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●風水別館 Annex version 2014

カラヤンのビデオ演出のナゾ
プリウスの車体強化のナゾver.5(山本式ドアスタビライザー編)

プリウスの車体強化のナゾver.4(トヨタ純正補強材編)
プリウスの車体強化のナゾver.3(フロントサブフレーム補強編)
プリウスの車体強化のナゾver.2(バックドアスタビライザー編)
WRXS4はFXになり得るか?のナゾ

モバイルルーター007z変造のナゾ(ドコモ対応とSIMフリー)
トモヤドットコムブロイ(自家製ビール)のナゾ
格安ロケフリWiTVのナゾ
映画All Is Lost (2013)にみるクルーザー沈のナゾ
旧艇のビルジポンプ修理のナゾ(ラバーカップ編)

やる気がまったくない公取委のナゾ(パケット料)
ヤンマー1GMエンジンの水温警告ピー解決のナゾ
知らない間に時代遅れになっていた旧艇のナゾ
トモヤドットコム発電所はペイしているかナゾ
プリウス4年半の燃費事情と省燃費タイヤのナゾ(続編)

86/BRZサスマイナーチェンジのナゾ
ゴルフ7とメルセデスA180試乗のナゾ
山本式ジャグジ装置のナゾ(PAT pend. その1)
Freebit mobileとServersManの微妙な関係のナゾ
windowsXPはwindows8.1の21倍危険?のナゾ

底辺のスマホ運用を探る=SereversmanSIM-LTEのナゾ
OBDで見るプリウス水温制御のナゾ
アスリートHV試乗とプリウス騒音対策のナゾ(エアクリーナーインレットASSY 編)
実にもったいないアップルTVのナゾ
フリービットPANDAにみる職人技のナゾ


カラヤンのビデオ演出のナゾ

二十世紀でもっとも著名な指揮者と言えばヘルベルト・フォン・カラヤンが候補に昇るだろう。もちろん異論は多々あろうが、少なくとも録音や動画が潤沢に供給されるようになった時代ではカラヤンが最右翼であろう。

しかして、webmasterが子供の時にわが家にはカラヤンのレコードは一枚もなかった(一枚くらいあったかも知れないが)。ただしフルトベングラー(モノラルの東芝の赤いレコード)やバーンスタインなどのレコードは腐るほどあった。これは、レコードの選択をまかされていた兄の好みによるもので、影響されたwebmasterも物心ついたときにはバーンスタインのマーラーばかり聞いていた。ちなみに、webmasterが初めてお小遣いで買ったLPはブーレーズの春の祭典であった。

カラヤンが亡くなって随分経ったが、最近はyoutubeなどでカラヤンの動画にお目に掛かることができる。彼の演奏について細かく触れないが、とにかくベルリンフィルとの精緻でダイナミックな演奏は一枚LPを買うとすれば確かにチョイスであろう。彼が振るとウィーンフィルまでもがベルリンフィル的な演奏になるから不思議である。これほど統率力の指揮者は今後も出ないであろう。

ただしwebmaster的には好みから外れているのだ。

さて改めてカラヤンのビデオを見ると、いろいろおかしな点が見えてくる。おそらく多くの人は気付かないであろうが、没後随分たつのでそろそろ書いてもいいだろう。以下を読んだ後はあなたのカラヤンに対する印象は変わるかも知れない。

まずカラヤンは画像の統一感を好む人や楽器が全く同じ角度と姿勢で一列に並んでいる画像を重視するのだ。それは弦楽器から管楽器まで全てに及んでいる。

カラヤンは左から第一、第二バイオリン、チェロ、ビオラと右端まで弦楽器を前後に薄く配列し、そのすぐ後ろに大編成の管楽器類を通常よりかなり前に並べる。これはビデオを撮りやすいというの配慮だけでなく、とかく独立心が強く勝手に吹きがちな管楽器パートを完全に掌握したいからだろう。

極端な例としてはスタジオ録音のベルリンフィルのベートーベンの第7番

>

では、

のように楽団員を完全に箱にいれてしまう。そうすればどの方向からみても楽団員が完全に一列に並んで見えるわけで、ビデオも撮りやすい。さらに楽団員の挙動が揃っているかどうかも一目で解る。

これはスタジオ録音に限らず演奏会でも、である。たとえばウイーンフィルのライブ録音風の新世界にはダミーの観客が写っているが、実際には完全に管理下で撮影され編集されたビデオであり、

のように、音楽だけでなく人間と楽器も完全に一列に並べるのがカラヤンの様式美らしい。

しかし、このような画像を撮るためにはチェロ、バス、そして複数の管楽器の列にすべてカメラを仕込む必要がありライブでは無理である。各パートのアップの場面は別に録画したものを編集して組み込んだものである。

実際に演奏と画像にズレがあるし、オケ全体が見える演奏中の画像が無いのもそのためである。それから楽団員がなぜかカラヤンを凝視しているが、これは後で説明したい。

まあこれくらいはカラヤンの裁量権の範囲なのかもしれない。同様にレコードやCDの音源も徹底的に編集されミスを除外されたものになっている。

次に、カラヤン/ワイセンベルグのラフマニノフピアノコンチェルト2番の動画はどうだろう。おそらくピアノが弾ける人間でもちょっと気付かないのでは無かろうか?

の場面だが、下記の写真(0分15秒と1分13秒)を良く見比べて欲しい。

まず左の写真だがいたって普通である。通常ピアニストの前腕はほぼ水平で指先に向かって僅かに下がり、肘もほぼ直角に曲がっている。グランドピアノの鍵盤の前には鍵盤蓋と前框があり、ピアノの先端からピアニストを水平に撮影すると指や前腕は見えない。

しかるに右の写真ではピアニストとバイオリニストの頭の位置がほぼ同じであることから解るように、ピアノの先端から鍵盤側をほぼ水平で見ているはずなのにピアニストの指、前腕と肘が写っている!!

ワイセンベルグが弾いているのは鍵盤の前にグランドピアノにあるはずの邪魔者が無いピアノなのだ。それが証拠に、同じカラヤン/ワイセンベルグの同じ曲のライブ演奏版では、

でほぼ同じ角度、同じバイオリニストが写っているが(16分34秒)、

のように、指や前腕はピアノに隠れて見えない。手や前腕が見える演奏シーンはフェイクなのである。

おそらくワイセンベルグは背の低いスピネットピアノか電子ピアノ(ローズあたり)を弾いていると思われる。

<追加>この写真とまったく同じソースの違うビデオが見つかったので右端に追加した。演奏はまったく同じだが微妙にカメラの構図と角度が異なる(後ろのバイオリニストがワイセンベルグの頭より微妙に低い)が、鍵盤と指先まで写っている。つまり撮影には複数のカメラがあり編集にも複数のバージョンがあるのだ。ちなみに編集間でまったく同じ瞬間は切れていてコンマ数秒ずれている。

カラヤンは飛行機やヘリコプターの免許を取得しており、ソニーが新製品を持ってくると中身を分解して調べるメカマニアだったので、こういうアイデアを考えついたのだろう。

カラヤンが”キミの顔と演奏とオケを同時に撮って永久にビデオに残したい”と言ったかどうかは定かでないが、ワイセンベルグも要求を受けざるを得なかったのだろう。

つまりこのビデオもライブに見えてビデオ編集されたものである。後ろのバイオリニスト達の視線が泳いでいるのは、ここまでやるか?と思っているからかも知れない。他にも鍵盤だけしかないピアノが使われているシーンは複数ある。

カラヤンは一流の指揮者の常としてピアノも上手であり、若いころはピアノやハープシコードの弾き振りもやっていた。おそらく彼は正面からピアニストとその演奏がどうやったら魅力的なシーンに撮れるか?長年考えていたのだろう。彼のハープシコードの弾き振りのブランデンブルグ協奏曲は、

で見ることができる。

さてこれでおしまいと思うかもしれないが、もう一度最初の写真を見て欲しい。

楽団員まわりの画像があっさりしていると思わないだろうか?また演奏中の殆どの楽団員がカラヤンを凝視している。

一見すると譜面台が無いように見える。いや、よく見ると極めて小さく黒く塗装されたものが膝と同じ低い位置に目立たないように置かれている。これだと楽団員はほぼ暗譜せざるを得ない。下の写真でも目立ちにくい黒塗装の小さめの譜面台を低く置かせている。プルトでこの小さな譜面を共有するのだから、要するに譜面をあまり見るな、ということなんだろう。

こうすると自然と楽団員はカラヤンを長く見ざるを得なくなるし、カラヤンも自分を見ていない楽団員がすぐ解る。一流のオケなら指揮者がいなくても凡庸な演奏なら可能で、世の中にはオケに合わせて踊っているだけの指揮者(N女史)もいるが、カラヤンの場合はしっかりと指揮者を凝視せざるを得ないように仕組まれている。

もちろんカラヤンは暗譜していて楽譜を用意しない。さらにリハーサル後半では楽譜は見ていなかったと言う。自分はスコアを暗譜しているのだから、楽団員も自分のパート位は暗譜してこい、ということか。なお、カラヤンは徹底して譜面台やマイク台、椅子の足に至るまですべての光沢面は黒つや消し塗料を施し余計なものは目立たないようにしている。第九などでは女性ソロ歌手の衣装から男性ソロ歌手のネクタイまで統一されている。管楽器は金銀の色まで統一していたという。

このようにカラヤンの演奏の演出はスタジオ録音のビデオで顕著であるが、ライブにおいても細かい所まで演出されている。カラヤンの音楽は精緻である。指揮も打点が明確であり、オケのアインザッツは完璧に揃っていて、楽団員はカラヤンを凝視しながら演奏する。カラヤンはその影響力、細部までの気配り、演奏と撮影、録音、その編集の完璧性を含め、空前絶後、後にも先にもいない指揮者であったことは認めざるを得ない。

ただし完璧を追求し尽くすためか、人工的で個々の楽団員の息吹が聞こえてこないまで演奏が作り込まれている点が違和感を感じるところである。不自然なビデオも彼の音楽に対する考え方が良く現れている。

さて、この文章を読んだ後のあなたはどう思うであろうか?

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プリウスの車体強化のナゾver.5(山本式ドアスタビライザー編)

さてトヨタ86のオプションとしてTRDからドアスタビライザーなるものが発売されている。基本はドア構造材の前後方向の剛性でセンターピラーの剛性を高める代物である。ドアとボディーの間隔に走行中に指を挟んでみるとかなり動くもので、それを減らす効果はありそうだ。

昔のメルセデスにはドアの円錐状の突起がドアの受け金具にきっちりとささるように出来ていて感心したものだ。今のメルセデスのドア金具は国産と同じで魅力的では無くなっている。というか、多くの点でコストダウンを感じる。

さて、このシカケにはいろいろと注意が必要だ。というのは、この効果が高すぎると事故で車体が変形したときにドアが開かず救助の障害になるのでは無いか?という点である。さらにボディーや4枚のドアの寸法には僅かな公差があり、それを吸収するシカケが必要なのである。

そのためTRDのものは隙間を自動的に調節するようになっている。また表面が滑りやすい素材でできているのだが、個人的にはそれが事故時にうまく働くかどうかについては、依然として疑問が残っているからだ。

似たものを自作されているケースはネットで見かけるが、いずれも見栄えが今一つである。Webmasterもいろいろ部材を考えてみたが、まず表面が自己潤滑性があり丈夫なものが望ましい。しかも車体製造の公差を許容するように厚みを調節するシカケが必要である。

今回現在試用中のシステムを紹介するが、効き具合のさじ加減には注意して欲しいところだ。写真だが 、

見かけは非常にあっさりしたものだ。

物は重い家具の足に貼って床との滑りを良くし、移動を簡単にするシール(32x52mm)である。材質はポリエチレン製で滑りが良く、裏に両面テープが貼ってある。DIY店でさまざまな形のものを売っている。

これの一枚をドアのロック付近に、一枚をその相方のピラー側に重なるように貼るのだ。見かけは気にならない程度のものでディーラーのメカニックですら見落とすかも知れない。

ドア4枚に同じように設置してみたところ、予想通りドア一枚一枚擦れ合う具合というか滑り具合が違う。ドアの隙間にはミリ程度の製造公差があるのだ。

そこで二枚の重なり具合を調節している。

キャッチャーの下にはシール類の表示があるので、上側に貼っているが、二枚の重なり具合は右前ドアが1/3位、左前ドアは1/2ぐらいで殆ど抵抗なく(ほんのわずかに抵抗がある)ドアの開閉が可能であった。

後ろは左右とも二枚が完全に重なる程度で、殆ど抵抗なく(ほんのわずかに抵抗がある)開閉が可能となった。いろいろ調節しているうちに最初からついていた両面テープが剥げたので他の両面テープで代用している。

走ってみるが、効いているのか効いていないのか今ひとつ効果がはっきりしない。段差を踏んだときにドアからの音が小さい気がする程度だ。やはりボディーにかなりの大入力が加わらないと効かないのでは無いか?と思っている。

ただし予想しなかった効果があった。プリウスのドアは軽量設計のため遮音材が少なくドアを閉じたときに情けない音がするが、これが良くなった。特に前ドアは190E的なバスっという音がするようになった。ドアとピラーの振動がダンプされるからだろう。

コスト的には4枚のドア用8枚で600円程度のものである。モノはここの写真を見てホームセンターで探して見て欲しい。

車体補強をいろいろやってみて一番労力とコスパが良いのは、サス、ボディー、ステアリングラックの隙間とネジにペイントを十分吹くことである。これでネジも錆びず、緩まず、しかも簡単に剛性が上がる上にメーカーが設計した衝突安全性に影響が全く無い、と言う点で一番のおすすめである。

次がリアゲートのストッパーの調節である。これでリアゲートの回りの音が無くなり、またボディー後半の剛性感が向上している。これも厚さ1.5mmステンレスワッシャ二枚の30円でオツリが来るわりに効果が高い。リアゲート回りの音がすると安車という印象が拭えないが、かなりの改善を見た。

これらに比べるとドアスタビライザーは実用上の効果は乏しいようであるし、衝突時に一抹の不安が残るので、リスクを勘案して試すのが良いだろう。重ねて書くが、ドアの開閉に差し支え無い程度に調節することが大事である。

これで一応プリウスの車体補強は終了である。190Eと比べると依然としてヤワな車ではあるが、剛性が改善し異音が減ると品質感が向上したような気がして、また愛情が少し沸いてきた。これで個人的にFXに買う換える時が来ても、一通りやれることは施したと思い切れるだろう。

webmaserが施した変造はどれも些細なものである。しかし今回86/BRZのマイナーチェンジでの改良が、前サスメンバーをボディーに固定するネジの笠の厚みを増やしたものだった。僅かな改変が大きく効くようにネジ接合には不安定要因がつきまとう。

サスまわり、ステアリング回りはネジの締まり具合や座金一枚を換えただけで大きく剛性は変わるものである。このページで長々と紹介しているように、板金やネジ同志の僅かな隙間をペイントが埋めただけで印象は激変するのである。

これでようやく解決を見たボディー剛性には満足しつつも、依然として燃費のためか軽薄で安っぽい内装は190Eあたりからの落差を強く感じる。正直カローラやプレミオの内装よりも数段落ちる。ただし内装をいじる程のモティベーションが沸かないので、内装には手をつけずに本皮革製のシートカバーを近くトライしたいと思っている。

さて現在FX候補としては、クラウンHV、WRX-S4、はたまたスイフトスポーツ、あるいは次世代プリウスなど雑多な車種が頭に浮かんでいて絞り切れていない。

プリウスは燃費が良く、室内や荷室も広いなど実用性の高い車である。遅いと言われる動力性能も、GPSで校正した速度計では0-100Km/hが10.5秒前後と、かつて所有していた初代RX-7マニュアルと殆ど同じある。変速やエンジン起動停止のショックも全く感じないなど良くできた車である。トヨタ車の弱点である車体剛性も我慢できるレベルに達したところだ。

もし次世代プリウスで内装や車体剛性が向上しているなら、それに更新するのも一つの方法かも知れない。ただし購入するとしらたら異音や剛性不足などが改善されたマイナーチェンジ後になるだろう。

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プリウスの車体強化のナゾver.3(トヨタ純正補強材編)

さて巷で良く報告されているトヨタ純正補強材を入手したのでさっそく組み込んでみた。

今回交換したのは、

左右のフロントサスペンションメンバブレースRR(プリウスのマイナーで補強された三角形のもの)
左右一体式のフロントサスペンションメンバブレースFR(CT200hなどで採用されたもの)
フロントフロアブレースCTR(車体のトンネルを強化するもの)
タナベのボディーブレース1個(フロントの車体のトンネルを強化するもの)

である。その前に、アロンアルファ処理した部材のボディーとの接合面を見てみると、

アロンアルファーが薄く広がって板金は接着されており、マイナスドライバーでこじるとペイントごと剥げた。つまり半年以上接着力は残っていたのだ。また締結時に部材間にはアロンアルファーが広がる程度の隙間があるのが解る。つまりアロンアルファは隙間を埋めて部材のズレを抑える力が十分あったことが解った。

さて今回用意した部材は、

であるが、写真は既に片方のフロントサスペンションメンバブレースRRとフロントフロアブレースCTRは交換された時点での写真である。交換前のフロントフロアブレースCTRは、交換したパイプ付きのものに比べ貧弱だが、それでも十分な曲げ剛性があるように思えた。

車体は前輪をブロックの上にのせ、フロントジャッキポイントをフロアジャッキでわずかに上げている。これで十分な作業スペースがあるとともに落下の危険もなく、またネジ締結時に有る程度サスに重量がかかっていることになる。

フロントサスペンションメンバブレースRRとフロントフロアブレースCTRの交換は簡単である。しかし左右一体式のフロントサスペンションメンバブレースFRはネジをゆるめるとスタビライザーが落ちてくるので、両側サスのフロントアームに木片をはさんでスタビライザーの落下を防ぐと良い。また、この部の凹みをおおっていたカバーは不要になるが、今回は固定する方法の無い後端をタイラップで固定し残してある。

なお交換にはエンジンアンダーカバーを固定する5個のファスナーをゆるめる必要があるが、砂を噛み込んで外れにくい。これはファスナー中央をマイナスドライバーで少し浮かし、隙間からCRCを吹き込んで数分待つと簡単にとれる。

交換後の風景が、

である。ネジは仮止めのあと少し走行し、再度トルク管理で締めなおした後に板金の隙間やネジの座金にたっぷり黒のペイントを吹いてある

さて効果だが、労働とコストの割に乗り心地やNVHの変化は小さい。過去のサスやエンジンマウントの締結部位をアロンアルファで強化してあったからだろうか?二時間の重労働だっただけにちょっとがっかりである。

ただ走り込んでみると、あたかもタイヤの空気圧が上がったかのようにハンドルがさらに軽くなる印象が感じられた。ステアリングを切ってもメンバーや車体が変形して逃げていた分が減ってタイヤを曲げる力に直結するからだろう。また段差を越えた時に前席フロア付近の剛性が高く感じるのは、タナベのブレースのせいかも知れない。

というわけで、効果は確かにあるが特にフロントサスペンションメンバブレースFRは手間がかかるので必須の補強では無いと思う。個人的にはプリウス前期型であってもネジ締結ポイントの板金の隙間とネジにペイントをたっぷり吹くのがコスト、時間、得られる効果としては一番高いように思う。

今回フロントまわりを強化したので、ボディー後半の剛性がアンバランスに感じられるのでは無いかと思ったが、

プリウスの車体強化のナゾver.2(バックドアスタビライザー編)

のせいか、リアゲート付近から聞こえている雑音が減り剛性感が向上したように感じられるので、さほどバランスが狂ったようには感じない。これも座金がたった2個(20円)の強化策なので、コスパ的にお勧めしたいところだ。

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プリウスの車体強化のナゾver.3(フロントサブフレーム補強編)

ある時友人のプリウス30後期型に乗るチャンスがあった。後期型ではまずエンジンインテークパイプ(エアクリーナーインレットASSY)の途中にフェルトを介して吸気口が空いている。これによって気柱共鳴を分散しているのだが、これについてはwebmasterの、

アスリートHV試乗とプリウス騒音対策のナゾ(エアクリーナーインレットASSY 編)

同等以上の効果を上げている。同等以上と書いたのは新型では共鳴の蛸壺が縮小されている分だけ効果が低いからだ。

走行音は補強材や吸音材の追加で低くなっており、キシキシミシミシといった内装の低級音は減少している。しかし強化されたはずの車体剛性感は、

アロンαはリジカラ越えの夢をみるか?のナゾver.1(プリウス補強編)

を施したwebmasterの個体の方が優れているような気がした。あるいはグレードで50kg以上車重が異なるからかも知れない。補強を追加する前に、すでにある締結部位の剛性を改善する方が効果が高いのでは無いか?

