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●風水別館 Annex version 2005

今頃やってきたモバイルPHS環境のナゾ
亡国の映画と救国のマッサージ椅子
スターウヲーズエピソード3の憂鬱
一体型マック伝統の過熱故障のナゾ
福岡西方沖地震と昨今の無線事情
愛地球博マンモスプロジェクトのナゾ
サイエンス番組に見る演出のナゾ
子供番組に見る世代間戦争のナゾ
お年玉スペシャル−幻の30社問題2005のナゾ


今頃やってきたモバイルPHS環境のナゾ

Webmasterの所はいろいろな職業の方がやってくる。大手企業の方は個人情報保護のためか、企業仕様のノート(大和事務機器かM下製)にPHSカードを差して来るのだが、WebmasterにはそのPHSカードがとても眩しい。たとえ低速であっても常時通信手段を持つノートは魅力的なのだ。

通常はWILCOMのPHSカードが多いが、先日のノートにはb-mobileなるカードがささっていた。このカードは月極契約が不要で、時間制もしくは期間制で先払い売りっぱなし制なのである。

Webmasterの携帯端末はINFOBARで、時代遅れながら胸ポケットに収まる薄さが気に入っている。家族の携帯もマイラインもK社に統一しているので、別途にWILCOMと契約してPHSカードを購入するのは気が進まない。

個人的に時間制は心臓に悪いと思っているので、候補となるのはb-mobileのU50契約(32kbps)で、1年使い放題で約5万円である。PHSカード(番号を持った端末そのもの)込みの使い放題とはいえ、低速32kbpsに5万円払う価値はあるのだろうか?

思い起こせば、tomoya.comを始めた1996年の有線モデムは14.4kbpsだった。当時のサイトは文字が中心で画像は少なく、tomoya.comや医療サイトでも画像サイズをツメに火を灯すように節約したものである。たとえば、動画であってもwebmasterの挨拶はわずか14kbytesにすぎない。

その経験からすれば、32kbpsは絶望的とは言えない。ネットで検索してみると、”遅くて使えない"と表現するユーザーもいた。実際には圧縮機構もあるし、パケットやRWINのサイズを操作すれば使い物になるのでは無いか、という読みで某カメラ店より購入した。

パソコンにはレッツノートCF-A1を起用した。ワンスピンドルのモバイルセレロン366MHz+440MXチップセット、マグネシウム筐体の1.1KgでXGA、電池動作2−6時間と、この用途に限れば最新モバイルノートと変わらない。ワンスピンドルでもPHSカードや無線LANカードを差せば不自由は無い。電池やサイズの制約が厳しいので、モバイルノートはここ6年間あまり進歩していないとも言える。

ノート以外でもPHSカードとダイヤルアップ機能さえ対応していればPDAでも使えるのだが、いまだPDAで証券のリアルタイム更新に対応したモノはないし、アプリはやはり使い慣れたものが良い。1キロ程度の重さであれば機能に免じて許せるのではないか。

ノートには写真のように手ヒモを付けて落下を予防している。ノートパソコンには固定金具用の孔があるが有効に使われていない。Webmasterは黒色の金属製書類挟みについているΩ型の針金で代用しているが、結構便利である。

付属の専用ソフトによりパケットサイズを1500とし、webアクセラレーターをMarion設定としてのアクセスは、しかしやっぱり遅い。文字中心のサイトでは問題無いが、Yahooや証券会社のページでは遅い。

そこでアクセスを解析してみると、Yahooが遅いのは過去アニメーションgifだった画像が軒並みマクロメディアフラッシュに肥大しているためであった。銀行や証券会社のサイトが遅いのはセキュアなSSL接続では圧縮が効かないことと、それに128bitデコードにオーバーヘッドが加わるためだ。

少々遅くてもつなぎ放題なので、かまわず放置しておくと数時間飽きずにダウンロードは続いている。とすれば、最もクリティカルな用途は証券会社Mののリアルタイム情報更新であろう。これはJAVAscriptとActive-Xを使用するためにダウンロードサイズが大きく、またパケットが短時間途切れると自動終了してしまう。

幸い、32kbpsでもリアルタイム情報更新は問題無く動作した。写真は京浜急行の蒲田−品川間で動作させているところで、4チャンネルまで同時補足可能なPHSカードにとって32kbpsx1チャンネルの維持はさほど難しい仕事では無いようだ。この区間に関してはFOMAより遙かに安定している。

問題はフラッシュを多用したページの遅さだが、これにはフラッシュプレーヤーを止めれば良い。Netscape7.2ではpluginsフォルダーから2つのファイル(flashplayer.xptとnpswf32.dll)をはずせばフラッシュを止めることができる。実際にはplugoutsと言うフォルダーを作ってファイルを移動すれば良い。

しかし、これでフラッシュが止まらない場合がある。これはシステムに組み込まれたフラッシュプレーヤーにリンクが発生している場合で、これにはレジストリーの\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\MozillaPluginsにあるNetscapeへのリンクを削除する必要がある。FIreFoxも同じ要領だが、IEはフラッシュを止めるのはやっかいなので、お勧めしない。

通常はNetscapeを使用し、フラッシュが必要な場合のみにIEを使えば良いし、危険も少ない。もちろん、SSL接続では実接続速度も実効速度も図のように32kbpsからまったく向上しないのは仕方がないが、WILCOMの高度なインフラによって32kbpsはかなりの悪条件でも確保できる。

これに圧縮分のゲインが加わるわけだが、試しに某サイトからのスピードを測ってみると


調査対象 : ******20.bmobile.ne.jp ← NTTPC
--------------------------------------------------
1回目 : 54915 Byte 6.05 sec 9.08 kB/s 72 kbps
2回目 : 57591 Byte 7.53 sec 7.65 kB/s 61 kbps
3回目 : 57591 Byte 8.58 sec 6.71 kB/s 53 kbps
--------------------------------------------------
合計データ量 : 170097 Byte
合計伝送時間 : 22.16 sec
平均スループット : 61 kbps 7.68 kB/s

と出た。実際の速度はこの値と32kbpsの中間であり、K56モデムに近い印象だ。有線モデムやISDNを使っていたユーザーであれば、フラッシュを止めることで何とか我慢できる範囲だろう。

