ピアノ技術 / (5)
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13.【 2号製作 - アクション(1) '02/10/11 】
< 2号用の試作アクション >
2号用の試作アクション
  試作2号用の音源を完成させたところで、次にそのできあがった音源をたたいて発音させる機構=アクションの製作にかかります。
試作2号はテーブルの上などに置いて、ピアノと同じように弾くこともできますが、アコーディオンを演奏するようにかまえたり、裏返しの状態にしても(かなりテクニックが要求されますが…)弾けるようになっています。それが2号のアクションの大きな特徴です。
< ミーリング・マシン >
ミーリング・マシン
前回試作第1号の作成では、外装も含め、ノコギリ・ヤスリ・刃物でその部品全部を整形し、機械といえば穴あけにハンドドリルやボール盤を使ったくらいでしたが、今回2号に使用するアクションは1号よりも部品の形や構造が複雑になったこと、何台かまとめて製作しておきたいこともあって、ミーリングマシンという機械を使うことにしました。
この機械は一見すると、ボール盤の材料を置く台の部分に、手前と右側にハンドルのついたテーブルを取り付けたように見えます。
ボール盤では回転部にドリルをくわえさせて穴をあけるのですが、ミーリングマシンではドリルの代わりに専用の刃物をくわえさせ、この作業テーブルに材料を固定し手前と右のハンドルを回してテーブルごと材料を前後左右に移動しながら、回転している刃物に材料を押し付けるようにして削ります。
< オプションのテーブル板 >
オプションのテーブル板
実際の加工では簡単に作業内容が変更できるように、直接ミーリングマシンのテーブルにバイスなどを固定しないで、テーブルの大きさに合わせた厚さ15mmの合板を何枚か用意し、その上にバイスや材料を直角に削る台などを個別に取付けました。その合板をテーブル上の溝を利用して、4本のボルトでテーブルに取付けることで、簡単に交換できるようになります。

写真では上から、音源となるパイプに穴をあけるために使ったバイス・板材の角を直角に仕上げるための台・アクション部品加工のための“治具(ジグ)”用のバイスです。“治具(ジグ)”とは同じ加工を何回も行うときに使う道具で、例えば左の写真の“材料を直角に削る台”も治具の一つです。

今回のアクション部品は小さい上に複雑な形をしているので、その加工用の治具も特殊なものになります。今回専用に製作した治具は次のような形をしています。
< 治具 A >
治具 A
左の治具 A でこれから加工する部品の片側を、治具 B でその反対側を加工します。

基本的な使い方は、
1. 適当な大きさに切った材料をトランプのように重ねて治具に挟みボルトを締めて固定します。(このとき挟み込んだ枚数分だけ一度に同じ部品ができあがります。)
2. それをさらにミーリングマシンのテーブルに固定したバイスに挟み、固定します。
3. ハンドルを操作し、刃物を材料の削る位置に合わせ、刃物の通る道筋をよく確認してから、刃物を回転させて実際に材料を削っていきます。
< 治具 B >
治具 B
このミーリングマシンで削る場合、削られた面は水平か垂直のどちらかになります。
今回の部品は複雑な形をしているので、バイスに挟むときに治具を傾けて材料自体の位置を変化させ、削る面を水平か垂直いずれかになるよう固定し直さないと希望通りに整形できません。そのため治具の下側・底の部分が傾けるとき邪魔にならないように削り取ってあって、船のような形になっています。また治具の側面には部品の形に合わせて切りこみを入れてあります。この部分の寸法は刃物が通り抜ける際にぶつからないよう、余裕を持って削り取ってあるので、正確な寸法に加工するためには専用の定規を別に用意し、それを使って確認しながら削ります。
< 加工後の部品 >
加工後の部品
ここまでの加工を終えた部品は左の写真のようになります。この部品はアクションの動作の中心となる働きをする部品で、今回の木部品の中で一番複雑な形状をしています。写真で見る上下の長さは55mmで、これからさらにいくつか穴をあけ、ほかの部品を取り付けると写真内右の図のようになります。

こうして製作方法を工夫しながら一種類ずつ部品を作っています。でも音源に続いてアクションさえ出来ればもう完成は間近です。ここは頑張らねば!
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