Sept. 29:ALL SRAMマシン?の衝撃のナゾ(帯域からレイテンシーへ編)
Sept. 22:物故パソコン落下故障のナゾ(死地を求めるパソコン編)
Sept. 15:現代最下級パソコンのナゾ(DVD付き4万円でどうだ!)
Sept. 8:不安定なNetscape解決策のナゾ(ダブルバイトの怨念編)
Sept. 1:復活する冷蔵庫脱臭剤のナゾ(1/f揺らぎと活性炭編)
September 29
●ALL SRAMマシン?の衝撃のナゾ(帯域からレイテンシーへ編)
このページでWebmasterは過去いろいろな電子デバイスに関して大胆な予想を立ててきた。それがどのくらい当たったかを判断するのはまだ21世紀を迎えていない現段階では早急だと思われる。今のところ当たっていると考えられるものをあげると、
・スモールゾーン式PHSは失敗し、全国津々浦々まで不良債権を築く。
・PHSのアンテナは固定式ではだめで引き延ばし式になる。
・みかかのW-CDMAは知的所有権問題に直面する。
パソコンの領域では、今でこそ”当たり前さ”のような顔をしているが、当時はどうだっただろう。
・スロット1はソケット7より先に滅び21世紀を迎えられない。
・スロットCPUはソケットに回帰する。
・L2キャッシュはベンチマークに効くがマルチメディアにはあまり効かない。
というのに当時はともかく今なら納得する向きも多いだろう。ところが、
・高速メモリーが本格化するのは21世紀以降である。
という予想は完全にハズレたかと思った。CPU周波数がギガヘルツ時代を迎えているのにメモリーはちっとも早くならないからである。メーカーは帯域ばかり強調して実質的な転送能力を故意にネグっている。ところで、
・ペンティアム-IIの外部バス100MHzのナゾ (オールSRAMマシン待望編)
というのがあった。米国ではDELLがその創業期にオールSRAMパソコンを作っていた。それは古典的IBM-ATケースと同じサイズであり、表面のグリルはIBMが縦だったのに対して横であった。おもしろい事に、このマシンにはシステムの状態を示す表示がパネルについており、そしてそのメインメモリーはオールSRAMだったのである。ある意味では現在のサーバー機よりも進んだ設計であった。
どうしてオールSRAMになったかには必然がある。当時の80286マシンではメモリーもバスもISAスロットも同じ周波数で動いていた。すでにDRAMはアクセスタイム100nsを切っていたので、CPUもISAバスも過剰クロック10MHz以上の速度で動いていたマシンがあった。
しかし元々ISAバスはIBM-PCの8bitバスを手直ししたものなので10MHz以上の駆動は心細い。さらにIBM-PC用の8bitカードは10MHz以上で不具合を生じた。そこで次第にCPUのローカルバスとISAとは周波数的に分離されるようになった。
ところがCPUの速度が上がり始めるとメモリーが追いつかない。単純にwaitを入れるとスペックの割にぜんぜん早くない。そこでオールSRAMマシンが登場したのである。このころコンパックも同じ問題に直面していたが、コンパックは特殊なメモリーモジュールを乱発して、主にインターリーブを掛けてしのいだ。その後はMMU/キャッシュを搭載して凌いだ。
その後80486の時代にはCPUに1次キャッシュが乗るようになって、これがとりあえずCPUとメモリーの速度差をごまかすようになった。その後Pentiumが50MHz以上になり再度CPUとメモリーの速度差が大きく開いたが、メモリーバス幅を64bit(実質速度約25MHz)にすることとL2キャッシュで再度ごまかして来たのである。ところがCPUの周波数が1GHzを越えるとさすがに綻びが出てきた。
オールSRAMマシン待望論をぶつWebmasterには多くのレスポンスが寄せられた。デバイス設計者からの非常に実質的な情報から、”アホカおまえは”というのもあった。しかし高速メモリーは21世紀に本格化する、という予測は再び現実的になってきた。
一つには現在メモリーやHDDの大容量化は量的にOSやアプリの肥大化を凌いでいる現実がある。ところがメモリーアクセスは、OSやアプリの肥大化に完全に遅れをとっている。とすると、パフォーマンスを要するマシンのメモリーにはもう少しオカネを掛けてもよいのでは無いか。