使い放題というのはユーザーを怠け者にする。Webmasterが訪れるサイトは文字情報が多いので、自宅でも無線LANカードに差し替えずにPHSカードのまま使っているが、さほど不便は感じない。印刷しようとして使っているカードが無線LANではなくPHSカードであることを思い出すほどである。

ところで、1年間使い放題の5万円が高いのか安いのかは判断が分かれる。速度に不満なら32kbpsを4本束ねて最高128kbpsを実現する、bモバイルone契約がある。これには商用無線LANアクセススポットの使用料金も含まれるが、PHSカード込みで約9万円と高い。

個人的にはそこまでの必要は無いと思うのだが、ADSLも光ケーブルも利用できないブロードバンド難民地域や、PHS接続をLANを通じて複数のパソコンが共用する条件の悪い環境であればそれなりにペイしないことも無い。

なお、2006年からは時間制のbモバイルアワーズと期間制のモバイルoenを更新時に選べるようになる。ただし、32kbpsのU50は、モデム自体は同じものながら、モバイルoneやモバイルアワーズには移行できない。U50の更新は年5万円弱、また128kbpsのU100の更新は年8万円弱と高く、新規とさほど値段がかわらない。

とすれば、U50から使用時間が7−21時に限定されるBB50-721契約(32kbps、半年間2万円弱)、またはBB100-721契約(128kbps、半年間約3万)がリーズナブルなので、webmasterの場合はこれをチョイスすることになる。

また、文字サイトやSSL接続が主目的であれば、本来はメール専用のU-MAIL契約が格安で用意されている。ただしパケットのポートに種々の制約が加わるので、エクスパート専用であろう。

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亡国の映画と救国のマッサージ椅子

家族が借りてきたのが亡国のイージスというDVDである。テレビ宣伝ではJSDFの全面協力のもとに作成されたとのことで気になるシーンもあるが、ストーリーに疑問があったので見に行かなかった。

家族の興味はもちろんイージス艦ではなくてイケ面俳優である。さいわい彼のキャスティングも演技もまずまずで家族は大喜びでなのだが、やはり脚本がいけてない。というか原作自体が成立しないのである。

ここは映画のブログでは無いからクドクド書くのは本意では無いが、この筋だとイージス艦は不要なのだ。テロリストが毒ガス(GUSOH)を入手した段階でイージス艦は不要なのである。似た映画沈黙の戦艦では核兵器という飛び道具を持った戦艦が舞台だが、日本には核兵器が無い。そこでイージス艦にGUSOHを絡めるのだろうがムリがある。

GUSOHはわざわざイージス艦から撃つまでもなく、都心で同時多発的に使えることにプアマンズヌークと呼ばれるほどの威力があるわけで、だからこそ、あの宗教団体も都心でサリンを使用したのである。わざわざ船に積んだことを公表すれば、GUSOHの威力を制限することになってしまう。

娯楽性とインパクトにおいてテレビドラマ女王の教室一作分にも及ばない所を見ると、才能のある人達は日本の映画界とは別の世界に多く棲息しているのだろう。

ムダにした時間リソースを取り戻すために、少しでも生産的な仕事として調子の悪いマッサージ椅子を修理することにした。今回のトラブルはベルト劣化による滑りと異常動作である。

実はマッサージ椅子の修理については、

お盆スペシャル−万能摩擦改善剤アンチスリップZのナゾ

でも紹介したが、今回は別の個体で、前回のメカより一世代新しく、ローラーの突出量を調節するメカが新設されている。

このため部品配置が変わっていて、ベルトが2本とローラー突出用の電磁クラッチと位置センサーが増えている。ベルトが1本でなく2本なのは、内部伝達ベルトがかなり奥に新設されたからである。さて、このベルトは交換できるのだろうか?

実際にローラーの突出量調整は有効には使われておらず、唯一のメリットは停止時に引っ込んで寝椅子としての使い勝手が良いことか。M下電工サービスからも保守ベルトは4本しか供給されないが、ベルトの交換自体は簡単である。

さて奥のベルトは交換しなくて良いのだろうか。この点を聞いてみると、サービスもメンテに苦心しているが、例のベルトは使用頻度が低いために交換頻度は他のベルトの半分以下、とのことである。

もうひとつのトラブルは異常動作である。最初に発生したのは時々起動しない、というトラブルである。時に同じ動作を繰り返していることがある。このために電脳や位置センサーを何度も分解点検し、プリント基板の怪しいハンダをつけ直したのだが回復しない。

動作を解析すると、タタキ動作と上下動作の電磁クラッチが停止時にうまく解放されないことがわかった。原因は劣化したグリースの固着によるもので、有機溶媒にグリースを溶いたものでクラッチ内を洗浄することで回復した。直ったから良いのだが、古い個体でも発生しなかったトラブルなので、部品の品質管理が低下したのであろう。椅子の見掛けは豪華になっているが、構造も簡略化されている。

完調となったマッサージ椅子は快適であり、映画鑑賞でロスした時間リソースを快感リソースで埋めることができた。この手の製品はサイズとコストを喰うもので、配達されるまでは家族の不興を買ったのであるが、動き始めるとあまりの心地よさに取り合いである。皆様にもお勧めしたいところであるが、現在売られているマッサージ椅子にはちょっと問題がある。

この椅子を試した同僚によると、彼の自宅の機械は遙かに高機能だが図体がでかく、デザインも年寄り臭いと言う。さらにマッサージ力はハードな外科医である彼の肩凝りをほぐすには弱いという。

これはマッサージ椅子の想定ユーザーが異なるからと考えることができる。Webmasterの2台は当時アーバンモミモミと呼ばれたシリーズで、カタログには現役世代が都心の高層マンションで使用するイメージ写真があった。したがってデザインはシンプルかつモダンでマッサージ力はかなり強い。

一方、現在売られている製品は高齢な世代を対象にしており、高機能なかわりにマッサージ力は穏やかである。デザインも従来の典型的マッサージ椅子のように保守的で大きく、現役世代がモダンなマンションで使うにはちょっと抵抗がある。

現在マッサージ椅子の業界は製造拠点をアジアに移しつつあり、廉価な輸入製品も出回っている。この意味でも、アーバンモミモミのようなシンプルな機種では高いコストをチャージしがたいこともあるだろう。

