霊山(600メートル)山麓の登山口から舗装された参道を登って行くと、その中腹
三六Oメートルの地点に霊山寺が建っている。伝えるところでは、和銅元年(708)、
山麓の稙田荘の豪族祐世がこの山中で十一面観音を感得、草庵を建てたのがはじまり
という。
その後、インド僧那伽法師が来朝された際、この山の姿が釈尊が法華経や阿弥陀経
を説かれたインドの霊鷲山にそっくりなのに驚き、「霊鷲山の一角が日本に飛んで来
たのではあるまいか」と、その奇しき因縁から伽藍を造営、「飛来山」の山号をつけ
たと伝える。
また、ここには、天台宗開祖である伝教大師最澄や弘法大師空海、慈覚大師円仁な
ども来錫され、弘仁五年(814)に伝教大師が再詣されたのを縁として、天台宗寺院
となった。
文永五年(1268)の火災で堂塔伽藍は焼失するも本尊は難をのがれたといい、大友
氏の外護もあって、その後一大祈願所として復興。また、天正年間(1586〜7)の豊
薩の乱で観音堂を残すのみとなったが、、元和九年(1623)、越前より流された松永
忠直(一伯)により、本堂、山門、鐘楼が再建された。
本尊は秘仏だが、毎月旧十七日にご開帳されている。
車・・大分市街地より大道陸橋北から大道トンネルを抜け、国道10号線に入り、
府内大橋を渡り、ホワイトロードより左折し、田尻入口より登山。