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●風水別館 Annex version 2025

新春特別企画!!本当の本当の日本酒の謎(そもそも日本酒とはなにか?編)
新春特別企画!!中華アンプのギャングエラーのナゾ(コストゼロで治せるのか?編)


新春特別企画!!本当の本当の日本酒の謎(そもそも日本酒とはなにか?編)

酒は月に2,3回しか飲まないwebmasterであるが、今回は日本酒の真髄についてごくごく短く書いてみたい。webmasterと日本酒の関係については、過去

Jan. 15:飲めないソムリエのナゾ(究極の酒と最高の酒編)

に書いたことがあるが、そこに、

そのころ吟醸酒ブームは過熱気味で、幾多の新しい銘柄が登場していた。しかし雑味が少ないがコクも無い。あるいは香りの割に腰が弱い。そういった不思議な吟醸酒が増えてきた。雑味を消しフルーティーな香りにするために、ある種の操作が行われているのではないか、とメンバーが言い出したのである

と全ては書かなかった。今はWebmasterも非常勤になったので、本当の本当の日本酒のヒミツを書いてみたい。なおソースは上司で 実家の岡山県赤磐市周匝の酒蔵の当主になるはずだった人間である。実家は20年ほど前に醸造所をたたみ、近傍の酒蔵に委託して独自の製法で醸造されていて、清酒「◯月」は現在も販売されている。

40年ほど前の話である。上司から酒に詳しい同僚と今はなき料亭(三光園)に誘われた。そこには上司の実家から直送した「火入れ」の前の酒がキープされていた。酒はガスが出るため栓には孔があり冷蔵かつ天地無用で上司に毎年送られてくるサンプルである。

しばし料理があって「◯月」が出てきた。味はさっぱりしたわずかな酸味があっておいしく量が進んだが乳酸もしくは炭酸ガスのせいだろうか。わずかな雑味が感じられた。日本酒に詳しい同僚は

うーん雑味が感じられますね

と言ったところ、その後2時間ほど上司から説教が始まったのでその要約である。

米から造った雑味があるのが日本酒の真髄なのだ

という。説明すると、精米歩合を下げて胚芽のアミノ酸や複雑な糖類(核酸等)や糠成分が除去された純粋なデンプンから醸造すれば雑味は減るが、それは本来の日本酒でない、いうことである。

上司によれば、

お前ら素人が好む酒は醸造用活性炭で雑味を除去したあとに香料会社のエステルを補っている疑いがある

と言う。すると、同僚が、

吟醸香は日本醸造協会の何号酵母とかで決まるわけでは無いのですか?

というと、

酵母には特定の吟醸香があるが、雑味を消す「醸造用活性炭」をたくさん使うと飛んでしまうので後で補う

と言う。私が、

大手ブランドの安い酒が意外や雑味が少なく吟醸香がするのはそういうことですか?

というと、

そう、大手は日本中の銘酒を分析して最先端の醸造技術(融米とか)で大量生産しているからな

私が、

だからこそ、今日は先生の実家の酒で日本酒の真髄を学べ、ということなんですね

というと

そういうこと。お前ら素人が雑味や吟醸香がどうのこうの言うからな。品評会に出す酒で操作するとバレるから別に少量作るのでお前らには買えない

Webmasterはその後「雑味こそ日本酒の真髄なんだ」とか念じながら雑味を楽しめるようになった。日本酒醸造の南限は熊本県である。それより南では腐造となるので醸造早々に蒸留して米焼酎となるのである。熊本の酒は東北甲信越の銘酒に比べると若干雑味を感じるが香りが立つのが特質だ。

最近は日本中の酒蔵で上質な吟醸酒が造れるようになったが、それは温暖な熊本で開発されたノウハウを参考にしているのである。世の中狭いもので、その技術を開発した酒蔵は友人の奥様の実家だと知った。

上司の薫陶を参考として、webmasterはあまり高くなく雑味が若干感じられる(活性炭の使用量が少ない)純米酒を買ってきて、それをPETボトルに備長炭と入れて、香りと適度な雑味が楽しめることを発見して実践している。

皆様も「雑味こそ日本酒の真髄である」ということで雑味を楽しんでいただきたい。

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新春特別企画!!中華アンプのギャングエラーのナゾ(コストゼロで治せるのか?編)