ただ、M下のような信頼性を重視するメーカーでさえ機能を増やすとトラブルが増えることからも、個人的にはこの手の機械はシンプルであって欲しい。今後はこの手の製品は修理するにも廃棄するにも高いコストがかかるので、特大な不良資産となる可能性もなきにしもあらず、である。

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スターウヲーズエピソード3の憂鬱

スターウヲーズ(エピソード4)が日本で公開されたころ、Webmasterはまだ学生だった。ものすごい前評判で公開早々に行った記憶がある。その後留学前に英語版ビデオを買ってきて、すり切れるまで見た。今でも脳内に気に入ったシーンと納得の行かないシーンが結晶化して残っている。

一番気に入っているシーンは、惑星タトゥイーンのジャズクラブでの演奏である。後年、バブル末期に訪れたNYのディスコ”トンネル”が似たような雰囲気だった。次に記憶に残るのは、ケノービがデススターを攻撃中に掛ける言葉である。"Trust your feeling, Luke!"。

逆に未だなじめないのが、デススター爆発のシーンである。敵とは言え、多くの生物と機械が失われる瞬間には、ジュダイならずとも眩暈を感じてしまう。同じく違和感を感じるのがLukeたちが整列した軍隊の前で表彰されるシーンで、どうしてもナチの映像がフラッシュしてしまう。

さて、先入観念を避けるために一切の前情報に目をつぶって見たエピソード3だが、帰宅後に激しい頭痛で寝込むことになった。爆睡から醒めて頭を整理すると、頭痛の原因は二つばかりあるようだ。

ひとつは、多すぎる視覚情報量のためである。同じ事は”マトリックス レボリューションズ”で多数のセンティネルがザイオンを攻撃するシーンでも感じた。

確かにCGの進歩は認めよう。しかし、あまりにも多すぎる視覚情報に対してWebmasterの視野は中心付近だけに狭窄し、それでも溢れた情報は頭痛に変化したのである。人間の視聴覚リソースには限度があるということである。

これは遊園地の絶叫マシーンと同じように、際限のない我慢比べであって、より強い刺激を求める悲しい人間の性である。CGのインパクトが世界貿易ビル崩壊の映像を越えるためには、よほど強い視覚刺激が必要になるのだろう。ラスベガスのタワー先端の絶叫マシン群よりさらに強い刺激求める人間に対し、ハリウッドは次に何を提供するのか興味はある。

しかしこの頭痛は一時的に過ぎない。アナキンがなぜダースベーダーになるか、ということを説明するのがエピソード3の目的なのだが、ストーリーとして肝心の部分はやや弱い。ちょうど漫画”火の鳥”のように、輪廻する不条理感が残るのである。

詳細はネタバレになるので書かないが、要するにアナキンのパドメ姫に対する情念が招いた悲劇なのである。ストーリーは受容するしかないが、納得できないのは、瀕死ののアナキンが助かるのに、傷心のパドメ姫が赤子を残してはかなく死んでしまうことである。あの気丈なパドメ姫はどこに行ったのだろうか。

医学を生業にしているWebmasterにとって、惑星を埋め尽くす都市、空を埋め尽くす飛行物体と極限まで発展した科学がありながら、パドメ姫すら救えないとは、いったい何のための科学か?と感じるのである。

毎日不条理を噛みしめているWebmasterとしては、母となるパドメ姫の愛情がアナキンの悲しみを凌駕して欲しかった。しかし、これがライターの考えであったとすれば、それは彼の人生観あるいはトラウマと解釈しつつ、エピソード4に戻るしか無い。

実社会、例えば野球ひとつ見ても、世間で言うところの悪妻が居て、いや居るからこそ一流選手、一流監督となり得た人間が多数おられる。それくらい女性だけが男性を変えることができるとWebmasterは信じているのだが。

ともあれ、webmaster的には”ドクトルジバコ”と同じように不条理感と頭痛を十分に味わった映画であった。エピソード3はシリーズを通しての不条理が全て集約された作品であり、エピソード4と並んで必見である。

みなさまにも映画館に足を運んでいただき、ドロドロとした情念をたっぷり味わっていただきたいと思う。技術的にもマトリックスの各編と同じように、いかなる虚構もCGで作成可能となったという意味において、CGの発展も一段落した作品であるとも言える。


一体型マック伝統の過熱故障のナゾ

”あのー、パチっと音が出て切れてしまいました”

と、スタッフから電話である。故障したのは後期型iMacDVだが、それに載っているデータが貴重なのである。Webmasterは全漢字を網羅していないマックを業務に使い続けるのに抵抗があるのだが、10年来のデータが載っているとすれば修理しなくてはいけない。

この機械の故障はある程度予期していた。このiMacにはファンが無いのにもかかわらず放熱孔が少ないのである。これは家庭用のテレビと比べれば一目瞭然だ。これでは、一体型マック伝統の過熱による故障は必発だと思った。

かつてwebmasterはMacPlusを使っていたが、同機種のフライバックが次々と焼け切れるのに恐怖を感じ、ルーバーを開口率の高いものに交換したことがある。おかげでこの個体は20年来故障しなかった。

何より高圧を発生するフライバックやアノードキャップが透けて見える設計も恐怖である。中身が見えると子供が放熱孔から針金をつっこむ可能性があるし、高解像度CRTとスイッチング電源からのノイズも素通しである。良くFCCの認定が通ったものだ。

あれほど人気のあったiMacも、webmaster周辺では大半が故障し、残ったのは通電時間がごく短いものだけである。通電時間が長いこの個体が故障するのは必然だったのである。今回の故障はフライバックでは無くて電源のようだ。

さっそく分解である。最初に警告だが、iMacの分解は理解しがたい構造のためかなり難しい。また高圧による感電やブラウン管の爆発破損の可能性があり、家庭用テレビが修理できる程度のスキルが必要である。

まず底のプラスティックをはずす。次にフロントのベゼル(隠しネジ2カ所)をはずす。次に青いカバーをはずすと(隠しネジ2カ所)フレームが出現する。

フレームはブラウン管とそれに直角のアルミ板を固定している。CPU基板はアルミ板の下に、またCRT回路はその上に載っている。どうやら製作は韓国のLG社らしい。

最初に電源スイッチの電圧を調べるがゼロである。どうやら電源が死んでいるらしい。そこで、GoogleでiMacDV 電源 故障として検索すると568件もヒットした。Webmasterが知らなかっただけで、故障iMacと戦っておられる我慢強いユーザーが多数おられたのである。

