砲塔の構造

右図は戦艦フォーミダブルの12インチ主砲砲塔の構造である。

線は装甲、線は回転部分を表す。砲塔は上甲板に置かれており、甲板は5層をもって構成されていた。

いわゆる弾薬庫は第5層、すなわち最下部にある。従って、ここが火が通ると、火薬庫誘爆を引き起こし艦底に穴が開くことにつながり、すると、轟沈は免れない。

砲身は4度半程度上向きの状態で弾丸や装薬が装填される。これは、大口径砲の場合、大量の残渣が一発発射するごとに出るため、洗浄する必要があり、多少傾いた方が水で流しやすいためである。

弾丸は砲塔内(回転部分)下部に10発程度は在庫がもたれる。発射までどのような動きになるのだろうか?

まず、弾丸を天井を横に動く鉤につるし、水圧式(電気式もある)給弾機(砲塔内で斜め上方にあがっている)で閉鎖機の前面まで運ぶ。それをランバーと呼ばれる撞弾機をもって、砲身に押し込めるわけである。更に装薬筒も押し込め、俯仰手や旋回手が命令された位置に砲身を設定する。砲手が引き金を引けば、装薬に点火され、弾丸が発射される。

通常、サイクルレートは2分程度である。

ユトランド海戦でイギリス艦が3隻轟沈したのはいずれも、砲塔に撤甲弾が命中し、青線内が破壊され、更に、第二弾が再度砲塔に命中爆発し、そのまま第5層まで延焼して発生したものである。

ドイツ艦はこれを想定して第3層、第4層、第5層を細かく区切り、作業性確保のため延焼(誘爆)防止扉をつけた。第一弾が命中した段階で、その砲塔の復旧を断念し、直ちに砲塔下の扉を全て閉めるわけである。ごく簡単な手段であるが、イギリス艦より多くの命中弾を浴びながらドイツ艦が沈没しない主因となった。

またドイツはドッガーバンク海戦でブルーヒャーが転覆=沈没したことをうけ、転覆防止策として中央隔壁(船首から船尾まで縦に走っている船体仕切り)を廃止した。これは片舷に急速に水が入った場合、むしろ反対側に水がまわった方がよいという考え方である。イギリスのペケナムは日本海海戦を観戦して、中央隔壁廃止を提案しており、イギリス艦も徐々に、中央隔壁を廃止した。

しかしながら、日本の軍艦は太平洋戦争終了まで中央隔壁を維持した。これがため、重巡4隻がアメリカ潜水艦の一発の低性能魚雷のため撃沈されるという結果となった。ただ当時の重巡はトップヘビーの欠陥があり、それにも原因があったのだろう。ドイツの誘爆防止扉と中央隔壁廃止という沈没防止策について明らかになったのは、第二次大戦後、ドイツ海軍省文書が押収されてからである。


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