昔はサーバーだとメモリー代だけで数10万した。今メモリーに10万円かけるとギガバイトのメモリーが買える。しかし現在のメモリーアクセス速度だと、メモリーをギガバイト乗せてもあまりパフォーマンスは向上しない。DRAMと同じメモリー容量をSRAMで実現するには6倍のトランジスターが必要になるが、10万円で遅いDRAMを1ギガ積むよりは、同じオカネで早いSRAMを256メガ積んだ方が実質的には早いのではないか。
すると、とある掲示板でオールSRAMマシンに近いゲームマシンが登場したことを知った。スペックをあげると、
IBM Power PC 、製造プロセス:0.18μ銅配線技術、クロック周波数:405MHz、CPU性能:925DMips(Dhrystone2.1)、内部データ精度:32bit整数&64bit浮動小数点、外部バスバンド幅:1.6GB/秒(ピーク)、(32bit アドレス、64bitデータバス202.5MHz、内部キャッシュ: L1:命令32KB、データ32KB(8way)、L2:256KB(8way)
これだとMPUはマックやAS400に乗っているCPUの一族であることが知れるが、メモリーアクセスが64bit幅の100MHz倍速であることを除くと、何も新しいことは無い。しかしシステムLSIから少し様子が変わる。
システムLSI:Flipper、製造プロセス:0.18μ NECDRAM混載、クロック周波数:202.5MHz、混載フレームバッファ:約2MB、持続レイテンシ性能 :5ns(1T-SRAM)、混載テクスチャキャッシュ:約1MB、持続レイテンシ性能 5ns(1T-SRAM)、テクスチャReadバンド幅:12.8GB/秒(ピーク)、メインメモリ・バンド幅:3.2GB/秒(ピーク)......
スペックは当然PS2を強く意識し、LSIにDRAMを混載してバス幅を稼いるが、チラホラとおまじない1T-SRAMが登場するのが不気味である。PS2がT芝製ラムバスで帯域を稼ぐと称している(本当は????)のに対し、このLSIではやけにレイテンシの記載にリキが入っている。そして、次のスペックが衝撃的だ。
システムメインメモリ:24MB、持続レイテンシ性能:10ns以下(1T-SRAM)、Aメモリ:16MB(100MHz DRAM)
どうやらメインメモリー(というかスクラッチエリアと呼ぶべきかあるいは巨大L2キャッシュと呼ぶべきか)は見かけがSRAMのようなDRAMらしい。情報を調べてみると1T-SRAMは米国MOSYSの技術で、日の丸電気と忍天堂は主要パートナーらしい。
記載から引用すると1T-SRAMは名前の如く一個のトランジスターとDRAMセルからなり、32kbitのバンクが複数集まってマクロセルを形成して256MHz256bitのマクロバスに接続される。ミソはメモリーコントローラーがリフレッシュを隠匿するための様々な細工と1バンク分の真のSRAMキャッシュの組み合わせらしい。SDRAMに対するチップ面積のオーバーヘッドは10%程度であるという。いずれにせよリフレッシュを隠匿してレイテンシーを短縮するためのこだわりは尋常では無い。ところでAメモリの方は意味が不明だが、付加的な使い方をするのだろうか。
このスペックには強烈なメッセージが込められている。まずアプリの開発環境としては変造MIPSよりもPowerPCが有利であろう事、またメモリーはラムバスの主張する帯域より低レンテンシの方が実質的にはパフォーマンスに効くのではないか、という事である。もともと忍天堂64には最大転送速度4Mbytes以上を誇る(と言う)RAMBUSを積んでいた。どうして忍天堂がラムバスをやめて1T-SRAMにしたのか、その理由は想像はつくが、ぜひ当事者に聞いてみたいものである。
このマシンはPS2と拮抗する値段で売られるのだろう。とすると同じようなアーキテクチャーのパソコンは価格的に十分普及レンジに入る可能性がある。WebmasterはDDRAMではさほどレイテンシーが改善しないのではないかと考えている。
もしMOSYSの主張が本当で、またGUIのOSで発生する離散的なアクセスにも効果があるとすれば、これはすごいことである。現在主流のL1L2亀の子キャッシュマシンが親亀ごとこけて、パソコンのアーキテクチャーが大きく変化することもあり得る。
ついに大和事務機と日の丸電気がゲエム業界にも牙を剥くのか。ヨットに例えると、混沌海域で行き足の定まらなかった船が安定した風を掴み、ギーーと傾ぎながら方向を変え、猛然と走り出すような予感を感じる。これでラムバスの悪夢とさようならできるだろうか?