それらを眺めると、討ち死にした初期iMacの多くがフライバック不良で、後期iMacの殆どがと電源IC(5S1265)不良だと言う。交換部品にもかなりの需要があるようで、電源ICが10個で\10000、一個\1500と意外に安い。さっそく代引きで一個確保した。

再度バラすのだが、ネジが各種あるので紙に記録しながらセロテープで貼りつけていくと良い。一番危険なのはアノードキャップをはずすところで、筐体に接続した柄の長いマイナスドライバーをゴムキャップとガラスの間に差し込んで放電させておくのが安全である。

ICの交換は、先に足を切った方が熱容量の関係で交換しやすい。ちょっと汚くなってしまったが、十分なシリコングリースを塗り込むことが必要である。ここでケーブル接続を確認し、仮組みで動作を確認したところ、なつかしい画面をおがむことができた。

さて、このまま組んでもいいいのだが、それではまたまた同じ故障を繰り返す可能性がある。写真を見ると、対則の放熱板は筐体の隙間からの通気があるが、この電源ICの放熱板付近は側面の端子板のために通気が悪い。そこで端子板に孔を追加して、新気が当たるようにした。底面と上面にも放熱孔を追加した。

さて、修理のバランスシートを考えると、部品代\1500+工賃\10000(30分\5000として)と大赤字である。しかし、新たなパソコンを手当してATAPI規格のHDDからデータを吸い出す工賃を考えると\100000以上の黒字と言えるだろう。

しかし、それは仮想上のいわゆる得べかりし利益にすぎず、宿痾とも言えるまずい設計に納得するわけにはいかない。過去のファン無しマックはどれも過熱で苦しんでいる。アップル社は長年にわたって種々の不具合でユーザーを苦しめてきた挙げ句にCPUをx86系に換えるなどと戯けた事を言っている。せっかくOS10が安定してきたのに、懲りない会社である。

ところで、iMacを分解すると唯一役に立つ部品が取れる。それは無線LANのアンテナで、端子はメルコなどの無線LANカードにフィットする。ケーブルは底からシールド板をくぐり、途中で二分割されたあとCRTベゼル両側のアンテナにつながっている。

どうしても無線LANを使いたい場合は、入手難の純正品を使うより汎用のUSB接続機器の方が遙かに便利で使い回しも効く。無線LANのアンテナを活用すれば少なくとも電源ICの部品代は回収できるだろう。

なお、CPU部を下から覆っている金属シールドをはずすとさらに通風が改善して寿命が伸びると思われる。AMラジオで調べると、シールド無しでノイズが増えるものの、一番強いノイズはシールドの無いCRT回路とスイッチング電源から発生しているので、ノイズよりも寿命のほうががクリティカルな用途ではこれも一つの方法だろう。

パソコンの性能向上もネットの速度向上も一段落している今日このごろである。今時一番重要なことは、ハードでもソフトでもなく、重要なデータをしっかりと守り続けることなのである。その点、ネットワークサーバー機能が低いもしくは皆無の旧型パソコンの方が外部からコントロールされる可能性は低い。今後は情報産業のコストの大半はデータの維持に消費されることだろう。

個人的には今度の修理であと数年の寿命延長を期待している。次に壊れるのはCRTだろうか、それともHDDであろうか、またそのときにアップルがまだパソコンを作っているのかどうかは誰にも予想がつかない。なぜならパソコンは非常にウマミの無い商売になりつつあるからである。

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福岡西方沖地震と昨今の無線事情

去る3月20日の福岡西方沖地震(震度6弱)はwebmasterが経験した中では最大の地震であった。福岡ではゴールデンウィーク中にも余震が続いており、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げたいたい。

この日車で家を出て30mもしないうちに大きく揺れ、スピンしたのかと思ったが、速度はまだ10キロに満たない。パンクか?、あるいはついに車歴14年にしてサスがバラけたか?、と思って車を止めてみたがまだ揺れている。よく見ると樹木が揺れていて道路にご近所の人が出てきている。

家に戻ると居間のテレビが前方に落下していた。幸いケガ人はなく故障もなかった。ヒモで縛ってあったのだが切れていた。あとは2階の本棚がふたつ、、、、、、そして我が家最大の被害はwebmasterの宝物の落下!であった。

家は外壁の亀裂もなく壁紙の切れも無い。家の周りも地盤の沈下も無かった。登記簿によればwebmasterは福岡市の海(公有水面)を買ったことになっているので家が傾く程度は覚悟していたが被害が少なかったのは不幸中の幸いである。

都市高速が止まっていることを予想し、またガラスでも落ちてくるといけないのでママチャリに麦藁帽で仕事場にでかけてみると、この分譲地では写真のように液状化の箇所があった。被害は外構が壊れたところ、外壁にヒビが入った家が数軒あった程度である。

自転車を進め中高層マンションを抜けるが、外壁タイルが落下した建物は見あたらなかったが、地盤が下がり入り口に20cm程度の段差がついた建物があった。自転車置き場の壁にヒビが入った建物が見えたが、ここは耐力壁ではなくブロック組のようだった。

さらに自転車を進めると、百道浜には液状化が見られたが建物の深刻な被害は無かったようである。この付近のマンションは当初から軟弱地盤が前提の工事がされてらしく、人が住めないような建物はみかけず、むしろ被害は福岡市中心部の方が深刻だったようだ。

仕事を終わって船を見に行く。艇歴20年の古い船も沈んではおらず、エンジンを始動して博多湾まで出てみた(左奥が玄海島)。しかし余震で古い船が割れるといけないので引き返した。福岡の港湾施設は軒並み被害を受けており、ヨットハーバーも揚陸装置が故障していた。

家に戻って落下した10年選手の無線機を調べると、運の悪いことに液晶のカバーが破損しランプのひとつが切れていた。さっそく修理したところが写真である。幸い基本的な送受信機能は保たれているが、JJYで校正しようにもジェネラルカバレッジが働かない。リチウム電池が切れているようである。