前回アロンアルファで強化したのは、

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フロントサスペンションメンバーの車体取り付けボルト2個
ステアリングラック取り付けボルト2個
左右のフロントサスペンションメンバブレースRR(旧型)取り付けボルト3個x2
左右のフロントサスペンションメンバブレースFR取り付けボルト4個x2
車体中央のフロントフロアブレースCTR取り付けボルト4個
リアサスペンションブレースsubassy取り付けボルト4個<中2個
左右のリヤアクスルビームASSY取り付けボルト2本

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である。これで17インチを履いても車体のよれる感じは相当減っている。

強化はネジや板金の隙間を埋めるアロンアルファのせいだ。ボルト締結では部材は主に摩擦によって固定されるが、部材間やネジ孔に隙間があると剛性が低くなる。その隙間を埋めるだけでさほど強度が要らないとすればアロンアルファでなくても単なるペンキで十分では無いか?その方が施工も簡単でコストもさらに安いぞ、というのが今回の骨子である。

さて今回補強するのは、フロントサスペンションメンバーを底辺とし前辺がフロントクロスメンバー、左右のサイドレールリインホースメントからなる”井”形の四角い構造体で通常はフロントサブフレームと呼ばれる部材である。

過去の自動車ではフロントクロスメンバーは車体に溶接されていた。モノコックボディーではサスメンバーを車体に固定し、その後エンジンを上から降ろして設置することもあった。サスのテンションアームとスタビライザーはフロントクロスメンバーへ、サスのナックルからはタイロッドを経てまたフロントバルクヘッドに存在するステアリングギアボックスへ、というように入力点が分散されていたのだ。

それがある時から四角いサブフレームにエンジン、サス、スタビライザーやステアリングラックなどを予め組み込んで置き、これを下から持ち上げて少ないポイントで車体と結合するようになった。こうすれば組み付け時間を短縮できるからで、NVHのコントロールも容易となる。現在ではFR車でも四角いサブフレームを使っている場合が多い。

トヨタのプリウスではサブフレームは4辺のプレス材をネジで結合した分割式になっている。その目的は組み込みの時間は短縮できる一方、整備のために一部だけをはずすことが可能になるからだ。しかし、ネジ締結で分割されたサブフレームは溶接されたものより剛性が低いのだ。

さらにサブフレームは車体剛性の一部を担っているので、これを強化すればフロント全体の剛性も改善できる。しかも設計された締結部位を強化するだけだから衝突安全性に全く影響が無いところがミソである。そのコストも重量増も殆どゼロに近い。

今回強化する部分を図示してみた。

方法は4カ所の締結ポイントの板金間およびネジの座金付近にたっぷり黒色ペイントをスプレーする。さらにエンジンフロントマウンティングブラケットリインホースメントの前後端はエンジンアンダーカバーに孔があり、ここからペイントを吹き付けることができる。

再度強調しておくが、大事なのは重なり合う板金の隙間やネジの座金の部分に浸透するようにたっぷり吹き込むことだ。

十分といっても面積は大したことがないので、100均のスプレー式ペイント黒一本で十分まに合う。余った分はフロントサスメンバーの車体締結部や、ステアリングラック締結部、ロアアームとジョイントの締結部に同様にたっぷり吹いて置こう。剛性だけでなく緩み止めにもなる。

さて試乗してみると、驚くほど音や振動が変化する。NVHが何となくガシャンという濁った音からドンドンと硬質な音になる。またステアリングの切れがまるでタイヤの空気圧を高くしたときのよう良くなっている。何となくNVHの印象がまた190Eに近づいたようだ。

この処置は車をジャッキで挙げなくても可能である。時間も10分しかかからずコストは100円ながら効果は極めて大きい。ただしペイントが手に垂れるので、ディスポの手袋が必要だ。また下に垂れるので新聞紙を地面に引いておく方が良いだろう。とにかくたっぷり施すことが大事だ。

ようするにネジによる部材の締結には問題があるということだ。ネジ孔には隙間があるし、部材の接合部にも隙間があり、力が加われば変形する。これを埋めるにはペイントでも効果がある。ネジがズレたり部材が隙間でお辞儀するのを止める程度の強度があれば十分ということだ。

試しにネジをハンマーで軽くたたいてみると、処理前の濁った音から澄んだ音に変わる。車体強度は締結部の剛性一つでずいぶん変わる物だ。

ただ、過去にも書いたが路面のざらざら感はさらに感じやすく、またインバーター音などが少し大きく聞こえる印象があるが、いずれも許容範囲だと思う。それより悪路で車体がより一体となって動いている印象が強くなっている。

さあ、コストは100円。施行時間は10分で効果はとてつもなく大きい。これを試さない手は無いと思う。

なお、プリウスのサス/マウント類は同じモノがアルファードなどのさらに重い車でも補強材を追加して使われているので同じ方法が使える。もちろん、この方法はトヨタ車に限らず殆どの車の車体補強に使える

次回はプリウスのマイナーで追加されたりCT200Hで採用されている補強材にタナベのブレースを組み込んだ効果を見ることとしている。さてどうなるか、請うご期待である。

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プリウスの車体強化のナゾver.2(バックドアスタビライザー編)

プリウスは快調で二回目の車検を予約したところだ。

プリウスの乗り心地は、

アロンαはリジカラ越えの夢をみるか?のナゾ(プリウス補強編)

で激変したが、これについてはさらに研究を進めていて近く紹介したいと思う。で今回はバックドア周辺の強化である。

プリウスはリアに大きな開口部がありこれは車体剛性上明らかな弱点である。一応開口部はぐるりと閉断面のメンバーで囲まれているが、大空間なので車体が歪むとドアやガスダンパーが踊って音を立てる

以前webmasterは自製ラゲッジバーを作り左右のリアタイヤハウスを結んでみたがさほど効果を感じなかった。どうやらリアフロアはメンバーと電池筐体が一体となってある程度の剛性があるようだ。

次に考えたのは、リアのバンパーステーの強化で、市販にもそういう製品が売られている。しかし十分かどうか知らないが構造的には左右のバンパーを結ぶ一応閉断面のメンバーがあり、効果は出にくいかもしれない

とすれば、何といっても一番弱いのはリアの大開口部で、ここには左右に結ぶ構造体が無いのだ。ただし、正確にはリアハッチの中央を水平に走るメンバーがハッチ開口部左右のドアストッパーと接触するようになっている。ドアストッパーはドア側が樹脂製で車体側がゴム製で、本来は僅かに接触するように出来ている。

この部品は騒音や剛性アップのため初期モデル途中で大型化されているが、依然として個体差もあって出荷時には十分に調節されていない。結果車体が微妙に変形したときドアやリアゲートダンパーが踊り異音が出るのである。

この部のクリアランスをゼロにすれば、ドアのメンバーによってリアハッチの変形が抑えらられるというのが発想の原点だ。

Webmasterの個体ではこの部に左右とも1mm程度のクリアランスがあった。つまりお互いが接触していなかった。そこでドア側のストッパーのネジを外し、1.5mmのステンレスワッシャーを挟んでクリアランスを詰め、僅かに接触するように調節した。調節後角にするとゴムの表面に摺った跡が付くようになった。

この変造によってもドアの開閉には全く抵抗がないが、悪路でも左右ドアが揺れず全く音が出ないようになった。開口部回りの剛性も改善したのである。

名付けるとすれば山本式バックドアスタビライザーであろうか?

ただしドアストッパーは自由度があり上下左右に調節可能になっている。あらかじめマジックで輪郭を描いておくと調節の目安になると思う。

これによりプリウスはさらに静かな車になった。この変造は実に簡単な割に効果が高いので是非お勧めしたい。

新型車には多くの異音が付き物で、目立つものは最初の1年ほどで対策され、残りはマイナーチェンジのときに対策される。

ある意味車体が完成するのは次の型が発売されるころである。やはり新型車を買うには発売後最低半年以上、できればマイナーチェンジまで待つべきであろう。

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WRXS4はFXになり得るか?のナゾ

先日信号停止していたら妙なデザインの白い車がいた。見ると鼻が長い割にトランクがやけに短かく腰高で、オーバーフェンダーになっているがタイヤはしょぼい、とバランスが悪い。トランクにG4とあったので検索したらインプレッサG4であることが解った。

相変わらずスバルのデザインセンスは今ひとつと思いつつテレビで宣伝していたWRX S4なる車が気になってきた。インプレッサからWRXが独立し、さらにレース志向のStiと旦那仕様のS4に分かれたらしい。

S4の価格は性能とアイサイトが付いている事からすれば格安で興味が湧いてきた。燃費もJC08で13km/Lと馬力からすれば悪くない。

某休日にディーラの前を通りかかった。予約無く試乗は無理かと思ったがカタログは貰っておこうと思った。実はスバルのディーラーに入るのは一生で初めてで、暗くヲタクっぽい店かと思いきや、改装され明るい雰囲気だった。

聞けば試乗車はあるという。雨上がりのウェットな天候なのでAWDを試すにはチャンスである。個人的には一切試乗記事は目を通していないが、WRXと名前が付く以上パワーや操縦性は有る程度以上のレベルは期待できる。試乗に先客がいたので待ち時間に見積りさせてくれ、と言う。

見積りはGT仕様、オプションゼロで乗り出し355万と安かった。任意保険もSTiと異なりプリウスと大差ないことも解った。店員の対応も見積もりも非常にわかりやすく好感が持てた。

さて車を見るとG4で過剰に見えたリアオーバーフェンダーもフロント回りとタイヤが立派なので釣り合って見える。内装もスバルにしては品が良くシートも悪くない。Stiのようなリアウイングが無く人目を引くことも無い。

試乗(GT)では相当な長距離を走らせてくれた。見も知らぬ客に300psの車をこれだけの時間委ねるのは勇気があるなと思ったが、脈ありと思ったのか?あるいはゴールド免許が効いたのだろうか?

まずはそっと道路に出る。そっと踏むとそっと出てギックシャクもせず第一印象は良い。いきなり吹けたりせず、アクセルの僅かな踏み込みにきちんと反応する。軽くクリープするので渋滞路も走りやすい。この車の素性を知らずにファミリーカーとして乗ってもまったく違和感は無い。

郊外に出て踏むと踏んだだけパワーは出てきてCVTらしからぬダイレクト感がある。吹け上がったあとに遅れて速度が付いてくるCVTのいやな感じは少なく、ガスペダルに素直に反応する。低速から高いトルクが成せる技だろうか。

さて郊外の直線になって、店員がここは安全なので踏んで見ろと言う。速度が50km/hからだと踏むだけでシートバックに押されるほどの加速がある。排気音はかつてのドロドロという音で無く澄んでおり振動も水平対抗のせいか感じない。この時点で過去のスバル車のドロドロとしたイメージとはまったく違って来た。

次はS#モードでシフトしてみろという。速度とギヤを落として踏み込むと低速からもまた異次元の加速である。ウェットでも接地は安定しており車体が浮くような感じは無いのはAWDのメリットなのか?NVHも少なく望外に乗り心地もよい。サスは締まっているが、個人的にはもう少し堅くてもいいような気がした。

ステアリングはプリウスなみに軽く道路感覚は弱いが、86みたいに微小舵が効かないことは無い。車体はかっちりしていて剛性が高く190Eを思い出した。かつてのスバル車のように腰高な印象は無く車体は常に低く安定している。

トリップメーターの燃費は給油から7.5km/Lほどで試乗車とすればまずまずあろう。店員によれば渋滞のある市内では10km/Lを少し割る程度だが高速でおとなしく走ると15km/L以上に伸びるという。CVTでエンジンを低回転高負荷に保つことで燃費を稼いでいるが、アイドルストップが無いのが燃費が伸びない理由だろう。

ただし300PSの車としてはライバルより燃費は良い。これでアイドルストップが付けば満点だがタービンの冷却のためにアイドルストップできないのだろう。これはアイドルストップ時に短時間働く電動の油ポンプか、油圧アキュミュレーターがあれば解決できると思う。ただし現状でも最新のアイサイト、AWD、効きの良いブレーキ、高い衝突安全性など燃費を埋め合わせるだけの魅力は十二分にある

過去webmasterが初代RX-7を流しているとレオーネRXなどスバル車が絡んで来ることがあったが、まったく敵ではなかった。そのころの印象に加えドロドロとした排気音にスバル臭がただようデザインが相まって長らく購買意欲を感じなかった。派手なハネをつけたブルーメタの車は速いであろうが、いい大人が乗る車とは思わなかった。しかしこの車は魅力的だ。

WebmasterはずっとFXを考えている。候補は小さい方からはBMWミニ、スイフトスポーツ、大きい方ではクラウンHVと散漫で的が絞れていないが、S4はクラウンHVより100万以上も安く、過去のスバル車になかった品質感がある。

この車なら今までのWRXと異なり、クラウン、スカイライン、BMWやメルセデスなどの顧客にも十分アピールできるし、AWDでアイサイトが付いていることで安全性も高いレベルにある。

S4は渋滞路でもエンジンやCVTのマネジメントが良く、おとなしく踏めばおとなしく、踏めば踏んだだけ馬力が出てきて異音やショックなどラフなところが無い。派手なリアウイングもなく横幅も180cm以内、室内もトランクも広くスペアタイヤまで積んでおり、乗り心地も含め家族からのクレームは出ないだろう。

総じてS4はFXの候補になり得る車だと思った。

スバルの技術を持ってすればターボ車のアイドリングストップは可能だと思うので、そのあたりが改善された頃が買い頃だろう。この手に車にアイドリングストップは不必要と考えるユーザーもいるだろうがWebmasterはそう思わない。世界中でこの時代を生き残るための方便ということでスバルのチャレンジが欲しいところだ。

そのころに株式市場が好転していればいいなと思った。

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モバイルルーター007z変造のナゾ(ドコモ対応とSIMフリー)のナゾ

Webmasterは最近AUのIS04を殆ど使わなくなった。理由は5インチのPANDAの方がブラウザが見やすいからだ。メール類はgmailとWillcomのPORTUSを使っている。

まずIS04へのezwebメールは全てgmailに転送し、不要なものをフィルターしてPORTUSに転送している。当然Gmailに来たメールもPORTUSに届く。メールの返事は物理キーのあるPORTUSの方が打ちやすいからだ。

IS04への電話もPORTUSに転送している。PORTUSは3週間位電池が持つからだ。自宅も職場もwifiが使えるが移動中はPANDAを使う。動画など速度が必要な場合はPORTUSのルーター機能を使う。

つまり電話とメールはPORTUSにヘビーに依存しているのでPORTUSが故障すると困ったことになる。またPORTUSの電話機能とルーター機能を分離して使いたいことが生じる。例えばルーターでパソコン用にダウンロード中にPORTUSを持ち出したくなることがある。PORTUSは3GのSIMを抜いてもPHSとして電話やメールは作動する。

そこでモバイルルーター007zを入手した。007zはPORTUSと同じSBMの1.5GHz(UMTSバンド11)、1.7GHZ帯(バンド9)を使うからだ。写真はPORTUSのSIMを挿したところでコンスタントにLTE並の20Mbps程度の速度が出る。

007zには007z for Bizなる法人向け仕様があり、3Gとして一般的な2.1GHz帯(UMTSバンド1)と1.5GHz(バンド11)をカバーしている。007zを for Bizにファームを書き換える方法はネットでは広く知られていて、

007z for Bizのファーム更新ソフト(例えばDL_MF80_SBMFAREN_JP_EUV1.00.02.exe)のアドレス481774から481783までの値が文字列 SBMFAREN_JP_MF80 をバイナリエディターで SBM_JP_MF80V1.0. に書き換えたものでファームを更新

という方法である。ただし007z for Bizに書き換えてもPORTUSのSIMを挿すとSOFTBAMKと出るもののconnectしない。APNの設定が違うようだがAPNが未公開なので今のところ1.5GHzの接続は成功していない。

この状態でPANDAのドコモSIMをさすとSIM Lockと出て使えない。ただし後述の方法でSIMロックを外しAPNを設定すると写真のように間違いなく動作する。

さて007z for Bizを007に書き戻す方法は今まで知られていなかった。Webmasterが今回発見した方法は、

007zのファーム更新ソフト(例えばDL_MF80_SBM_JP_EUV1.00.09.exe)のアドレス481774から481783までの値が文字列 SBM_JP_MF80V1.0. をバイナリエディターで SBMFAREN_JP_MF80 に書き換え、さらにその後4バイトを&H00で埋めたものでファームを更新

という方法である。ただし007zを007z for Biz にするには007zのドライバーが必要であり、007z for Bizを007zにするには007z for Bizのドライバーが必要である。書き換え先のドライバーではなく、現在のファームのドライバーが無いと更新できない。

いずれもファームが書き換わったら新しいファーム用のドライバーとユーティリティーソフトをインストしないとし機能設定ができない。ドライバーを更新した場合はパソコンも再起動すべきであろう。

さてSIMロックの解除法だがヒントだけ書いておく。使うソフトはwasconetで検索して欲しい。ただしこれが動作するには正しいドライバーが必要であり、未使用SIMを挿しておくなど注意書きを詳しく読む必要がある。実はSIMロックをはずすのは簡単で、ロックをはずす会社が IMEI を入力させるのは単に顧客管理に必要だからである。

さて今回できたことは

1. 007zはPORTUSのSIMでUMTSバンド11(1.5GHz)のULTRA SPEEDが使える。

2. 007zは007z for Bizにファームを書きかえることができ、バンド1(2.1GHz)とバンド11が使用できる。ただし1.5GHzのULTRA SPEED用SIMはAPNが不明で接続できなかった。

3. 007z for BizでSIMフリーにすればドコモのSIM(MVNO)がAPNを設定すれば使える。

4. 007z for Bizから007zにファームを書き戻すことができる。

5. ファームの書き換えにはドライバーに注意を要する。

というわけで、3Gが使える限りにおいては007zはほぼ万能である。というか本来の能力が自由に使えるようになっただけなのであるが。

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トモヤドットコムブロイ(自家製ビール)のナゾ

Webmasterも年をとり仕事が忙しいこともあって風水工学の実践も停滞気味である。そこで自家製ビールに挑戦してみた。

自家製ビールのキットは随分前に渋谷東急ハンズで目にしてから一度は試したいと思っていた。しかし当時のキットはビール20L用(大瓶30本)とwebmasterの消費ペースでは2ヶ月分以上の量になり多すぎる。

それが再度熱を帯びたのは、最近のノンアルコールビールのあまりの不味さに閉口したからである。最近はノンアルコール・ビールを飲む機会が増えているが、不味さだけでなく成分にも納得が行かない。

かつてのノンアルコール・ビールは醸造を途中で止めたり薄めたりして作っていたので本物に近かった。それが1%以下でも人によっては運転に問題が出たようで今はアルコールが0%である。これはおかしな話で栄養ドリンクにはかなりのアルコールがかなり入っているにもかかわらず、である。

最近のノンアルコールビールの成分は、一例を挙げると食物繊維、大豆ペプチド、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)とビールとは程遠い。不味いはずである。

そこで自家製ビールのアルコールが1%以下であれば税法上問題無いし肝臓への負担も軽い。最近は10Lのセットもあるので何とか自家消費できそうである。

まず試しに5Lを醸造してみた。原料は標準的なニュージランド製BLACK ROCK DRY LAGERの缶の1/4(425g)を使用した。残りは5L分ずつ分けて冷凍してある。

醸造容器をハイターとアルコールで消毒した後にお湯5LにBLACK LOCKを加えよく混ぜる。ミネラルを含むキビ砂糖は本来は200gのところ、アルコール度を下げるために50gとした。温度が30度以下になったら酵母1.25gを加え、ウォーターロックをつけて23-26度に保って待つだけである。