September 22
●物故パソコン落下故障のナゾ(死地を求めるパソコン編)
パソコンは観音カメラ製でPentium75MHz(P54C)でメモリー16MB、HDD500MHz、液晶はDSTNの800x600の256色である。HDDにはWin95のOSR1とOFFICE95がプレインストールされていた。Webmasterがこのマシンを里子に出した理由の一つは操作性の問題である。Webmasterはどうしてもポインティングディバイスの類がキライである。ちなみに他の持ち物TP220もHi-NOTEもトラックボールである。新しいパソコンを買おうにもトラックボールが選べる物は非常に少なしい。
外観は角が凹んでいて筐体が歪んでいる。HDDの固定金具も激しく変形しており、落下はかなり激しかったようだ。液晶が割れていないのがラッキーで、パワー物故だったらまずやられていた所である。樹脂の成形はパワー物故ほどでは無いが、国産品としては決して誉められない水準である。精緻な製品で知られるカメラメーカーだけに意外である。
裏蓋をあけるとCPUが顔を出した。テープ状のCPUは基盤と一体になっており、それが二次キャッシュを含んだ基盤に載り、さらにマザーに載るようになっている。CPUは熱伝導性ゴムとEMI用の銅板テープにぐるりと巻かれてヒートパイプに接触しているが、実装はエレガントで無い。マザーを見るとクロックチップが見つかった。型番をインターネットで調べるがメーカーのリストには無いのでカスタム品なのだろう。
HDDもFDDも液晶パネルもはずしマザーを裸にしてみる。Webmasterは可能性として重い部品のハンダにクラックが入っている事を予想していたが、老眼をサラのようにして見ても髪の毛より細いパターンのクラックなどが見つかるハズも無い。バラバラのまま捨てるとゴミが増えるので、とにかく再度組上げる事にした。せっかく800x600の液晶が付いているのにもったい無いことである。
ざっと組み上げて再度電源を入れてみると、Win95が起動するでは無いか。とすると、致命的な故障では無いことになる。そう言えばスマートバッテリーと呼ばれるニッケル水素電池のカタマリはかなり前から死んだままのようだが、喝を入れれば再生できるだろう。例によって不要ファイルを徹底的に消去して山本式風水変造を施すと、ワープロとNetscapeを残してもまだ300MBytesも空きがある。
風水蘇生に成功してご機嫌で過ごした当直であったが、翌朝電気を入れてみるとまた起動しない。時間を見つけて再度組み上げると起動するようになったが不安定である。落下のショックでFDDのフレキの接点が痛んだようだ。フレキの先端を1mm程切り落として新しい接点がコネクターに接触するようにし、さらに接点を紙で磨き上げてコネクターの奥まで慎重にセットすると不具合は完治した。やれやれ、やっと使える。
医療器具には他のノートパソコンを調達したので、Webmasterの手元に戻ってきた元物故パソコンの使い道を考えなくては成らない。今時75MHzのノートパソコンで何ができるのだろうか?さしあたり800x600の液晶は事務には問題は無いが、それだけでは魅力に乏しい。ステレオサウンド機能があるのでWinampでMP3を再生してみるが能力不足で音が飛ぶ。CPU負荷の軽いSMXに変えると再生には問題無くなったが、さすがに音楽を聴きながらのワープロはレスポンスが悪い。