7MHzを受信してみるが、かつてあふれていた”ジャパーーン”という声は少なく韓国語の方が多く聞こえる。一時多かった超強力局(背景にリニアアンプのファンの音が聞こえる)は少なく、移動局が多いようである。

次に落下した133MHz/430MHzのモービル機に電気を入れると144MHz帯しか動作しない。これもリチウム電池かと思ったがリセットにより回復した。さっそくワッチするが、やはり交信はまばらで半業務的な通信ばかりが聞こえる。

ハンディー機にも火を入れてみた。こちらは災害に備えて時々虫干ししていたせいか、リセットを要しなかった。家族の白い目にも関わらず維持してきた無線局は非常時対応の口実で安堵されたのである。これで公衆通信網が崩壊しても連絡は可能だ。当日の携帯電話は非常にかかりにくかったが、なぜか自宅のADSLは正常に働いていた。

さて、まばらな144MHzで賑やかなチャンネルがあり、なぜか1エリアの通信が聞こえる。どうやらこれはEchoLinkらしい。日本語説明に従ってインストールし、コールサインを登録すると程なく認証され動作するようになった。

EcholinkとはVoIP(ネット経由の音声通信)の一種である。ネット電話のようにパソコン同志が交信?できるだけでなく、パソコンに無線機をつないで移動機から中継できるシカケである。これ以前にあったWIRESやeQSOより洗練されている。

アクティブなノード局のリストをみると、かつてパケットでもノードをやっていた局を見かける。以前からアマチュア無線には何でもできるOMと初心者の階層に分化していたが、今は前者だけになってしまっている。商用無線との周波数共用が視野にあると言われるD-STARには、アクティブなOMですら縛りの厳しさに元気を失うだろう。

さて無線機をネットや公衆網に接続する法的問題はどうなったのだろうか。以前福岡には有線からも無線からも入れるBBSがあって、有線から書き込まれた文書が無線に流れるのは第三者通信にあたるとして問題になったことがある。

JARLによれば免許を持った従事者間では接続は可能だが第三者通信は許されない。

この解釈は災害や宇宙通信以外では変わりそうにないが、今はIP電話で世界中がタダで繋がる時代だから、何らかのインセンティブが無いと縛りの厳しい我が国のアマ無線が他国に先駆けて廃れかねない

ところで、Webmasterは昨年局免許を更新した。毎回廃局するか悩むが、50W移動局を維持するためにだけに渋々更新している。いったん免許が切れると煩雑なのである。ネットを漁ると、無線局の情報が検索可能になっている。

ヤケに強力な局があったら、敵の免許状の出力を調べることもできる。早速自局を検索してみると電波形式のところが見なれない表記になっている。

これは周波数帯を定める告示の改正によって国際表記に統一されたことと、従事者免許の種類によって使える電波形式が一部包括化されたことによる。こちらによれば、7MHz帯の3HAではA1,A3,A3A,A3H,A3J,A4,A5J.F1,F4,F5,F9を使うことができる、とある。

他にも漁ると、技術基準適合証明書が添付不要に、またモールス記号に@(・−−・−・)が追加されたりなどと変化が激しい。また近い将来にはモールス記号の試験が簡略化もしくは撤廃される見込みである。

しかし、アマ無線の変化は残念ながら国際基準との摺り合わせやインターネットや携帯電話などの外圧に対して、役所が渋々既得権益を手放していく形でしか実現されていない。この程度の方策では、携帯電話を使いこなしている若いユーザー(特に女性)を引き込む魅力は無い。さらには430MHzの一部は電子タグと共用になる話すらある。

今回いろいろなバンドをワッチしてみたが、元気がいいのは大半がある程度お年を召した男性ばかりである。おそらく今後時間とおカネに余裕がある団塊の世代が引退を迎える事で、余暇としての無線が一時的に勢いを取り戻す可能性はある。

しかしアマ無線に大きなインセンティブが与えられない限り、悪くすると蝋燭の最後の輝きとなる可能性すら無しとしない。地震の被害を契機としてパネルが割れたHFトランシーバーのダイヤルをクルクルまわしながらアマ無線界の厳しい現状を再認識した次第である。

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愛地球博マンモスプロジェクトのナゾ

愛地球博が始まった。早速我が家でも愛地球博を見に行くかについて家族委員会が開かれた。

まず子供委員が口を開く。

”マンモス! マンモス! マンモス!!!”

メディアの宣伝のせいか子供委員にはマンモスが人気である。次に大蔵委員が反論する。

”マンモスはともかく炎天下を長い時間並ぶのはいやだ。エスニック料理やアクセサリーには興味があるけど。。。”

予想通りの反論であった。次に外回り委員が重い口を開いた。

”マンモスはともかくロボットが見たい。"

しかし、ロボット案は家族全体から直ちに却下された。

”パパはこの前ロボットがゴルフするのを見たじゃない。今更ラッパを吹くロボット見てもしょうが無いでしょう。

確かに、音楽を演奏するロボットより自分で目標を補足しクラブを振ってボールを寄せるロボットの方がはるかに高度に思える。

そもそも今回の愛地球博は魅力が乏しい。64年の東京オリンピックに次いで開かれた70年万博とは時代背景が異なるし、当時はディズニーランドもUSJも存在しなかった。今は地の果ての国に行くにしても、資金よりは時間があるかどうかが問題になる時代である。そもそもエコを歌う博覧会が山野を造成すること自体に矛盾がある。

今はインターネットによって、外国の情報を得ることも簡単になった。WebmasterがNYに滞在した1985〜1988年頃は、日本人の間で新聞や文芸春秋をボロボロになるまで回覧していた。最近米国から帰国した後輩は、某掲示板を巡回していたらしく、Webmasterより芸能スキャンダルに詳しかった。

かつて博覧会には現世御利益があった。万博に続くポートピアの成功は全国の博覧会の雛形になった。山を削った土で海を埋め立てて博覧会を開くことにより、開発資金の一部を回収するとともに山と海に住宅地が造成されたのである。今回の博覧会では、環境保護がネックとなって跡地の開発にウマミが無い。

さてマンモスである。なぜマンモスなのかは、マンモスプロジェクトの説明を見ても今ひとつピンとこない。というのは、このプロジェクトが始動したのが2003年と、つい最近なのである。

