□Feb. 23:コンタクトZ種明かしとオイル相談のナゾ
□Feb. 16:パーツのない自動車用品店のナゾ・その2(激動編++)
□Feb. 9:フロア壁面スキマ加工のナゾ
□Feb. 2:パーツのない自動車用品店のナゾ
1.コンタクトZの種明かし
先日の
●Jan. 13:お年玉特別企画特殊接点復活剤コンタクトZのナゾ
の反響は大きかった。多くの方は正解を送ってこられたが、”もったい付けずに早く種明かしをせい!!”という催促も多い。Webmasterとしては、せっかくの皆様のイマジネーションを奪わないよう少し時間がたってからと思っていたら、そのまま忘れていた。
正解はHBの鉛筆である。鉛筆の原料や製法についてはダイア鉛筆や蜻蛉鉛筆を参照いただくとして、要点は高品質の黒鉛7:粘土3の練り物を焼成して油を浸透し、木材の軸に挟んだものである。
研磨プロセスでは主に粘土焼成物(珪素酸化物)が電極の酸化物を機械的に除去する。固体潤滑プロセスでは黒鉛と油が働いて電極との良好な接触(なじみ)を保つ。そして固体電導プロセスは黒鉛が電極のスキマを埋めて電気抵抗を減らす。硬度もありふれたHBが適切である。
WebmasterはコンタクトZを小学生の時から使っている。どうやって知識を仕入れたか、あるいは自分で見つけたのかは記憶が無い。こうやるとプラモデル、特に電気を喰うタンクが電池の寿命末期まで働くので、当たり前として使ってきた。
先日、ナースが夜間巡回のランプの調子が悪いと持って来たので、いつものようにコンタクトZを使うと、その効果にびっくりしていた。当然だと思ったことに驚かれたので、Webmasterも驚いたのである。パテントと言いたいところだが、デフレ時代の公共の福祉リソースとしてお届けした。
最高級鉛筆やシャープペンの芯も使えないことは無いが、研磨作用や粘着力も弱い一方、電導性は高いようである。これらのポリマー芯では黒鉛を粘土の代わりに樹脂を使って固めて焼成している。黒鉛と樹脂の炭化物が折れにくく緻密な芯を構成するスグレモノで、日本の誇るべき発明品の一つでもある。様々な硬度の鉛筆とシャープを用途によって使い分ければ良いだろう。
コンタクトZは電気を喰うモーターや懐中電灯、デジカメ等に良く効く。さらに勧めたいのがオーディオの接点復活である。電極が酸化すると接触抵抗が増加するだけでなく、酸化物に信号が加わればのその非直線性によって歪(高調波)や混変調を発生する。巷にはダイヤモンド粉末とスクワレンを使った高価品があるそうだが、専用アプリケーターが一体構造のコンタクトZの方が遙かに使いやすいし、効き目も優れている。ぜひ試して欲しい。
今回コンタクトZを紹介した背景には、自信を無くした日本の製造業へのエールと、工夫を忘れたエンジニアへの覚醒を願う潜在意識が働いたように思う。
2.オイル相談
”どんなオイルを使っているかを白状しろ!!”というメイルも戴く。残念ながら凝ったモノは使っていない。
以前はCストロールを使っていたが、ある時期から品質が低下したので、最近は名古屋自動車の純正(SJもしくはSLグレード)を使っている。缶のデザインも凝っていて、銀座自動車のオイル缶がますます貧相に見える。一時期銀座自動車のデザインはオイル缶に至るまでいい加減だった。ぜひ店頭で比べて欲しい。
国産車には5W-30程度、外国車には10W-40程度を探すが、最近の純正品の粘度は低めである。燃費も節約して始動も軽くする作戦のようで、寿命を意識してか粘度レンジも広くしないようである。高温負荷で不足する油膜強度は有機モリブデンなどの添加剤で補うのだろう。
交換インターバルは渋滞があることと、外気温が高い福岡であること、壊れると高く付く(ビータ)ことを勘案して、忘れていなければ年に2回(約5000キロ毎)を心がけていた。もう一台は距離が出ないので年に1回(約5000キロ)である。最近ビータを知人の190Eと物々交換したので今後も5000キロ毎としたいが、忘れるかも知れない。