最初の1〜2日は盛んに炭酸ガスが出るが5日ほどで殆どガスが出なくなる。聴診器で聞いても泡が出る音が消えたので一次発酵を終了し瓶詰め(プライミング)である。今回は遮光製のPETボトル@750mlを使用した。

ボトルを消毒し、一瓶あたり一本5gのスティックシュガーとビール750mlを詰め、1−2週間待てば完成である。瓶には番号を振り、熟成期間と味の関係がわかるようにした。容器に残った酵母は自家製パンに入れるなど、極めてエコである。ちなみに我が家では食パンも焼いている。

出来上がりは満足できる味で、雑味が無く、ほんのり甘みがあり、コクのあるビールとなった。昨今のノンアルコールビールとは比べ物にならない。友人も予想以上に旨いとのことである。というわけで現在は醸造4クール目に入ったところだ。

多くの自家製ビールで使われる酵母は常温で上面発酵するエールと呼ばれるタイプであり、多くの地ビールも採用している。大手が使う酵母は10度以下で下面発酵するラガーと呼ばれるタイプである。今回うっかり放置?し一次醸造が長くなったこともあるが、酵母が生きている間は味はさほど変化しないようである。

問題は気温が下がる冬季で、一応醸造容器の下に置くコンテナと、中に入れる水を23度以上に保つ電気ヒーターとダンボールを準備しているが、今の気温ではまだ出番は無い。

というわけで、まずいノンアルコールビールにお腹立ちのあなたにも是非自家製ビールをお勧めしたい。醸造は簡単で失敗も無い

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格安ロケフリWiTVのナゾ

以前からロケフリとしてSlingbox(SB100-120)を使っている。製品はIODATAが発売していたSlingbox classicと呼ばれるものだ。

左上の銀色の機械がSlingboxで、CATVチューナー(パイオニアBD-V301J)を赤外線でコントロールする。これにより出先のパソコンやAndroidからCATVが視聴できチャンネルも変えられるシカケである。

パソコン用のSlingPlayer(v1.4.0.195)はIODATAが配布していた2006年版だが、250kbps程度の帯域でも安定して動作する。問題はAndroid用で、最低でも500kbps程度の帯域を要求するので200-300kbpsのSIMでは使い物にならない。以前は128kbps程度のPHSで実用になっていたが、SlingMedia社が勝手に帯域の下限を上げたのである。

しかもAndroidで繋ぐとcodecが未対応との警告が毎度でて不愉快だ。アプリの安定性も度々更新されるわりに良くなっていない。そこでそろそろ新しいSlingBoxに更新しようかと思っていたところだ。

そこでネットを漁るとCOSTELなる格安ロケフリ機(送料込み\2480、参考価格は\13,824)が目に入った。ちょっと安すぎるがSlingboxのバックアップに仕入れてみた。ハード、ソフトは韓国製なのが少し気になる。

接続はSlingBoxとほぼ同じだが、どちらもLAN接続は10BASE-TなのでPLANEXのメディアコンバーター(右下)を介して無線LANに接続している。どちらも特定のポートを使用するが、ルーターがuPNP対応のために特に指定は必要なかった。ハブがあるのはメディアコンバーターに太陽光発電モニターやテレビを接続するためである。

さてAndroidで無料配布されているアプリWiTVPlayerで接続しようとするが、機器指定のMACアドレスは見えたもののパスワードを受け付けない。パソコンの専用プレーヤーWiTVPlayerからファーム更新(v1.45.1)をかけないと動作しないようである。このあたりが素人はやや敷居が高いところか?

パソコンのWiTVPlayerではCOSTELのMACアドレスは見えなかったために個別に指定し、パスワードを入力することで動作した。ただしファーム、プレーヤーとも古いという警告がでるので更新する。これでAndroidからも視聴可能となった。

操作はSlingboxと良く似ているがcodecが進化しているため帯域が狭くても実用になる。パソコンWiTVPlayerでは高画質設定でも500kbpsで実用になる。Android用WiTVPlayerの低画質設定は250kbps程度である。

写真は左がCOSTELで右がSlingBoxである。どちらも500kbpsの帯域で同一モデル(T-01C)にwifi経由で再生している。画質はCOSTELの方が明らかに優れているが動きでブロックノイズが目立つ傾向がある。

WiTVPlayerは移動中のFreebitMobileやServersman SIMでも安定した受信できるのは助かる。この点にだけでもCOSTELを購入した価値はあったと思う。

パソコン用WiTVPlayerはまだv0.6とまだv1.0に達していないが安定性はまずまず良好だ。なおインストにはMS.NETのver4以上を要する。現時点での最大の問題はアスペクト比が換えられないことだ。CATVは4:3と16:9のチャンネルが混在しており不便である。

一方Android用WiTVPlayerはv1.36.1とのことでバージョンはパソコン用より進化している。アプリはAndroidV2.2でも十分に動く。コントロールはまずまずだが、アスペクト比は変更可能なものの1分ほどで端末自体の比率に戻ってしまう。アプリの動作はAndroid用SlingPlayerより迅速で安定している。

SlingBoxにはBD-V301J用のリモコンパターンが無いので、パイオニア用汎用パターン2を使っている。なぜか文字を二回ずつ送らないということを聞かないので、パソコン用プレーヤーのチャンネル設定では同じ文字を2回ずつ送ることで解決している。SB100-120には赤外線リモコンの学習機能が無い。

COSTELにもBD-V301J用のリモコンパターンが無いので"TUNER PIONEER 3209"を使っている。COSTELには赤外製リモコン学習機能があるがまだ使っていない。こちらもチャンネルの上げ下げはリモコン信号を2回送らないと反応しないようだ。BD-V301Jのみがパイオニアの製品では特殊なようである。

というわけで、パソコンではSlingPlayerを使い、AndroidではWiTVPlayerを使うことが多い

SlingBoxのハードは安定しており落ちることは無い。COSTELは当初不安定で反応しなくなることがあったがファームを更新後は安定している。パソコン用のプレイヤーははどちらも安定しているが、Android用はSlingPlayerは反応が鈍く固まることがある。

問題はそもそもCATVチューナーBD-V301Jが不安定なことだ。発熱のせいか、夏季には映像は流れるもののコントロールが固まることがある。チューナーはデジタル化で更新されたものだが、その前のパナソニック製も発熱で固まることがあった。チューナーが不安定でバグがあるのは困ったものである。

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映画All Is Lost (2013)にみるクルーザー沈のナゾ

先日友人から、”映画All Is Lost (2013)を見て怖くなったがおまえの船は沈まないのか?”との質問があった。そこで映画を見ての感想を述べたい。

登場する船はおそらく35フィートクラスで、ドッグハウスが小さめであることからレーサー寄りの船に見えた。船尾の形状が閉じていることから70年代から80年台初頭の船だろう。内装は木製が主体のインテリアやジンバルのコンロなど時代を感じさせる。

サイズが大きく艤装は複雑そうで、ライン(ロープ)が多数ある上にメインセイルにもファーラーが付いてないなど、シングルハンドには向かない船である。主人公は相当な技量の持ち主との設定のようだが、日中インド洋を走るにしては見張りが不足している。

この映画では主人公はしょっちゅう大事なところで寝てしまうが高齢のせいだろうか。映画には出てこないが(おそらく説明するのが面倒だからか?)基本的にはオートパイロットで走っている雰囲気だ。オートパイロットは基本的に磁針方位を守るように舵を動かすもので、安いものは数万円から高度なプログラミングができる数千万までピンキリある。

航法機器としてはGPS(C-map用パソコン)と魚探を積んでいるようだが、なぜか無線機がVHF(FM)だけという点が気になる。普通の外航クルーザーなら業務用HF機(SSB)とアマ無線用HF機を積んでいるはずだ。HF機を積まずにシングルハンドでインド洋を航海するなど、主人公は基本的には相当変人かつ人嫌いで家族とも連絡を取らず他人との会話を好ま無い設定のようである。

さて突然の衝突であるが、船体後ろ寄りで船体最大幅より後ろに当たるというのはあり得ない。帆走中なので舳先に当たるか、横腹に当たっても帆走の速度では船体が滑って逃げるのが普通である。

舳先は丈夫に出来ているがもちろん相手が堅ければ壊れる。この場合一瞬で船は沈み物語が成立しなくなる。ハリウッド的な脚色でわざわざ最大幅より後ろの無線機を積んでいる付近に当たる必要があったのだろう。防水のVHFハンディー機が出て来るが何故か水没で使えないことになっている。

主役はメインセイルを降ろしてジブだけにし、コンテナにシーアンカを結びつけるが、これでコンテナはその場に残るはずだが、何故かクルーザーがコンテナから離れない。ジブだけでも十分風上に向かえるので解せないところだ。

主役は再度近づいたコンテナからシーアンカを回収し次第に離れていく。個人的には映画の都合上必ずやって来るはずの荒天でシーアンカーを使うためかと思ったが、これは裏切られる。Webmasterは帆走不能の荒天では船首(バウ)からシーアンカーを流すと習ったため、彼もそうするに違いないとの思いこみがあったからだ。

船にはFRPの修理セットがおり、主役は器用に船体を直すことからも主役はベテランである事が伺われる。船体も直り帆走も可能だが、なぜか電装がダメである。エンジンが水を被って起動不能はあり得るが、ビルジポンプは防水なので海水を被っただけで動かないことはない。

Webmasterの船にもついているくらいだが、外用クルーザーなら通常は太陽光パネルがあって最低限の電気はまかなえるはずだが、映画の都合上この船には無いようである。バッテリーは海水を被れば放電するだろうが、太陽光パネルがあればおおむね回復するはずだが、これも映画の都合上使えないことになっている。

通常なら船体にダメージがあったので北上しインドあたりに向かうものだろう。GPSを失っても若いときから乗っているなら海図とコンパスだけで走れるはずで、緯度は太陽や北極星から割り出せるし経度は太陽の南中の時間から解る。彼は習慣としてマメに日記を書いているのでログに前日の位置は記録されているはずだが、これまた映画の都合上破滅に向かって航海を続けることになる。

Webmasterは嵐に遭遇し修理したところから再度浸水して船が沈む筋書きだろうと予想したが、これも裏切られた。

嵐が近づくがなぜか主役は高揚して船を快調に走らせている。船体にダメージがあるしシングルハンドならそろそろ嵐に対する安全策を取る時分では無いか?ジブをファーラーに巻いてストームジブの代用とし、メインもリーフ(帆を小さくする)をするはずだが、映画の都合上かそうする気配が無い。

さらに天候が悪くなってから主人公はやっとジブを仕舞いに行くが、ジブにはファーラーがあるのでコクピットから巻き取り可能で船首に向かう必要は無いはずだが、予想通り主人公は海に落ちて流されるが幸い命綱で再度船に戻ることができ、メインも殆ど降ろした状態のように見える。

実は強風下では帆が無くてもマストだけでも船は走る。そして大きな横波を被るようになったら次に打つ手は舳先(バウ)からシーアンカーを打つのが普通だ。

主人公はコンテナにシーアンカーをつけたことからもその使い方を知ってはずだ。クルーザーは帆を下ろしシーアンカをバウから打って船を風上に向ければ相当な荒天でも耐えられる。堀江青年が6mクラスのクルーザーで太平洋を渡ることができたように、荒天に対しては小さなクルーザーでも普通の船より遙かに強い。

先ほど回収したシーアンカーを使うのかと思った瞬間に横波を受けてクルーザーは転覆してしてしまうが、なぜか運よく主人公はコクピットに戻る。マストも折れ、ブームが当たったのかキャビンの天井にも小さな孔が空いている。

ここで主人公は柱に頭をぶつけて気絶する。気付いたときには船の浸水がひどく主人公は救命ボートに移る。その後は浸水もなく、しばし平和は時間があり、ひげを剃ったり感傷に浸る時間がある。救命ボートで一夜明かした後船に戻り六分儀を回収するが、なぜかこのときに限り船首の底付近から急に浸水して船が沈んでしまう。通常船首の底から浸水する要素は無いが、ハリウッドの演出の都合上で船を捨てさせる必要があったからだろう。

救命ボートに移ってからの主人公は本来のパワーを発揮して比較的賢く立ち回るので面白くもないので敢えて書かない。途中嵐で救命ボートが転覆するが、ボートの下には重りとしての水溜めとシーアンカがあり(映画でも見えている)簡単にはひっくり返らないように工夫されているが、これもハリウッドの演出の都合上転覆が必要なのだろう。このあたりのレッドフォードの演技はすばらしく、普通の人にはハラハラドキドキと楽しめる映画になっている。

さて外航レースでは荒天で事故が起きる。レーサーは船体に対して帆が大きく強度もギリギリにできているので突風を浴びると転覆したりマストが折れて遭難する。帆をリーフすれば安全だがレーサーにはベテラン揃いだし国際レースに勝つためには無理は承知で荒天下に飛ばすしか無いこともある。

というわけで、コンテナがぶつかった時点での主人公の対処はおおむね納得できるが、荒天に対する備えには不可解な点が多いその多くはハリウッドの脚本の都合であるが、映画としてはレッドフォードの演技がすばらしくファンなら見る価値があるかも知れない。

さてWebmasterの船も浸水したことがある。

閑古鳥クルーザー浸水のナゾ

にも書いたが、交換したスターンチューブからの浸水だった。解ったことは船底に孔があいてもくるぶし程度までしか浸水しない、ということであった。それは船首のベッドの下とキャビン後半から船尾のトランクまでが巨大な空気室となっているからだ。ただしキャビンに水が一瞬に大量に入り空気室にも水が入れば沈む。

沈する可能性としては突風を浴びて左右に横倒しになったり、ランニングで後ろから大波がキャビンに入った場合である。追い風(ランニング)はピッチングが多く舳先やブームが水中につっこみやすい上に浦風でセイルが回転する(ワイルドジャイブ)とので、シートを引いてクォーターリー気味にするのが普通だ。追い風では感じる風速も波も小さくなり何となく不穏に感じる。

やはり荒天では早めにリーフし、さらに荒れたら帆をおろして船首からシーアンカーを降ろして船を風上に立てることが大事だ。シーアンカーとしては非常用のバケツにロープを結びつけた物でも役に立つ。

ただし船に対して大きすぎるシーアンカーは抵抗が大きすぎて大波を被るので危険とされている。あくまでも船が風に流されつつも船首が風上に立つ程度で良いとされる。不足の場合は何でも適当なものを艦首に結ぶだけでも効果があり、最悪の場合は単にロープを数本流すだけでも効果があるとされている。

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旧艇のビルジポンプ修理のナゾ(ラバーカップ編)

さて、最近整備した旧艇のディーゼルエンジンは絶好調である。全開でも排気煙は薄く、これほど気持ちよく機走したのは久しぶりだろうか。

さてハーバーに帰ってきて後始末だが、そのひとつにビルジ(bilge)の排水がある。ビルジとはクルーザーのドブにたまった汚水で、それはスターンチューブからの海水やエンジンからのオイルなどが船体の一番低いところに貯まったものである。

床板を外すとビルジは殆ど溜まっていないが、一応ポンプを動かすのがチェックリストに載っていてお約束だ。旧艇のポンプは手動式だが、なぜか手応えがスカスカである。先日は動いていたのに。

船尾の蓋をめくって確認すると空気の音がする。ビルジポンプのダイヤフラムが破れているのだ。

どうしよう?カタログを漁っても旧式の手動式ポンプは載っていないが、2000-3000円程度で電動式も売っているのでそちらの方がいいのかも知れない。ただ本当に船体に浸水したときは電動ポンプが動くかどうか解らない。手動式の方が確実である。

ポンプの細部を確認してみると、敗れたダイヤフラムは何かの形に似ているでは無いか?

ポンプを外して、近くのダイソーに行ってトイレ掃除用のラバーカップ(プランジャーというのが正しい英語らしい)と比べるとサイズもぴったりである。

早速分解したところが写真だ。ラバーカップには棒をつける出っ張りがあるので、これをカッターで落としなるべく薄くしておく。中央にポンプを駆動する棒を貫通してみると、サイズは数mm大きいがカッターで切り落とすとぴったしであった。

ラバーカップには内側に高まりがあり、これがポンプの筐体の溝にぴったしはまる。ただし外周が1cmほど大きいので当初のネジではなくて針金でバンドを締めて完成である。

さっそう船にもどして駆動させると強力にビルジを汲み出すことができた。今回のビルジポンプの修理はたった100円で終了である。ところでダイヤフラムが普段ドーム型になるようにレバーを下げておくと長持ちしそうである。ゴムがたわんで折れた状態で放置すると傷みやすいようだ。

さて試運転に出ようかと思ってエンジンのスイッチを入れると、船尾から異音がする。エンジンルームの換気ブロアーから音が出ていた。点検するとポンプのモーター軸が錆びており、モーターのベアリングがあやしいようだ。チューブをはずしてCRCを吹くと音が小さくなるが、普段潮風が通るところなので29年の年月は過酷である。

カタログを見ると現状のシロッコファンのものと、軸流式のものがあってさほど高く無いので近い内に交換の予定である。 今年は船体塗装し、エンジンを整備し、ロープ(シート類)を更新しかなり出費したところだが、旧艇をよい状態に保つにはまだまだ追い銭が必要なようだ。

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やる気がまったくない公取委のナゾ(パケット定額料金編)

最近は携帯キャリアがパケット定額料金が三大キャリが横並びで高いとの批判に答えて新しいプランを発表している。これらは確かにパケット料が安く見えるが通話料金が値上がりしており、トータルではあまり安くなっていない。

従って標準のパケット定額料金はやはりキャリア横並びのままで、iphoneがandroidより500円ほど安いのも同じだ。Webmasterはこれはカルテル行為だと思う。そこで、資料を添えて期待はせずに公取委にカルテル行為ではないかと申告した。

受理したかどうかの返事も無いので忘れていたのだが、三月位たって返事が来た。曰く、

”平成26年4月7日に報告を受けた、、、、件について下記の通り処理したので、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律第45条第3項の規定により通知します。

これまでの情報では、独占禁止法上の問題とすることは困難ですので、措置はとりませんでした。”

返事がたったの二行しかないので、この問題にまじめに取り合う気が無いようだ。

さて、独禁法Q&Aなるページがあり、そこには、

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”Q6 事業者団体のどのような行為が禁止されているのですか。

A. カルテルは,事業者間の協定や申合せに限らず,事業者団体の活動として行われる場合が少なくありません。  事業者団体が,団体としての意思決定によって,構成事業者の価格,供給数量などを制限したり,入札談合を行うことは,競争を実質的に制限する行為として,独占禁止法で禁止されています。  独占禁止法が規制する事業者団体の禁止行為は,行為の態様(相互拘束や支配・排除)に制限はなく,競争の実質的制限に至らない行為でも規制されます。例えば,団体に加入しなければ事業活動を行うことが困難である場合に,加入を拒否したり,一定地域における店舗数や既存店舗との距離を加入の条件としたり,加入希望者と競合する既存の構成事業者の承認を加入の条件とすることなどは,一定の事業分野における事業者の数を制限するものとして違法となり得ます。また,価格,数量,販売先,広告活動などについて,構成事業者の自由な事業活動を制限する場合も同様です。

Q13 メーカーが,販売店の販売価格を指定し,守らない場合に取引を停止することは,独占禁止法に違反しますか。また,新聞や書籍などは定価販売されていますが,これは独占禁止法上問題にならないのですか。

A. 小売業者等に自社商品の販売価格を指示し,これを守らせることを再販売価格維持行為といいます。再販売価格維持行為は,競争手段の重要な要素である価格を拘束するため,原則として禁止されています。また,指定した価格で販売させるために,これに従わない小売業者に経済上の不利益を課したり,出荷を停止することも禁じられています。ただし,著作物(書籍,雑誌,新聞,音楽用CD,音楽テープ及びレコード盤の6品目)については,例外的に独占禁止法の適用が除外されています。”

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おそらく国民の多くは3大キャリアのパケット料金が横並びであることに疑義を感じていると思う。

それが国の指導もあって最近の格安SIM(MVNO)の提供や、SIMフリー化の流れになっていると思うのだが、このような成人国民のほぼ全てが関係する携帯業界のカルテル体質に対して公取委は全く興味が無いようだ。

おそらく携帯の三大キャリアが団体として談合した事実を証明できないということなのだろう。

報道によれば米国A社が端末を供給するにあたってiphoneのパケット定額料金をAndroidより500円安くすることを条件としているそうなので、米国A社を媒介した談合というのは間違いなくある。

これはAndroidユーザーがiphoneユーザーに対して同じサービス内容にもかかわらず一律不当な取引を強いられているわけで、米国A社を介したこの商習慣だけでも違反だと思うのだがいかがだろうか。

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ヤンマー1GMエンジンの水温警告ピー解決のナゾ

さて久しぶりに手を入れ帆走となった旧艇であるが、帆を降ろして機走してハーバーに帰るときに水温警告のピー音が鳴った。普通はエンジンを絞るのと止まるのだが止まらないので早々にハーバーに戻った。これは早急に手を入れないといけない。

原因は30年選手の1GM10エンジンの冷却系等が塩分とカルシウム(スケール)で詰まりかけているのである。水温センサーはヘッドに付いているが、シリンダーからヘッドに上がる冷却水の経路が非常に狭いのがこの手のエンジンのネックである。

図でシリンダートップには多数の冷却経路が開いているがガスケットには孔がたった2箇所で、その一つは6mmと小さく水温センサー用と思われる。なぜ経路が狭いのだろうか?

