調律関連の日記 / (2)
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6.【 本田竹広さんのこと '06/01/20 】
本田竹広
本田さんには 高円寺のジロキチというライブハウスで 10年近く私の調律したピアノを弾いていただきました
初めてお会いしたときの ピアノの前で厳しい目つきで 指に絆創膏を巻いている姿を今でも思い出します
本田さんのお友達の席に混ざったり おしゃべりしたことはほとんどありませんでした
突然頂いたお電話で 「全国のライブハウスを回ってライブ録音をしたいので いっしょに来ないか」 とお誘いを受けましたが お受けすることができませんでした
そのときのことは本当に申し訳ありませんでした
本田さんの調律を始めてから 「飲みたくても飲めない人の調律するのに 私が飲むわけにはいかないんじゃなんか」 と思ったのが 自分が酒をやめた一番大きな理由でした
本田さんは禁酒するタイプの人ではありませんでしたが 尊敬があって飲めませんでした
ジロキチで調律させていただいたCDの ごきげんな本田さん ここに載せておきます
― コメント ―
とても、ピアノを愛してらっしゃるんですね。。。切なくなりました。なんで切ないんでしょう。。。こんなに。。。
私はクラッシックは弾けないので、クラッシックの方の音に対する厳しいまでの追求がどんなにスゴいか、何となくしか分かりませんが、それをキチンと受けとめて、ピアノ自体を調律していく康之助さんは、もっともっと厳しく自分を律してられるんでしょうね。2006/01/20(金) 20:56:47 カラス
ん〜良い話ですね・・音楽家は音楽で言葉を語ると思いますが、康之助さんにそこまで思わせた音楽家の響きを聴いてみたいです。CDはホームページ等で注文できるのでしょうか? 2006/01/21(土) 14:20:25 M.K.
カラスさん、どうもです。今朝の東京は今年初めての雪です。どうも言葉が出てきません。でも本田さんからおしえていただいものを大切にして後輩に伝えたいと思っています。2006/01/21(土) 15:50:06 康之助
M.K.さんどうもです。写真に載せたCDは98年のジロキチの企画のもので、入手はむずかしいと思います。「本田竹広」のお名前で検索すると何人もの方がホームページでCDを紹介しています。ご参考になさってショップで注文されたらいかがでしょうか。2006/01/21(土) 16:15:31 康之助
7.【 なつかしい調律科 '06/03/21 】
ここのところ部屋の片づけをしています。昔、畳替えをしながら、めくった畳の下の新聞を読み出してしまって仕事が進まないという漫画ネタがありました。最近では引越しの片づけをしながら出てきた雑誌・漫画本にネタが変わったようですが、私の場合は出てきたVHSビデオがネタになりました。
昨日のこと、見つけたのをよい機会にHDDにコピーしてDVDに焼いてしまおうと、コピー中に音声を出さずモニターに流していました。最初のビデオは 「ゴキブリたちの黄昏」 という映画(なんでこの映画が私にとって大事なのかはそのうちピアノ箱蔵書の方で紹介します)、これは全然片付けの邪魔になりません。
次はドイツのピアノメーカー 「ザイラー」 の、自社のピアノ製作の模様を紹介したビデオ、これは時々画面を見入っては 「なるほどなるほど、・・・」 と、あらためて作業の内容を確認したり、思い出したりしていました。このビデオでちょっと手が止まってしまったので、 「ま、どうでもいいようなのを・・・」 と選んで次をかけたのですが、これが予想外なことになりました。
それは 「国立音大調律科40周年記念パーティー」 のビデオで、2時間、ただダラダラと、ほとんどカメラも固定しっぱなしで、食べて飲んでいる連中を写しているというもの。初めにアナウンスと来賓の祝辞が入るのですが、その時点でもう 「誰も相手にしていないよ〜」 という感じすらあります(笑)。・・・で、その来賓の祝辞が終わるとみんなで寄ってきて、さっさとグランドピアノをステージに上げちゃう(流石に調律師のパーティー!)。
そのピアノがベーゼンドルファーのブリュッセル・モデル(前足が一本でそこにペダルが付いていて、後足が2本の珍しいグランドピアノ)だもんだから、グラスを片手に変わりばんこに音を出してみてピアノの周りでお勉強会みたいになってたり、終わりのころに卒業生の一人が前日書き上げた、ピアノ調律をモチーフにしたという「調律科40周年に捧げる曲」を弾きまくったりとかするのですが、わざわざアナウンスして紹介しているにもかかわらず、それもみんなが好き勝手やってる内の出来事といった雰囲気です。いかにも調律科らしいパーティーで、不覚にも部屋の片付けの手を止めて見入ってしまいました。
平成2年の5月のある日、お世話になった先生方はビデオの中でみなさんお元気で本当に楽しそうにしていらっしゃいます。このとき私は出席していないのですが、みんなの中に混じっているような気分でした。おまけに録画テープは、来賓が最後の乾杯の音頭を取ろうとして、 「じゃぁ、グラスに注いで・・・」 というところで切れてしまっているんです。
まだ、どこかで楽しい時が続いているかのように・・・。
― コメント ―
なんか素敵なお話なんで、私も掃除の手を止めて康之助さんの日記、読んでます(笑)。一体、何時、掃除が終わることやら。。2006/03/21(火) 16:36:08 カラス
カラスさんもお掃除ですか〜。春休みって、年度末ですること多いかも。早く終わらせてパーティー気分、なんちゃって。2006/03/22(水) 17:22:59 康之助
8.【 「調律師」と「国家資格」 / 8ヶ月更新しない間にこんなことがあった(4) '07/03/14 】
介護福祉士の試験が終わってからしばらくは「気抜け」と「運動不足」で体がだるく、勉強中に「試験が終わったらあれもしよう、これもしよう」と思っていたことは全部吹っ飛んで忘れたかのようだったが、一つだけ思い出したことがあった。
介護という分野で試験勉強の中に「調律師はどうして国家資格じゃないんだろう」とか考えていたことである。そのことをmixiの日記に書き込んだら、ある友人から「私は何でも国家資格にしてしまうことにあまり賛成ではないの。国にいちいち認めてもらう必要はないと思うんだ。」といった意見をいただいた。友人の意見の通りだと思う。確かに甘えた発言をしてしまったなと自分でも思う。
実はそれより以前(去年の暮れだったろうか)、たまたま調律科を定年退職なさった先生と出会ったときに「なぜ国家資格の話が消えたのか」という話題を振ってみたことがあった。私が調律科の学生だった頃、先生が「調律師を国家資格にする」と意気込んでいた時期があったからである。先生からいただいた答えにはもっともな理由があった。それにもかかわらずその疑問を引きずってmixiにまで書き込んでしまった自分の気持ちを挙げてみようと思う。

