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ばーちゃる耳鼻咽喉科 検査ページ


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検査一覧

耳の検査

耳X線検査
側頭骨拡大CT検査
MRI検査
純音聴力検査
ABR検査
ティンパノグラム
アブミ骨筋反射検査
歪成分耳音響放射検査(DPOAE)
平衡機能検査(めまいの検査)


鼻の検査

鼻X線検査
鼻CT検査
鼻腔通気度検査
静脈性嗅覚検査
嗅覚検査(オルファクトメトリー)
鼻内視鏡検査


口、のど、頚部の検査

頚部CT検査
上咽頭高圧撮影側面
唾石撮影法(牟田法)
喉頭高圧撮影法
甲状腺シンチグラム検査
味覚ディスク検査
声音検査
電気味覚検査
超音波検査>
穿刺細胞診断
食道透視


耳の検査


耳X線検査 (Xray imaging of the ear)



シューラー法は耳を側面近くから撮影する方法で、額関節、外耳道(と中耳が重なって写る)、乳突洞の発育の具合、中頭蓋底の高さ、S字状静脈洞などの様子が観察されます。

幼少期より中耳炎を繰り返すと乳突洞や蜂巣(泡のように見える部分)の発育が悪くなります。また真珠腫性中耳炎があると、骨破壊像が観察されることがあります。

ステンバース法では、内耳道の形や大きさ、上半規管、外側半規管、前庭、蝸牛と乳突洞の発育が観察されます。内耳道に発生する聴神経腫瘍では内耳道の拡大が見られることがあります。

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側頭骨拡大CT検査 (CT of the temporal bone)

側頭骨拡大CT検査(クリックしてください) 側頭骨に焦点を絞って高い解像度でCTを撮影します。上から(右上)から上半規管、内耳道、蝸牛、外耳道、乳突洞などが極めて鮮明に描出されます。真珠腫性中耳炎や腫瘍などでは重要な検査です。

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MRI検査 (MRI)

MRI検査(クリックしてください) MRI検査は組織の磁気共鳴を利用した撮影方法で、水に富んだ軟部組織の病変がよく描出されます。またX線を使いませんし、自由な断面の画像が選られます。T1検査では主に解剖学的な情報が、またT2では炎症や腫瘍がよく染まります。 Gd(ガドリウム)造影剤を使うとさらに血行の状況が描出されます。

写真は小脳橋角部から内耳道にかけての腫瘍が明瞭に描出されています。ただし骨が写らず条件によって画像が変化するなど画像の解釈には注意が必要で、CT検査の画像との比較が必要になる場合があります。

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純音聴力検査 (audiogram)

純音聴力検査は、聴力検査の中では一番標準的な検査です。検査を受ける人はヘッドフォーンを頭にかけて、スイッチボックスを手に持ちます。ヘッドフォンからいろいろな周波数の音がいろいろな強さで聞こえますので、少しでも聞こえたかな、と思ったら聞こえているあいだスイッチボックスのボタンを押します。

検査の種類には気導検査骨導検査があります。気導検査はヘッドフォンを使って空気を経て鼓膜を振動させての通常状態での聴力を検査する物ですが、骨導検査では、耳の骨(側頭骨)に直接振動を加えて主に内耳の聴力を検査します。

検査の結果を図示したものをオーディオグラムといい、縦軸に音の強さ(上ほど音が小さく、下ほど音が大きくなる)、横軸に音の周波数(左側は低い音、ブー、右側は高い音、ピー)を示します。気導検査では右側の聴力をで示し、それを赤線でつなぎます。左側はで示し、鎖線でつなぎます。骨導検査では右側の聞こえを[の形で、左側の聴力を]で表します。

ここで例示したオーディオグラムは正常例です。気導聴力は10dBあたりでほぼ水平線を描いています。また骨導の[]もほぼ同じ線上にあります。聴力は上にあるほど良く、下に下がるほど悪くなります。

