![]() ピアノは調律だけでなく、音質・弾き具合(タッチ)などにも変化が生じてきます。その変化の大きさには、使用時間が多かった・よく弾きこんだということだけでなく、ピアノが置かれている環境も関係しています。
近年、住居の密閉性が高まり、エアコンによって瞬時に部屋の温度を変えることができるようになりました。でも人間にだけ都合の良いように温度を急激に上下させることは、実はピアノにとっては好ましくないことだったりします。
使用時間が少なくても、悪条件が重なるとせっかく気に入って買ったピアノでも、音が硬くなったり、反対にぼやけたような輝きの無い音になったり、タッチが不揃いになって弾きにくくなってしまいます。
「ピアノを気持ちの良い音やタッチで楽しんでいただきたい」というのが私の願いです。またそれができるだけ長期間続くようにするのが私の役目だと思っています。
ご自分のピアノの状態を正しくお知りになりたいお客様には、お伺いしてどんな風にメンテナンスしていけばよいかアドバイスさせていただいています(出張費のみ)。「我慢してでも、もう少し使い続けたい」といった場合もどうぞご相談ください。
![]() 調律師の仕事として一番有名です。簡単にいえば音を合わせること。「音のお掃除」と表現した仲間(調律師)がいます。
![]() 全体的に音が大きく下がったピアノでは、まず音を標準の高さまで戻すためにざっと一度調律し、そのうえもう一度仕上げの調律をします。これを「ピッチ(音の高さ)上げ」といって、一度目にざっとする調律を「下律(したりつ)」といいます。下律が必要なのにこれをしないで済ますと、調律後1日も経たないうちにせっかくした調律も台無しになってしまいます。全部の音域で下律が必要な場合、中・高音部だけで済む場合や、部分的に2度の下律が必要な場合など、いろいろな場合がありますので、ピッチ上げの料金は “上限が基本調律料金の5割増し” としています。
![]() 「弾きにくいピアノ」を「弾きやすく」する、といったらいいでしょうか。「弾きにくいピアノ」はピアノの中にある機械(アクション)の動きが正常でない場合が多く、そのまま弾いていると部品が変形してしまったり、故障の原因になったりします。
![]() ピアノのよく使われる音は、弦をたたくフェルトのハンマーが硬くなったり変形したりします。それがあまり使わない音との間に音質の差となって表れます。また置いた部屋の音の響きぐあいで、買うときにお店で聞いた音とまったく違った印象を受けることもよく経験します。そんなときに弦をたたくハンマーに直接手を加え、音質の不ぞろいを直したり、好みの音質に近づけたりするのが整音です。
ピアノを人にたとえると、調律でオンチをなおし、整調でしっかり強弱のついた声が出るようにして、最後に整音で潤いのあるやさしい声や力強く通る声が出るようにする、といったところです。
![]() ねじがゆるんで部品がずれたり、雑音がしたりといった軽症から、切れた弦を張り替えたり、弦を打つことによって変形してしまったハンマーを交換したりといった、中度・重度の症状があります。
![]() ピアノの内部のほこりを取り除き、空気の通りを良くするだけでも湿気による故障の発生が減少します。とくにグランドピアノの場合、鍵盤のふたの隙間から中にものが落ちやすく、ボールペンやメモ・クリップなど中に落ちたものに気づかずにいると、それが故障の原因になったりします。
![]() ピアノの外側の汚れやペダルなど金属部のさびを落とし、ワックスを掛けてピカピカにする作業です。
![]() 調律師の技術力や考え方は人それぞれ違うのが現状です。“こんなピアノではなかったはず” と悩んでいたり、“ピアノの音質が変わってしまった” “調整しても弾きやすくならない” など、ピアノの状態をもう一度見直して欲しいと思うユーザーのみなさま、お伺いしてアドバイスさせていただきます。
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