自動車では暖機した後の冷却液の温度は80-90度位で安定している。しかし船では海水を直接ポンプで送り冷却するのでシリンダやヘッドの至適温度より冷え過ぎないようにわざと水流を絞っている、というのが答えのようだ。そして海水のスケールが析出し絞った部分が詰まってしまうのだ。

このエンジンは過去一度ヘッドをはがして詰まりの除去をしている。エンジンはOHVなのヘッドをはぐのはさほど手間では無い。そこでガスケットを手当してヘッドをはぐ準備をしたのだが、図をよく見るとヘッドをはがなくても治す方法がありそうなことに気がついた

まず図を見てほしい。

キングストン弁から吸われた海水はポンプを経てT字分岐を経てシリンダとヘッドに送られ、サーモスタットから出てきて排気パイプ(エルボー)の中に排出される。

シリンダーが60度に温まるまでは、ポンプを出たところのT字分岐からのサーモスタットへのバイパスへ流れる。水温が60度を超えるとサーモスタットが開きシリンダーから温水が排出されるとともに、サーモスタットの傘がバイパスの孔を閉じる設計である。

冷却水は図中黄色の部分だが、サーモスタットはヘッドの冷却系の一番高いところに付いていてこれは2GMや3GMなども同じである。ということはサーモスタット部から塩酸を投入するとそれはサーモスタットより下のヘッドに溜まり、それはやがて閉塞していた部分を溶かしてシリンダージャケットに落ちて経路が再開通するのでは無いか?

問題は冷却系に塩酸を加えて良いか?だが、ヤンマーには冷却系を掃除するK-1なる塩酸が主成分の薬剤があることから数%の塩酸を使うことは問題無いようだ。この薬剤はエンジンのポンプを使って冷却系統を循環させるが、シリンダヘッドが完全に詰まっているとこの手は使えない

従って多くのユーザーがヘッドを剥いで掃除しているか、あるいはエンジンは廃棄されてしまう。しかしこれから述べる方法は簡単でヘッドをはぐ必要もなく冷却路を再開通させる効果も高い。コストが数百円と安いので余った費用で消耗部品を買えるというものだ。名付けて山本式冷却系掃除法である。

なお、ここに書いた方法はガスケット、ヘッド、シリンダーに腐食や亀裂がある場合は使えない。また結果については自己責任であることは断っておく

手順としては、

1.まず水ポンプの清掃。入り口、出口、ケースのスケールを取り、インペラを交換、ガスケットに液体ガスケットを塗って交換する。ガスケットは単なる紙なので液体ガスケットを塗らないと海水が漏れケースやオイル経路を腐食させる

2.ポンプ出口にあるゴムホースとT字分岐部の内腔を掃除する。長いドライバーでシリンダジャケットまで掃除するとよい。またシリンダブロックにある冷却水排出弁の内腔も長いドライバーを使ってシリンダジャケットまで掃除しておく。エルボーも息を吹き込んで詰まっていないことを確認しておく。

3.サーモスタットハウジングをはずしサーモスタットを取り外す。なおサーモスタットまでのゴムホースはつけておく。これは水位が上がった時にU字管として薬剤が漏れないようするためだ。

4.サーモスタットの孔にサンポールの容器を逆さにして100ML注入する。ヘッドとシリンダーが閉塞しているとあふれる可能性があるので、少しずつ投入するのが良いだろう。若干周囲に漏れるのでビニールなどで漏れがドレンに落ちボロギレに吸収されるように養生しておく。塩化水素や二酸化炭素ガスが出るので換気に注意して一時間放置する。

サンポールは家庭用でそのまま下水に流すものであり、またスケールは海水の成分からできたものなので、特に後処理は必要無いと思われる。

5.ヘッドに溜まったサンポールは経路が通過してシリンダーに落ちているので、サーモスタットから水を注入してヘッドに満たす。シリンダの閉塞がなければゴムチューブにU字管の原理で希釈された塩酸が上がってくるので水位が解るはずだ。30分放置

6.シリンダーの液体をシリンダブロックの冷却水排出弁からPETボトルに排出する。冷却水量は約300ml程度と少なく、青緑色の液体と多くのゴミが出てきた。

7.サーモスタットを付けずにサーモスタットハウジングや配管類を戻し運転する。サーモスタットを外すのは剥がれたゴミがひっかからないようにするためだ。ポンプ後のT字路からのバイパスが働くが、その経路はサーモスタットハウジング入り口で絞られているのでポンプ出力のかなりがシリンダヘッドから出てくる

8.排気口から泡だらけの排水が勢い良く出てくるがこれはサンポールに洗剤が入っているからだ。泡が切れるまで15分運転する。その後サーモスタットをセットして再度ハウジングや配管類を完全に戻し試運転をして水が十分出ていることを確認、エンジン回転数を上げても水温警告音がでなければOKである。最後にサーモスタット周囲を水で洗っておこう。

なお今回は犠牲電極も交換した。このエンジンの稼働時間は30年間に245時間と少ないが亜鉛は殆ど無くなっていた。となりは交換したサーモスタットである。インペラ、サーモスタット、犠牲電極、エアクリーナー、オイルなども交換したが、全てをあわせてもコストは10k円以下ですんだ。

以上の手順で1GMはサンポールでシリンダヘッド間の経路は掃除できることが解った。2GMや3GMもサーモスタットがヘッドの高い位置に付いているので同様に行える思う。注入のときに周囲に漏れないように養生することをお勧めする。

今回はエンジン内を処理している間に船外のチーク材に塗装し、エンジンに錆止めを塗り、ドレンを掃除した。ドレンを綺麗にすれば海水や油の漏れがわかりやすくなる。やはりエンジンルームは綺麗にするに越したことはない。

ただエンジンブロアーから始動時に音が出ているので近々交換する必要があるだろう。エンジンオイルやフィルター、ギアオイルも近く交換したい。

Webmasterの使っているハーバーにも古い船は結構多いがどれも良く手入れされている。基本的にFRPの船は50年以上持つようで、この船もFRP技術に定評あるY社製のせいか亀裂やオズモシスやゲルコート摩耗も無くやっと寿命の半分が経過したところである。

帆走は気持ちが良いもので、機走でもプロペラを清掃し船底塗料を塗ったばかりなので全速力で走らせると10ノット近く出ている。ただしさらに速度を出すには馬力は速度の自乗+アルファ必要ある。

この船を時速20ノットでは走らせるには50馬力程度を要する。セーリングクルーザーにそんなエンジンを積む酔狂な人は少ないが、過去乗ったモータークルーザーはパワフルで驚いたことがあった。

船舶でも馬力の悪魔に魅入られることは実に簡単ではあるが、その船が速ければ速いほど飽きるのも速いようである。

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知らない間に時代遅れになっていた旧艇のナゾ

ことしの夏は福岡地方は天候不順が続いている。しかしその合間を縫って太陽がのぞいた日にクルーズしてみた。つい最近に船底塗料を塗り替え、リギン類を新調したので、その具合を見る目的もあるし、エンジンも時々回さないと冷却系等に塩が詰まってしまうからだ。

空いた時間が短かったこと、シングルハンドであること、そして炎天下でクルーズすると疲れるのでいつもジブセイル(前につける帆、大きな150%ジェノア)だけを張って博多湾の出口までをめぐってみた。メインセイルは上げないのだ。150%ジェノアはメインセイルより大きいので、風さえあればこれでも結構走る。

webmasterの船が出た頃は大きいジェノアを使う機会が多かった。その後はアビーム付近でも早々にスピンを張り大きいジェノアを長々と使わないようだが、シングルハンドではスピンを上げる人手が無いので、ジェノアをスピン的にブームで出すこともあった。

ジブシートロリーダーを後ろにもってきても風力中心が抗力中心より前にあるので風が強くなると風上に上がりにくくなる。ただしメインセイルと異なり突風が来てもジブシートを離せば安全なので、シングルハンダーとしては単に時間を潰すだけでゆるいクルーズをするにはずるい手だと思う。

炎天下でフェンダーをぶらさげたままのろのろ走っているうちに次第に体が熱くなってきた。断熱性の高い救命胴衣を着ていたためにどうやら熱射病になりかけているらしい。ついでに普段感じない船酔いがしてきたので早々にジブをおろし機走でハーバーに戻ってきた。

クラブハウスで休んで回復したのでジブをたたんでバッグに入れて仕舞ったところでまた気分が不良になった。仕方がなくまたクラブハウスの日陰でハーバーにある船を眺めていたらあることに気付いた

webmasterのこの船との付き合いは30年ほどになる。船も当時の仕様のままなので、ジブセイルもメインセイルもいちいち袋から出して張るのが普通だった。もちろん今でも470クラスやレーサーはそうしている。

しかしハーバーを見渡すと多くの船はジブファーラーを装備しているでは無いか。ジブファーラーというのはジブをフォアステーにくるくると巻いて格納するシカケである。これにより毎回ジブをつけたりはずしたり畳んだりする手間が省けるのである。

また多くの船がメインセイルにカバーだけでなくレイジージャックにしている。こうすればブームに毎回艤装しなくてもすぐメインセイルがあげられるのだ。もちろんバテンも装備したままである。

かつてはこういう装備は高価だったし帆走性能が落ちるので多くの船は装備していなかっただが、今は小さなクルーザーでも新艇の多くで標準であり、Webmasterの船より古いものも多くが装備している。長いデフレの後に確実に船も新陳代謝しているのである。

さらに、どの船のスキッパーを見るとwebmasterが着ている旧式の救命胴衣ではなく必要なときに自動的に膨張するシロモノを着用していた。これだと普段はコンパクトなので夏でも暑く無い。

たしかに時々ハーバーに来たが、自船の手入れだけで手がいっぱいで、他の船がどんどん進化している事が見えなかった。仕事に追われている間、webmasterの回りだけセイリングを覚えた時から艤装やり方の進化が30年間止まっていたのである。そういえば最近は船の雑誌も読んでいない。

ということで、次に株式市場が高騰した折にこれらを装備したいと考えている。船も老化しているがいまのところ基本的な機能には問題無いようなので、手直しで乗る回数増えれば元が取れるかも知れない。

そうこうするうちに、470クラスの船が多数帰ってきた。若者はぴったりとしたクルージングスーツを着て手のかかる艤装を解いているが暑く無いのだろうか? ということはWebmasterが熱中症になりかけたのは加齢により暑さの感覚が弱くなり、汗腺などの働きが弱くなったことがあるのかもしれない。

船もwebmasterも老化していることは確かだだが、せっかく海と船が近くにあるのだから、もう少し手入れして数多くクルーズを楽しみたいものだ。

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トモヤドットコム発電所はペイしているかナゾ

2011年に設置した我が家の太陽光発電も満3年を迎えた。そこで買電と売電金額を比べてみた。

なお計算条件は、

 	昼間時間帯
	第1段料金 		0 〜 80 kWhまで 21.14 (22.5)円/kWh 	
	第2段料金 		80 〜 200 kWhまで 26.71(29.72) 円/kWh 	
	第3段料金 		200 kWh超過分 28.53(33.59) 円/kWh 	
			
	夜間時間帯 		22 時 〜 8 時まで 	
	夜間料金 (10pm〜8am)	8.05 (10.29)円/kWh
現状では昼間は200kwh以下なので第二段までで収まっている。()内は現時点での電気代で昼間が1割、夜間が2割値上がりしている。さらに基本料金が月1155円、燃料費調整額503円、省エネ賦課金等187円、消費税などがかかっている。 全てのグラフをその時点での電気代で表示することが困難なので一律として表示しているが、現状では買電額は請求書を見る限り10%増えているようだ。

典型的な我が家の夏のある日のパターンを見ると、

電力消費のピークは夕方からで、その後洗濯機の負荷が加わっている。子供が一人独立したので電力消費は減り気味である。

というわけで、設備自体の老化は満3年時点では全くないようだ。ただ10年以降の設備の保障が無いのでパワーコンディショナーの故障があると高く付く。今はシャープからお誘いのある延長保障に入るかどうか迷っているところだ。

個人的には太陽光を上げてからは二階の夏場の温度が劇的に下がり快適となった。おかげで寝るときの気温が30度を超えていない限りwebmasterはエアコンを使っていない。冬も温度の低下が少なく寒くない。

設備は屋根の形状の関係で3.2kwと小さめの上、東側と南側にパネルを分けているので(西側には天窓があるため設置しなかった)金額的には期待していなかったが、現状でもローン代を上回るリターンがある。

金銭的だけでなく、格段に屋根の断熱性が良くなり夏冬快適になるので、屋根資源のある方には太陽光を強くお勧めしたい

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プリウス4年半の燃費事情と省燃費タイヤのナゾ(続編)

定期整備契約のプリウスの4年半点検に行ってきた。例によって何も悪いこともなく、17インチタイヤについても許容内とのこと。オドメーターは33440km(トリップなので4桁表示)で、前回の25640kmから7800kmと年間走行距離は殆ど変わっていない。

燃費は22.2km/Lと1年経過の22.6km/L、2年半経過の22.6km/L、3年半経過の22.8km/Lより若干悪くなっている。17インチタイヤで速度計が10%過大から6%過大と4%渋くなった事で燃費は概算0.88km/Lほど悪くなるハズなので、燃費は実際は良くなっているようだ。

当代最高のエコタイヤGT-3より並の17インチが燃費が良いというのも考え難い。速度計表示が遅くなった分だけガスペダルを踏み込む要素より、ハイギヤード化でよりエンジンがより低回転高負荷となる要素が大きいのだろうか。

燃料補給の毎の燃費では、

夏が近づき燃費が低下しているのはエアコンの影響と思われるが、平均速度が低下していることから遠出が減っていることもあるかも知れない。この燃費からの計算上の航続距離は1000km近くになる。

かつて燃費の悪いRX-7で長距離を走って渋滞に巻き込まれたりすると燃料残量が心配だった。その経験から補給は早めであるが、まずプリウスでは出発時に確認すれば出先で補給が必要になることは殆ど無い。

最近のプリウスでは

アロンαはリジカラ越えの夢をみるか?のナゾ(プリウス補強編)

で走行雑音が劇的に減り快適になった。タイヤGT-3の踏面が非常に堅いこともあってガタピシすることが高級感を著しく損なっていたが、そのガタの部分が減って車体がソリッドになった印象がある。ただしガタが消えるとエンジン吸気音と内装の擦れ(ピシ)が目立ってくる。それに対しては、

アスリートHV試乗とプリウス騒音対策のナゾ(エアクリーナーインレットASSY 編)

で書いたように吸気音がほぼ消えたことと、内装の騒音対策が効いたことで、17タイヤ化による悪化要因を考えても走行音は静かになっている。

17インチ化で操縦性にも若干の変化が出た。タイヤは片輪15mmスクラブがポジティブ側になり張り出す事になるので轍(わだち)の影響が増えているが、それでも地面の情報は希薄である。

タイヤがどっちを向いていても反応が乏しいのだ。これは走行抵抗を下げるためにトーイン(基準値2mm)やキャンバー(-0°10'±45')が小さく、直進性はもっぱらハイキャスター(5°50'±45')に頼っているからだろう。タイヤが15mm外にでると見かけ上バネは4-5%柔らかくなりキャンバーがネガ、トーインとキャスターがポジ側になるはずだ。

ただスクラブがポジ側に動くことでキャスターアクションは前より強くなった。依然として操舵感は希薄ながらわずかに自然になった感じがする。

あまりにガタピシするチープな走行感からこの車は7年が限度かな?と買い換えの車が思案に上がっていた。プリウスはハイテクながら燃費しか取り柄が無いという評価に傾いていたのだ。

それが変造で静かになり、17インチ化でコーナリングも安心できるようになり、軽トラック並の引っ越し荷物あるいは17インチタイヤを10本飲み込むプリウスは、21世紀の実用車両だと再評価している。ある意味スーパーカブや軽トラックのようなものかも知れない。

大きくも小さくもなく高くも安くもない中庸の車。プリウスは21世紀のコロナ5ドアなのであろう。

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86/BRZサスマイナーチェンジのナゾ

最近は車情報と疎遠なWebmasterだが、報道によれば86/BRZが4月にマイナーチェンジされたという。トヨタにはリリースがあるがスバルではニュースリリースがあるものの詳細は見つけられなかった。

曰く「今回の一部改良では、ショックアブソーバーのフリクション特性を見直すなど、サスペンションにチューニングを施し、操縦安定性と乗り心地をともに向上。さらに、内外装云々。。。」と、サスのフリクション改良がトップにある。

要するにWebmasterが指摘していた

BRZtSに見る86/BRXサス問題のナゾ
トヨタ86のステアリング中央はなぜデッドなのかのナゾ
86とアクアはどちらがスポーティーか?のナゾ


フリクションの問題に対するトヨタ/スバルからの回答ということだ。

今回のマイナーはコストをかけず部品変更で済ませている。台数が捌けない車種なので賢い選択なのだが、トヨタの内部文書によると、(impress社carwatchへのリンク、クリックで飛びます)

フロントロッドガイド改良、オイルシール改良、オイル改良、ボトムピース改良とだけ書いてあるが、STI(BRZtS)のようにストラットを延長せずに、ケースやロッドを大口径化し摺動部を改良することで、フリクションと剛性を改良した様子である。

微少の摺動を良くするだけでなく、ダンパーの伸びを強く、縮みを弱くしている。これは乗り心地を確保しながら車体を低く暴れを抑える一般的な方法だが、過去トヨタのサスは何故か伸びが弱く縮みが突っ張る設定が多かった。

ただしこの改良策ではオイル量の増加をロッドの太さが喰うため、ストラット長延長に比べ耐久性も確保しにくい。特にオイル量の不足は深刻で、冷却性の悪いツインチューブでは長丁場のラリーでは泡を吹くだろう。STiの方法の方が合理的なのだ。

ところでオプションのSachs製ダンパーは純正より長くなっているように見える。このあたりトヨタ内の意思統一が無いようにも見える。まともなダンパーメーカーなら少しでも長くしたいと思うはずなのだが不思議だ。

Sti仕様だけでなく、純正ダンパーの製造元であるSHOWAの後付けダンパーも長さが長くなっている。やはり長さが効くのである。

もう一つの改良は、サスメンバーをボディと締結するボルトのフランジ(傘)強化で、そのうんちくが非常に興味深い。

これは若干の理解力を要するが、従来のボルトではフランジ部分が締結する力が不均衡で十分で無い(真ん中付近しか部材を押していない)ので、フランジを厚くすることでこの部分全体が強く押して締結強度を上げたというのである。

このアプローチもSTIと違っている。STIはラックの固定ボルトを長くし締結箇所を増やしたのだが、トヨタは目的は同じながら答えが違う。何かトヨタの意地を感じる。なおこの改良は2013年10月からこっそり施行済みとのことである。

察しの良い方にはお分かりとおもうが、これは基本的に

アロンαはリジカラ越えの夢をみるか?のナゾ(プリウス補強編)

と同じことなのだ。ストラットの動きが渋いとステアリングを回してもサスメンバーやステアリング系が逃げて車は曲がらない。そこでサスのフリクションとサス剛性の両面作戦で改良したということだ。