CPUはシステムクロック50MHzの1.5倍で動いているようだ。システムクロックを60MHzに変造すれば2割ほど性能がアップするだろう。しかしソフトウェアクーラーを仕込んでみてもCPU付近の発熱がものすごく、この世代のCPUのクロック変造は考える所である。(実を言うと、Webmasterは試しにCPUを100MHzで走らせてみた。方法は簡単で、CPUの185ピンにつながるランドをショートするだけである。しかしあまりの発熱と電力消費に恐れをなして元に戻したのである。)
Webmasterはノートパソコンに関してはクロック変造をしない方針である。それは以前98ノートを徹底的に変造したら電池の寿命が短くなって実用性が悪くなった経験からである。そのかわりOSさらにダイエットする。つまり乾いた雑巾から最期の一滴までムダを絞り取るわけだ。
このページで触れられた山本式変造はすべて施した後、システムからゲームコントローラーを削除し、\windows\system\joy.cplも消す。同様にコンパネ/マルチメディア/詳細設定/メディアコントロールデバイスにあるVISCAだのpioneerだの不要なドライバーを消す。さらにこちらからclean system directoryをダウンロードして走らせる。これはアプリから参照されていないDLLを削除するツールである(エキスパート専用)。例えば最も軽いWin95OSR1にしても、最初からそのパソコンの一生で一度も参照されることが無いDLLのゴミが20個以上ある。
これでシステムはかつて無いほどに軽くなった。幸いニッケル水素バッテリーも喝を入れたところ復活したので、一応モーバイル能力も回復した。スマートバッテリーと連携するソフトウェアは電池の残り容量をうまく表示しないが、気にしないことにする。
久しぶりにWebmasterはノートパソコンを出張に連れ出した。主張先は何の娯楽も無い研修施設である。HDDの空きにMP3を詰め込んでみると50曲程入った。夜ノートパソコンに向かってレポートを書いているWebmasterが、実は森高の音楽に聞き入っていたとはだれも知らない。
こうやってWebmatserの手元には世間ではスクラップだが山本式変造でギリギリ実用限度というマシンが、まるで最期を迎える場所を選ぶかのように吹き寄せられてくる。中には他人に里子に出したはずのパソコンまでが出戻ってくる。場合によっては先方で増設された周辺機器やメモリー(SIMM)を引き連れて戻ってくることもある。これが現金ならありがたいのだが。
今や4万円でDVDパソコンが、そして10万少々で立派なノートパソコンが手にはいる。古いパソコンでも汎用ケースならマザーを入れ替えれば最新型に輪廻転生することができる。しかし、ノートパソコンには輪廻転生の自由が与えられていないので、その先は涅槃しか無いのである。Webmasterは死地を求めて寄ってきたこれらのパソコンに最期の審判を下すのに少々躊躇している。ここで使えない、と判断されるとスクラップしか無い。
September 15
●現代最下級パソコンのナゾ(DVD付き4万円でどうだ!)
