これは上の額帯鏡の改良品で、キリアンという人が発明し笠という人が改良した額帯鏡で電球を内蔵していますので、どんな狭いところも明るく見えて便利です。ただし長く使うと電球が熱をもっておでこをやけどします。
これは耳の穴をのぞく道具で耳鏡(じきょう、もしくはみみきょうと呼ぶ)です。どんなに狭くて曲がった耳の穴もこれでばっちり見えるから不思議です。耳の穴が大きくすぐ鼓膜が見えるひとには概して耳の病気がなく、狭くて曲がった人に病気が多いようです。
これは鼻の穴をのぞく道具で鼻鏡(びきょう、もしくははなきょうと呼ぶ)です。どんな美人でも、この道具を使えば鼻の穴のすみずみまでばっちり見えてしまいます。
これは舌圧子(ぜつあつし)と呼んで、これでベロをぐっと押し下げると、扁桃腺やのどのつきあたりが良く見えます。
これは後鼻鏡(こうびきょう)といって、舌圧子で押し下げたベロの奥にいれて、鼻を後ろからみる道具です。どんな美人でも、後ろの穴のかっこうはほとんど同じです。使用に若干の熟練を要します。
これは喉頭鏡(こうとうきょう)という道具です。この道具を使うにはまずベロを出して貰います。そのベロを右手で引っ張りながら”えーー”と声を出して貰っているあいだに左手でこの鏡をのどちんこのあたりに置くと、鏡に喉頭が写って見えるという代物です。これも若干の熟練を要しますが、喉頭ポリープとかがんとかは、専門医がみればほぼ1秒間で診断がついてしまいます。どんな美人でも喉頭の形が美しいとはかぎりません。
これは鼻咽腔ファイバーというもので、鼻、耳、喉などをのぞく装置です。先が自由に曲がりますので、ものかげにある病気もみつけてしまいます。胃カメラと同じ原理ですが、細くこぶりにできています。このためみかけより高価で、新米の医者の半年分の給料に相当します。
これは電子内視鏡(でんしないしきょう)というものですが、通称電スコ(でんすこ)とよばれているすぐれものです。このさきっぽになんとカラーCCDカメラがついていて、上のモニターにばかでかく画像がうつるしかけになっています。この画像を一番下のビデオにとって、その上のプリンターで印刷します。病気の部位が患者さんにもはっきり見えるので、都合のいい場合(患者さんに説明しやすい)と都合の悪い場合(病変がしっかり大写しに見えてしまう)があります。お値段は、ベンツのS500が1台買えるぐらいするという高い機械です。
これは針状鏡(しんじょうきょう)といって、太さは4ミリくらいの細い内視鏡で、耳の中や鼻のなかなどの細かいところものぞくことができます。これも新米医者の給料の半年分くらいする代物です(落とすと半年分の給料無しだぞ、というと新米の医者がびびって落として壊してしまうという)。中には真横が写るものもあり、側視鏡(そくしきょう)といいます。