ハイグリップタイヤを履いてサスを強化した車で据え切りするとコキンカキンとかミシミシとか音がするものだ。このコキンという音はボルトの締結部位が微妙にズレる音である。つまり、どんなにボルトを強く締めても挟んだ部材はズレるのだ。

締結力はフランジ部分の摩擦で維持されるが、強く締めるほどフランジが変形し部材を押す力に不均衡がおきる。そこで頭のフランジを丈夫にして締結力を稼ぐ原理である。もう一つの方法はフランジの隙間を埋めて締結力が均等に掛かるようにすると共に摺動を抑える方法で、これがWebmasterが考えるアロンαである。

個人的にはわが家の堅いエコタイヤ(GT3)を履くプリウスの車体がコキコキ、カキカキ、ガタガタ、ヨレヨレでハンドリングを楽しむ領域になかった。こんなプリウスに17インチタイヤを履かせてもますますボロが出るだけだと思っていた。それで在庫していた17インチ装着を渋っていた。

そこでG'sなどのフロア補強部品の装着を考えキャッシュを用意したがクルーザーの保険代や整備代に消えてしまい、頭を絞った結果がアロンαなのである。これのおかげで17インチでもサスの異音が激減したかわりに、内装の低級雑音が聞こえるようになり、そのモグラたたきが最近一段落したところだ。

アロンαはアクリル樹脂系で強度はさほど無いが、仕事は隙間を埋めて摺動を抑える程度でよく、大半の締結力はボルトが発生する。レンチをかければあっさり割れてネジがはずせる程度でいいのだ。アロンαでなくペイントでも透明マニキュアでも事は足りるが、アロンαだと粘度が低く少量でフランジに浸透するので便利である。

さて、今回のマイナーを見るとトヨタの困った表情が見えてくる。どうやって問題を収拾しつつ、既存ユーザーの顔を立てるか、である。

その一つはコストだ。今回はダンパーメーカーに泣いて貰い、またネジメーカーを締め上げる事で、板金に一切手を加えずすませた。

もう一つは、ユーザーの評判だ。今回の策なら86/BRZを買ったお客さんも部品交換だけで新型?同様となります、と言い訳ができる。

最後の一つは、スバルSTIとは違うアプローチで解決を図ったことだ。ウチはスバルのマネはしない、というわけだ。

個人的には86/BRZは日常使い回せるスポーツカーとして悪くないと思っているが、短いストラットはどうやっても気に入らないので後付けのダンパーだけは組みたいところである。

Webmasterが思うに車業界には人材が不足している。あるいは人材をITやゲーム業界に喰われているのだろうか。振動や異音、違和感などを物理的な問題に落とし込める人材が不足しているということで、それはCADでもシミュレーターでも見えてこない部分だ。今回トヨタが示したように、車体やサスのネジの締め方一つ、座金が有る無しで操縦性が激変するのだ。

ドライバーが違和感を感じても、それがメカのどの部分が原因なのか基礎工学知識が足りないので指摘できない。一方作る方は設計できても違和感を感じるセンスが欠けている。いや設計では十分な強度が出ているハズなんですけど?では今回の問題は見えてこないのだ。

過去レースに名を残したドライバーは運転技量だけでなく、違和感をメカニックに工学的に伝えて解決する技量が優れていたのだろう。

さらに某社には違和感をコストを考えつつも設計に反映できる、あるいは決裁できる人間がひょっとして一人(社長)だけしかいないのかも知れない。今回のマイナーを見ると、トヨタも少しはマシな方向に向かっていると信じたい。

Webmasterは試乗車をディーラーから出るときに数m転がした時点で、”ああ、これはオレのRX-7と同じだ!”と解った。個人的にずいぶん悩んで内外の車のサスの構造を調べ、個々の車のフリクションの具合を実地で押して調べてまわった悩みがあって”ストラットが渋くて回らないストロークしない”と感じたのである。

おそらくテストドライバーは違和感を感じていたハズだがコラボの事情で目をつぶったのだのだろう。評論家は単に感性が鈍いのか工学的知識が足らないのか、あるいは単に商売上目をつぶったのかのどれだろう。ハンドリングの鈍さに気が付かないとしたら相当センスが悪いということである。

あなたの車もサスが回らないストロークしない渋いストラットかも知れない。チェック方法を書くと、一人がステアリングを握って据え切りし、もう一人がタイヤやロワアームの動きを観察する。

方法は、巻き尺の端をロワアーム後端にひっかけて前方バンパーまで引っ張ってくる。ステアリングを微細にまわしたときのロアアームの前後の動きがミリ単位でわかるだろう。ロアアームが大きく動く車はサスでなくロワアームが回転しているということだ。つまり高速などで大事でセンシブルな微少舵が効かない。

フリクションはサスを上下に動かせばわかるが、最近の車のフェンダーはヤワなので、ボンネットを開けてストラットタワーを押すのがいいだろう。

揺らす時にアッパーマウント中央のダンパー軸と板金部の動きのズレも見ておこう。ズレが大きい場合は微細なストロークでダンパーが動かずブッシュが動いているということになる。

サスがよく動くかどうかは操縦性の一端に過ぎないが、スポーツカーにとってセンシブルなタッチは大事な要素なのだ。それが鈍い車ではグリップ限界での微妙なステアリング感覚、操舵力が変化し抜けかかる感覚が伝わってこないので修正が遅れる。さらに細かい修正をかけてもそれが車輪に伝わらない結果スピンコースアウトとなる可能性も無しとしない。

そのあたりの味付けが操縦性の懐の深さ、あるいは許容範囲の広さの大きな要素であろう。げにステアリング感覚おそるべしである。

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ゴルフ7とメルセデスA180試乗のナゾ

VWによればゴルフ7はプリウスに対抗できるエコカーであると言う。一方A180はメルセデスとしてはかつて無いバーゲンプライスでゴルフに対抗すると言う。たまたま同クラスの2台に試乗する機会があった。

まずゴルフ7はTSIハイラインなる300万の仕様だ。ぱっと見た目では低くワイドに見えた。実際には高さが1450mmと並だが1800mmもある横幅がそう感じさせるのだろう。ゴルフというよりは旧型シロッコの印象だ。

最初に荷物を置くためにリアドアを開けるとフロアが落とし込まれて意外にセンタートンネルが高い。座ってみるとかなり囲まれ感がある。トランクは幅や深さより前後が狭く感じた

運転席の着座位置は低い。インパネはアウディ風の樹脂のシボやクロームの飾りで安っぽくないがメディアが言うほどの高級感は無い

さてWebmasterが初めて運転したゴルフは初代GTIだった。ピレリP7を履いた車はゴーカートのような乗り心地でエンジンやミッションからカラカラと大きな騒音がしていた。さらにインパネはわずか2,3年で日焼けしてヒビが入っており、室内も質素というかスパルタンなものだった。

7代目のゴルフはステアリングもアクセルも軽く乗り心地もカローラのようだった。変速はメディアが言うほど電光石火でもなく細かいショックも残っていた。ステアリングやサスはブッシュが緩く国産車のようでドイツ車らしい印象は希薄だった。

ゴルフは代々上等になっているが、横幅(1800mm)の割に全長4265mmと中途半端に短いと思った。サイズ的にはプリウス(4460mm)程度の全長があって良いのではないか?このクラスの客が持ち込む荷物が収まらないのではないか?

今はポロやUPがあるので5ドアセダンに徹していいのでは無いか?日に日にプリウスより高級なHVに傾いていたWebmasterも、最近引越しを手伝ってみるとやはりプリウスの大きな積載量は手放しがたいものがある。

さて次はA180である。

A180のデザインは気に入らないが、300万としてはあり得ない程の高級感がある。ただし割安なのはA180とエディションスタイルだけで、他のグレードはCクラスと比べコスト的なメリットはほとんど無い。

実物はサイドの厚みのある抑揚が印象的だ。サイドシルも異様に太くステップに照明がついている。Bピラーも太くシートも異様にスポーティーで着座位置も低い。インパネは上半分は値段を疑う品質感だが下半分は樹脂っぽい。

ドアトリムやコンソールにもステッチが入っており、各ドアに2灯、左右足元など多数のオレンジの照明がある。ドアミラーの下部に足元照明があるなどレクサス顔負けである。

装備もバックカメラが標準など充実していてステアリングコントロールも豊富だが、空調だけステアリングから操作できず、センターコンソールの低い位置にアナログっぽいパネルとともに鎮座している。オーディオの操作は散漫で階層が深く使いにくい。そもそも車にマウス的で階層が深いコントロールは合わないと思う。早く無くなって欲しい悪い流行だ。

リアは十分広いが包まれ間がある。座ってみると見た感じより広いが、フロントのシートバックが高いので狭く感じる。後ろの窓は最小限だがバックカメラを見ろという事なのだろう。

トランクはゴルフより浅いが前後方向に余裕があり数字はともかく実質的にはこちらの方が使いやすい。ゴルフに感じた値段と幅の割にトランクが過小な印象は無い。

ステアリングは軽いが剛性は高く正確だ。乗り心地はゴルフと同じ225/45R17でもさらに堅く骨っぽい。パワーは1.6Lターボの割に平凡だが坂道でも十分なトルクがある。DCTなので低速の渋滞ではぎくしゃくするがゴルフより違和感は少ない。長年ミッションを自製してきた技術力の差なのか。

燃費は信号が少なく流れの良い郊外で細心のエコ運転で22km/Lを超えるが、プリウスなら同じ条件で30km/L近く走る。ただしドライバーはプリウスと比べ格段に高級感のあるインテリアで十分納得できる価格と燃費だろう。

メルセデス自慢の衝突警報装置CPAは残念ながら毎回のアンダーパスの橋桁に対して、カーブの標識や電柱に対して頻繁に誤報が鳴る。誤報の時点でCPAプラス(この車には装備されていないが)でブレーキがかかるとすれば、狭い日本国内では衝突より追突のリスクの方が高いように思った。

やはり現在の電脳技術では停止まで任せきれる精度は無いのかも知れない。ブランド以外取り柄がない最近のメルセデスは高度な衝突予防装置群に注力しているらしいが、ドイツ人らしい技術優先志向が見え隠れするものの、CPAの出来は最低レベルである。

綿密なテストを経て発売されたようにCMでは描かれているが、過去の初代プリウスの劣化コピーであるセンソトロニック・ブレーキの不具合でEクラスの低迷を招いた例もある。とかくメルセデスは電脳テクノロジーに自己耽溺する傾向がある。衝突予防は大事なテーマであるが、その前に燃費規制で退場を迫られる可能性もある。

というわけで、この2台と価格の安いプリウスを比べるのが適当かどうか知らないが、燃費、室内の広さ、信頼性ではプリウスが優れるが、インテリアは圧倒的に安っぽい。操縦性、ステアリング応答、インテリア、高級感、割安感から行けば圧倒的にA180である。ゴルフのハイラインは装備を足して背伸びした価格で、高級感もドイツ車に期待する硬質感もA180より劣る

いずれにせよ、外車のDCT、DSGには不安があるので3年+2年延長保証はマストであろう。A180にはそれなりの維持費がかかるであろうが、VWではヤナセを超える維持費をチャージされるとの風評も聞く。中国VWでの部品価格は数分の1のはずだが。

さてA180は売れ行きが良いようで炭酸ガス削減の武器にはなるだろうが、C、E、Sクラスを抜本的に構成替えしないかぎり来る燃費規制には適合できない。特にガキっぽいAMGバブル仕様を規制前に駆け込み量産しているのは品が無い。

ハイブリッドへの対応もアウディやBMWより遅れており、アクティブセーフティーの出来も問題で、ディーゼルも尿素を必要にするなど長年のメルセデスの栄光が感じられない。

個人的には製品ラインを整理し、AMGのバブル商売をやめてハイブリッドやディーゼルなどの開発に努力しないと過去のメーカーとなる可能性もあると思う。

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山本式ジャグジ装置のナゾ(PAT pend.)

我が家にはかつて24時間風呂があった。

Jan.22 2001:黄昏の24時間風呂のナゾ(バブルだった泡風呂編)

装置自体には問題無いのだが、毎日の煩雑なプレフィルター掃除、毎月の内部洗浄、残り湯を洗濯に使うために湯量が維持できない、浴槽や追い炊き釜の掃除が必要、温度を保つために電力が必要、レジオネラなどのリスクが払拭できないなど、わが家の実状に合わず放棄したが、心地よい泡風呂には未練が残っていた。

そこでレトロフィットのジェットバスや泡風呂装置を検討したが、水出力が小さいこと、ポンプ設置とメンテするための点検穴が必要であること、配管の汚染やポンプの寿命、漏水などのリスクなどに不安があるため踏み切れずにいた。

そこから10年来構想をまとめ具現化し、このほど落成したのが山本式ジャグジ装置である。

この装置は非使用時にはポンプの水気を切ることができるので衛生的である。しかもポンプが水中で動作するため騒音レベルが低い。配管からの熱量のロスが無い。配管汚染の洗浄が不要、初動から水流が暖かく強力である。

さらに水槽に手をつけないので水漏れリスクが無い、メンテはポンプだけで修理も簡単。製品を選べばインテリア性も良好。マンションや借家でも使える、、、、、、などなど通常のジャクジの問題点の全てが解決されていると言っても過言では無い。

装置は次の要素からなっている。ポンプが予定より一段強力なものがamazonで予想より安く入手できたので総工費は13k円ですんだ。ポンプはジャグジ以外にもワンタッチのコネクタをはずすことで風呂残り水の散水などにも使える。


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○寺田ポンプ叶サ 水中ポンプSL-52を推奨
(水出力50W、消費電力250W、漏電ブレーカー付き、アース線付き)。
SL-102(水出力100W、消費電力250W)は強力過ぎます。
 寿命3000h以上で摩耗や絶縁などの信頼性の店で国内メーカーを選ぶ(日本製とは限らない)。
○L字カップリングコネクター(片方メス、片方ホース接続)
○エア接続ニップル(プラジョイントAQ-96 熱帯魚用品 要加工)
○シリコンチューブ(外径6mm 50cm程度)、エアフィルタースポンジ
○延長キャプタイヤケーブル5m
○緑色アース線5m
○絶縁テープ、引き回し、ドリル、その他現場加工 少々

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現在大手メーカーの後付けジャグジとしてはテラル(株)のJBU-102があるが、モーター電力130Wで噴出口が二つで一孔あたりの水出力は25W程度と小さい。一方外国製の強力なジャグジはモーターがkwクラス、一孔あたり50W以上が普通なのでパワーの差は大きい。

そこで今回は強大な水流を目指して水出力100WのSL-102(0.25kw)を用意したが、作ってみたところまるで往年のマッハIIIのようなオーバーパワーの暴れ馬になってしまい、デチューンと安定化に腐心することとなった。安全策としてはパワー半分のSL-52の方をお勧めする。

ただし爆発的なパワーを目指す方はSL-102を後述の安定化策を参考にして使っていただきたい。なおSLシリーズには漏電ブレーカーとアース線が付属している。漏電ブレーカーが付属していないポンプでは必ず漏電ブレーカーを装着すべきである。

さてポンプの出力には付属のカップリングコネクターを使いL字型コネクターを接続する。その内径が10mmと絞られているのでかなりのデチューンになっている。

なおこの手のコネクターには良く似た蛇口用とホース延長用など二種類があり、ポンプ付属の通称”タケノコ”は蛇口用と同じでメス側にパッキングがある。L型はホース延長に使うタイプでオス側にパッキングがある。このため若干遊びがあるので、オス側に適当なOリングをはめておくと安定する。

今回の最大の細工は泡発生装置だ。

L字コネクターの出先は内径10mmに絞られているが、ホース固定の飾りナットにニップル用の穴をあけ、先端を30度にカットしたニップルを挿入する。ニップルの先端が内径の1/3〜1/4程度突出させるように飾りナットのニップルに当たる座面はヤスリで若干削りとってある。ニップルの片方にシリコンチューブを接続し、吸気音を低減するために適当なスポンジに穴をあけたものをサイレンサとしてチューブにつけている。

電工としては、ポンプのケーブルを換気ファン取り付け部に穴を作って屋根裏に導き、そこから延長のケーブルとアース線を洗面所におろし、防水スイッチを経由してコンセントとアースに接続している。漏電ブレーカーは天井裏とブレーカー部と2重になっており、きちんとしたアースの接続が必要だ。今回は過去24時間風呂の工事の廃品を流用した。

使用時にはポンプを水の中に入れて電源を入れるのだが、強力な噴出でポンプが泳ぎまわることが解った。過ぎたるは及ばざるが如しである。

そこで、噴射孔の反対に反トルクを発生する孔(Φ=3.3mm)を開けた。工作としてはドリルにビニールテープを巻いて外形10mmとしてセンタリングし、噴出口からドリルを入れ穴を開けた。噴出孔の面積は10%程だが、絞られたパイプに開口したためポンプ背圧が低下し噴出量にはあまり影響が無い。

さらにポンプ底面の中央に孔(現在Φ=20mm 当初はΦ=6mm)を開け、そこからの吸引力でポンプの底が浴槽に吸着するように工夫した。これらの細工でポンプが泳ぎ回ることは無くなった。流体の問題はいずれも流体で解決するというスタンスだ。水の出口はポンプの重心から外れているので、重心を手前に置いている。

装置外観。装置は幅13.6cm奥行き14.5cm、高さ25cm程度とコンパクトで、浴槽内でもさほどジャマでない。全てがワンピースにまとめられていて、水流の方向は自在で体の当てたいところに当てることができる。

泡噴出装置。この部分は工作力が試されるところだ。

Webmasterの例ではニップル突出は内径10mmの噴出口の1/3〜1/4程度としている。当初は流路を絞りその部に開口させるなど細工したが、この方が遙かに泡の量が多く安定していた。ベンチュリの微妙な位置関係は写真を参考にして欲しい。

飾りリングを回転することで噴出口とベンチュリの距離が変わり泡噴出量を調節できる。噴出孔とベンチュリが近いほど泡が多いが水流が拡散する。距離を離すと泡が減るが水流が強くなる。ニップルの突出量が多い方が泡発生が増えるが水流が拡散する。今回の例ではポンプが強力すぎるので拡散気味にしてポンプ本体は安定させている。

噴出孔のカウンターホール。噴出孔の推進力のカウンタートルクが働きポンプが泳ぎまわるのを防ぐ。SL-52では不要だろう。

ポンプの吸い込み口付近のΦ=6mmの孔。現在は拡大してΦ=20mmとしている。安全上ポンプインペラ入口とすこしズラし中央に針金を溶着している。底面と摩擦を発生するために薄いゴムを張り振動がバスタブに伝わるのを低減している。振動はおそらくマンションでも問題にならないレベルに納まっていると思う。

一箇所から水出力100Wは強力で風呂の水を勢い良く循環させる。ベンチュリが繊細なので細かい泡が大量に出る。カウンターホールからの水流が壁面に当たり、噴出孔が発生するトルクを相殺しポンプを安定させるので固定しなくても自立している。

さらに圧倒的なパワーを目指す方は噴出部を別体として浴槽に固定し太いホースで結べば良いが、試行では一カ所の噴出孔としてはは強力すぎるように思う。

非使用時は棚の上に置くと、ポンプから全ての水が抜けて清潔に保たれる。

本体はコンパクトでデザイン的にもインテリアとの親和性も良好である。ケーブルは換気扇のグリルから入り、換気扇の樹脂部から屋根裏へ。屋根裏で延長ケーブルと延長アースに接続、洗面所の屋根より降下してコンセントへ。万が一漏電装置が働いた場合は、浴室ハッチからリセットすることになる。浴室は一面が窓と開放感があるのだが、気分的にさらなる開放感を狙ってフェイクの窓の絵が貼ってある。

動画youtube

Retrofit Jet bath by www.tomoya.com (山本式ジェットバス)

装置は見たら終わりのシンプルなものなので、工作に慣れた方なら一日で完成できるだろう。ただし泡噴出部の細工に工作力が問われるところだ。当初24時間風呂の泡噴出部を着けたが水量過多で泡が少なく、スクラッチから作り直した。