スタンドではさかんにオイルの色のことを言うが、オイルは黒くなるのが当たり前である。交換後500キロでもかなり黒くなる。廃棄物削減時代では1年もしくは10000キロの早い方で良いと思うが、渋滞を走る車や壊れると高く付く車の場合には祈る気持ちが働いても不思議では無い。
添加剤としては有機モリブデン系を入れることがあるが、たいていは忘れている。というのは、これを入れていたビータのエンジンがブローしたことがあったからである。原因はタイミングベルトアイドラーの材質不良だった。日本での栄えある第一号エンジンブローとのことで、その後リコールとなった。エンジニアリングサンプル(右ハンドル初ロット)だったので、その後も不思議な故障が続いたが、ディーラーにはかわいがって貰った。
もちろんWebmasterは添加剤の効果を否定しないが、少し高すぎるように思う。たとえば評判の良い某添加剤は、ニュージーランドでの系列製品(一回分6ドル)の10倍以上で売られている。従って壊れると高く付く車の場合に限ってのお布施と考えるべきだろう。
結局エンジンはブローするときはやはりブローするわけで、いかに高級なオイルや添加剤も部品のトラブルをカバーするものでは無い。
3.ホームページデザイン変更
”デザインが変わりましたね?”というメイルもいただく。日本一のウナギ指数の実現を狙う本ページだが、以前からの携帯ユーザーの希望もあってメニューを最後に移動した。ファイルが長くなるとEZ-webなどは変換にしくじるようだが、前より読める可能性は高くなっていると思う。月極の更新の手間もさほど変わらない。
”トピックの頭についている□は何ですか?”という質問があった。トピック量が巨大になったので、一度メニューを紙リソースに印刷していただき、読了したトピックのハコにチェックを入れて貰おう、という老婆心である。若干の紙リソースは消費するが、読者の時空間リソースおよびネットワークリソースを節約して、トータルで地球にやさしいページをめざす試みである。
本当は読了したトピックに印が付くcgiなりクッキーを作れば良いのだろうが、そんなヒマも技術も無いので、コレで勘弁願いたい。ショボイながら紙リソース併用読了チェックボックス(PAT. PEND.)はネット史上初めての試みではなかろうか。ボックスがあるとおもわずチェックを入れたくなるエンジニアの習性を巧みに利用した罠である。
今回初めて質問に対するお答えをトピックに書いたのは、出版後爆発的に増加している質問メイルに十分な対応ができないからである。ぜひご容赦いただきたい。
オイルの話は皆様も興味が高いと見えて、多くのレスポンスが寄せられた。今回は、日計新聞がよく使うスタイルで進めてみよう。後半はちょっとショッキングな話になっている。(プライバシーの保護のため一部はフィクションになっています)
最初のレスポンスは、自称メカ音痴ユーザーAさん(37才、会社員)からのメイルである。
”いままでオイル会員になってこの会社のブランド品を使ってきましたが、言われてみて純正オイルが無いことに気付きました。そこでDIYショップに行くと純正オイルが半額で売っているではありませんか。さらにディーラーでも半額で交換してくれることも知りました。今までダマされたという気分でいっぱいです。”
従ってSFグレードを素人に売ることは社会通念上問題があるし、供給元のM社の信義も問われる。それともSFと書いてあっても実質はSGグレードなのだろうか。不明瞭な心霊写真はWebmasterが念写したものなので、たぶん幻だろうと思うが、ぜひご自分でも念写されることを薦めたい。
次は、自称車にうるさいユーザーBさん(25才、会社員)からのメイルである。
”自分は車が好きで結構タイヤや足廻りをチューンしています。車はDOHCターボなのでレーシング用が向いているとのことで、一番上の棚にある\10000位のオイルを勧められました。しかし始動も重くなり、エンジンのフケも悪くなった気がします。オイルが合って無いのでしょうか?”
