不当表示で捕まりそうな文句がパッケージに書かれたのを思い出す。そこで、塗りムラのなさそうなメイクのスタンダードテープを長年使っていた。
ところがもうひねりあった。同一テープの山から拾ったテープの中には、明らかに型番が異なる物が混じっていた。さらにメイクが違うのに型番が似通った物があるのに気が付いた。独自調査(笑)によると、かなりテープの調達はよく言えば弾力的、悪く言えばいい加減であることがわかった。需給によってはスタンダードグレードにHG相当のものが混じっている疑いがある。さらにOEMがあり、複雑である。相変わらずパッケージの文句は抽象的で、重ね取りに強い、とかHiFi録音用とかダビングに強いとか、意味不明である。
手持ちのビデオテープの型番を調べて欲しい。T120EとかLとかはスタンダードで、HがあればHGの可能性がある。AとかBとかは不明である。
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