ベンチュリはトライ&エラーの結果で現状でも合格点だと思うが、写真を参考により良いものを付くっていただきたい。

使ってみると強力な水流のマッサージ効果が感じられる。当初は体に水流を当てていたが、単に浴槽に沿って水流を回転させるだけでもかなりのマッサージ効果がある。

泡が消失するときにパチパチという圧力波が発生し体を包み気持ちがいい。湯温がさほど高くなくても水流によって体に熱量が移るために短時間でもサウナ効果がある。印象としては水温42度の10分間水浴でスチームサウナ同等程度のダイエット効果がある。

メタボで体重が気になるあなた。肩こり腰痛をお持ちのあなたにも試していただきたい。

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Freebit mobileとServersManの微妙な関係のナゾ

4月になってFreebit mobileのPandAのパケット速度が300kbpsへ、ServersManLTEが250kbpsと増速になった。Freebitの言う速度制限はかなり甘いもので空いた時刻では0.5Mbpsを超えることも多く、現時点では動画以外は不自由しない。

WebmasterはFreebitなる企業研究のサンプルとしてPandAを購入したが、この企業は変化の激しいプロバイダー創業期から続いており、研究すればするほど面白い。その一つは何故ServersManなる名前がついているか?である。

webmasterは1985年ごろNYで研究のためにPDP-11で神経細胞の活動を記録、それをkermitでVAX11-780に転送し解析していた。個人でVAXを独り占めは快感だったが解析には時間がかかり夜中にバッチを操作したかった。

VAXにはHayesのsmart modem(212 1200bps)が接続されていて、自宅から制御できることに気付いた。NY市内通話には時間制限がなかったので繋ぎっぱなしできたのだ。

しかしHayesは高価で買えずラジオシャックで在庫処分の300bpsモデム(103A)を買った。その後はKyoceraの2400bps(212)モデムを使っていた。

1988年に帰国した当時は米Compuserveと提携したNiftyserveが始まった頃だが、多くのBBSサイトは未承認の米国製モデムを使っていた。鎖国政策のためか国産CCIT規格モデムは低速低性能だったからだ。

KyoceraモデムはBell規格にもかかわらず殆どのサイトに問題なく繋がった。当時の米国製モデム=高性能、国産モデム=時代遅れのガラパゴス規格(CCITTなのだが)という認識はその後色濃く残ったのである。

Hayes社のATコマンドは携帯などの内部モデム制御に色濃く残っている。最新の端末でもダイヤル番号で特殊メニューに入れる点はATコマンドの影響だろう。

当時は電話料金が高価だったのでWebmasterはパケット通信にハマっていた。最盛期にはG3RUHで仕事先と自宅間をtcp/IPで二系統運用していた。G3RUHはモデム部分がキットが販売されていて、半二重ながら9600bpsで繋がった。当時はパケット無線がネットに接続されたサイトがあり法的な議論になったのを覚えている。

写真のセットアップで144MH帯、430MHz帯それぞれで1200bpsと9600bpsと4セット稼働していた。4セットの理由はいかなる電波状態でもどれかは繋がるためだ。当時はマンション建設が相次いでマルチパスのため特にPSKの通りが悪くなっていったのでFSKをフォールバックとして用意していた。

その後はモトローラーの携帯端末を入手し、パケット無線からダイヤルアップによるネットに興味が移った。パケット無線のセットアップは保存されているが局免許が期限切れになので単なる記念品である。

当時は電話代もプロバイダー接続料も高価で、安価になったのは1995年の深夜定額のテレホーダイと定額で安価なbekkoameが開業してからで、当時のユーザーはみんな寝不足だった。本サイトも当初はbekkoameにコンテンツを置いていたが、bekkoameはいろいろな変遷の後に今はFreeebitの配下にある。

さてFreebitの石田宏樹氏が三菱電気の後援でドリーム・トレイン・インターネットを起業したのが1996年であり、学生がCEO格というのは当時話題になった。広告には黒い蒸気機関車がデザインされており、安価で安定したネット接続境を提供する、というようなことが書かれていた。

そのころWebmasterはモバイルのネット環境整備に凝っており、PHSのみなし通信のトピックを多く書いていた。その後は日本通信などのPHS通信カードを長く使っていた。 2001年には日本初のADSLプロバイダーコアラが福岡で営業を始めたので加入した。このときは自宅も仕事場もグローバルアドレスだったのでパソコンやUNIXマシンでHTTPサーバーを動かしていた。

そうすれば手ぶらで移動してもデータが利用できるし、モバイル環境でもPHSカードでシームレスな運用ができた。その前にパケッ無線網を構築したのも自由なデータ環境と要素技術を維持したかったからだ。どこでもサーバーというServersManも同様な考えの延長線にあると思う。

ネット黎明期は多くのユーザーが自前のサーバーを仕立てていて、毎回IPアドレスが変わる流浪のサイトもあった。それが減ったのは業者のサーバーが安価で利用できるようになったことや、サーバーの脆弱性の管理が面倒になったからだろう。Webmasterもsendmail周りの脆弱性の攻撃には辟易した。

ServersManのシリーズは最廉価SIMとして有名だが、名前の由来は個人の携帯やパソコンが遍くクラウドサーバーとして動作する環境を意味するらしい。

基本アプリServersManはWebサーバーであり、iphoneやAndroid端末がサーバーになるというものだ。ファイルは公開と非公開部分に分かれておりデータサーバーとしても使える。PaandA搭載のOneなるアプリはこれが発展したものだ。

ServeMan@diskはdropboxに似たもので、自動的に同期する部分とそうで無い部分が分離できる。PandAのオンラインストレージはこれと同じものである。

ServersMan050はいわゆるIP電話で、VPN接続で帯域を分離しトラフィックを安定させていることや、深くスリープしていても着信する工夫がある。単なるSIPクライアントではスリープ中の着信が保証されないのでそれなりの秘密があるが、SIMと組み合わせでしか動作しないところからSMSがあやしいと思っている。企業向けのIP電話を販売している設備やノウハウを使っている。

WebmasterがPandaを購入したとき、プレインストされたアプリ群の意味が理解できなかった。Oneなるアプリの”待機中”と”受付中”なる表示は同期を示していると思っていたが、これがWebサーバーの動作状況だと解ったときは若干驚いた。

現在はServerManLTEのSIMをSIMフリー化したStreak001DLに納めて自動車専用のデータセンターとしている。これでSafty Sightとナビを動作させ、Willcom03をテザリングしている。車上荒らし対策としては、一切がジャンク格の要素で構成されていてリモートロックがかかること、損害が1万以下ですむこととしている。低速であっても車内が常時接続環境なのは自由で気持ちが良いものだ。高速が必要な時はPORTUSのルーターを稼働させればいいのだ。

CEOはユーザーにユビキタスなサーバーを持たせることにこだわりがあるようで、その要素技術としてIPV6、VPNも手がけるということらしい。セキュリティーもこれらの技術で確保されるからユーザーは心配しなくて良いというつもりなのだろう。操業当時から初志貫徹しているのは大したものだ。

SIMもユビキタスな環境を実現するパーツの一つという位置付けで、このあたりは日本通信などと異なるところである。

商売には無駄なコストをかけず、ロジスティクスは故郷に近い唐津に置き、通販をメインとし、大都市のみに少数のアンテナショップを置き、それらをネットワークでつないぐというのも、ネット創業時の学生起業家の夢を未だに追求しているかのようである。現在のキャリアはインセンティブと人件費の自縄自縛で、絶滅危惧種になるのも近いだろう。

個人的にはFreebit mobileが成功するのかどうか判断しかねている。端末はRAMが512MBと貧弱だったが現在はRAMが1GBでCPUはQuadraにアップグレードされているようだ。個人的にはメモリー不足には陥っていないが、メモリーは多いに越したことはない。

今後もこの手のビジネスの方向性を占うためにウォッチを続ける予定である。初志貫徹のポリシーが熱帯雨林のような混迷を極め変化の速いビジネス環境で維持できるかは興味のあるところだ。

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windowsXPはwindows8.1の21倍危険?のナゾ

MSが”windowsXPはwindows8.1の21倍危険なので買い換えろ”と言う。そういえば2013年には”windowsXPはwindows7より10倍危険なので買い換えろ”と言っていたのを思い出した。

windowsXPが危険とされる理由は次のようなものらしく、覚えとして書いておきたい

1)パスワードなしの管理者アカウントが作成できる

これは欠陥というよりはMSの老婆心のせいだ。ただwin9Xでは何らかのネット接続を有効にした段階でパスワードを要求していた。これはアカウント追加してすぐパスワードを設定すれば済むことだ。

windows7以降のHome版ではアカウント一つが原則らしく、ユーザープロファイルが壊れると他の管理者アクアントから修理できない。safeモードでログインできればコマンドラインからnetコマンドで管理者アカウントを追加できるがデフォートはパスワード無しである。結局何も変わっていないのだ。

windows7ではセキュリティーの甘いsafeモードが隠されているがF6,F8と連打すれば入ることができる。

2)ネットワークで匿名接続がデフォートで許可されている

これもMSの老婆心のせいだが、windows7,8と差別化するために故意に残したのだろう。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa以下の[RestrictAnonymous](DWORD)を0から1に変更すれば良い。

3)アカウントのログイン試行数カウンタが無効

セキュリティーポリシーでアカウントロックアウトのしきい値を5程度にすれば良いが、XPHomeにはセキュリティーポリシーが無い。これはXPProからいくつかのファイルをコピーしsecpol.mscを実行すれば使えるようになる。詳しくは”windowsXPをprofessional化”で検索してほしい。これは簡単だが、レジストリー操作よりは面倒だ。

これもwindows updateで直せばいいことで、XPを故意に陳腐化させるために残したのだろう。

なおセキュリティーポリシーが使えるようになれば、実行ファイルの拡張子をUnicodeで偽装しターゲットで実行させるウイルスがあるが、情報処理推進機構の方法で対処できる。これは新しいソフトウェアの制限のポリシー(S)に制限を仕込むのである。

4)windows defenderの強化

windows8がXPの21倍安全とする最大の要因は、過去XPに無料配布されてきたMS製のワクチンソフトMicrosoft Security Essentials がwindows defenderと一体で組み込まれていることであろう。

現在XP用のMicrosoft Security Essentialsの配布は終了になっているが、ワクチンソフトとしての性能が劣悪でインストする必然性が無い。

Dennis Technology Labs(DTL)が実施したセキュリティーソフトウェア9製品のテストでは無料製品を含め9製品中8製品が87種類以上のマルウェアを検出したのに対し、Microsoft Security Essentialsが検出できたのは61種類でこのうち実行前にブロックできたのは46種類にとどまった。ちなみに無料のAVASTは2位の成績と優秀だった。

個人的にもインストしてみたが、無料版のAVASTやAVGに比べメモリーやファイルスペースを無駄に消耗するために非力なパソコンでは憤死するなど、とても使い物いならなかった。

というわけで、Microsoft Security Essentialsを標準装備したwindows8.1はウイルス攻撃に対する耐久力としては無料版AVASTをインストしたXPより格段に劣るということである。

5)トラブルの親玉のIE

IEの歴史はセキュリティーホールとバグの歴史だ。商売に役に立つ穴をバージョンが上がる度に満載してきたのでウイルスのターゲットになっている。有力サイトで互換性トラブルを起こすのも常にIEである。しかもシステムファイルと深く関係していて被害gdが大きい。

最近もIE11が多くの金融機関や公的サイトでは使用禁止になっている。IEはMSのサイトアクセス以外は使用しべきでない。

6)winodows updateは供給されない(microsoft updateは供給される)

windowsの脆弱性を突く攻撃の多くがIEがターゲットだが、MSのドル箱であるOfficeもまた重要なターゲットだ。これらのコンポーネントはwindowsのシステムに深く関係している。XPのサポートが終了してもこれらに対するmicrosoft updateは供給されるので、これを定期的にかけることも対策になる。

手元にあるoffice2000は古いアプリだが、DOCXやPPTXなどの新しいフォーマットに対応するモジュールが提供されており、これをインストするとMSからはoffice2007と認識され、とうの昔にサポートは終了されているにもかかわらず未だupdateが供給される。

ただOfficeは今後も攻撃の対象となり続けるので、互換性が問題になる場合以外はOpen office(無料)を使うのがいいだろう。最近のOpen officeの互換性は高く、過去のファイルに対してはルックアンドフィールや操作性を含め最新のOfficeよりむしろ問題は少ない。

  7)まとめ

XPが危険という主張の多くはMSのステマ、老婆心、不注意、故意によるサボタージュである。管理者アカウントにパスワードを設定する、一流のワクチンソフトの定義を最新にしフルスキャンする、ネット接続にはルーターを介するなど注意すれば、Microsoft Security Essentialsに頼るwindows8.1より遥かに安全だと考えている。

基本セキュリティーホールやバグはシステムが巨大になるほど増える。XPは2000から14年間対策が施されてきてターゲットも弱点も明確なので、現時点ではもっとも安全なOSと言うこともできる。

一方新しい機能を満載した新たなOSはこれからウイルス作者の攻撃を浴びることになる。ウイルスの作者は基本アンチMSであり、XPユーザーを8.1に更新させるステマには激しくアンチであろう。ということは攻撃のターゲットがXPから8.1で追加された新機能に向かう可能性がある。

個人的にはwebmasterは職場や友人のVISTA、7、8の怨嗟の声を多く聞いている。また手元にきたこれらを使えるように設定し直すことに疲れたのである。

今日もプロファイルが壊れ起動しない7Homeが持ち込まれたが、SAFEモードのコマンドラインで作成した管理者アカウントには初期パスワード設定がなかった。要するに不注意なアプリは2000以来そのまま放置されていて入り口が見えなくされているだけなのだ。アカウントツールを起動する攻撃があればやすやすとパスワードの無しの管理者アカウントが作成されてしまう

windowsはこれまでも、今後も到底安全ではないOSなのだ。一見安全に見えてもそこいら中にXPと同様の穴を内包しているのである。windowsが肥大すれば肥大するほど、その穴は拡大しより脆弱になっていくのである。

重要な追加

IEの重大な脆弱性が報告されている(MS)。対策はEnhanced Mitigation Experience Toolkit 5.0 をインストするか、XP32ならコマンドで、

"%SystemRoot%\System32\regsvr32.exe" -u "%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\VGX\vgx.dll"

でvgx.dllを無効化できる。(xmlの描画機能がなくなるが)

今回のトラブルでわかったことは、IEのバグ一つとっても8はXPと同様に無力ということだ。IEを使わず適切に管理されたXPよりwindows8でIEを使い続けることが非常に危険であることがよく分かる。

重要な追加II

私が長年私淑するサイト黒翼猫2014年04月28日日piyolog 2014-04-27によると、VGX.DLLはIEの脆弱性をトリガーするものの一つに過ぎないこと、本当のIEの脆弱性はFlash Player などでもトリガーされる可能性があるそうだ。さらに驚くべきことに

脆弱性はあるもののゼロディが発生してるのはXPには存在しない新しいセキュリティ技術のバグを欠陥を用いた個所で、IE9以降が攻撃対象になっている。脆弱なバージョンと呼ばれているIEは今回IE9以降のものを指している

との記載である。ようするにwindows7や8がターゲットだということだ。偶然かどうか解らないが、何度も述べているように個人的にはハッカーの興味はXP強制更新を煽って儲けているMSのwindows7か8に向かうと予想している。

w2kやwXPはおそらく長年のハッカーとの攻防の記念碑というか、MSの予想を越えて長いサポートをするハメになったOSとして敵意+一種の功績を認める対象となったように思う。

個人的な解釈によれば、MSのビジネスモデルはソフトの購入や更新、その多くはハードウェア更新と共犯関係にあるが、そのワンタイムの利益に依存しており、ユーザーがソフト/ハードを更新しなければ儲からない仕組みである。これがGoogleなどの日々のネット情報を広告クライアントに売って日銭を稼ぐ商売などと違うところだ。

過去WindowsLiveなど日銭を稼ぐ努力はあったが、ハード更新に儲けるという楽な商売からなかなか脱出できなかったのだ。そしてMS商売し高利を上げるソフト業界の姿もあった。そこにAndroidのような基本Linux+JAVAのOpenに近いライバルが現れると、一瞬にしてエントリー層を奪われたのである。

個人的にはGoogleはUbuntuをベースにofficeを標準搭載したパソコンOSを開発し、Windows業界に大打撃を与える商売は明日にでも可能だと思う。ただ現在は大多数を占めるwindowsユーザーも依然としてメシの種なのでMSの弱りぐらいで時期と様子を見ているだけなのであろう。

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底辺のスマホ運用を探る=SereversmanSIM-LTEのナゾ

クリミア紛争もプーチンの勝ち、オバマの負けで終わりそうである。ロシアはEUやウクライナ向けのガス栓を握っているので、オバマが代わりのガスを直ちに供給できない以上見えていた結論である。

さて1月からFreebit mobileのPandAを試している。最大200kbpsと遅いながら圧縮機能を持つOperaとは相性が良く、なにより5インチの画面は老眼にやさしい。050電話の着呼はスリープ中でも確実で音質も良好だが、遅延があるので丁々発止の駆け引きには向かない。カスタマイズが効いているのか電池は4日程度持つ。

着呼と電池寿命を両立するシカケは解明できていない。Android標準SIPスタックも種々のSIPクライアントも電力を消費するので何らかの細工があるはずだ。フリービットがIPビジネスホンで実績があり独自のSIPサーバーやゲートウェイを有していることから、これらを流用していることは確実だ。

ただ商用電源を貰えるビジネスホンと携帯では事情が違いOSのSIPスタックのポーリングは電力を喰う。何かがSIPスタックをキックする必要があるが個人的にはSMSが怪しいと思う。SMSは位置登録されていれば有効で、子供用GPSや遠隔ロックなどは基本SMSで動いている。SMSはタダでは無いが通話料からすれば安価である。

PandaでもServersManでも050電話は自社SIM前提なので電番とは紐付け可能である。端末も自社ワンオフなのでSIPクライアントもOSの程良い位置で動かすことが可能であろう。音声の遅延はIP電話では不可避だが、端末がワンオフなのでゲインやエコーキャンセルのキャリブレートしやすい。そういう成り立ちだとwebmasterは想像している。

通話品質はVPNとして切り分けて帯域を安定化するシカケのようだ。ただパケットは網を束で流れるのでトラフィックジャムの影響を受けるがノードやルーターでの優先度を確保することは可能だ。

さてWebmasterのメインは相変わらずIS04で仕事用だ。シンプルSS¥980+ISダブル定額¥1000ながら会話もパケットも余っている。root化しアプリを最小限としているのでレスポンスは良好だ。4インチ、ワンセグ、フェリカ、1200万画素カメラと最低限の性能はあり電池は数日保つ。Snapdragonは待ちの電力が低く抑えられているからだ。

サブはウィルコムPORTUSで会話メール用だがルーターにもなる。実測20Mbpsと驚異的な速度だが酷使すると発熱でシャットダウンしやすい。据え置きではφ50mmのファンで冷却している。冷却さえすれば自宅のCATV経由より遙かに高速で安定している。

さてIS04の問題はezwebメールがwifi経由で読めない(共通メールアプリ未移植)ことだが、全てgmailに転送するの問題は無い。AUとgmailのスパムフィルターが二重にかかるので迷惑メールは皆無だ。

さらにgmailからフィルターで急用でないメールをはじいてwillcomに転送している。三重にスパムが除かれるが1MB以上のメールはエラーとなり丁度良い(双方にエラーメッセージが残る)。

ezwebメールへの返事はPORTUSから送る。これは多くのezwebユーザーがgmailを受け付けないからだ。電池が1700mAhで待ち受けは最長50日と長く電池切れはまず無い(ルーターは若干の電池を残して自動でシャットダウンする)。エリアは狭いがPCMの音質は別格だ。

2台合計の月額は3Gスマホのパケット定額より¥1500ー¥2500安いので、PandAの月¥2000は業界研究費として許されると自分に言い聞かせている。もちろん経費は投資の果実として戻って来ている。

LTE契約は3G契約より高い。Webmasterも家庭内平和のため耐えているが理性的には受け入れ難い。会話もパケットも3大キャリア同額だがカルテルでは無いか?公正取引委員会は何をしているのか?(公取委に申告すみ)

多くのユーザーのパケットは月1GB以下だという。パケットを食うのはyoutubeなどの動画だが、電池寿命や発熱が制約するので恒常的に使うユーザーは数%もいない。多くの国民はLTEの出費に納得しているのか興味の沸くところだ。

Webmasterは古くからPHSデータカードを使ってきた。技術革新と物価水準から見てパケット定額は2GBまで\3000以下が適当だと思う。これを越えるユーザーは1GBあたり\1000を従量課金し最大月\8kとすれば良いのでは無いか?3大キャリアの横並びLTE料金には納得できない。

実際にはウィルコムやE-mobileのスマホなら月3000円+αで通話もネットも済ますことはできる。あるいはガラ携もしくはwillcomの通話契約+MVNOの二台持ちも考えられる。会話が少ないユーザーならMVNOの050電話だけで済ますことも可能だ。

先進的な若いユーザーはMVNOを活用してしている。MVNOを使わない団塊世代の高額な支払いが頻繁に端末を変えてインセも貰う若者に流れているとすれば一種の所得再配分であるとも言えるが。

さてPandAでSIMフリーの味を知ってしまうと同系統のServersManLTEが気になる。以前からWebmasterは車にwillcom03を一台割り振りブラウザにwifi経由で渋滞状況を表示していた。旧式ながらBluetoothハンドセットが使えたりフルキーボードがあるなど捨てがたいのだ。

最近のGoogleナビと既存ナビと比べると能力には格段の差がある。スマホなら最近できた施設でも音声で目的地を入力し衛星3D画像による案内で目的地に着くとストリートビューが表示される。メーカー純正の高額なナビも安物スマホ一台に比べればおもちゃ程度なのだ。

もうひとつはAndroidアプリsafe sightだ。これは状況が良ければ車間距離表示、追突や信号停止後の発進の警告、事故時の動画記録が可能である。それなら月\500でネット接続可能ならスマホを車に一台割り当てても良いのではないか?