一方、外国車を乗り継いでいるエキスパートユーザーCさん(45才、自営)はこう言っている。
”私は商売をやっているので、ここのやりかたはすぐわかりました。しかし外車代理店で売っている指定銘柄はさらに高いので、時々ここに買いに来ます。もちろんオイル交換なんか任せられませんので、なじみの工場で整備の時に入れて貰ってます。ですから全く存在価値が無いとは言いませんね。”
最後は業界事情に詳しいDさん(40才、業界人)からのメイルである。ちょっと背筋が寒くなる内容だ。
”あの話は思わぬ波紋を呼んでますよ。私の知る限り、あのトピックのあと即座に店頭に純正オイルコーナーが作られ、また量り売りメニューからもSFグレードは撤去されているはずです。今はもうSFグレードは無かったことになっていますから、ぜひ行って確かめて下さい。”
不景気な今日では車のメンテ費用に対するユーザーの目は厳しくなっている。この手の商売を長く持続させるにはあまねくユーザー本意であるべきだろう。メーカーもメンテインターバル延長、たとえばクーラント交換を11年もしくは20万キロにするようだが、スライムになったクーラントのために車がオシャカになったらそれこそ環境負荷が高くなる。
Webmasterはリソースの塊である車を長く大事にのる方針であるが、メンテインターバル延長を素直に喜んで良いのか解らない。過大なメンテ費用で潤ってきた整備業界ではあるが、業界が完全が干上がってしまうと今度はユーザーが失うものも大きい。今後のメンテ商売はリソースをムダに消費するのではなく、リソースを節約するためのスキルでカネを取るべきである。
驚くべき追加++
業界事情に詳しいDさん(40才、業界人)からの追加情報である。さらに背筋が寒くなるかも知れない。
”テポドンでしたね。完全に干上がっていますよ。結局量り売りはSFグレードを撤去してSGグレードにしたのですが、ここ2,3年の車は最低SJグレードを保証条件としているので、今はSJグレードになっています。仕方がないのでオイル会員入会をタダにして、店内割引券を配ってますが、さっぱりです。ぜひ確認してください。”
最近は掲示板でオイルの話題が沸騰しているようだ。エキスパートの間では高級油を入れるよりは安いオイルを短いインターバルで変えた方が良いと言われている。しかし最近は単純にインターバルを議論できない要素がある。それが環境負荷である。
例えばホンダは新型からクーラント交換を11年もしくは20万キロとするらしい。おそらくデキシクールの類似品だと思われるが、その目的はトータルの廃液量を減らすことである。しかしクーラントがスライムになって車が早々にオシャカになったら膨大なリソースの無駄になるので、兼ね合いが難しいところである。
本ページではトータルな地球リソースの削減に取り組んでいる。中でも重視しているの風水指数だ。風水指数は次の計算式で求められる。
風水指数(PAT PEND) = 工夫による地球リソース節約量/工夫のために消費する地球リソース
リソース削減のためにより多くのリソースを消費するのでは意味が無いのである。この考え方は環境負荷削減の努力と殆ど同義語である。今回は自宅に施してあるフロア壁面スキマ加工について紹介したい。
この加工は床と壁のスキマを塞ぐ加工である。Webmasterは入居時に各室にエアコンを設置したが、寒波がやってくるとエアコンはまったく力不足であった。そこで施したのがこの加工である。最近の家庭内ナショナリズムの勃興に伴って、Webmasterの物置が没収され居室になったので、この加工を施すことにした。
用意するものはシリコンシーリング材(透明タイプ、333ml)とコーキングガンである。DIY店に行けば合わせて1000円以下で揃う。材料費が安いということは、材料の環境負荷が小さいことでもある。施工法は写真を見れば解るだろう。コツとしては、まず荷物を良く片づけておき、ホコリなどを掃除機とクロスで良く取り除いて置くことである。
シーリング材のチップの先はなるべく小さくし、スキマを塞ぐのに必要最低限量使用する。量の目安は写真を見て欲しい。塗布後に指でなでつければOKである。
シーリング材1本で家中加工しても余るだろう。乾くのに2日ほどかかるが、その間臭気があるので換気する必要がある。できれば寒くなる前に加工しておきたい。スキマだけでなく床や壁面の剛性も向上する。
Webmasterの家では台所と物置部屋以外はすべて施工している。台所に施工していない理由はスキマ風があったほうがガス中毒予防になると考えたからである。我が家では1階の屋根裏にも断熱材を置いてある(Webmasterが天井裏に潜って施工した)し、山本式サッシ加工や山本式ドアクローザーも併用している。
これら加工でどの程度環境負荷が削減されているだろうか。おおむね我が家で冬季に消費する灯油量はここ数年20缶(360L)弱である。これが同規模の他の家に比べて多いか少ないかは解らないが、生活費のノイズに埋もれるほどの出費で済んでいることは確かである。当然灯油を買いに出かける頻度も低い。
ぜひ本ページで紹介している各種の風水工学の実践で、環境負荷の削減にとりくんでいただきたい。
Webmasterのところにはキャロルの後釜としてトヨタのビッツが居座っている。それは軽自動車よりもビッツのほうが安かったからである。そう言えば買って1年以上たつのにオイルを交換した記憶が無い。そこでオイルの買い出しである。