しかし、このプロジェクトには急ごしらえの割に深い背景が見えてくる。つまり、このプロジェクトは目玉展示が欲しい愛地球博、資源開発に協力が欲しいサハ共和国、そして何より資源が欲しい日本の地政学的な利害が一致したものに見える。つまり、マンモスはパンダと同じなのである。

先の大戦も、資源を巡る戦いであった。最近の近隣諸国の反日運動も、その延長上には大陸棚の石油ガス資源問題が見えてくる。地政学的に遠く不安定な中東に石油を依存する日本以上に、石油価格を製品に転化することが困難な近隣諸国にとって、石油供給は生命線なのである。

一方、広大なロシアの18%を占め、プーチン政権の直轄地でもあるサハ共和国(ヤクーチャ)は国土の80%が永久凍土に覆われているものの、石油、石炭、ダイヤモンド、金などの豊かな資源を持っている。ある意味、極寒の土地にかつて資源の元となる森林や海浜が存在し、またマンモスが成育していたことは驚異でもある。

しかし、永久凍土の元での石油開発やパイプライン設置にはカネがかかる。もし日本がうかうかしていると、パイプラインは日本では無くて中国に行ってしまう可能性もある。

そこで日本の出番である。当面の開発資金には日本からの出資とダイヤモンドの販売益が役に立つ。ちょうど外務省の招待でサハ共和国からシティロフ大統領が来日し、博覧会を見学するとともに政済界と懇談している。さらにサハ共和国は日本にダイヤモンド販売路も確保している。外務省のプレスリリースにも、

"わが国にとって大きな戦略的意義を有する地域である。”

との説明書きがついている。

つまり、今となってはマンモスは戦略的な外交資源として愛地球博そのものより重要なのかも知れない。今でも人気なのに、マンモスが持つ深い意味について認識が深まると、マンモスの待ち行列はますます長くなる可能性がある。

というわけで、空いた時期に訪問を企てているのだが、ヘタするとマンモス展示までたどり着けない可能性もある。地政的な意味合いは別として、やっぱりマンモス以上の何者でも無い単なるマンモスを見に行く価値が本当にあるのか、webmasterは自問自答する毎日なのである。

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サイエンス番組に見る演出のナゾ

巷では、政治家がNHKに圧力をかけたのかどうかで旭日新聞と国営放送が争っている。どちらが本当なのか、についてどうこう言う立場ではないが、その経過は良く理解できるような気がする。それは、webmasterの認識によれば、

報道は作られる物であって、演出はスパイスのようなもの

だからである。時にスパイスが過ぎて、結論が反転することすらある。たとえば、最近のライブドアの件について、 日計新聞によれば、某経済団体会長のオクダ氏は、

”「富士山渓グループを良くしようと思っているのか、金もうけなのか、説明責任を果たさなくてはいけない」と指摘した。”

ということになっている。この簡潔な記事を読むと、オクダ氏はホリエ氏に批判的に見える。しかし旭日新聞によれば、

”ライブドア批判に苦言 奥田会長「時代の流れ、対策を」”

という見出しになる。旭日は政治的に富士山渓グループと敵対していることもあるが、今回はめずらしいことに旭日の記事の方が全体としては正確である。というのは、多くの記事の平均をとると、どうやらオクダ氏は、

”企業買収は時代の流れであり、マスメディアも例外ではない。ただ単なる金もうけなのか、富士山渓グループをよくする狙いなのか説明責任はある”

と言ったようだ。巷ではオクダ氏の会社も住宅産業の買収を計画していると言われている。

今回の記事の違いは報道における演出の範囲内ではあるが、一見して相対する見出しなっていて、多くの部分をオミットした日計の記事には問題がある。旭日は時に政治的に動くが、日計も同様に油断がならない。

ところで不肖、webmasterも人生のウチで何度か国営放送と関わりを持ったことがある。2枚のカード型国際時計はそれぞれの機会にいただいたものである。

粗品としてはかなり渋いものに見えるが、消息筋によれば国営放送としては上等な部類に属するとのことである。以前には豪華英語版番組カタログ(外国に番組を販売するためのもの)1部をいただいたが、これも入手困難なので、貴重品なのかも知れない。

差し障りがあるので詳しく書かないが、1枚目をもらったのはもう20年近く前である。ちょうどサイエンスアイのような番組であったと想像して欲しい。取材にやってきたディレクターは非常に高飛車であり、カメラマンもまた非常に高慢であった。

関係会社のカメラマンを格下のようにこき使う民放と違って、ディレクターはもちろんのこと、正社員であるカメラマンにも相当な裁量権があり、それは駆け出しのアナウンサーとは比較にならない。場合によってはカメラマンには報道記者に近い権限もあるようだ。

そして、ディレクターの指示の一つ一つ、カメラマンの注文の一つ一つが、若きwebmasterの神経を逆なでする。有り体に言うと、殆どヤラセなのである。webmasterのこめかみにはかなり静脈が浮いていたが、せっかくのお客様、爆発寸前で2日の拘束が解かれたのである。

ほどなくしてして全国に放映され、webmasterは忸怩たる思いであった。しかし、全国の友人や親戚からは、”すばらしい”とのお言葉をもらった。特に、ディレクターが演出した(ほとんど創作した)部分ほど評判が良かったのである。

そう、サイエンスモノであっても番組にする以上は、結論が変わらない限りにおいて、ある程度の演出は必要であり、webmasterはそれを否定しない。今となってみると、国営放送の演出は、ほとんど芸術の領域に達していたと思う。

というわけで、カード時計の2枚目の時は、大人になったwebmasterは、美麗なる女性ディレクターS氏の指示に100%下り協力することにした。美人かつ頭の切れる彼女は、どうしたら番組を魅力的にできるかを熟知していた。素直に従ったおかげで、取材は円滑に進み、出来上がりはさらに素晴らしいものになっていたように思う。

そのおかげかどうか、、webmasterの理念は、国営放送が作成した驚異の小宇宙・人体、PART II 脳と心、「 脳が世界をつくる : 知覚」 にいくばくかは盛り込まれたと思い込んでいる。その奇跡は取材協力者として残っている。

もちろん、インターネット時代にはメディアの演出も難しくなっている。たとえば、同じ事件に対する多くのメディアの報道を比べることが可能であり、そこからそれぞれの記事が作られた背景までを忖度することもできる。実にありがたい時代なのである。

Webmasterの友人に、自称天才のY先生がおられる。最後に彼の名言を紹介しておこう。

”親しき仲にも、演技あり”

文献

1)Yamamoto, S. J. Williamson, L. Kaufman, C. Nicholson, and R. Llinas :Magnetic Localization of Neuronal Activity in the Human Brain. Proc Natl Acad Sci U S A. 1988 Nov;85(22):8732-6.
2)Yamamoto T,Fukuda M and Llinas RR:Bilaterally synchronous complex spike Purkinje cell activity in the mammalian cerebellum.Eur J Neurosci. 2001 Jan;13(2):327-39.