1.ピアノの種類が多様化してきていること。また古いピアノも多くなってきていること。
新品のピアノが売れなくなって業界がしぼんできた一方で、古いピアノが当然多くなってきている。また、外国製のピアノも身近になってきたこと。それらの特徴や扱い方には注意すべき点があるはずだし、対応するための技術もあるはずだ。

2.製品の質が、ある部分では良くなったともいえるが、他の部分で悪くなったこともある。
新品のピアノが納入されてからそのコンディションが変化する度合いが大きいように感じる。お客様の要求に本当に応えられているのだろうか。お客様がピアノを弾くことを本当に楽しめるように働いているだろうか。少しでもピアノの普及にブレーキを掛けるようなことはしていないだろうか。

3.職場によって調律師に要求される技術レベルもその守備範囲も変っていく。
その人の就職先によって仕事の内容は大きく違うはずである。気が付いたときに自分の技術レベルの穴をうめることが簡単にできているだろうか。

4.技術は人の手を通してしか伝わらない部分が大きいと思うし、そのほうが伝えやすい部分も多い。
知識や技術力のある技術者が高齢化して去っていってしまうと、技術面だけではなく意識的にも次の世代の技術者に大きく影響するのではないだろうか。

5.各個人の経験や技術レベルの差があることがわかっていても、その上のレベルに進もうとするとき、そのよりどころとなるようなものがないのではないだろうか。

と思いつくことを書いてみるとますます「国家資格」とは別の次元の問題だと思う。でもこのように考えてみると、どこかに系統だった大きな柱みたいなものが必要なのではないかと思う。 その一方で、技術者が集まるとどうしても探りあいになってしまうという風潮があるなら改めていかなければならないとも思う。
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