難聴には感音性難聴といって内耳の障害が主なもの、伝音性難聴といって鼓膜から耳小骨を経て内耳に音を伝える部分の障害が主な物、混合性難聴といってその両者に障害があるものがあります。感音性難聴の場合は気導、骨導が重なった形で聴力が低下します。伝音性難聴の場合は、気導聴力が骨導聴力より悪くなるため、下になります。

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ABR検査 (auditory brain stem evoked response)

純音聴力検査は、検査を受ける人が正しく音を判断してスイッチを押す必要があります。従って子供や、全身状態の悪い場合は検査が困難です。ABR検査では、検査を受ける人にヘッドフォンで音を聞かせたときの脳波を記録します。

人間が音を聞くとその後約1.5ミリ秒で音が蝸牛神経に到達し、その後約1ミリ秒間隔で5つのピークを持つ脳波が蝸牛神経から脳幹、橋、下丘にかけて発生します。この脳波はとても弱いので一回の記録でははっきりしませんが、約1000回重ね合わせると5つの波のピークが見えてきます。

第1波は同側蝸牛神経遠位端、第2波は同側蝸牛神経近位端、第3波は同側蝸牛神経核、第4波は反対側上オリーブ核、第5波は反対側外側毛帯核が起源と言われていますが、異説もあります。

正常ではおおむね5つのピークがありますが、脳幹に病変があるとその場所に応じたピークが消失したり、ピークが出現する時間が遅れるので病変部位がわかります。この検査を受ける人が完全に睡眠中でもこれらのピークは出現しますので、どのくらいの音で反応が記録できるかでまったく客観的な聴力検査を行うことが出来ます。

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ティンパノグラム (tympanogram, tympanometry)

鼓膜は外耳と中耳を仕切るとても薄くて振動しやすい膜です。耳管という中耳と鼻の奥をつなぐ管の機能が良好な場合は外耳と中耳の気圧は等しく、鼓膜が振動しやすい状態にあります。

耳管の働きが悪いと中耳の気圧は外耳の気圧より低くなり(陰圧)鼓膜が振動しにくくなります。さらに耳管の働きが悪いと中耳に水がたまるため、鼓膜が振動しにくくなり聴力が低下します。この鼓膜の振動しやすさをしらべる検査がティンパノグラムです。

ティンパノグラムでは外耳の気圧を連続に変化させながら鼓膜の振動しやすさを曲線で記録します。横軸に気圧、縦軸に鼓膜の振動しやすさを示します。正常では外耳と中耳の圧力が同じに保たれていますので、外耳の気圧をゼロ(大気圧)にしたときに一番振動しやすいので中央にやまなりの曲線を描きます(A型)。

滲出性中耳炎では中耳の気圧が低くなっていますので、外耳の気圧を低くしたときに鼓膜の振動が最大になりますので、カーブの山が陰圧の方に(左に)移動します(C型)。

さらに滲出性中耳炎がひどい場合、中耳に水がたまって鼓膜が振動しにくくなった場合はほとんど山のない水平線になります(B型)。

鼓膜や耳小骨に石灰が沈着して動きが悪くなる場合にも曲線の山が低くなります(As型)。鼓膜が薄くなって弱くなったり、耳小骨が外傷で離断すると、異常に鼓膜が動きやすくなります(Ad型)。

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アブミ骨筋反射検査 (stapedial reflex)

鼓膜に大きな音が加わると、内耳の障害を防ぐために耳小骨の動きを制限するしくみがあります。そのひとつにアブミ骨に付着する筋肉があります。おおむね90dB(HL)という大きな音を聞かせるとアブミ骨筋が収縮し鼓膜の動きを抑えます。これをアブミ骨筋反射といいます。

アブミ骨筋を支配する神経は顔面神経に含まれます。顔面神経は脳幹を出て中耳で涙腺を支配する神経を分岐し、さらにアブミ骨筋を支配する神経を分岐し、さらに味覚を支配する鼓索神経を分岐し、次に耳下腺を貫通して顔面の表情筋を支配します。従って、涙の分泌量、アブミ骨筋反射、味覚、顔面の表情と検査していくと、顔面神経の障害がどこで発生したかがわかります。