手元にはIS04のスペアがあるがAU網では安いMVNOがない。

AUも愚かな会社で商売を放棄している。さらに韓国製スマホが大量に売れ残り格安処分を強いられるなど、ドコモの失敗をすべてトレースしている。AUはドコモ商売病ウイルスに汚染されているのだ。

PandAを車載専用とするには盗難リスクがあるので、IS04と同系統のドコモ向けT-01Cのジャンクを仕入れた。基本は同じだが当時のチップセットの制約でモデムと高周波部分が異なる設計だ。

T-01Cもムダなプレインストが満載ながらIS04よりに最適化されているのかRAMの空きが300MB近くあり、必ずしもroot化は必要無い。削除できない悪質なプレインストもデータを消去するだけで負荷が減るし、それらの更新も削除できるので負荷を減らすことができる。

ジャンクはmicroUSB端子が破損していたがスタンドに充電用接点があるのでUSBの電線を直接接点にハンダつけしヒモ付きとしている。この機種は新品同様ながらUSB端子が破損した個体が非常に多いのだ。

なおsafe sightは、カメラ、GPS、CPUを酷使するのでかなり発熱しシャットダウンすることがあった。これは裏蓋をはずしジャケットのみを着けることで通気ができて落ちなくなった。裏蓋が無くヒモ付きということでさらに盗難防止効果もありそうだ。

これにServersMan-LTEのSIM(467円+TAX)を入れてみて気になるのはServersmanLTEとPandA専用回線の違いだ。テザリングして長時間平均するとPandAの平均200kbps弱に対し150kbps強に抑えられていた。Operaの圧縮機能を使ってもPandAより微妙に遅い

Youtubeに置いている音楽を再生すると沈黙のあとに始まった再生も数十回頓挫するので短時間のニュース動画が限界だ。同じソースをPandAで再生すると数回の頓挫で済むのでServersManの方が微妙に遅い。ただしナビの背景の3D画像は間に合う速度だ。(4月から増速されている)

今回SMS契約(\143+tax)を追加したのでバックグラウンドデータがOFFなら殆ど電池は喰わないしショートメールは問題なく使える。

ServersManでは050電話βが無料で使えるが、これはPandAの050電話アプリと酷似していてvpnで負荷を切り分けて安定化させる設計のようだ。

さらにFusion IP-Phone SMARTも試した。これは基本料金が無料のかわり通話料金は050Plusより高く、非常用に向いている。

これにはまずサイトからクレジットカードで契約し、確認メールに返事するとSIPのアカウント(050電番の一部)とパスワードが供給される。あとはGoogle PlayからSmartakをダウンロードしSIPアカウントとパスワードをセットする。

ただしFusionのサイトはトップからユーザーアカウントに直接入るリンクが見えない。”メニュー”をクリックするとリンクが出てくるシカケだ。サイトデザインの担当者はどうかしている。

この手のサイトは初心者向きに作られるべきだ。担当者は初心者がどうして解らないのか?が解らないのである。なおアプリは40MBとAndroidとしては最大級でSIPを使っている。

SIPは移動機の変化するIPを050電番と紐付けするサーバーで、これに対応した汎用のVoIPアプリもある。当初はFusionも汎用SIPアプリを使っていたが、最近専用アプリSmartalkが供給されるようになった。

この手のアプリでは電池寿命と着呼の確実性が問題になる。そもそもSIPによるPushは擬似Pushでありポーリングをしているだけで本当の深いスリープには入らないので電池がもたないのである。

SIPにはポーリングで探ったIP値の寿命(ポーリング間隔)であるRegister値があり、最小がMinExpiresが60秒、DefaultExpiresが60分、MaxExpiresが100分になっている。IPに変化がなければポーリングは伸びるシカケだが、MinExpiresの60秒間でもセル境界をまたぎ続ければ着呼しない。高速移動ではSIPでは原理的に着呼は不確実だ。

Smartlkには着呼に3種類のモードがある。1)スリープせずバックグラウンドにアプリがあるときに着呼する、2)バックグラウンドで動いて無くてもPushで着呼する、3)アプリが表で表示中のみ着呼、である。

着呼が確実なのはスリープ無しだが電池がすぐに無くなる。Pushによる着呼はSIPを使っている。Androidv2.3から純正SIPスタックが実装されたが、実装が下手で電池を消耗する。今回は純正スタックがないAndroidのver2.2だが、アプリがダウンロードやインストでver2.2を蹴っておらず、アプリ自体にSIPアカウントを設定できるところを見ると、独自のSIPスタックを使っているようである。

一方回線交換の音声やSMSは信号チャンネルを使って着呼するが、その仕組みは低電力のハードウェアで組み込まれおり、着呼したら深くスリープしているOSを割り込みで起こすのである。Androidの標準SIPでは残念ながらポーリングの度にOSが起こされるので電気を食うのだ。

SIPがandroidに実装された時はユーザーはそれで低電力で実現されると期待したが裏切られた。実質的にはLinuxベースのAndroidではクロックを落とせるARMでもやはり電力を消費するのである。しかしSMSでスリープから起こし、VoIPクライアントを起こしてIPをサーバーに送れば確実な着呼と長い電池寿命を実現できるはずである。

T-01CでのSmartalkは、Push設定がバックグラウンド(通知欄にアイコンが見えている)で着呼したがスリープに入ると着呼しなかった。なおマニュアルにはアプリを起動しなくてもPushで着呼すると書いてあるのは完全な間違いで、バックグラウンドで動いている(通知ランに受話器マークが見える状態)でないと着呼しない。

そこでSIMをPandAに入れSmartalkをインストしてみた。画面を表示したままでは着信するもののPushではバックグラウンドでも着信は不安定で、一度でも着呼を失敗すると相手側がその後の発呼を拒否した。会話後どちらかが切ってもしばらく音声が続くなど動作は不安定だった。現状のSmartalkのPushは機種依存が大きく不安定である。

次にServersMan-LTEのSIMをPandAに入れてServersMan050をインストしてみた。このアプリではSIPアカウントではなく、Dtiの登録メアドとパスワードを入力するとサーバーに接続され使用可能となった。アプリを終了すると電力消費ゼロモードと表示され、スリープさせても呼に対して直ちにスリープから復帰し着呼した。これも機種によるのかも知れないがServersMan050の着呼はPandAの050電話と同様であると考えられる。やはりPandAの確実な着呼はSMSと関係しているように思う。

次にServersMan-LTEを入れたT-01cやStreak001DL(SIMフリー)にserversMan050をインストしようとしたが拒否された。ServersMan050はAndroidv2.2では動かないようだ。これが標準SIPスタックの有無に関係しているのか、単にバージョンチェックで蹴っているだけかは解らないが、バージョン偽装ではインストできなかった。

従って少なくともver2.2の端末ではSmartalkは発呼専門、着呼はアプリ稼働中のみとする設定が無難だろう。現在ver1.1なので今後改善される可能性はある。 なおSmartalkには留守番電話が無料でついている。着呼失敗すると登録したメアドに掛かってきた電番を知らせるメールが着くので、それに気付けば返事が可能だ。050電話の不確実性をカバーする設計だが何となく創世記のVoIPを思い出す。やはり携帯のツボは相手の位置とIPを追跡登録するところにある。

さてPandA端末にSmartalkをインスト後アプリを消しT-01Cに新たにSmartalkをインストしSIPを設定したが、SIPサーバー登録が失敗しエラーとなった。これはPandAの080電番とSIPの050電番が紐付けされるかららしい。それがSMSと関係あるのか、あるいは当局から050電番を080電番とヒモ付けして発信元がわかる仕様とすることを要求されているからか、のどちらかだろう。 このあたりは作りがルーズなLINE電話とは異なる。機種を変えるときはFusionのユーザー登録サイトでSIPのパスワードを変更し新たな端末に入力したところ登録が可能となった。再度PandAにSIMを戻す時も再度パスワード変更を要した。

というわけで、結論といえばやはりスリープでも確実に着呼し電池が減らないPandAの050とServersMan050には一定の価値がある。FreebitのCEOは過去Fusionに関係しておりそれなりのインプットを得た可能性がある。またネット速度も若干速い。このあたりがPandA=ServersManLTEでないところだ。

ちなみに050電話の料金はPandAの方がServersMAnの050電話料金より僅かに高い。そのあたりが若干ネットが速い事に対するプレミアム分なのだろうか。ちなみにSmartalkの料金はかなり着呼、発呼、SMSで遊んでも\56にすぎなかった。

いずれにせよ、このように安いSIMで遊べよい時代になったのだ。ということは三大キャリアが儲かった最盛期は過ぎつつある、ということでもある。孫さんが米国での携帯ビジネスに転向したのは、iphone狂騒による旨みのある商売が一段落したとして国内での商売を見限ったのかも知れない

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OBDで見るプリウス水温制御のナゾ

以前からナゾの多かったプリウスの水温制御と暖房ヒーターの関係だがOBDIIスキャナーが入手できたので調べてみた。今回の物はEM327のミニタイプのものでbluetooth接続である。

一見記載は本家物に見えるがコピー品かもしれない。EM327については本家の大中小+スイッチ付きの4サイズの複数のバージョンにコピー品、OEM品などが市場に混在していてどれが本物かはわからないが、一応動作している。

購入したアプリは内外いろいろ試した中で、配布元が明確でサンプルの動作が良好だったOBD info-sanである。使用法はBluetoothでペアリング後に、アプリからOBDIIを指定しコネクトで動作する。

通常のインストパネル表示で必要なものが揃っている。GPSとネット接続があれば住所を表示する機能もある。ただWebmasterのプリウスにはタコメーターが付いているので興味の中心は水温表示だ。

いろいろな温度、気温で動作を探った所だいたい次のような法則で水温が制御されているようだ。

1)ヒーターがオフの場合は暖機は40度までで一度止まる
2)ヒーターをオンにすると、外気温と設定温度のマップで設定された温度まで暖機する。
たとえば外気温が10度以下では、水温が設定温度+30度程度まで暖機する。
外気温が20度以上あれば45度程度まで暖機する。
3)エコモードでは暖機の設定温度が数度さがる。
次に基本料無料で維持している古参のwillcom03でも試してみた。まずBluetoothペアリングではパスワード1234を入力し、バーチャルポートをcom:6に指定したが最近のバージョンでは不要かも知れない。

アプリは配布元のOBD Gauge for Pocket PCを使用した。リンクのあるOBDGaugeAll.zipを解凍しOBDGauge_PPC.ARMV4.CABをインストする。インスト後.NET Compact Frameworkのver3以上が必要と警告が出るが、webmasterの個体ではver3.5がインストされていたので追加無しで動作した。なおインタフェースは直接ELMが選択できたのでcom:ポート指定は不要だった。

表示はそっけないが、プリウスにないタコメーターと水温表示だけならこれで十分かもしれない。なぜか二度ほど03がフリーズしたがその後は順調に動いている。実はWebmasterはELM327を2台持っており(ミニと標準サイズ)、同じ名称でアドレスが異なるこれらを切り替えると不安定になった。一旦ペアリングを消去し再起動後再度ペアリング、念のため一度再起動で安定するようである。

OBDIIの規約を調べると非常に単純なキャラクター通信をしているだけである。しかし車種によってサポートされている項目に違いがあり、エラー処理が甘いECUが困惑するようなコマンドを発行すると走行中にエンジンなどの重要な機器が停止する可能性があるので用心に越したことはない

いろいろな項目を覗いていると興味深いのはOBDの速度である。写真ではGPSオフなのでミッションからのパルスで速度を計算しているようだが、速度計の表示より常に4-5%ほど低い。どうやらOBD速度は速度計よりは距離計と関係しているようだ。

以前からプリウスの速度計と瞬時燃費と累積燃費や距離表示の間に乖離があり、距離計や累積燃費の方が誤差が小さいことに気付いていた。Wemasterの個体では185/65R15でGPS速度より10%過大、215/45R17で6%過大かつOBD速度は1-2%過大なので、距離計も1-2%過大と思われる。

プリウス30には185/65R15、195/65R15、215/45R17の純正指定があるが、外径は195/65R15が一番大きい。距離計は業務記録や整備情報として重要で過小は望ましくないので、もっとも外径の大きい195/65R15で正確になるとすればすべてが説明できる。

なお、現在新車から30670km走行のトータル燃費は22.2km/Lと表示されている。185/65R15タイヤでは23km/L前後だったので4.5%の低下となるが、例年冬季は20km/Lを割るのが普通なのでそれからすれば良好である。

やはり究極と言われる省エネタイヤGT-3と空気圧を最適化した並の215/45R17は殆ど燃費は変わらないし乗り心地も許容範囲に収まるのである。

今年の冬の燃費低下が小さい原因は1月から導入した市価2000円の電気シートヒーターだと思う。窓が氷結したり曇っていない限りヒーターはOFFのままで十分暖かいからだ。寒冷地では必須の品だと思うが、冬支度が甘い温暖地でも十分にメリットがある。

プリウスではPHVのみにシートヒーターが標準だが、個人的には寒冷地仕様では必須、標準仕様でもMOPに指定すべきだと思う。消費電力も強で30W、弱で15Wと大したことはなく、プリウスではAUXは自動にオフになるので弱でONのまま放置しても問題は無いと思う。 ただし、シートヒーターのシートバックの上のヒモを後ろに回すのはシートの肩部のエアバッグに干渉するので、ピローのステーからエプロン式にぶら下げるのが無難だと思う。

いずれにせよ、プリウスの苦情ではヒーターの効きが悪い、冬は燃費が悪いというのは常に上位にある。水温計をつけること、シートヒーターのオプションを設定すれば解決するのだが、なぜかトヨタの反応は鈍いのが理解できない。

トヨタはプリクラッシュセーフティシステムの設定でも出遅れている。確かに現状のシステムは技術的に完全では無いし、完全停止する条件や速度がメーカーに異なる。あるメーカーは時速15キロ以上でしか停止しないが、あるメーカーは低速でないと停止しない、あるメーカーは低速では全く機能がキャンセルされる、あるメーカーはブレーキに触れると機能がキャンセルされるなど機能がまちまちである。

メーカーはインパネにコーションプレートを貼ったり周知するなどした上で設定を拡大すべきであろう。普段から事故を起こしやすいドライバーに限って、"自動的に止まると思っていた”と言うに違いないからである。

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アスリートHV試乗と山本式プリウス騒音対策のナゾ(エアクリーナーインレットASSY 編)

プリウスの4年目点検の案内があったので、整備中にFX候補のアスリートHVに試乗することができた。

多く見かけるせいかエクステリアには当初ほどのインパクトは無い。インパネはロイヤルと同じだが速度計の針が赤い。シートはロイヤルより低い設定のようだがショルダーラインが高いせいか調節してもしっくり来ない

走らせるとロイヤルの個体よりも作りこみが進んでいるせいか遮音も良く、加速しても4気筒らしい振動は感じない。乗り心地はタイヤが扁平のため堅いが段差でも安っぽいNHVは無い。

ただし細かい揺れでダンパーでチェックされていない浮いた動きがある。トヨタ車の通弊としてスポーティー仕様車なのにブッシュやダンパーが並車よりむしろ緩い設定のせいだろう。個人的には一貫して緩いロイヤルの方が揺れ方に統一感があると思った。

さてプリウスはトラブルも皆無であり、新車から28963kmまでの平均燃費も22.6km/Lからの微減にとどまる。冬は暖機で燃費が悪くなるが給油毎の燃費は20km/L以上を維持している。

以前も書いたように、燃費に定評のあるGT-3(185/60R15)から215/45R17の並品に交換して外径が大きくなり距離計誤差が+10%から+6%と低くなったにもかかわらず燃費は落ちていない。本来なら距離計誤差で1km/L落ちていいはずなのに、である。

引き続き並のタイヤでも空気圧をわずかに上げるだけで、エコタイヤに匹敵する燃費が出るという仮説は正しいようだ。

ただしアスリートHVからプリウスに乗った途端にエンジンのブォーンという音が気になった。これは吸気パイプ(エアクリーナーインレットASSY )の共鳴音だと見当はついていた。パイプに細工も考えていたが、吸気共鳴によるトルク特性がチューンされてあると思って手をつけなかったのだ。実際には吸気パイプ開口部のラッパに花びら型の切れ込みを入れて若干の改善をみていた。これは周波数分散とボルテックスジェネレーターの意味での対策である。

ところがプリウスのマイナーチェンジで吸気パイプの中間に穴が開けられた(ただしフェルトで孔はダンプされている)のを目ざとく見つけたからだ。さらに開口部にボルテックスジェネレーターと思われるフィンが3つ新設されている。

プリウスの吸気音がうるさい理由は、ポンプ負荷を減らすためにはスロットルが失火ギリギリまで大きく開いているからだ。吸気パイプにはバルブ開閉音を音源とする気柱共鳴が発生するが、スロットルが開いているとスロットル上下の気柱が長く周波数が低くなる。普通の車でも一段高いギアにしてスロットルを開くと音質がボーと冴えない音になるだろう。

これはリコーダーを想像してもらうと理解できるだろう。リコーダーの笛がバルブに当たる。孔を塞いで気柱の長さを長くすると音が低くなる。孔の塞ぎ具合で半音も出せるのだ。共鳴には過給効果があり、かつてのマツダ787は吸気ファンネルが回転数に応じてトロンボーンのように伸び縮みするようになっていた。

もちろん初期型プリウスでも吸気管の途中に瘤(共鳴室)を設けて気柱共鳴を分散していたが十分でなかった。すでに開口部には花びら細工を加えているのでマイナーの開口位置を参考に蛇腹にダンプの細工を入れてもよいのでは無いか?名付けて山本式吸気管共鳴ダンプ法である。

吸気パイプの蛇腹の下面に一つおきにΦ=5mm程の穴をニッパーで6個開けた。サイズや位置は写真を参考にして欲しい。これで気柱共鳴の周波数をわずかに分散する(Qを下げる=スタガリング)が目的なので大きい孔を開ける必要は無く、これより大きくても小さくても効果は無い。マイナーで新設された孔がスポンジでダンピングされているのも全く同じ理由である。

山本式吸気管共鳴ダンプ法の効果は驚くべきもので、殆ど吸気音が消えた!! しかもトルク特性に殆ど変化ない。 効果的にはマイナーチェンジの細工を超えていると思う。メーカーもこの方法を知れば悔しがるかも知れない。だいたいこういう細工は最初から楽器職人でもあるヤマハに相談しておけばよかったのでは無いか?