パラパラと広告を探ると、最下級パソコンは\39800の時代である。これでK6-2の500MHzにオンボードのサウンド、10BASE-T、56kモデム、キーボードにマウスが付いてくる。チップセットの底辺はSiS530あたりらしく、セレロンだとSiS630やi810で\5000〜\10000高と言うところ。さすがにHDDは10GB、メモリーは32MBだが文句は言えまい。OSとL社オフィスアプリで\20000高と言うところ。
広告の店をインターネットで調べると、これぞ真打ちという最下級DVD付きマシン(\39800)を発見した。ちょうど仕事場で適当なPCが必要なのでポケットマネーで買うことにした。オプションとして韓国S社のモニター(+\10000)と106キーボード(+\1000、標準は101キーボード)も注文した。モニターは5日ほどで届き、本体は10日ほどかかった。
さてモノはATXミニタワーだがやや背が高い。パネルには5inchx2(うち1つはDVD)とFDD、USBx1とジョイスティックポート(蓋付き)が付いている。マザーはセレロン466(socket370)、64MBSDRAM(SEC)、ATI-RagePRO turbo(4MBVRAM、AGPx2接続)、Crystalサウンドチップがオンボードで、それにPCIモデムカード、DVD(5x、Sumsung)、8.5GBHDDというところ。マウスは2ボタンで、オプションのキーボードは確かに\1000相当のキータッチなので、他で調達した方が良いかも知れない。466MHzというのが少々旬を過ぎているが、それにしてもDVDのオマケは十分においしいのでまだ賞味期限内である。
スロットはPCIx1、PCI/ISAx1、ISAx1とコンサバティブである。チップセットは440LXでクロック66MHz。クロックチップは83MHzまで対応しているが、設定のジャンパーが見あたらないので変造にはハンダコテが必要かも知れない。CPUファンは大きめだが、音から判断すると早くもCPUファンは油切れの予感がする。電源は150Wの小さなものでファンはケース内部側に付いている。パソコン自体はKorea製と記されており、ショップ物では無く米国向けマスプロ製品の作りである。
とここまで読んで、”どっかで聞いたような仕様”に気付いた人は賢い。突然シェア何位かに躍り出た新興S社のDVDモデル(本体7万円)にケースもマザー、そしてBIOSまで瓜二つである。マニュアル類が付いてくるが、記載によると本来は英語版Win98仕様だったようで、HDDはFAT32でフォーマット済みだが空であった。セットにはDVDドライブ、ビデオ、モデムのドライバーとDVDソフトの入ったCD-Rが付いてきた。DVDモデルなので安定した440LXとATIの組み合わせが選ばれたのであろう。
Webmasterが最初に行った行事はCPUファンに注油することである。これは、いとこ?に当たるS社のマシンはいずれも早々にCPUファンが油ぎれしたからである(いずれも注油で回復した)。Webmasterはサーバーに使うモデルには新品時にCPUと電源のファンに注油している。油は高級?自動車用オイル(SJグレード)にモリブデングリースを少量溶かして使っている。
早速Win98とドライバー類をインストールし、附属のDVDソフトでMatrixを見る。”うーーーん、キレイだ”。本当にキレイで大手メーカーのDVDモデルより画像は滑らかである。隣のSP-97V+K6-450MHz+ATIよりさらに良い。これはリソースを喰う不要なアプリがインストールされていないからだろう。トータルでも高級DVDデッキより遙かに画質が良い。モニターも値段以上のものがある。枯れた部品ばかりなので、これに山本式Win98風水変造を適用すれば安定性も申し分無い。
ついに雑誌だけでなくパソコン自体も結晶化したようだ。パソコンはDVDもゲームもインターネットもできるワープロというところで、直接の敵はラジカセやビデオデッキかも知れない。今やCPUの3里塚であるDVDのソフトウェアデコードも可能であるし、3Dゲームも程々には楽しめるとなると、この先ユーザーに出費を納得させる適当な目標が無いのである。