メーカー指定はクリーンSJ10W-30というものだ。マルチグレードにしてはレンジが狭いが、最終的にスラッジになる粘度調整剤を減らして長寿命を狙ったものだろう。指定の交換頻度は1年もしくは15000キロの早い方となっている。1年もしくは10000キロが適当だと思うが、年に10000キロ以上走る車は郊外で使われていて市街地走行より負荷が軽いという読みだろうか。
クーラント交換も3年毎となっているが、ユーザー車検が多い現在ちゃんと守られているだろうか。クーラントが汚いと7万キロくらいでウォーターポンプのパッキングが破れてベアリングが壊れるので、タイミングベルト類込み込みで10万円の出費になる。
メーカーは日本での使用状況から見て性能や寿命にはある程度目をつぶって消耗品の廃棄物を減らす方向である。もちろん加工精度や消耗品の質が良くなっていることもある。ディーラーにとって商品価値があるのは車歴6年までで、その間はメンテしていなくても致命的なトラブルが出ないようにしなければならない。
それ以上の車歴を望む場合は、消耗品を一通り交換することになる。車歴10年になってエアコンや発電器、パワステポンプのメンテが必要になるころには座席や車体がダメになっているので、よほど頑丈なドイツ車でも無い限り10年が車の寿命のメドとなる。
メーカーはメンテ期間をどんどん伸ばしている。一方異様に高かった車検費用からユーザー車検が増えているが、ユーザーのメンテ能力はどんどん低下している。メーカーとユーザーのボタンの掛け違いのために、今後はメンテ不良ではや6万キロあたりでエンコする車が増えることだろう。メーカーはドラマの提供だけでなくユーザーの教育にもっとカネを使うべきである。
と言うわけで、最初に立ち寄ったのは全国チェーンの蜜柑印自動車用品店である。驚いたことに国内メーカー純正オイル類が無い。Webmasterが探しているのは、日本一多くの車で指定されていて、そこらのホームセンターに\2000弱で積んであるオイルなのだが。かわりに一般ユーザーが聞いたこともない高価な舶来ブランド品ばかり積んである。
かといって量り売りしているのはSF10W-40という不思議なグレードのオイルである。最近SGよりも低いグレードを見かけないが、メーカーがこのチェーン店のためだけにSFグレードを作っているのかどうかも疑わしい。よく見るとSGグレードの量り売りメニューがテープで消してある。高い舶来ブランドを買わせようとする策略か。
他にも不思議な点が多い。どうでも良いアクセサリー類は山積みなのに、大事な消耗品類は揃っていない。ランプ売場には得体の知れないハロゲンランプ類が乱舞しているのに、純正グレードのランプが無い。点火プラグなども数える程しかない。全体に値段も高く、例えば独自ブランドのクーラントは純正品の倍近い。
一時流行したタイヤ/ホイールやサスペンション、マフラー類にもあまり力が入っていないようである。手間がかかってトラブルの原因となるサスやマフラー交換よりも、機械と取り付けの両方でマージンが大きなナビ類に全力投入のようである。つまりユーザーの都合よりも商売の都合が優先しているのである。メンテの知識が乏しい客が多いので、ディーラーより部品やメンテが高いことに気付いていないようである。
と言うわけでチェーン店でオイルを交換するのはやめて、自宅でオイルを下抜きで交換することにした。1000ccのエンジンなのでオイルは2.7リットルほどで済んだ。交換する間エンジンを眺めてみると、どうしてチェーン店のあざとい商売が成立するのかが見えてきた。
ヘッドを見るとバルブタイミングは連続可変である。4本の細いエキゾーストはタコ足もどきだし、プラスティック製の吸気管もトグロを巻いている。ディストリビューターは無く気筒独立のコイル一体型点火システムがネジ止めされていて、簡単にはプラグ交換ができない。オートマは電子制御の4速である。かつては高級車にだけ見られたメカが最も安い車に詰まっていて、ユーザーの手が入るところが無い。
国産車だから消耗品は消耗し尽くすまでエンジンは止まらない。オイルもクーラントも最小の容量ながら、渋滞中に蒸気を噴くことも無いし、エアコンも良く効く。入れる必要があるのはガソリンとウインドウォッシャー液だけである。最近の車には上等なタイヤ/ホイールがついてくるから、その手の需要も減ったのだろう。
つまり、メーカーの血のにじむような開発努力とコストダウンの上で、ディーラの儲けまでを横取りしておいしい部分だけをかじっているのがこの手のチェーン店なのである。こんなあざとい商売を許す位なら、T社やN社が閑古鳥が鳴いているディーラーの土地に自動車用品店チェーンを開いたらどうだろう。その方がよほどユーザーの利便とメカニックの雇用維持になる。
Webmasterは間違いなく世界一の品質を持つ国産大衆車と、真のメンテをしないディーラーと自動車用品店、そして一億総メンテ音痴になりつつあるユーザーを見ると複雑な思いである。今後勃興するアジア諸国との戦いに日本は勝ち残っていけるのだろうか。Webmasterの知る限り、典型的な欧米の知識人は車や家、ボイラー、芝刈り機などのメンテに関する知識は日本人より数段上であるし、別荘のペンキ塗りやボートの手入れが休暇中の高級なレジャーのようである。