この反射は検査を受ける人の意志に関係しないので、もしこの反射が90-100dB程度の音で観察されば聴力はほぼ正常であることがわかります(客観的聴力検査)。

この反射は検査耳と反対の耳に大きな音を加えても観察できますので検査側の聴力が悪くても、反対側の聴力が良ければ検査が可能です。

さらに、外傷によって耳小骨がはずれて音が伝わらない難聴(耳小骨離断による伝音性難聴)や、耳小骨が固まっておこる難聴(耳硬化症や鼓室硬化症)では反射が低下します。

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歪成分耳音響放射検査 (DPOAE distortion product otoacoustic emission)

最近の研究により、音の受容器である内耳から逆に音が放射されていることが解り耳音響放射(OAE otoacoustic emission)と呼ばれています。この音を記録する事により、内耳の機能を検査する事が可能になりました。

最近は歪成分耳音響放射検査 (DPOAE distortion product otoacoustic emission)の測定が行われるようになりました。これは耳に2つの周波数の音を加えると、内耳のもつ非直線性のため、内耳から2つの周波数の和や差の周波数の音が放射される現象を利用したものです。

図は検査の結果を示したものです。F2は耳から放射された音の周波数で■で示されるグラフはその大きさを示しています。この場合は放射された音は環境の雑音(斜線のグラフ)より大きく、ほぼ正常であることがわかります。

この検査は幼少児のための他覚的な聴力検査として応用されていますが、その解釈は専門医によって慎重に行う必要があります。

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平衡機能検査 (Balance and Vestibular function)

平衡機能検査の説明の前に、なぜヒトはめまいを感じるかを考えましょう。

あなたが頭を動かしても横になっても、あなたの近くの大地はつねに水平で固定しているように見えます。しかしあなたが感じている外界は網膜に写った画像そのものではありません。脳が常にあなたの頭や眼の動きを感知して網膜の画像を補正し、外界が一定に確固と動かないものとして知覚されるにすぎません。その証拠は簡単に証明できます。何かを見ながら上瞼の上を軽く押して下さい。景色がグラグラ動くのがわかります。

最近のビデオカメラには”ブレンビー”なる装置がついて、手ぶれを防ぐようになっています。人間の見る景色も似たように補正されているので、たとえ自分が飛び跳ねても外界は一定に見えるわけです。これにはどのような機構が関係しているのでしょうか。

脳は、これらの情報を総合し、さらに経験則((例えば地面は水平で柱は垂直とか、台所の右にトイレがあるはず、とか)に照らし合わせて、あなただけが飛び跳ねていてもあなた自身を空間に定位させているわけです。ですから、まぶたの上を軽く押すという非生理的な行動で、簡単に破綻を来すわけです。

このように脳は情報を統合してあなた自身が空間に正しく定位するように一生懸命計算しています。最近のテレビゲームがやっと立体的になったように、三次元の計算はとっても骨が折れます。ヒトはそのためにたいへん高級な専用計算機(前庭、小脳系)を持っていて(ちょうどパソコンの浮動小数点コプロセッサーやビデオアクセラレータのようなもの)、計算を駆使しますが、やはり限界があります。

そうして、空間の計算が破綻して、つじつまが合わなくなり自分自身が空間に定位しないように感じる感覚が”めまい”なのです。

典型的なものに動揺病があります。船酔いでは、船室にいて船室と自分自身との視覚情報による関係は一定なのに前庭機能からは頭の加速度の情報が入ってくるので、情報に矛盾が生じてめまいを自覚するわけです。ですから外にでて水平線を見ると、めまいがおさまります。


めまいの原因

めまいの原因として下記の物があります。

これらの原因を検査するのが平衡機能検査です。どのような検査を重視するかは、医者によって差がありますが、以下に代表的な物をあげます。


平衡機能検査 (Test for vestibular function)


脳(中枢)の働き

以上の検査で、視覚、平衡感覚、深部知覚の障害を検査しますが、これらの情報を統合し、経験則に照らし合わせて、あなたが空間に定位するように知覚するのは脳の働きです。脳の働きが良ければ、視覚、平衡感覚、深部知覚の情報に多少の矛盾があっても上手に補正しますので、めまいを自覚せずにすみます。