何より高級ビデオカードよりDVDパソコン一式の方が安いのである。とすれば、もうコレをパソコンと考えずに高級DVD電蓄と考えて茶の間に置いた方が良いのでは無いか。手持ちの音楽CDを全部圧縮して保存してAV機器として使うのである。これにCD-Rとテレビ付きビデオカード(All in wonderの類)を組み合わせると完璧である。その場合インターネットやワープロはオマケという事になる。
このパソコンの値段を知ると脱力したユーザーも多いだろう。それはWebmasterとて同じである。長い間資金を投入して営々として強化してきたパソコンと見比べると思いは複雑である。DOS/Vの普及でパソコンは半額になったが、その後長らく一式20万円の時代が続いていた。最近10万円を割るマシンがチラホラあるな、と思った瞬間にドーンと落ちたようである。とすると今後はパソコンは景品やオマケの時代になった。こんな値段だとマシンに高価なビデオカードを差す気にはなれないだろう。
値段を考えると、古い486マシン群も更新する時期が来たようだ。これらのマシンはLPX仕様マザーなので交換が出来なかったのである。今回のパソコンはmicroATXなのでマザーを更新しながら長く使えば地球から怒られない(つまり富士山も噴火しない)だろう。たとえパソコンとして陳腐化してもDVD電蓄としては壊れるまでは賞味期限と言えなくもない。
September 8
●不安定なNetscape解決策のナゾ(ダブルバイトの怨念か編)
Webmasterも長年Netscapeを使っているが、ver4.0以降、特にver4.5以降は頻繁に落ちるのを経験している。従ってクリティカルなブラウズにはver3.04を使っている。これはリソースが5%を切ってリソースモニターが警告を発しても安定している。
通常のwindowsアプリで安定化させるにはシステムリソースを確保し、またレジストリーを小さく保つ(不要なライブラリー/アプリはインストールしない)ことが重要であり、ver3.04はその原則に沿うかぎり安定している。ところがver4.5以降はリソース残量に関係なくランダムに落ちるので困る。
最近のNetscapeにはバグリポートツールが付属しているので、Netscapeには膨大なバグリポートが届いているハズだが、いっこうに改善されない。それどころか、リンクが途中で開かなくなるとか、一旦不安定になると再インストールしても解決しないなど、不可解な挙動がみられる。そうでありながら、Netscapeは米国AOLでは標準ブラウザーとして使われているが、彼の国のユーザーは困っていないのだろうか。
Netscape4.5以降がなぜ不安定なのかを明らかにしたページは無いようである。最初はwebmasterはJAVAやJAVAscriptの実装に問題があるのでは無いかと考えた。多くのOSに対応するために、内部のJAVA仮想マシン化がすすみバグっているのでは無いか。しかし多くの言語を経験したWebmasterも、新しいJAVAにかけてはSDKやコンパイラーを覗く余裕も能力も無いので、お手上げである。
おそらく同様の理由で、多くのユーザーが惜しみながらもNetscapeを後にしたことだろう。しかしWebmasterは踏みとどまった。地球にやさしいシステムのボトルネック解析とその解決を身上とするwww.tomoya.comが何ら手を打たずに敗退したら看板倒れ。日本中に配布されたNetscapeを20世紀最後の地球に優しくないCD-ROMのコヤシで終わりにして良いのだろうか。
よくよく考えると米国AOLは依然としてNetscapeを標準としている。そして不安定になると再インストールしても直らない。とすると、日本語フォントの使用に関してコード以外の問題が生じているのかも知れない。そうすれば頻回のバグリポートにも関わらずNetscapeがその本質を把握していない様子も説明できる。不規則に落ちるのは、局地的かつ過渡的に何らかのリソース(メモリーヒープ?、テンポラリーファイル?)不足によるのでは無いか。