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子供番組に見る世代間戦争のナゾ

帰宅すると、なぜか家族がブリブリ怒っている。聞くと、子供番組の俳優が気に入らない、と言う。問題はこちら主演俳優らしい。

最近のこのシリーズはイケメンの若手が主役を務めるが常識であった。そのため、各地の遊園地でのショーには、子供をダシにしたお母さんたちの追っかけが見られたという。現在の俳優はイマイチだったので次を期待してたのに、とんでもないと言う。

さらに気に入らないのが、そのヒーローが和風ということらしい。コスチュームは”鬼”をイメージしたもので、必殺技は太鼓たたきだという。雰囲気としては、和風ゲームあたりか。

件の俳優は、有名どころである。トレンディドラマはもちろんのこと、一番多くお目にかかるのは日経新聞の宣伝であろう。このため、高齢の富裕層にもなじみがある。

webmasterの視点によれば、これは子供番組を巡る地殻変動を示していると考える。つまり、所得に関する世代間代理戦争、そしてオレオレ詐欺を引き起こす資産の不均衡を是正する潮流が子供番組にも見え隠れするのだ。

今回のヒーローは明らかに高齢者を意識している。この手の子供番組の殆どがおもちゃ会社とのタイアップで、番組はおもちゃを売るための手段である。新たなおもちゃを売るためには、意図的に番組の陳腐化を繰り返す必要がある。

おもちゃの資金源は、古くは子供のお小遣いであった。しかし少子化を見て取った制作者は、ターゲットをより大きなお母さんの財布に求めたのだが、この路線は今や飽きられつつある。

現在、高齢者の年金や福祉の負担は子供とその家庭に重くのしかかっている。高齢者には年金や貯金などの所得に加え老人医療(一割負担)、敬老パスなどの恩典がある。一方、子供には所得が無く、医療は三割負担で学割はあっても無料パスは無い上に参政権も無く、著しくアンフェアである。子供とその家族は被搾取階級なのであって、オレオレ詐欺が起こるのも不思議では無い。

そこで子供番組の次なるターゲットは高齢者となる。変化の激しい時代では、高齢者と子供とは接点が少なく話題も合わないことが多いだろう。高齢者は子供の歓心を買いたいが、子供は子供で忙しい。而して、その接点はわずかに和風ゲームあたりしか無いのである。

この潮流はアニメの世界にも見られる。昨今大ヒットしたアニメなども、明らかに高齢者を意識している。

とすると、我々はこの所得をめぐる世代間代理戦争をどう戦い抜けばいいのだろうか。どうしたら高齢者から時代を担う若年者に所得リソースと職業リソースを移転できるのだろうか。合法的なオレオレ所得移転を行うのである。

もちろん未成年に移転できる金額は法的に限りがある。しかし教育費などはその一部の負担を直接求めてもいいのでは無いか。本来なら、世代間の利益調整は政府の重要な仕事なのだが、現在の政府に多くは期待できない。

現在、政府と地方自治体の負債は1000兆円を超えており、世界の文明国では最悪である。都市伝説によれば、IMFの作成と噂されるネバダレポートなる怪文書があり、これは国が破綻してIMF管理になったときに行われる施策が書かれており、それは、

1.公務員の総数、給料は30%以上カット、及びボーナスは例外なくすべてカット。退職金も100%カット、年金は一律30%カット。
2.国債の利払いは5年から10年間停止。
3.消費税を20%に引き上げる。
4.課税最低限を引き下げ、年収百万円以上から徴税を行う。
5.資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債券、社債については5から15%の課税。預金については一律ペイオフを実施し、第二段階として預金を30%から40%カットする。

と過激である。これについては、こちらから衆議院予算委委員会議事録(平成14年2月14日)を見て欲しい。 ネバダレポートをどう認識するかという五十嵐委員の質問に対し、当時の塩川国務大臣は、”数字の面でいろいろ議論ございますけれども、私は、今おっしゃったような厳しい認識は持っております。”、また竹中国務大臣は、”当然のことながら議論が御承知のとおりありますけれども...”と特に否定しなかった。

実際にも、小泉内閣の政策は忠実にネバダレポートをなぞっている。中でも資産税は、最近の新円札切り替え時に行われるのでは無いか、という根強い噂があった。そのために2000円札が払底し、金製品が売れたのである。

この中で興味を引くのは資産税の税率が不動産で低く、有価証券はその次で、預金が一番重くなっていることだ。おそらく不動産や有価証券投資を後押ししてデフレを克服し、預金を多く抱える高齢者に大きな負担を求めることを考えているのだろう。今後は税制などによって、預金から土地や有価証券投資への資産の移動が誘導されるのだろう。

実際には新円札切り替え時に資産税や預金封鎖が行われることはなかった。また、日銀は旧円札もこれまで通り流通可能と述べていたのだが、昨今のニセ札騒動に乗じてか、次第にスタンスが変わってきている。

2004年末以降の偽造券の多発についてというニュースリリースで、”今後とも旧券から新券への切替えを積極的に進めてまいります”となっている。

法的には資産税の実行は難しいが、新円札切り替えだけでもタンス預金やアングラマネーをあぶり出す効果がある。新円札への交換のために金融機関に一旦環流すれば、その後は”マネーロンダリング対策”によって税の補足範囲に入るからである。