しかし、脳自体の障害、疲労、不安、うつ傾向、神経症、睡眠不足などがあれば、計算の補正がうまく行かず、めまいを自覚しやすくなります。さらにめまいがひどいと不安になり、ますます疲労したり睡眠不足になったりして神経をすり減らすと、またまた悪循環に陥ってしまいます。逆に間違った情報(例えば片方の内耳機能が廃絶している)などがあって、以前の経験則から脳によるセンサーのゲインの補正がうまく働いていれば、ほとんどめまいを自覚しません。

むかしから、眼がまわるような忙しさ、という言葉あるように、脳が疲れて平衡機能の情報をうまくコントロールできないと、めまいが生じるようになっているわけです。これは病気ではありますが、めまいという感覚は、患者さんがそれ以上過労になって体に不可逆な障害をおわないように、あるいは転倒して大きな怪我をしないように、強制的に休息をとらせるために備わった安全装置(ヒューズ)のようなもの、という考え方もあります。

さらに混乱した脳は、視覚、深部知覚、平衡感覚に間違った情報を出力することもあり得ます。自律神経失調が起き、ますます耳石や三半規管などが血行不全、浮腫などを起こすことがあります。また体中の筋肉に誤った情報が加わると肩こりや頭痛などが起きます。

これらの障害のために悪循環が生じ、めまいの治療を難しくしています。めまいの治療では規則正しい生活、食事、十分な睡眠は、この悪循環をとりのぞくために一番重要な事です(めまいに限ったことではありませんが)。これは、電気を使いすぎた時にブレーカーが落らたら、電化製品の使い方を改めないといけませんよね。間違っても、落ちたブレーカーをガムテープで固定して電気を無理に使うと火事になります。

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鼻の検査


鼻X線検査 (Xray imaging of the nose)


鼻腔の中は鼻鏡で見えますが、副鼻腔は直接観察できないのでX線検査が必要になります。

顔面正面(左)では、前頭洞、篩骨洞、上顎洞が観察できます。

Waters法(中)では、主に上顎洞が良く観察できます。

右慢性副鼻腔炎(右)です。向かって左側の上顎洞が全体的に白く濁っています。 検査一覧に戻る


鼻CT検査 (CT imaging of the nose)

鼻CT検査(クリックして下さい)鼻の構造は三次元的でとても複雑です。従って鼻疾患の診断には鼻CTはかかせません。主な構造は鼻腔、前頭洞、篩骨洞、上顎洞などです。くわしくは上の画像をクリックして下さい。

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鼻腔通気度検査 (rhinomanometry, test for nasal passage)

金属板を鼻の前に置いて鼻息を出すと板が鼻息で曇もります。その具合や左右差を見て鼻の通りを検査します。簡単ですが説得力のある検査です(鼻の通りが良いのに悩んでいる人もいます)。

右の機械はもうすこし上等な鼻腔通気度計です。鼻腔を通る空気流量と前後の圧力差を測定し、鼻腔の抵抗を算出します。

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静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)(olfactometry)

この検査では検査を受ける人の腕にビタミン剤を静脈注射し、ゆっくりと鼻呼吸してもらいます。ビタミン剤は肺で気化し鼻腔を通り、にんにくのようなにおいがします。においがしはじめた時間と、しなくなった時間を記録します。

この検査は簡単な検査なのでどこでも行うことができます。

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嗅覚検査(オルファクトメトリー, olfactometry)

この検査では、バラのにおい、焦げたにおい、腐敗したにおい、桃のにおい、便のにおいの5種類について、いろいろな濃度に調整した溶液を使用します。

まずそれぞれのにおいの一番薄い溶液を細長い紙につけて、鼻先にもってきます。においが解らなければもう1段濃いにおいの溶液で検査します。においを感じればそれを記録します。また、本来と違ったにおいに感じればこれも記録します。同じ事を5種類のにおいについて検査して図示します。

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鼻内視鏡検査 (endoscopic inspection of the nose)