というわけで、ある対策を行っていみた。依然としてver3.04に比べると今ひとつであるが、ほぼリソースを使い尽くすまで落ちないようである。論より証拠、たとえば、
この図ではわざと雑多なアプリを混ぜているが、システムリソース警告(右下にリソース警告のアイコン”リ....”がでている)が出た後にもう一つアプリを立ち上げているが、落ちていない。本ページのようにキャラクター主体のページの場合には、
窓を60個も開くことができる(安定度単位として60WTCU)。リソース警告のアイコンが右下に出ているが、さらに3個ほど開くことができる。通常ブラウザーの窓が60個も開けば十分ではないか。実際NT4やLINUX上でも窓が60個以上安定して開くかどうかは疑問である。
さてお待たせしました。Webmasterが手を入れたのはCACHEサイズ設定である。がっかりさせてすまない。Cacheの設定はeditメニューでpreferencesを選び、advancedでcacheのパネルを開く。おすすめとしてMemory Cache を2048、DISK CACHE を10240あたりである。
Netscapeのver4以降ではキャッシュのアルゴリズムが高速化され個別USERに対応するように変更された。CACHEサイズの設定はsystem.datでなく、各\USERのレジストリーファイル(Prefs.js)に保存される。ユーザー毎にcache設定が変化するのもトリッキーな仕様ではある。さらにこのCACHEエリアにはJAVAのclassやコード、JAVAscriptのコード等も展開され、そのサイズ設定は必ずしも実際のCACHEサイズとは等しくないようである。
以下はwebmasterの推測にすぎないが、キャッシュが更新されるタイミングで、特にダブルバイトの日本語フォントを多用するページの更新でリソース特にディスクCACHEがテンポラリーに不足し不安定になる。それがキャッシュ値をほぼ倍増する事によって救済されるのでは無いか、と考えられる。
考えれば平均的な日本語のページサイズは英語のページより大きいのである。実際この設定後キャッシュの更新がうまく続くようである。ほんのわずかなマージンでその不足が解決されるのだろう。もちろんコードを覗いたわけでは無いので詳細は解らないが、結果的にはNetscapeの想定になかった一種のダブルバイトの怨念だと思う。やはり日本語フォントは電脳にとって鬼門なのだろうか。
ところで、なぜ10240であって10000で無いのか、と聞かれると答えに窮するが、セクターサイズを念頭に置いたおまじないである。とすれば10171(おちない)や14771(しなない)でも可かも知れないが、とりあえずwebmasterの場合は10240で安定しているし、不可解なトラブルも経験しなくなった。
Netscape ver3.04と比べリソース消費が大きく今ひとつな印象のver4.xではあるが、少なくとも悪態をつくケースはずいぶん減ったようである。解決法が何となくMacみたい(システムメモリーと割り当てを増やす)で忸怩たるところであるが、結果ヲーライということで勘弁して欲しい。
安定性が増してみると、Netscapeの良さが光ってくる。なにより”いつ落ちるかわからない”というのはマズい。安心して使える(peace of mind)ということは電脳にとって速度よりも重要なリソースの一つであると思う。
September 1
●復活する冷蔵庫脱臭剤のナゾ(1/f揺らぎと活性炭編)
が役に立つ。部屋の中に糸をつってみるとわかるが、エアコンの中央に一個流体素子を設置するだけで、外部屋中に気流の揺らぎが発生する。以前からエアコンや扇風機に1/f揺らぎを導入した製品は多いが、どれも自然の風に比べその変化の周波数が低過ぎて効果に疑問がある。これはイージーに”案内羽根をマイコン制御でステップモーターを、、、”とか考えるので、エンジニアの自己撞着に陥るのである。この点CD-ROMの発生する揺らぎははるかに周波数が高く多様なものである。なにより地球にやさしい。