長らくオーディオへの興味を失ってキャンピングカーやバイクいじりしていたせいか、Webmaster周辺のオーディオはかなり整理されている。現状ではコンポ品は一掃され、アンプとしては中華D級数種と中華製とK社のカーオーディオ(デッキ)があるだけだ。

スピーカーはBOSE100J+YAMAHAのASTサブウーハーがメインで、BOSE201とオーラトーン2種をはじめ多くのスピーカーやサブウーハーは倉庫にある。現状はBluetoothとリモコンが使えるため、

流行のブルーツース電蓄を作ってみるのナゾ

を使っている。これは出力が25Wx4に日本版FMバンド、リモコンも付きで¥1500というの謎の品だった。

今回の中華アンプLP-2020A+はNFJエディションなるメーカー特別注文品で、オペアンプがソケットに、LC類が高品質なものになっている。Lepy(Lepi)には複数の関係工場があるようで新旧さまざまなバージョンが流通しているうえに、流出した純正部品を様々な程度に使ったコピー品も多くある。そのため僅かなオプション(¥1000ほど)を払って別注正規品を入手した、

現在はサーフィスマウントTA2024を使用した製品も流通しているようである。TA2024は基板への接触面積が大きいので放熱板が不要である。定格VooがTA2020の13.5Vから12Vに下がっているが絶対最大電圧と性能は同一なのでパッケージの違いだけのようである。TA2020(データシート)はTHD+N-0.03%@10W,THD+N-10%@25Wと古株なD級ICながらまずまずの特性で巷では一部のマニアに音質に定評がある。

なおデータシートにはノイズ対策のために出力の部品配置や基板アレンジに非常に詳細な説明がある。D級アンプでは高いクロックが漏れるのでノイズ対策が肝である。以前はTA2020は不良在庫品から外したチップが出回っていたが、TA2024はセカンドソース品があるようだ。

IEEEスペクトルmagazineによってTA2020は、「世界を揺るがした」歴史的な25のチップのうちの1つとされているそうである。ちなみに25チップとはNE555、TMC0281-Speech Synthesizer、MOS6502CPU、TMS32010DSP、PIC16c84、μA741- Op-Amp 、ICL8038-Waveform Generator、WD1402A-UART、ARM1、KAF-1300-Image Sensor、IBM-DeepBlue2、CusoeCPU、Ti-Micromirror、XC2064-FPGA、i8088、MAS3507-MP3 Decoder、MK4096-4kDRAM、SPARC、Amati-ADSL、MC68000、C&T-ATchipset、Computer Cowboys Sh-Boom Processor、NANDmemory、Z80等なんだそうである!!(出典)。まあ最近のスマホ等は99%D級だと思われるので妥当な評価かも知れない。

歴史的チップのなかでも、未だオリジナルのまま現役なのはNE555とTA2020くらいかもしれない。出力も別室のBOSEのパッシブスーパーウーハーを爆音でドライブする能力がある。このICチップは単純にディスクリートで組まれた多くの国産D級アンプより特性が良いが、それは出力保護回路を使って内部でNFBをかけているからだと思われる。

内部クロックを高くとることで簡単なローパスフィルターでNFBを実現しているらしい。高域で歪み率が悪化するのはフィルターの肩特性のたと高域のNFB量が減るためのようだが、そのせいか古い真空管アンプに似ているというビビッドな高音が一部のマニアに好評だとかである。

そのNFBのおかげで、D級ながらダンピングファクターDFは8Ω計測で30程度あるとかで、これに関しては多くの一流メーカー品のD級コンポよりある意味優れていたりする(出典)。30というDFはAdya Tripathi氏の絶妙なNFB量の設定により、おそらく99%のスピーカーシステムに適切である。内部のPWM (Pulse Width Modulation)回路は1996年の特許であり、はD級ではなくT級と呼ぶ回路の電源効率は高く、無数のチップでパクられている。

Tripath社の業績は好調でチップはソニーやアップル等の一流メーカーに採用されていたがなぜか倒産し、知的財産は大手の Cirrus Logicに引き注がれている。米国では歴史的に価値のある技術を開発したベンチャー企業は業績好調なのになぜか急に倒産して知的財産が大企業に移るというのは良くある話である。

問題は今回の中華アンプは中華製ボリュームは一般的にギャングエラーが大きいことである。どうやら連中はB型カーブのボリュームは作れても匙加減が微妙なA型カーブのボリュームは苦手のようなのだ。