鼻の中の構造はとても入り組んでおり、鼻の前から鼻鏡で見る検査だけではすべてが見える訳ではありません。もちろんX線検査やCT検査で見えない構造は知ることが出来ますが、見えない部分の表面の性状までは見えません。

そのため、ファイバースコープ検査を行います。ファイバースコープの先端は細くて自由に曲がりますので、見えない所をのぞき込むことができます。

もうひとつは通称針状鏡と呼ばれる物で、曲がりはしませんがとても細く、画質が良いのが特徴です。また針状鏡には先端の真横が見える種類のものもあります。最近の慢性副鼻腔炎の治療には、機能の温存を図るために内視鏡下での手術がよく行われるようになってきました。

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口、のど、頚部の検査


頚部CT検査 (CT imaging of the neck)

頚部CT検査(クリックして下さい)口腔、頚部には、血管、気管、神経などが入り乱れていてとても複雑です。くわしくは上の画像をクリックして下さい。

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上咽頭高圧側面撮影 (Xray imaging of the epipharinx)

この検査では頭部の側面を高い電圧のX線で撮影しますので、骨と空気のコントラストがはっきりします。

写真では小児のアデノイド(正しい名称はアデノイド増殖症)が大きく写っているのがわかります。アデノイド増殖症は鼻閉、いびき、滲出性中耳炎の原因となることがあります。

成人ではいびきや上咽頭腫瘍の診断に用いられます。また、下垂体腫瘍などもこれで見つかることがあります。

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唾石撮影法 (Xray imaging for the sialolithiasis)

顎下腺は唾液腺の一つで、顎の下からワルトン管という管を通じて舌の下(舌下小丘)に唾液を分泌します。

この管を細菌が逆行すると急性顎下腺炎を起こします。これを繰り返すうちに、細菌や組織を核にしてカルシウムが沈着して唾石という結石ができます。

この唾石を撮影する方法が唾液腺撮影(牟田法)です。この例ではワルトン管の中間あたりに球形の唾石が写っています。

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喉頭高圧撮影法 (Xray imaging of the larynx)

咽頭、喉頭、下咽頭、気管の形状を知るには喉頭高圧撮影法が適しています。正面と側面についてそれぞれ発声時と吸気時を撮影しますので計4枚になります。

まず正面の発声時ですが、両側の声帯が内側に寄って閉鎖し、声が出るようになります。同時に喉頭全体が挙上します。反回神経麻痺があると、声帯が動かなくなります。

次に吸気時には声帯が広がります。下咽頭の梨状陥凹も写りますので、下咽頭腫瘍があれば梨状陥凹が閉じてしまいます。また甲状腺腫瘍があれば気管が圧迫されて狭くなります。

側面では咽頭、喉頭、気管の構造が良く解ります。気管後壁と頚椎の距離が大きくなると下咽頭腫瘍や頚部食道腫瘍の可能性があります。また頚椎の変形も良く描出されます。

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甲状腺シンチグラム検査 (Scintigram of the thyroid gland)

微量の放射性同位元素を投与して、臓器への取り込み具合を調べる検査をシンチグラムといいます。

甲状腺の組織はヨードを取り込んで甲状腺ホルモンをつくる働きがあります。甲状腺腫瘍の部分は正常甲状腺に比べるとヨードの取り込みが少ないので、薄くうつります。

これに対してタリウムは甲状腺腫瘍やその転移巣に強く集積する性質があります。このふたつの検査からこの症例では甲状腺左葉(向かって右)の上部に腫瘍があり、これが右上頚部(向かって左)にも転移巣があることが解ります。

シンチグラム検査では形態と機能の関連を知ることができますが、放射性同位元素を用いるために、また超音波検査、CT,MRI、穿刺細胞診断などが発達したので、行われる例が減ってきています。

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味覚ディスク検査 (gustometry, taste test using disc)

この検査では、砂糖(あまい味)、塩(塩辛い味)、クエン酸(すっぱい味)、塩酸キニーネ(にがい味)の4種類について、いろいろな濃度に調整した溶液を使用します。

それぞれの味で、一番薄い溶液にひたした丸い濾紙を舌の上に置いて、味が解らなければもう1段濃い溶液を使って検査します。味を感じたときの溶液の濃度を記録します。また本来と違った味に感じた場合はそれを記載します。これを4種類の味について記録します。

