カメラマンになろう!
写真研究室
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 第2回の自問自答は、「絞り」にしました。前回の「露出って何?」でも少し出てきましたが、結局絞りを変えると、何が変わるのか?どのように変化するのかを、調べてみました。

  まず、絞りというのは、通常一眼レフの交換レンズ等の場合は、レンズの中に羽の様な物があり、絞り込むとその羽が繰り出してきて、光の通る穴を狭くします(図1)。 「レンズの穴が狭くなると、写る範囲もせまくなるのでは??」と思いましたが、そんなことはないようです。この絞りというのは、人間の目の瞳孔と同じようなものなのです。人間の目は大変高性能?で、もの凄く明るい炎天下の外でも、ロウソク一つの薄暗い部屋のなかでも物を見ることが出来ます。これは目の瞳孔が開いたり閉じたりしてるから、どんな所でもちゃんと見れるようになっています。明るいところでは、瞳孔が閉じて目に入ってくる光の量を減らしています、その時でも見える範囲は狭くならないのと同じでカメラの絞りを絞っても写真に写る範囲は変わりません。

図1:絞りのイメージ図
左が絞りが開いている状態から、右が絞り込んだ状態のイメージ図です。ヘタクソだけど・・・

 上の図1の様に、絞りを絞るとレンズの中で羽が出てきて、光の通る穴を狭くします。すると、当然光の量が減って画面が暗くなります、がしかし、ただ単に暗くなるだけではなくて、「被写界深度」が深くなるそうです。被写界深度については、また次回詳しく調べる予定ですが、とにかく被写界深度が深くなると言う事は、簡単に言うと「ピントの合っている範囲が広くなる」と言う事です。だから、逆に言えば、よく雑誌などで見かけるような背景が綺麗にぼけてるアイドルの写真みたいなのが撮りたいときは、絞りを開けて撮影すれば良いわけです。


絞って撮った写真(f16、1/8秒) 開放で撮った写真(f1.8、1/750秒)


F値ってなんだ?

 上の写真のコメントの様に、絞りは"f1.8"とか"f5.6"等の"f"がつく数字で表されます。 通常のレンズの場合、絞り値は小さい数字から大きい数字へと沢山書かれています。
例: f1.0, 1.4, 2, 2.8, 4, 5.6, 8, 11, 16, 22, 32
この数字が1つ大きくなるごとに、一定時間に通る光の量は半分になり、 1つ小さくなるごとに、一定時間に通る光の量は2倍になります。 この絞り値とシャッタースピードを組み合わせて、露出を決めるのです。
 例えば、シャッタースピードが"1/500"で、絞りが"f5.6"で適正露出の場合に、シャッターを2倍の時間"1/250"にしても、絞りを半分の"f8"にすれば同じく適正露出になるのです。不思議ですね〜? えっ? 全然意味がわからない? 安心してください、今はまだ解らなくても全然OKです。だって、この事をマスターすれば、マニュアルカメラをマスターしたような物ですから・・・(いいすぎ?・・笑)。 ゆっくりと理解して行きましょう!

 レンズの絞りを開放にした時の F 値を、開放絞り値(開放 F 値)といい、最も絞った F 値を最小絞り値といいます。「だからなによ!」と言わずに、まぁ聞いてください。開放F値の小さいレンズを使えば、ファインダーでも明るく見やすいし、暗い場所でもシャッター速度も稼げて手ぶれもしにくく、なんと言っても背景をぼかしたキレイな写真が撮れます。こういうレンズを「明るいレンズ」と言います。明るいレンズだと良いことだらけなのですが、開放 F 値を小さくするためには、レンズの口径を大きくする必要があり、レンズも大きく重く、設計も難しくなるので、値段も高くなってしまいます。例えばキャノンの”EF50mm f1.0L USM”は、値段が37万7千円もするそうです・・・ 凄いですね・・・ ハァ。

 
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