小音量時のギャングエラーが大きいと、どんなに高級高性能なアンプであっても台無しである。まあプリのデジタルボリュームを使えばいいのだろうが、やはりアナログボリュームの使用感は捨てがたい

。なんとかこのギャングレラーをコストゼロで直そうというのである。

LP2020A+の音量ボリュームの構造はこんな感じだ。

トータル抵抗値は右が18.4kΩ、左が18.9kΩと差はさほど大きくないが、ボリュームが9時位置での中点とアース間の抵抗値が右775Ω、左884Ωとかなり差があるが、50%位置での抵抗値は測定誤差程度であった。

なので、ボリュームの抵抗板の細工が考えられるが、方法として右775Ωの抵抗体の幅を削って抵抗値を大きくするか、あるいは左884Ωに何らかの抵抗体を塗布して抵抗値を小さくするか、である。

幅を削るには手元の小リューターで幅を削る方法が考えられるが、調節が難しく一度やりすぎると戻す方法がない。一方抵抗を小さくするには、コンタクトZを塗ればいいのでないか?特に今回のアンプは抵抗値が高すぎる左の抵抗体が後ろ側にあり操作しやすい。

試しにジャンクなボリュームの抵抗体にコンタククトZ(HB)を塗ってみたが、なかなか抵抗値が下がらない。そこで9B鉛筆を塗ると20%位下がることがわかった。抵抗体は滑りがよいが微視的には多孔質であり、孔にカーボンが詰って一旦抵抗が下がると拭き取ってもなかなか抵抗値が戻らないことがわかった。

ボリュームを分解すると抵抗板が見えるので、アースから10時位置くらいまに塗布してみた。塗布部分は少し明るく見えるだろうか。トータルの抵抗値が18.8KΩとわずかに下がった。ボリュームを元に戻し、右を775Ωにして左を測ると810Ωまで低下した。もう一歩である。

再度分解して、9B鉛筆を抵抗体を超えて大きめに塗ってみたら、右766Ωの時点で左748Ωを得ることができた。使用を繰り返すとブラシの通り道のカーボンは少し剥げるであろうから、これで様子を見ることにした。抵抗体の幅に対しブラシの通り道の幅は小さいので、程よいところで安定するであろう。

実はこの9B鉛筆の出番が多い。一番多いのはテレビのリモコン等のボタンの動作不良である。ゴム製ボタンにコーティングされたカーボンが摩耗して薄くなり、接点不良となる。9Bをゴムに塗り込むと解決することが多い。また微細な半固定抵抗の不良にも塗布することで修理できる。多孔質に塗布すればカーボンはかなりの期間残存するようである。

というわけで、ギャングエラーのために存在感が薄くなったアンプであれば改善できる可能性はある。備忘録的にやり方を書いておくと、

1)まずボリュームの使用域(抵抗の10-40%の付近)の抵抗値と中点の抵抗値を計測する。次に50%の位置で中点抵抗値を計測しだいたいのA型特性の全体の傾向を把握する。通常50%付近より右は左右差が小さく、回し始めの部に抵抗値にバラツキがある。

2)抵抗が分解できる場合は、左右の抵抗体の同じ位置の抵抗値をテスターで測定して印をつけて、抵抗値が高すぎる抵抗体の半分の幅に9B鉛筆を塗って抵抗値を図ってみる。不足であれば塗布する幅を広げて抵抗値を至適値に追い込む。ボリュームにはブラスにヒステリシスがあるので、5%の差程度に追い込めば良しとしよう。

3)抵抗体の幅に対しブラシが摺る幅は小さいので、ブラシの通り道のカーボンがすり減っても抵抗値の経年変化は意外に小さい。抵抗体はスムーズに見えても実際には表面は多孔質なので、多孔質の孔に9B鉛筆のカーボンが刷り込まれればかなりの期間の使用に耐える。

アンプの入力をデジタルボリュームで絞ればいいのだが、減衰が不連続だったり、ビット数が減って音質が低下したりする。それに比べると滑らかで人間の感性にマッチするアナログボリュームの操作感は捨てがたいものがある。顔を洗うときにやはり流しの水道の栓は単なるオンオフより回して調節できるほうが感覚にマッチするものである。

ということで、ギャングエラーに悩んでいて、抵抗の細工はたいした作業でないと考えるマニアな方におすすめしたい所である。うまく行けば、風水工学的バーチャルな観念的価値評価は50%以上向上することであろう。

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