その目で見ると、昨今のニセ札騒動は電脳の発達で簡単にカラーの複製が可能になったことが直接の原因ではあろうが、それに乗じていろいろ画策している勢力も見え隠れしている。同時に証券についても特定口座によるタンス株券の環流も進んでいる。

蛇足ではあるが、新円札には多くの隠し文字がある。webmasterがチェックした所、表裏にそれぞれ”ニ””ホ””ン”と隠し文字が見つかった。キリンみたいな細工が電脳の時代にどれほどの偽造防止効果があるのか疑わしいが、少なくとも外国人はカタカナを認識しないようである。

ともあれ、今後も所得移転に関する世代間代理戦争、そして天文的な政府の負債を個人資産で埋めようとする策動が随所で露呈することだろう。

それに対して我々はメディアを使った世論操作に惑わされることなく、時には土日の朝の子供番組を見ながら、潮流をつかむ必要があるのかも知れない。

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お年玉スペシャル−幻の30社問題2005のナゾ

本来はここで春日大社のお告げ2005年のナゾを論じるハズなのだが、2005年のお告げはどこからも聞こえてこない。作者も引退されたとのことで、電脳時代のマーケットにはGPSのような道しるべが無いということであろうか。

しかし、ここまで来た以上、今年も反省会は開いておく必要があるだろう。そこで作成したのが、左図である。

基本的にお告げはよく当たっていると思う。春に上伸し10月に底を固め、その後は上昇する基本的な波動は当たっている。少なくとも世紀の曲がり屋D証券のM氏に比べればはるかに的確だ。

個人的には、発生したバリアンスの多くは、監督官庁と日の丸再生ファンドが原因であると考える。つくづく余計なことをしてくれるものである。

特に会計基準を操作して間接的に企業を支配する手法は問題である。グローバルな基準を適応といいながら、一方ではローカルな税制を適用し、その基準もコロコロ変わる。

今後は恣意的な会計基準をきらって国際的に有力な企業が本社や工場を海外に移転させるだろう。実際には本社こそ日本にあるが、株主の過半は外人である企業も多い。

モノの評価は常に相対的で、しかも常に変化する。需要があれば価格が上昇し、需要がなければ価格は下落する。同じ畳一枚の土地の価格が銀座と郡部で1万倍違っていてもだれも不思議だとは思わない。

モノを期限前に売り急げば買い叩かれる。それは手形の割引と同じである。官庁のゴリ押しは市場マインドを損ない、売り急ぎで失われた国富は外資に流出したのである。

どうしようも無い現状であるが、官庁がゴリ押しすれば市場は大きく動く。従って財務を読み切り、減資、債務の優先株式化、グリーディーな再生機構のスキーム、そしてインサイダーのリークに踊らされるマスコミ報道に対処できれば果実を得ることができるだろう。

そこで、本サイトのマーケット部門が作成した資料を公開する。これは巷に出回った30社リストを元に、当時の株価、現在の株価、再建策などをリストアップしたものである。

もともともリストは疑問も多く、記載について本サイトはいっさい責任を担保しない。また、減資、併合、会社分割、増資、合併、持ち株会社化など多くの重大な変化があるので、株価は連続性の無い単なる指標の一つに過ぎないことに注意されたい。

今からみても、一番深刻だったのはゼネコンである。現時点でも完全に再生していない企業がある。ただしマンション関係には救いがあるようで、銀行もつぶさない。また特殊な技能を持つ会社も救済されるようだ。

もっとも再建が早かったのが信販である。もともと利益率の高い信販は銀行のドル箱なのでつぶさない。不良債権となった企業向けの迂回融資については、銀行みずから始末した。

外資にとって信販は魅力的なので、経営難のまま放置すると外資の手に落ちてしまう。たとえばクレジットカードは、平均半月の支払い猶予期間に約3%の手数料が発生する。それが複利で回転するから利益は膨大である。

しかも、手数料は店が払うからユーザーは意識しない。口座の残高が不足すれば、自動的に金利の高いローンに移行する。あなたがクレジットで支払おうとすれば、必ず

”支払いは何回にされますか?”

と聞かれるだろう。それは決して親切で言ってくれるわけでもないし、あなたが貧乏に見えたからでも無い。一括支払いから少しでも金利が抜ける分割払い、すなわちローンに誘導するよう教育されているからである。

ユーザーが意識しないうちにサヤが抜ける信販は歴史的にも外資がもっとも好む業種の一つである。革新的な経営で有名なGEも利益の大半は製造業ではなく与信業に由来している。

不動産も営業力のある大手ほどつぶれない。財務をみるとゴルフ場に関する不良債権が多いが、その多くは、銀行の後ろ押しによるバブル投資である。

ところで、不動産も外資が好む業種の一つである。土地や物件を安く叩いて高く売る。利ざやも大きいが、さらに大きな利益が購入ローンから発生する。場合によっては物件の利益が無くてもローンで取り戻すこともできる。

全体をみると、銀行がつぶしたくない会社は、ありとあらゆる再建策を使って救済されるようである。債権放棄というと負担の重いもののようだが、無理やり貸し込んだ融資の金利数年分にすぎない。

要するに、金融機関にとって金利をきちんと払ってくれる相手には永遠に借り続けてもらいたいわけで、借金を完済されると困るのである。

だから、再生できそうな会社は、経営が弱い内に優先株などで発言権を確保して置かなければいけない。そうしないと、勝手に市場からのファイナンスで資金を調達されてしまえば一生の不覚である。

今回の再生機構がらみの混乱は企業にとって、”銀行はいつ貸し剥がしするかわからない”事実を再認識させた。従って、国際的に有力な企業はますます銀行に依存しなくなるであろう。

とすると、銀行は今後融資先の確保に難渋する。さらに、我が国の金融機関はリスクの評価と負債の流動化が下手である。不良債権の処理がやりにくい税制も制約となる。

従って、そのあたりが得意な外資は今後もやすやすと国内を跋扈するだろう。しがらみで動けない日本の生保や政府系金融機関が外資を迂回してハアタカファンドに出資している事実すらある。

ただし、すべてのオブジェクトがその時点での金銭的価値に帰納されるという考え方が外資の弱点でもあると言える。短期的に流動化できなくとも、長期的には塩漬け策が勝つこともある。そこがマーケットのもう一つの死角であるとWebmasterは考えているのだが。

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