さて吸気音が消えると、エンジンのメカ音や路面の透過音、そして室内のギシギシ音が目立ってきた。もともと遮音がプアな(重い拘束材を使っていない)プリウスでメカ音や路面透過音を消すことは至難のわざだが、室内のギシギシ音は消すことができる。

雑音はインパネ両端のドアに面した蓋から発生していたのでスポンジゴムをドアに当たるように張った。またドアミラー取り付け部内側の樹脂製の小さな蓋も音を立てていたので両面テープで補強した。

さらにインパネ右前の内部共鳴音はパワステECUなどのハーネスが樹脂や金属の間で発生していたのでミリ単位で取り回しを変えてスポンジを挟んだ。同じ時期の個体でも樹脂の成形やハーネスの取り回しにミリ単位のバラツキが出るのがギシギシ音に個体差が大きい理由だろう。

これで車室前の雑音が消えてくると、今度は荷室からのギシギシ音が気になるようになってきた。騒音対策は果てしないのである。これは両側のトノカバーの受け付近の内装から発生していた。

写真ははトノーカバーの高さにある嵌合をはずして覗いたところで、太い配線の束が折れ曲がるときに配線同志が擦れて音がでていた。そこでビニールテープを巻いて補極するとともに板金との間にスポンジを挟むことで解決した。写真はリアシートバックの固定部分付近である。キシミ音は樹脂からだけでなくワイヤーハーネスからも出るのだ。

これで車室がかなり静かになったのだが、そうするとリアゲートからのカタカタという音が気になった。これはリアゲートスポイラー取り付けのガタなので近い内に対策してみようと思う。車は対策すればするほど次の異音が浮かび上がり、それを対策するとまた次の異音が聞こえて来るのである。

もともと軽量化のために内装が薄く安っぽいので内装の音は諦めていたのだが、ちょっとした対策でもものすごく静かになり、再度愛着が湧いてきたのである。実はWebmasterにして遮音の良いクラウンHVには食指が伸びかけたところだったのだ。いかに低級異音が満足感を削ぐのかが解る。

このように発売から半年たち10万台以上売れた後の個体であっても改善すべき所は山のようにあるものだ。他にもプラスティック嵌合が甘いところが散見されたが、このあたりもそのうち改良されるのだろう。樹脂成形の痩せによる1ミリ以下のガタであっても音は出るのだ。

以前とあるレクサス車の板金修理を見る機会があった。高額車であっても内装パネルは基本樹脂の嵌合なのだが、隙間に人手でスポンジの隙間テープがびっしり貼ってあった。樹脂の当たるところには小さなスポンジが多数貼られていた。基本は同じエンジンと車台でもこの手の細工で遮音と高級感が違ってくるのだろう。

発売後のクレームでどんどん瑣末ながら気になる異音が対策されていくのである。内装のキシミ音はいかな高級車であっても一瞬にして魅力が半減するものだ。キシミ音一つで我慢できずに即買い換える人もいるだろう。

とすれば、やはり新型車の購入は細かい改良が入るまで絶対に半年、出来れば一年、余裕があればマイナーまで待ちたいものである。ただしメーカーの政策的な価格や装備が提供されている場合はその限りではない。

プリウスは当初Lグレードに標準のスマートエントリーはマイナーでは単なるリモコンに格下げになった上に値上げされた。後からどうにでもなるオーディオと異なり、スマートエントリーはセキュリティーと絡んで増設が厄介である。

その点からは例えギシギシ言うプリウスもあの時点で購入した意味はあったと思うが、やはり未発売の車をミズテンで予約することは一生無かろうと思う。

長くなったが、吸入管の細工は初期型プリウス30のユーザーにはぜひ薦めたい。ネジ3個をはずせば細工は5分である。効果は驚天動地だが他の異音が浮かび上がってくる可能性はある。

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実にもったいないアップルTVのナゾ

友人からアップルTVをいただいた。なんでも用途と環境が合致しないと言うのである。この製品はiTune環境にあるメディアを家庭の大画面テレビで楽しむモノらしい。最初からニッチな用途なのだ。

装置はHDMI経由で1080pの解像度で動画を再生する能力がある。そのためにA5プロセッサ(シングル)を積んでおり、RAM512MBとかなりのサイズのSRAMを積んでいるらしい。

包装やデザインはアップル製品らしく細かいところまでデザインが効いている。満足なマニュアルがついてこないのもアップルらしい。

ただしセットアップ画面は$ONYのゲームマシン風でアップルらしい気の利いた様子が無い。ランチャー画面も工夫の無いものだ。普通のエンジニアならメニューの帯をどこかに貼るところだが、愛想が無いのは故意であるとも思える。

画面はiTune関連の他に、複数の動画サイトやyoutubeのアイコンがある。画面は何となくXHTMLを思わせる鈍い反応だが肝心のブラウザのアイコンが無い。ブラウザが無いことにはニュースも天気予報も見ることができない。

似て非なるモノといえば

旧型Androidスティックmk802は実用可能かのナゾ

だろう。これは非力ながらAndroidができることは全て可能だ。キーボードをつなげばワープロにもなる。SDカードも使えるしHTTPサーバーを持つNASがあれば用途は無限だ。

一方アップルTVは十分な動画再生能力のためにiPAD第三世代やiPhone4Sと同系統のCPUとGPUを積んでいる。SDカードスロットは無いもののマイクロUSB端子がある。

とすれば、Androidスティックのように大画面タブレットとして、またスマートテレビにできないことは無いハズである。そもそも画面の描画もブラウザベースでないかとwebmasterは疑っている。実はブラウザは載っているのでは無いか?手抜きが得意なアップルならやりかねない。

しかしappleTVは1万円以下と安価なので、これがAndroidのような汎用性があればiPADやMacOSの商売を食ってしまう。だから高いスペックのハードを持ちながら機能が制限されているのだろう。

これをiPADに近い汎用性を持たせることは可能であり、実際にappleTV第二世代までは脱獄してブラウザなどを載せることは一部で行われていた。第三世代はさらにハードが強力なので好奇心が湧くところだ。

アップルもそうされると困るので、起動時にUSB端子が無効になるよう工夫されてある。というのは第二世代までのappleTVの脱獄は、iPhoneと同じようにiTuneを用いてブート時にバイナリーを送り込むことによるからだ。それができないので機能拡大が出来ないのである。

そのため熱心なアップルハッカーからも第三世代のappleTVは見放されている。しかし内部の写真を見ると、第三世代は第二世代とハード的には非常に近く、ファームを書き込むランドもコネクターも見あたらない(正確にはiphoneタイプのドックのランドはある)

アップルという会社は見栄っ張りのくせにケチだ。デザインは練るがハードのスペックのいらない所は徹底的にコストを削り手抜きする。とすればファームウェアを焼くために毎回ケースをあけて繋ぐなんて面倒臭いことをするハズが無い

個人的には、おそらくブート時にはマイクロUSB端子の結線によってUSBが有効になるのでは無いかと疑っている。スマホには充電や入出力の切り替えためにそのように細工されているマイクルUSB端子が存在する。

ただ、残念ながら手元のコネクターでいくつか可能性のある結線を試したが、いまだ脱獄には成功していない。随分無駄な時間をかけて失敗したので見るのもイヤになったappleTVであるが、かと言って燃えないゴミとして捨てるには惜しい。

とすれば、有用に使ってくれそうなマック信者に譲るのが吉なのか?appleTVをwebmasterに譲ってくれたユーザーも役に立たないappleTVを見るのがイヤだったのかも知れない。

この製品は見ない方がいい。やはりたった数千円しかしないAndroidスティックを買うほうが吉であろう。たとえサファリが使えたところでandroidほどの汎用性は無いのだ。ある意味アップルが得意とするサンドボックス(箱庭)商売の将来?あるいは末路を暗示するような製品なのである。

ウワサによると、アップルはこの製品を拡張しホンハイがシャープから獲得した工場産の大画面テレビとセットで売って、毎月の料金を召し上げるサービスを企画し製品調達を企画した形跡がある。

ただiphoneの日銭商売のほうが遥かに儲かるので無期延期になったのではなかろうか。

いずれにせよ、アップルですら活かすことで出来ない製品で終わってしまうのは惜しい話である。

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フリービットPANDAにみる職人技のナゾ

あけましておめでとうございます。ことしもよろしくお願いします


昨年度の経済はアベノミクスでデフレを脱した記念碑的な年であり、IT関係ではスマホの普及がめざましかった。

ただしWebmasterは現在のスマホ料金は過大だと思う。特にLTEでパケット定額が500円高くなり無料通話も無くなるなどユーザーにメリットのないゴリ押しである。大多数のユーザーはものすごい帯域は必要としないので、これはセル内の収容者数を増やすというキャリアの都合なのである。

Webmasterの家族は皆パケット定額だがWebmasterは未だダブル定額である。たった一人ながらポリシーとしてパケット定額料と戦っているのだ。端末はAUのIS04(rooted)、willcomのPORTUS(モバイルルーター)、willcom03(無料)だが、無料通話分もパケットも消化しておらず料金はトータルでパケット定額料にも満たない。Webmasterにとって電話はかかってくるものでかけるものでは無いからだ。そもそも私の業界の人間は基本的に電話が嫌いなのだ。

Webmasterがこだわるのはキャリアのパケット定額の横並び価格は明らかにカルテルであることに我慢ができないからだ。特にiphoneのサービスが横並びなのはまさにカルテルである。最近公取委のサイトの実績発表を見てもの事務総局定員830人は何をしているのか解らない。証券取引委員会と同じようにまったく開店休業なのである。

そうは言っても、携帯が生活必需品であるから財布の軽い若者は低額SIMに走り、会話の多いユーザーはwillcomに走るので、支払い額でユーザー層は大きく二分される。しかし定額SIMは端末との相性があり、セルスタンバイやIP電話アプリには電力消費など問題も多く初心者にはハードルが高い。

そんな中で昨年末に発表されたのがフリービットモバイルの端末PANDAで、料金が050電話、SMS、パケット定額(最大200kbps)で月1000円、端末の割賦が月1000円の24回縛りという条件である。

ちなみにフリービットはCEO石田氏が学生時代に三菱と組んでDTIを起業した流れのもので、それに東京電力やBekkoame、IP電話のフージョン、ライブドアなどが絡みながら浮き沈みの激しい業界をサバイバルしてきた会社である。

ロジスティクス拠点が唐津にあり、店舗が福岡市にあるのも親密感を感じる。これほどの経歴の人間がわざわざ九州で始める会社の端末であれば、相当な手練手管が駆使されていると思われるのでサンプリングする価値があると思ったのだ。

WebmasterにとってIP電話の初体験は単純な音声通信ツールで、予めメールでIPを連絡し合うものだった。DHCPのIPを保つため定期的にpingを飛ばすアプリもあった。自宅はグローバルIPだったので実験はやりやすかったが、肝心な相手が少なかった。

未だにお互いのIPを追跡する方法がIP電話のキモであり、スマホでもpingを飛ばして掴んだIPを確保するアプリの手法は大手を振って生きている。問題はそうすると電気とパケットを食うことだ。

かつてNetscape3(1997)にはCooltalkなるVoIPアプリが付属しており、33kbpsモデムでも実用になっていた。これは特定のサーバーにユーザー登録してお互いのIPアドレスを自動的に通知しあうシカケで、チャットや共通白板、データシェアなどグループウェア機能も持っていた。Lineのようなものは90年台に存在していたのだ。

以来Skypeなどをいろいろなキャリアで試したが、遅いPHSで使い物になり、CDMA-ONEでも良好なのに対し、WCDMAでは帯域の割に概してプアな印象であった。WCDMAは遅延やムラが多く通話品質が不良だった。

これは過去このサイトでも指摘したようにWCDMAの基本デザインではレイテンシーや遅延が大きくなる基本的な問題があるからだ。ドカっとパケットが来て、しばらくダンマリしたあと、再度どかっとパケットが来るのだ。

現実に携帯の音声は回線交換の数kbpsでも実用になるのにVoIPがWCDMAでは100kbps以上でも不安定というのは何かがおかしいのである。一方フリービットは会話に専用の150kbps帯域を確保することで実用になると言うのだ。用途ごとに帯域を割り振る独自技術があると言うが本当だろうか?

もう一つの問題がIP電話の電力消費だ。多くのandroidアプリはポーリングで擬似Pushを実現しているが着呼が不安定で電池の減りも早い。これを解決するにはSMSによってアプリをキックすれば良いのだ。

フリービットはIP電話待受の電力消費ゼロだと言う。とすればSMSキックを使っているはずで、それがどういう実装なのか、そのあたりを探るのも契約した理由だ。

さてこの端末の契約前に、手持ちのStreak001をSIMフリーにしてフリービット傘下のDTiのServerManのSIMを入れることを考えた。ただしStreakのバッテリーが消耗していること、専用のIP電話アプリServerMan050のバッテリー消費ゼロモードがAndroid2.2でうまく働くか確信が持てなかった。

というわけで、前置きが長くなったが、PANDAがやってきた。

箱は安物ながらアップル的にデザインされたもので、マニュアルが最小限なのも似ている。端末はiphone3GS的なバスタブに金属トリムがついたものである。クオリティーは予想より良く仕上げはHuaweiのIDEOSより良い。

情報によれば、この端末はインドのMicromax社のCanvasA110(中国製)がベースらしい。

チップセットはMediaTekのMT6577で、よりクロックが早いQ社のSnapdragon MSM8225に匹敵するという。システムプロセスにもMTKの名前が見られる。ちなみにBogoMIPSは約2000でスペックに一致する。

オマケに4GBのSDカードはうれしいが、RAMが512kBと少ないのが気になるところだ。センサー類はGPSやコンパス、加速度計などがあるものの光センサーが無く明るさは手動。

端末は内部の銘板、電池、裏ケースからACアダプタやUSBケーブル、ヘッドホン、SDカードまで会社ロゴが記されているなど相当数の販売が前提のようでかなりの本気度を感じる。ヘッドホンはアルミ削り出しのコストのかかったものだが色使いのせいで安っぽく見えて損をしている。液晶は5インチと大きいが解像度はStreak001と同様に480*854だがIPSとのことで視野角は大きい。

インド市場では液晶が5インチのせいか高めの18k円前後で販売されており、それをカスタマイズしSDカードをのせ役人の収入源である技適マークをつけると20k円近いだろうか。それと24k円との差はSIMフリーのプレミアムとオプティマイズのノウハウ料ということか。

早速起動した画面はシンプルである。登録はGoogleとフリービットのクラウドストレージのみで、ブラウザーはOperaをインストールした。Operaは画像圧縮が効くので低速度回線で威力を発揮する。またflashはクリックしないとロードされないので速度が稼げる。

さて、最初の関門はIP電話がスタンバイ状態で即座に着呼するか、である。これは有線からでも携帯からで10秒前後で着呼した。多くのIP電話が着呼が不安定なのとは格段の違いである。

黒電話やPHSから3G経由での音声帯域は広いものの遅延を感じる。また会話の頭が切れ気味である。おそらくVOX的に送話受話の帯域配分を変えていることやエラーキャンセルの影響だろう。個人的には音声帯域を狭くして弱い音をカットしたほうが良いように思う。

AUと通話してみると、携帯の音質そのままである。黒電話やPHSと異なり周囲の音はカットされているが、movaハーフレートの音質+若干の遅延という感じだ。メインに使うのはどうかと思うが、サブ機用とすれば上々である。

次にwifi経由でPHSからだと着呼は確実で、音質は3G経由より安定しているがやはり遅延は残っている。

アプリをチェックするとGoogle標準のもの以外は、IP電話とクラウドアプリだけだ。天気予報などのウィジェットが登録されているが、なぜか待受画面に登録ができず純正ランチャーとの相性問題がある。汎用ランチャー(通信機能を剥いだもの)にすると多くのウィジェットが使えるようになる。

AppNetBlockerでパケットを送るアプリをスキャンしたが、Google謹製アプリとOpera以外にはそういうアプリ見当たらなかった。独自のプロセスによってクラウド・ストレージもpushされるのだろう。このあたりは希有な統一感がある。

データ使用ではブラウザ以外にcom.freebit.mobileなる独自プロセスが上位にあり、これが電力消費や良好な着呼に関係しているのだろう。

セルスタンバイはSMSが有効とのことで30-40%程度を維持している。RAM512MBは潤沢では無いものの100MB前後は空いていて反応は保たれているが、基本的に無用にリソースを喰う常駐アプリは載せない方がベターだろう。特にウィジェットはメモリーを専有し続けるので最小限とすべきである。

現時点での印象のまとめらしきことを書くと、端末はOEMながら付属品に至るまでブランドの統一感をもたせてある。クオリティは国産やアップルには及ばないが中国製としてはまずまずの水準にある。

システムはAndroid4.1.1で安定している。アプリやツール類は最小限で無駄なアプリが無くあり、これが良好な操作レスポンスにつながっている。メモリーの節約、電池の節約など細かいところのバランスが煮詰められている。スタンバイには比較的速く入り復帰もスムーズだ。。

5インチ液晶は解像度は高くないもののサイズの威力がある。ただしFacebookのようにメモリーも電気もパケットも食うようなアプリは載せない方がベターである。Facebookはブラウザーで見ればいいし、Dropboxもブラウザーから使えば専用アプリのメモリーや無駄なポーリングの負担が軽くなる。

ブラウザーはOperaの画像圧縮(Opera turbo)を3Gで有効とするのが得策である。なお最大200kBPSではYoutubeは頻繁に止まるものの、ナビゲータの3D風衛星画像は問題無く描出される。

データ速度をテザリングしたPCからいくつかのサイトで計ってみた。

帯域幅の制限は通常平均速度に見合うようにACKパケットを遅延させることで実現しているので、有る程度平均値が求まるまではMbpsの速度がでるが、定常状態になるとしっかり200kbps程度だ。PCでもデータ圧縮機能をもつOperaなら我慢できる程度である。

電池の消耗は非常に少なく、使用頻度が低ければ約0.8%/h程度、ヘビーに使っても一日、通常は3−4日は十分に持つ。常時IP電話の待ち受けの端末としては確かに電池を喰っていない。着呼が他のIP電話アプリより確実な点もメリットで、会話品質はなんとか我慢できるレベルにある。

この端末のIP電話アプリの元となったServerMan050のネットで漁った評判はいろいろだった。これは電波条件やトラフィックだけでなく、インストされた個体のリソースの状態が大きく関係すると思われる。無駄なアプリ満載でオプティマイズされていない端末だと、使いモノにならないとも評価もあるだろう。

ただし、そういうユーザーはいかな重装備な携帯でもあっても、やっぱり使えない、と言うだろう。やはり不要なアプリは断固として載せないという確固たる決意が必要である。ブラウザで代用可能なアプリは載せる必要がないし、月に数回しか使わないアプリなら、その度にインストール、アンインストールすれば良い。

速度についても同様だ。過去webmasterはPHS128kbpsのPCMCIAデータカードやwillcom03を使っていたので、Operaが使えればあまり困らない。Opera-miniならさらに低速度でも快適に使えるが、サイトによっては表示や機能に制限が出る。

上記の写真のStreakは、WebmasterのいろいろなAndroidでのリソースを食わない標準的なセットアップで壁紙も独自に作って統一してある。この端末も最初はもっさりしていたが、rootをとり不要なアプリやプロセスを整理すると驚くほどサクサク動作するようになったが、充電に特殊なドックアダプターを要する点が最大の難点である。 なおロケフリのSling Mediaはこの回線でも低画質ながら途切れずに見えた。フリービットの上流は絶対速度よりも安定したレイテンシーを重視しているようだ。

この契約と端末は明らかに要求の厳しいユーザーには向かない。自分でSIMの設定ができて満載のゴミアプリを掃除できるユーザーなら5インチクラスのドコモ白ROMを購入しDTIのSerevermanSIM+SMSを挿す方がいいだろう。

一方、ハード、ソフトのオプティマイズには相当の気合が入っているので、ワンストップで安価なサービスと着呼が確実なIP電話と簡単な操作に価値を感じるユーザーには良いチョイスのように思う。ただし音声会話を重視するユーザーなら音声オプション(090電番)をつけるか、あるいは「だれとでも定額」をつけたwillcom端末との二台持ちがいいだろう。

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