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声音検査 (voice test)

声音検査ではまず間接喉頭鏡やファイバー検査で声帯の形状や動きを見ます。
ストロボ検査では、声帯表面の振動の状態を見ます。
音の強さ、高さ(周波数)、呼気流量の関係を調べます。この3つのパラメーターを二次元的に表示するフォノグラム検査、三次元的に表示するキュービックフォノグラム検査があります。
声を出す時間を測定する最長発生持続時間(正常では15秒以上)も有効な検査です。
他に声の聴覚的な印象を判断する、聴覚的評価(GRABAS分類)があります。

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電気味覚検査 (electrogustometry)

舌に弱い電流を流すと味覚を感じます。この原理を用いて舌に電極を置いて、次第に電流を強くし、味覚を感じた時点の電流の値を換算値(dB表示)で記録します。

舌の前3分の2の味覚は、舌神経、鼓索神経、顔面神経を経て脳幹に入力します。舌の後ろ3分の1と咽頭は舌咽神経、迷走神経を経て脳幹に入力します。従って舌のいろいろな部分の味覚を検査することによって障害を受けている神経を同定することができます。

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超音波検査 (echography

超音波を使って、皮下の腫瘍の大きさや性状を記録します。また腫瘍と周辺の血管や筋肉などとの関係が明瞭に解ります。

、 この検査はまったく前処置(検査のための麻酔や絶食、投薬など)を必要とせず、まったく痛みがありません。また、超音波ので腫瘍を観察しながら、穿刺細胞診を行うことにより敏速で確度の高い医療情報を得ることができます。

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穿刺細胞診断

まず触診、超音波、CT、MRI画像などで病変の位置や性状を確認します。

次に病変の中央をねらって極めて細い針を刺し内容を微量吸引採取します。

それをスライドグラスに薄く塗り広げ、直ちに固定液にひたして標本を固定します。これを特殊な方法で染色し、細胞の形態、種類、良性悪性の鑑別を行います。

この方法の最近正確度が向上し、手術前の有力な診断法のひとつになっています。甲状腺や耳下腺の病変の中央に正確に穿刺し、十分な材料が採取できた場合には、高い正確度で診断が可能です。

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食道透視

咽頭腫瘍、喉頭腫瘍、頸部食道腫瘍の診断には食道透視が行われます。少量の造影剤を口中に含み、嚥下させ、粘膜の性状や形態を観察します。

嚥下障害の診断には嚥下のどの相が障害されているかを観察します。体位は前後、斜め(斜位)の他、バルサルバといって口腔咽頭を膨らませる操作も加えます。

嚥下には3つの相があります。

第1相は口腔期と呼ばれる主に随意的な運動で、食塊が口のなかで咀嚼され、おもに舌の動きによって咽頭に送られ、反射的に第2相に移行します。

第2相は咽頭期と呼ばれる半不随意的な運動で、軟口蓋が咽頭後壁に密着し咽頭と鼻腔を分離します。舌根が上昇し声帯が閉鎖されます。咽頭の筋肉群が収縮し咽頭の圧力を上昇させると共に、食道入口部を閉鎖している輪状咽頭筋という筋肉がゆるみ、食塊を食道に送られます。

第3相は食道期と呼ばれる完全に不随意的な運動であり、食道に投入された食塊は食道の蠕動(ぜんどう)運動によって胃に運ばれます。

X線像はフィルムに記録するだけでなく、ビデオ撮影し、動的な障害の診断を行います。また手術後の嚥下状態を把握し、経口摂取が可能かどうかを判断します。

透視ビデオでは、嚥下の様子を観察します。

また、嚥下第2相障害例では、咽頭の収縮が十分でなく、また輪状咽頭筋の開きも悪いため、食物をうまく食道に運ぶことが出来ず、また同時に喉頭に誤嚥を起こしている。(再生にはRealPlayer Ver.5 (Free)が必要です)。

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文責:山本智矢(webmaster)