ところでなぜ揺らぎのある気流の方が涼しく隅々まで行き渡るのだろうか?人工心臓の領域では、脈流と定常流のどっちが循環が良いのか長年議論が続いているが、脈流の方が優れているとする説も強い。たとえば川に”ト”の字のような出っ張りがあり上から定常流が来るとすると、出っ張りの部分の水位はあまり変化せず水もあまり入れ替わらない。
ところがこれが波が打ち寄せる河口付近にあると、出っ張りの奥まで波が伝わる水も出入りする。実際には”ト”の出っ張りの長さや形はさまざまで、その共鳴周波数も多様である。従って波に1/fの揺らぎがあれば、ありとあらゆる出っ張りの隅々まで潮が入れ替わることになる。古い言葉で言えば、押してもだめなら引いてみな、である。ここのところを数式とグラフィックで示すと良いのだろうが、残念ながらWebmasterにはそのような素養が無い。(おそらくhiraxさんあたりがやってくれるのではなかろうか)
と悦に入っていると家族からの叱責である。何でもwebmasterが先日隣の国から土産に買った本格キムチのニオイが冷蔵庫に染みついて困るというのである。なるほど冷凍庫に至るまで被害が及んでいる。○ムコなる活性炭の吸着剤は古くなって効力を失っているようだ。そこで山本式活性炭再生法(PAT PEND.)を発動することとしよう。
下記をレシピを厳守しないと、○ムコの類が過熱し不測の事態を招く可能性があります。当ページはかかるトラブルについていっさい責任を担保しません。
方法
1.電子レンジで10秒加熱する。
2.取り出して15秒振る。
3.これを4回ほど繰り返す。
写真は電波処理中の活性炭であり、ブランド名は秘密である。活性炭はニオイだけでなく光や電波までほぼ100%吸収するので、電子レンジに長くかけると外装が熔けて底が抜けたり発火する可能性があるので注意が必要だ。ズボラな方には冷凍食品の解凍モードで2分というやり方もある。初回の加熱で吸着した有象無象のニオイがどっと出て来て鼻が曲がると思う。めでたく再生された活性炭によって本格派キムチのニオイは、みごと1日で消失した。
ところでこの○ムコを買ったのはいつだっただろうか。良く見ると底に焦げた形跡があるので、Webmasterは過去数回再生をやったようであるが、これをいつ買って何回再生したのか進行性の痴呆のため記憶が定かではない。浄水器と違って物理的な目詰まりが無いので、再生を繰り返すと数年間は軽く持つようだ。
ところで、件のCD-ROM流体素子と復活した活性炭の間にはいかなる関係があるのだろうか。活性炭には様々な大きさのミクロな穴が無数に空いており膨大な表面積を持っている。従って種々の物質が分子間引力によって吸着されるわけだが、穴の大きさにバリエーションがあるほど物質を選ばない。一方、科学の世界にはモレキュラーシーブというものがあり、これは均一な大きさの穴で特定の物質を狙って吸着する。この類のものは家庭から原子炉に至るまでいろいろ使われている。
電子レンジで活性炭を加熱すると、吸着された分子の振動エネルギーが活性炭との分子間引力を上回って離脱する。またあるものは熱によって炭素と水分に分解されるが、元々活性炭は炭素なのでほとんど効力が落ちないのである。
いずれにしても冷房の気流にも活性炭の穴の大きさにもバリエーションが必要だというのが、Webmasterが苦労して考えついたこじつけである。なおシリカゲルも同様に電子レンジで簡単に再生できるが、いずれも短時間の加熱を繰り返すか解凍モード(2,3分)を使うことが大事である。
P.S.
Webmasterの一方的な期待にもかかわらず、あのhttp://www.hirax.netで既にして解析とシミュレーション画像が拝めるというネット世界のありがたさである。電脳のおかげでマルチメディアは確かに格段の進歩を遂げた。長生きはするものである。
不思議な事に山本式をぶら下げると、エアコン気流のカゲでも涼しい印象があった。シミュレーションでも確かにタンスのカゲでも風をいろいろな方向に揺すぶる効果が見られるようだ。実は、Webmasterもつい最近になって流体計算を専門としていた人員約1名の身柄を確保したところで、近々中にあっと言わせようと準備を進めていたのだが、及ばなかった。今思うと本当に実現できたかどうかはかなり疑問である。